目が覚めると、そこは平安時代の宮廷だった。
しかも、俺は「光源氏」として生まれ変わっていた——。
俺は現代の日本で普通に生きていたはずだったが、ある日突然、異世界転生のような形で光源氏になってしまった。しかし、恥ずかしながら『源氏物語』の
内容はほとんど知らない。聞いたことがある程度で、どんな物語なのかもよくわからないまま、俺の新たな人生がスタートした。
けれども、これはただの貴族の優雅な恋愛劇なんかじゃない。政治、陰謀、嫉妬、策略——美しくも厳しい宮廷社会の中で、俺は「光源氏」として生き抜いていかなければならないらしい。
平安時代の貴族文化はあまりにも異世界すぎる。言葉遣い、礼儀作法、貴族の身分制度——何もかもが現代とは違う。最初は「まあ、なんとかなるだろう」と思っていたが、甘かった。俺は帝(みかど)の寵愛を受ける皇子でありながら、母の身分が低かったせいで、宮中での立場は決して盤石ではなかった。そして、ある日、俺の人生を大きく揺るがす出来事が起こる。
帝の正妻・弘徽殿の女御(こうきでんのにょうご)から、俺の母が激しく嫌われていたのだ。彼女の嫉妬と権力争いによって、俺の母は病に倒れ、そして——。
この時、俺は思い知った。これはただの恋愛劇なんかじゃない。宮廷という戦場で生き抜くためには、知恵と慎重さ、そして時には策略が必要だと。
しかし、俺は「光源氏」として、あの有名な女性遍歴を辿ることになるのか? それとも、俺自身の選択で未来を変えることができるのか? 物語の運命に逆らうことは許されるのか?
——これは、平安時代に転生してしまった男が「光源氏」として生き抜く物語である。
美と知略が交錯する宮廷の世界で、俺は何を選び、どう生きるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-28 19:00:00
6405文字
会話率:26%
宝石商人として働いていたレルジュは高額な成功報酬に目がくらみ、男爵令嬢として帝宮に潜り込んでの宝石鑑定を引き受ける。そこに待ち受けていたのは美貌の次期公爵ガーゼルド。彼に気に入られたレルジュは皇太子妃の侍女となり、帝宮で様々な事件に巻き込ま
れる事になるのだった。
宝石に込められた魔力が見えるレルジュと、彼女を取りまく帝国貴族達の宝石にまつわるドラマ、それと恋愛劇になる予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-28 10:58:19
350092文字
会話率:36%
帝国第一王女の侍女であるベルリージュはある日突然「血塗れ辺境伯」アスタームからの求婚を受ける。その事で帝都を追われアスタームに頼って辺境伯領に逃げる事を余儀なくされたベルリージュ。しかし色々追い詰められたその時、秘められた彼女の才能が爆発す
るのだった。
後に「暗殺者女帝」と呼ばれる事になるベルリージュと「血塗れの狼」アスタームの恋愛劇? を主体とした架空歴史物語。戦闘戦争シーン多数スプラッタなのでR15注意。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-12 18:09:08
148318文字
会話率:28%
正統派乙女ゲーム「オータムドリーム」蝶よ花よと淑女然と育てられたヒロインとヒーローたちが秋の実りのごとく恋が育っていくというコンセプトで作られたゲームだったが、実際はヤンデレ系のヒーローとライバルたちの過激な恋愛劇だった。しかし、メインヒロ
インであるミサ・ソルベは製作者(神)の予想など無自覚に捻じ曲げ、「もっと強くなりたい」という前世の願いを信念に我が道を行く。
武闘派系ヒロインが、恋愛よりもレベルアップとスキルアップに万進していく彼女はやがて、貴族や王族、果ては世界の運命すら捻じ曲げる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-27 12:00:00
518929文字
会話率:54%
主人公のレーナマリアは、西の小国エルトネイル王国の第1王女。エルトネイル王国の国王であるレーナマリアの父は、アヴァンジェル帝国との争いを避けるため、皇帝ルクスフィードの元へ娘を側室として差し出すことにした。「側室なら食べるに困るわけでもない
し、痛ぶられるわけでもないわ!」と特別な悲観もせず帝国へ渡ったレーナマリアだが、到着してすぐに己の甘さに気付かされることになる。皇帝ルクスフィードには、既に49人もの側室がいたのだ。自分が50番目の側室であると知ったレーナマリアは呆然としたが、「自分で変えられる状況でもないのだから、悩んでも仕方ないわ!」と今度は割り切る。明るい性格で毎日を楽しくぐうたらに過ごしていくが、ある日…側室たちが期待する皇帝との「閨の儀」の話を聞いてしまう。レーナマリアは、すっかり忘れていた皇帝の存在と、その皇帝と男女として交わることへの想像以上の拒絶感に苛まれ…そんな「望んでもいない順番待ちの列」に加わる気はない!と宣言すると、すぐに自分の人生のために生きる道を模索し始める。そして月日が流れ…いつの日か、逆に皇帝が彼女の列に並ぶことになってしまったのだ。立場逆転の恋愛劇、はたして二人は結ばれるのか?
➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-26 13:02:37
58608文字
会話率:52%
君は女の子になった親友と付き合えるか?
相川全智(まさとも)は魔術学院に通っていること以外は、至って普通の高校生。一方、彼の親友である高杉瑠東(ルト)は、学校一の不良にして学校一の天才魔術師。なぜか馬が合うふたりは、親友として『国立魔術学
院』に通っていた。
そんなある日、高杉は変なポーションを飲んで美少女になってしまう。肉体が変わってしまった所為で魂も女性化していく高杉に対し、相川はどんな答えを出すか。
中身はボーイズラブ、見た目は親友の男女同士の恋愛劇が今、始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-25 18:04:35
16612文字
会話率:61%
初投稿です!
あることをきっかけに中学3年生の中村陽太と富田夏織が関係をもちはじめ、2人なりに距離を縮めていき周りのユニークな友人たちと紡ぐしおらしさ愛おしさ120%の感動ありの青春恋愛劇です!
存分にお楽しみください!
最終更新:2025-03-24 10:00:00
61422文字
会話率:48%
教会で銀髪の修道女セリカは、ある日、正体不明の発作で、意図せず異性を誘惑してしまう。
ピンクに染まった瞳と髪にと惑う少女は、自分が他人とは違うことを意識し始める。
そこに訪れる旅人、に迷える自身の出生。 答えを与えに舞い降りる女神様。
日常を送る内に悪魔やら、天使やら大人同士の大恋愛に巻き込まれて自分を見失いかけるセリカ。
彼女は己の呪われた運命を受け入れる他にないことに心を蝕まれながら、抵抗することをやめないセリカ!
現れたのは自信の母を名乗る複数の女性達、彼女達が織りなす、ドロドロのハイファンタジーバトル異種族恋愛。 闘争果ては戦争か!?
ドラマチック恋愛劇からの大スケールバトルを描く、ハートフルハイファンタジー、娘を取り合う母親達、一体勝ち残るのは誰?
