ときはバブル崩壊後の平成、経済も人心も燻ぶり続けていた頃。平凡な銀行員の家庭に育った武田信也は、荻原組の経済ヤクザ比嘉航平の妹・陽海と一夜をともにする。同時期に総会屋対策を担当していた父親が自殺。航平の追い込みと断じた信也はフェンシングの剣
で彼を襲うが、原因が航平と敵対する大和田組の企業舎弟・長尾の仕業と知らされて、ふたりは共闘して仇討ちを実行する。
信也が自宅で見つけたメモと写真を検察に提出したことで、組織がらみの恐喝と利益供与が立証され長尾は逮捕される。航平はその機に乗じて大和田組のフロント企業を揺さぶりをかけるが、その代償に陽海が航平の身代わりとなって葬られる。
営業不能に追い込まれた長尾の会社を大株主穂高から買い取った航平は、信也を投資顧問に据え名ばかりの外資系証券会社WGIを発足させる。911テロによる世界的不況の中経営は不振を極めるが、アメリカでトレーダー修行をした信也の英断で会社は好調に転じる。ITバブルの始まりだった。
さらに独自の情報源を手に入れた信也と航平は、荻原組の暴力を背景に雪だるま式に会社を発展させていく。だが信也自身は、何もかもうまくいくことに言いようのない倦怠を感じはじめる。さらにふとしたことから十年前の父の死に疑念を抱き、歪んだ願望を膨らませていく。
一方、陽海の遺子・瑠奈は年頃になり、育ての親の航平に敵意を抱くようになっていた。妹の人生を黒く塗りつぶした過去もあいまって、航平に悔悟と虚無感が芽吹く。
平成二十年秋、世界経済は百年に一度の危機を迎え株価が底なしの暴落を始めた。リーマン・ショックである。このクライシスを読んでいた信也は、WGIに逆張りを指示して会社を倒産寸前にまで
追い込む。指を詰めさせられ暴力装置の後ろ盾を失う航平。身一つとなった彼は生まれ故郷の沖縄に赴き、数十年前の亡霊に取りつかれる信也と対峙する。
ポーカー・ゲームで信也の全財産を巻き上げる航平だったが、信也が潜在的に求めていたゲームが命の張り合いであることに気づき、
谷あいに架かる吊り橋でサシの決闘に持ち込む。航平の破滅願望と信也の心の闇が共振し、ふたりは救いのない血闘へと向かう。
勝敗は決し、信也は手にした報酬を荻原組組長に献上することで
身の安全を図ろうとするのだが…。救われない魂の叙事詩。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-05 11:00:00
38566文字
会話率:46%
蛍は他を寄せつけぬ小国の姫として生まれ、自らを特別な存在だと信じていた。姫魅は平凡な家庭に生まれ、ありきたりな人生を歩んでいると思い込んでいた。孤独の中で貪るように生きてきた慰鶴は、欲しかったものがすでに手の中にあることに気付けずにいた。
すべてを失い、未来を追い求める蛍。
救われない過去と未来の間で懸命に今を生きる姫魅。
すべてを手にしながら、過去に縛られ続ける慰鶴。
全く違うようでどこか似ている彼らは魔法を通じて絆を深め、大きく成長していく。
魔法使いと非魔法使いが生きる「とある星」で繰り広げられる心と絆の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 01:29:04
289092文字
会話率:52%
世界は、“救済”された。
勇者セリオンの手によって魔族は滅び、秩序は保たれ、人々は歓喜した。
だがそれは、すべてを“選別”する世界の始まりだった。
神の名のもとに命を価値で測り、正義を語って粛清を行う、冷たい支配。
そんな中、すべてを失っ
たはずの存在――かつての魔王が、静かに目を覚ます。
闇の太刀を手にしたその男は、もはや悪ではなかった。
彼は知ってしまったのだ。
「正義」の名のもとに踏みにじられる、誰にも救われない命があるということを。
闇と光が交差するこの世界で、本当の「美しさ」とは何か?