第二章開幕ーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 11:40:00
3593文字
会話率:13%
私がこの作品を創り上げていく上で、おぼろげながら抱いているイメージはある一人の女性をどう血肉化するかにある。要するに大地を離れずに如何にして独立した個人を表現するかである。もちろん、これでは何のことやらさっぱり分からないだろうが、正直私にも
分からないのだ。というのもこれから何が出来るのかそのこと自体がまったく分からないからである。そういうわけで、あらすじどころかあらすじらしきものすら思い描けないのである。まったくもって呆れ果てたことではあるが、それが実情である。しかし、あえて理屈めいたことを言わせていただけるのなら、それはわれわれが日々生きることとある意味同じであるということではないだろうか。つまり明日の自分がどうなっているのかおそらく誰にも分からないということだ。人生のあらすじはすべてが終わってから判明するしかないのだから。要するに創作も同じことで、一行先にどんなことが描かれるのか前もって分からないということである。もちろん、これは決していい加減な気持ちで書いているわけではないことは小説を書いたことがある人ならきっと分かっていただけるものと私は信じている。というわけで、弁解染みたことはこれくらいにしてさっそく本文に取り掛かろうと思う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-21 17:52:07
695798文字
会話率:64%
この物語は、ある青年の人生の門出に立ち塞がっていた問題、すなわち生きる意味という、つまり、ある時ふと気づいたらこの世に生まれ落ちていて、何のことやら分からぬまま生きることを強いられて苦悩するという、要するに、誰もが避けては通れぬが、それでい
て、まるで気にもされないという実に厄介で困った問題に巻き込まれて行くというお話しです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-24 19:10:10
169783文字
会話率:34%
少年兵は昼寝を邪魔された。
首席生徒ジンの眠りを妨げたのは次席の少女。人気者で端正な顔立ちの少女ミカナは、射撃訓練をサボったジンを見兼ねて連れ戻しに来た。ジンはミカナに昼寝をさせて事なきを得た。
後日上官にサボりを咎められ、ジンはミカ
ナと二人で未開拓地域の探索に挑む。
人の手が入っていない場所に小屋を見つけたその時から、ジンとミカナの仮初の家族生活が始まった。
舞台は技術的特異点後。人類とAIが戦争中。
首席の少年と次席の少女が紡ぐ恋愛劇。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-13 19:43:57
193191文字
会話率:37%
50歳も年上の男と結婚させられそうになり、命からがら家を逃げ出したシルヴィー。
なんとか大きな街にたどり着いたものの、飢えて倒れそうになってしまう。
そんな時、前世の記憶を思い出す。
シルヴィーの前世は久世早織。コンカフェ嬢だったの
だ!
たまたま親切な女性に拾われたシルヴィーは、彼女の営むカフェで働くことに。
しかし、そのカフェは経営難。カフェを救うため、
「新妻カフェ、というコンセプトはどうでしょう!?」
というシルヴィーの提案により、この世界では初の「コンセプトカフェ」がオープン!
そこへ訪れた無気力な冒険者・リュカ。
「君は俺の嫁でしょ?」「設定? コンセプト? なにそれ?」「さっさと俺と一緒に暮らそう」
いきなりシルヴィーを愛するようになったリュカは、シルヴィーを独占するため、どんどん冒険者として名を上げていって……!?
独占欲まみれの面倒くさがりイケメン×前世からのコンカフェ嬢のドタバタ恋愛劇、開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-10 17:54:36
42845文字
会話率:46%
子爵令嬢アメリアは、貴族学園での日々を「劇場」として楽しむのが日課。恋愛物語をこよなく愛する彼女にとって、学園の出来事はまさに生きた舞台であり、目の前で繰り広げられる貴族令嬢たちの恋愛模様を、劇のように鑑賞し、評論することが最大の楽しみだっ
た。
そんなアメリアが目をつけたのは、平民の出自ながらも男爵家に引き取られたリリア嬢と、王太子エドワードの関係。ある日、庭園で風に舞う本を拾おうとしたリリア嬢を、偶然にも王太子が助けたことをきっかけに、二人は急接近。その光景を目撃したアメリアは、「これは恋愛劇の幕開けですわ!」と歓喜する。
学園の生徒たちの間で、王太子とリリア嬢の噂が広まり、嫉妬に燃える公爵令嬢クラリスとの対立が勃発。アメリアは毎日、学園で繰り広げられる愛憎劇を観察し、まるで脚本家のように未来の展開を考察するが……。
果たしてこの恋の行方は、王道恋愛劇のような結末を迎えるのか? それともアメリアの期待を裏切る、意外な展開が待っているのか?
これは、学園を舞台に繰り広げられる、恋と波乱の「学園劇場」を誰よりも楽しむ令嬢の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-22 10:43:16
12545文字
会話率:41%
滋賀県の小さな湖と大きな湖で繰り広げられる恋愛劇。
最終更新:2025-02-15 21:43:06
3979文字
会話率:37%
資本主義と噛み合わない男の恋愛劇。
最終更新:2022-03-02 22:07:32
36387文字
会話率:60%
You’re fired! (お前はクビだ!)