奪われた仲間たちの想いを胸に、“魔王”は世界に問いを突きつける。
正義のために、何を犠牲にできるのか。
そして、救いとは誰のためにあるのか――
すべての“救済”に、終止符を。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-02 10:20:23
35748文字
会話率:34%
地球での討伐不能王の討伐実績。
異世界での魔王連合撃破、蟲星解決の実績。
数々の実績を持って向かうは新たな異世界、などというのは嘘偽りだ。
偉業に対する報酬にしては過酷な、大きな太陽が昇る黄昏世界で遭難する羽目になった主人公。
受難の中
でも彼はきっと誰かを救うのだろう。
……馬鹿馬鹿しい。
惑星表面に生きる程度のタカが一生物ごときが、よくぞほざく。
救えるというのであれば、救ってみよ。
既に私は黄昏だ。
もはや全てが手遅れだ。
それでも挑むというのならば、その果てに絶望しながら燃え尽きてしまえ。
前々作「魔法少女を助けたい」
前作「誰も俺を助けてくれない」もどうぞ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 22:42:09
686592文字
会話率:41%
個人的な信仰では素朴にキリスト教の真理であるイエスの復活を神から受けたのであるが、それを仏教的概念で枠組みとして捉え直そうという試み、仏教は信じていないが、釈迦は使徒よりは賢くそれに従う者もそうかもしれない。人間の追求したこの世が思い通りに
ならないのは何故かという点について、聖書は神が最終的に精算してくださると教えている。今信じなくても死後信じて救いが完成する者がいるかもしれない。信じる者は救われる。信じない者は滅びに至る。だが神の愛というのは一方的なものなので人間が信じることを選んでも救われる人も救われない人もいるし、信じられなくても救われる人も救われない人もいるかもしれない。その圧倒的な傾向として伝統的な聖書観で救いと滅びの二極化はあるだろうが、真理は真理なので最終的に全ての人が受け入れるだろうし、それを今信じる者には天の王国において報いを受けられるのである。祝福されないキリスト教徒も祝福される非キリスト教徒もいるかもしれない。ただし信じなければならないし、信じて天国に行くか信じて地獄に行くかの違いを除いてこの世の人々は競争しているのである。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-22 11:39:56
1229文字
会話率:0%
昭和から平成にかけてバブル時代とその後の争乱気を生き抜いた一人の証券マンが過労の末にこと切れた。
その記憶同じようだが明らかに違う世界の少年が悪夢で思い出す。
そこからこの物語は始まる。
平成で過労死した平田も悲惨な運命を生きてきた
本編の主人公村井宝塔も相当悲惨な境遇で生きている。
祖父に拾われ多すぐにその祖父は他界して天涯孤独……だが祖父の残した遺産により、少年は力をつけ人生に復讐を誓う。
祖父の遺産は金銭だけでなく、祖父の友人関係と、愛人の協力のもとに証券マンだった平田の知識を生かして力を蓄え復讐していく、経済ハーレム物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 09:50:53
114938文字
会話率:17%
どう読み上げようとも世界は終わる。
なら、地平に立ってみようと彼女は決めました。
これはどうあっても救われない神なし世の中での、ホラーの後に残った終末に語られる愛のお話。
以下に関係するお話のリンクを記していますが、特にご覧に
ならなくても問題なくお読みいただけると思います。
前作「口が裂けてもいえないことば」:https://ncode.syosetu.com/n1375gx/
前々作「口が裂けてもいえないこと」:https://ncode.syosetu.com/n2078ed/
この作品はハーメルン様、カクヨム様、自サイト(https://tyasobahitori.com/kudan)にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-09 22:54:59
9495文字
会話率:33%
この世には、生まれつき救われない形をした魂が存在する
最終更新:2025-06-02 17:40:07
827文字
会話率:44%
就職も、仕事も、思い描いていたものとは違った。
それでも、やり直す勇気もない。
パワハラ、セクハラに耐え、
心の中で「消えたい」と何度もつぶやきながら、
菜月は今日も、呼吸だけを続けている。
誰にも救われない孤独を抱えながら。
最終更新:2025-05-29 19:00:00
13444文字
会話率:11%
僕は同じ時間軸を、違う人間に転生してタイムループしている者だ。
ループは二周目。人生に至っては、同じ時間を三度目だ。
そうだな。仮に”特性追跡者”とでも名乗るとしよう。
最初の僕は、一周目の僕を知らず、彼らは今の僕を知る由もない
。
違う容れ物に入った、同じ僕。
最初の僕は危険な人間で、一周目の僕は、それを止めようと躍起になっていた。
今、僕は、その成り行きを見続けている。
もう関わりたくないんだ。わかるだろ?