から始まる恋愛劇。
女王らしくない! と、身に覚えのある罪で王籍を剥奪された第8王女のアン=シャーロットは、北の果てにある修道院に飛ばされる。
しかしそんなことで挫けるような性格ではなかっ
たアンは、持ち前のセンスでこの試練を乗り越えると、自らをこんな境遇に追いやった元フィアンセ、サイラスと対峙する。
想定外の展開に焦るサイラス。
あれ? どうしてこうなった?
オレはただ昔の彼女に戻って欲しかっただけなのに……
一体何をどうしたら、そんなことになっちゃうの?
お互い想い合っているはずなのにちっとも距離が縮まらない異世界ファンタジーラブコメ、ここに開幕。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-08 17:34:20
47014文字
会話率:38%
異世界転生(ちょっとイレギュラーな転移)したら望んでいた女性化だったり
どうも世界は自分が執筆中の小説の世界
そのうえ異世界の住人は私が世界の創造主と知っていたり
現世に残してきた恋人と再会を夢見ているが実現できるのか
もう何がなんだかの状
況の異世界に離れ離れになった二人のドタバタ恋愛劇
シリーズの最初は異世界でなく現実世界のちょっと変わった恋愛ストーリーが中心になります
異世界が中心になるのは少し先になります折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-28 18:05:36
715005文字
会話率:72%
キノコに夢中の町娘ピノコは、自宅の庭で運命的な出会いを果たす。
人間とヒトならざるもの、その狂気の恋愛劇が今はじまる。
※普通の恋愛物語ではありません。恋愛ホラーシュールコメディです。
最終更新:2025-01-13 11:23:31
3856文字
会話率:36%
魔獣に襲われた魔の森で、ステラシアは星のような男に助けられた。
淡い金髪に銀が混ざった紫の瞳。甘い顔立ちは寄せられた眉のせいで少しだけ近寄り難く。大きすぎる「魔力」と「星の力」を持つポーラリア星王国の第一王子アルトラシオンは、なんでもかん
でもこなせる優秀さを持っているくせに、生まれてすぐに授けられた予言のせいで少しだけ倫理観が歪んでいた。
問答無用でアルトラシオンの側仕えにさせられたステラシアは、憮然としながらも、使用人とは言い難い待遇によって快適な生活を送ることになる――って、それはちょっとおかしくない?
側仕え期間は1年。目標はアルトラシオンを満足させること。報酬は行方不明の師匠の捜索。条件は朝晩の身支度と公式の場へのパートナーとしての出席。
そして、失敗は――無期限の期間延長。
「死にそうになってるなら、殺してやるのが『愛』ってやつなんだろ?」
「殿下、ハッキリ言いますけど、そんなものは絶対に『愛』じゃないです」
「なら『愛』とやらがなんなのか、おまえが俺に教えてくれ。側仕えだろ」
「え――? えぇぇ、とぉ……」
ふたりは徐々に惹かれ合っていくけれど……。
わたしにはなにも無い。だから師匠さえいればそれでよかった。それでよかった――はずだったのに。
「俺が助けたいと思ったのは、ステラシア――おまえだけなんだ」
ハイスペック倫理観少々ぶっ壊れ王子×ハイスペック庶民的記憶なしお嬢さんの恋愛劇折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-15 21:10:00
49821文字
会話率:32%
もし今日生きる世界が明日に繋がらないとしたら……あなたならどうしますか?
平坦で窮屈な毎日がガラリと様変わりして人知れず悦びます?
あるいは、充実した日々を何の脈絡もなく奪われて涙します?
この青年、ごく普通の高校生:水奈 亮(17)は
現在まさにそんな状況下に置かれている。
『昨日』と同じような『今日』を過ごし、『今日』に似た『明日』を迎える、そう信じていたのに……
◇◇◇
『昨日』に通じるようで通じない世界。突如襲来した謎の存在:外来生物により既存の秩序・規則が崩壊し、人類は新たなる国家・制度・価値観のもとに生まれ変わろうとしていた。それは日本とて例外ではなく、実質的な首都:東京と人口の約60%という尊い犠牲を払いつつも、新たなる首都:神奈川県新都小田原のもとで立ち直りをみせていた。
しかし、そんな日々をまたしても危機が襲う。5年前に世界の理を強制的に変えた存在、外来生物が首都近くの海域:日本のEEZ域内に侵入したのだ。
突然の出来事。『昨日』とは全く異なる状況から逃れることも戸惑うことすらも許されず、ごく普通の高校生は『昨日』とは少し違う親友と全く異なる幼馴染らとともに、迫り狂う『滅亡の再来』に対し特殊装甲ARMAで挑む! それが人類に与えられた【最後の希望】だと告げられて……
◇◇◇
現代世界に似た世界を舞台にしたSF長編作品。異世界転移を基本ベースにしつつ、ロボットアクションに、政治的な駆け引きに、早熟で未熟な恋愛劇にと、自身が好きな要素を「これでもか!」と加えています。登場人物が割と多めですが、主役・準主役以外にもスポットライトは当てるつもり。毎回いろんなことを調べながら記しているので更新は週1程度ですが、どうぞ最後までお付き合いませ♪
※日頃よりのご支援・ご愛顧ありがとうございます(*'ω'*)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-03 07:21:13
114828文字
会話率:45%
とあるひとりの男の趣味、ツイッター。そのツイッターから始まる恋愛劇、それが「脳内彼女」である。
キーワード:
最終更新:2024-11-26 17:18:21
33643文字
会話率:39%
――夫の隠し部屋は“私”であふれていた。
愛が重すぎる夫と、それに気づかない異世界転生妻の、勘違い恋愛劇。
最終更新:2024-11-15 07:10:00
18146文字
会話率:30%
これは「青い月の少女、愛した君に捧げる歌を奏でる物語」というゲームの話ではないと思います。
そう言うのには訳があります。
誰よりも、私がこのゲームを愛しているからです。既に、シナリオは100%達成していました。全てのシナリオをクリ
アすると、突然、一人の少女の声が聞こえてきたのです。
本当に、それは突然のことでした。
気が付くと、悪役令嬢の物語が始まろうとしていました。
その少女は悪役令嬢として登場していたらしいのです。しかし、全てをクリアした私ですら思い出せないほどの脇役のキャラでしかなかったのです。ただのモブキャラだと思っていました。しかし、その悪役令嬢の声が聞こえ、そのゲームが全く別の物語を紡ぎ出そうとしていることに気が付きました。
どうしてこんな話が始まってしまったのか。ゲームの内容が竹取物語をモチーフにした、月の姫である主人公と太陽の王子との恋愛劇であったはずです。攻略対象には勇者の子孫や別の王国の若い国王、幼馴染みの美男子たちがいます。それなのに、シナリオを達成してみたら、悪役令嬢の声が聞こえて、全く別の物語が始まろうとしているのです。
何が起きたのかと思い、ぼんやりと眺めていました。しばらくして、私はこの悪役令嬢の破天荒さに腹が立ってきていました。当然のことではないかと思います。さっきまで美男子に愛の告白をされ、すっかり浮かれていたのに、現実世界に戻ってきてしまったような気がしていたのです。本当に辛いことです。さらに、この悪役令嬢は私の幼馴染みにそっくりなんです。わがままで、自分勝手なところも。いったい、どうしてこうなった!! そう叫んでしまいそうになるのを抑え、感情的になりながら、私はゲーム会社に文句を言うために電話をすることにしました。きっと、私のことをクレーマーだと思うんでしょうけど…。
しばらく、私はクレームの電話をしていました。その時、ふと、これは夢ではないかと思いました。もしかしたら、誰かの夢の中に迷い込んでしまったのかもしれないと思いました。不思議の国のアリスのように、迷いの森の中に落ちてしまったような気がしました。
きっと、これは悪役令嬢の夢なのだと思います…。
そうなのです…。
だからこそ、私は全てを終わらせようと思ったのです…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-27 19:20:00
113666文字
会話率:44%