しかし、何故だか、今の僕はテレビにも出て、ネットミームにもなっていたりもする。
もう以前の僕には関わらない。
そのつもりだったのに。
――僕は、この時間軸に魅入られ、呪われて、閉じ込められた。
これは奇怪で、奇妙で、滑稽で、救われない道化の話。
どうか、ご堪能されたし。特性追跡者、諸君。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-28 22:10:59
139683文字
会話率:19%
ナズナたちは“花芽瑠璃の救出”を目的に、仲間とともに決戦の地《黒曜石の円卓》へ向かった。
そこには、神代セリカが待ち構えていた。
彼女は語る──今の世界の不完全さ、救われない者たちの声。
「だから一度壊して、創り直すの」
その思想は狂気と
紙一重だった
最終決戦、破壊の王クルサルとナズナ達の戦いが今、幕を開ける折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 15:08:44
6568文字
会話率:27%
【主人公】
真白翔矢(ましろ しょうや)
高校2年生。国民的アイドル「七瀬あかり」のガチファン。
引退ライブ直後に事故に遭い、異世界へ。そこでは“推しそっくり”の少女が7人待っていた──。
⸻
【舞台】
異世界《リュミエール》
感情を魔
力とする人工次元空間。
推しの感情データを元に構成された“実験領域”であり、クローンたちは感情の器(セイクリッド・ヴィーナス)として存在している。
⸻
【ヒロインたち】
七瀬あかりの感情から分離された7つのクローン。
それぞれに自我と愛が芽生え、翔矢に「好き」と告白してくる。
•レナ:ツンデレ
•ミカ:ヤンデレ
•ユイ:クール
•ノア:癒し系
•リオ:ギャル
•カナ:武闘派
•セラ:お姉さん系
⸻
【物語】
「誰か一人を選ぶ」ことでしか救われない世界。
けれど翔矢は、“誰も選ばず、全員を想う”という選択を貫こうとする──
これは、選ばれなかった“推し”の涙と、“選ばなかった”愛の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 18:00:00
13089文字
会話率:33%
「英雄になった。
世界を救った。
なのに──誰も、俺たちを必要としなかった。」
戦乱を終わらせた青年・エイド。
賛美に包まれたはずの彼は、
いつしか恐れられ、忌み嫌われ、
そして、静かに追い詰められていく。
救った世界に、救われない。
そんな絶望を抱えながら、それでも彼は、守ろうとした。
【これは、英雄が”英雄であることを許されなかった”物語。】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-02 01:22:21
19142文字
会話率:9%
精神病を患ってから、家に引き篭もる主人公。
周りとの差を気にするあまり、心は閉ざされたままだった。
そんなある日、疎遠になった友人から連絡が届く。
自分だけが前に進めないでいる、この救われない気持ちが、一体誰にわかると言うのだろう。
最終更新:2025-04-13 12:00:00
2606文字
会話率:21%
※誰も救われないバッドエンドです※ 娘を無惨に殺された父・山川大志は、裁判で下された懲役十八年の判決に激しく憤る。被告人は殊勝な態度を装いながらも、最後には薄ら笑いを浮かべていた。
激しい悲しみと怒りを抱える大志だったが、気がつくと近所の公
園に立っていた。足元には、まだ喋ることもできない赤子の娘――茉奈の姿があった。
愛する妻と娘との幸せな生活の中で、どこかに拭えない違和感が残る。そして再び迎える、運命のあの日――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-21 20:02:18
9337文字
会話率:26%
私たちは主役にはなれない
傷に残るつもりもなかった
なのにどうしてこうなったのだろう
ある少年の勇者と、救われない大罪人がほんの少し関わった話を
最終更新:2025-03-09 14:01:00
41781文字
会話率:25%
輪廻転生
この世界の魂の数は一定の数の中で巡っていた。
ただし、現代社会においてその歯車は狂った。
その理由は単に医療の進化により救われない命が救われるようになった。こと。
その理由は現代社会において自ら死を選ぶ。早すぎるし死が増えたこ
と。
そのバランスを調整するのが私たちのお仕事。
そんな偉そうなことを言ってる私も何者でもない中途半端な存在。
この先、死神様になるのか生神様になるのか。
その選択はわからない。
現代社会の人間と一緒で私も答えが見つかるのだろうか。
そんな調整官ととある人間たちの出会いの物語。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-16 18:09:11
24139文字
会話率:2%
ある日、異世界に呼び出された3人、召喚された国によると、魔王が復活したらしい・・・2年前に現状、1年前には魔族が侵略を始めていてここが最後の国らしい
現状を聞いた勇者達は、3人だけでは魔王を倒すことは不可能と考え、仲間を集め勇者達は魔王を倒
す旅に出た
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-24 19:00:00
1515文字
会話率:60%
主人公の抱える感情の正体とは。そもそも主人公とは誰なのか。
キーワード:
最終更新:2024-12-21 01:20:39
2504文字
会話率:8%
暑い夏の夜。
今夜も昴は、隣人の佳奈とベランダ越しに短い会話を交わしていた。
そんな中、ベランダが鳥籠のようだと呟いた佳奈の言葉が心に残る。
それから彼女の姿が見えなくなった。
その真相を知った昴は、彼女が自由を手に入れたことを願い、夏
の空を眺める。
なろうラジオ大賞6
キーワード ベランダ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-04 12:10:00
998文字
会話率:35%
地元の寂れた遊園地にある観覧車。
その観覧車に、一人乗り続ける由佳。
そこでは、数年前に命を絶った恋人とだけ会える。
繰り返される会話の中で募る後悔と未練。
彼女は、いつかその思いを伝えられると信じて、また観覧車に乗り込む──。
な
ろうラジオ大賞6
テーマ 観覧車折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-02 12:11:29
999文字
会話率:22%