比野 雪菜は友人無し恋人無し、長年家族とも疎遠な日本に住む一人暮らしの平凡な平社員だった。
ある日何の前触れも無く、彼女は目が覚めると美しい侯爵令嬢に憑依していた。
どういうわけか身体の持ち主の記憶を一部共有されていたおかげで生活に支障はな
いものの、衣服や宝石、建物の造りは中世の西洋に似ていたが、比野が知る世界史との違いと憑依した事から異世界へやってきてしまった事を悟る。
多少の生活の不便さは早々に受け入れたものの、食事内容に関しては大きな不満を感じていた。
比野が憑依した侯爵令嬢の住む国では、香辛料は貴重かつ入手困難だ。それ故料理の味付けがとにかく薄い。またこの国の人々は食に対する探求心も無い所為で、認識している食材の種類が少なかった。すぐに日本での食事を恋しがるようになり、食欲を満たす為に大胆な行動を取るようになっていった。
また、異世界での生活が長くなるにつれ、身体の持ち主である侯爵令嬢の抱える様々な悩みも徐々に明らかになっていく。
他者との関りに消極的で休日は家に引き籠るばかりだった筈の平凡な平社員の人生が、憑依をきっかけに周囲に影響を与えながら大きく変化し、美味しいご飯を求めて革命を巻き起こす。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-23 18:18:35
196524文字
会話率:52%
「空を飛ぶ鳥を見て『ああっ、自由だ』って思ったんだ。だから……」
少年はただひたすらに空に憧れ、ガラクタの翼を携えて大地を蹴った。
「いつか、きっと、絶対ぜったい、僕の造ったこの翼で空を飛ぶんだ!」
少年の名はテテン。
御年十六
歳。身長体重ともに平均値よりやや低め。
職業、修理工。
頑固者の祖父と酒飲みの父とお調子者の弟と、男ばかりの四人暮らし。
友人少なめ、恋人無し。
趣味、ガラクタ集め。
夢、空を飛ぶこと。
周りの人から馬鹿と言われ、空想屋と言われ、掴み所が無いと言われて、
ついたあだ名が“空っぽ頭”
「草原を駆ける獣を見て『ああっ、生きている』って思った。だから……さ」
彼の者は大地の雄大さに焦がれ、自前の翼を折りたたみ、不器用に足を伸ばした。
「ただ見送り続けるだけの毎日。そんなモノに何の価値がある。大地を蹴って、俺は生を実感したいんだ」
彼の者の名はアザナミ。
境界に生きる者。
行き交う者達の案内人。
背中に翼を持つ浮遊人。
彼は退屈していた。
堂々巡りの毎日に。
どこまでも広がるだけの、何も無い“空”に……。
さぁ。物語を始めよう。
空を目指す少年と、大地に焦がれる彼の者と、境界を越える魔女の物語を。
彼等の交わる、その先の物語を……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-09 00:51:42
146658文字
会話率:36%
古市家の妖怪事情について。
1.社会人歴八年。恋人無し。三十路まで残り数日。そんな俺の家に、やけに笑顔輝く女子高生が「今日からここに住みます!」などと抜かして押し掛けてきた。初対面だ。そのはずだ。しかし彼女は「忘れちゃったの?」と言ってき
て……。【かぐや姫は自力で月から戻る】
2.どうも、半人前の雪女です。男を騙して一人前になるために、絶賛雪山中です。こんな慣習、このご時世に有り得ないと思います。めでたく全敗記録を更新し……たと思いきや、まさかの再会、逆プロポーズ成功で夫婦に、ってなんで!? あっ、指、溶けてる。【約束を破ってもらえない雪女】
3.高校二年。仁には気になる女子生徒がいる。跳ねたり震えたり不思議な行動をしているのに、周囲の人間はまるで見えていないように振る舞う。ただあくまで行動が気になるのであって、決して惚れた腫れたの話ではない……はず、だったけど。【目立ちたくない座敷童】
4.私はある秘密裏の組織・野良妖怪団体で働いている。ペアを組んでいる後輩がやたら軽い調子で絡んでくるため、困り果てていたのだが、どうも思いの外、真剣だったようで……?「ねえ、先輩、俺はいつまで、あなたにとって子どものままなんですか」【こんこん様を、差し上げ候】
――つまりはそれは、なにかと妖怪に縁のある古市くんと、ワケあり妖怪さんの恋愛事情。
◆4章は2021年8月下旬より、隔日更新予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-07 09:00:00
133853文字
会話率:44%
「共に憎き『天界』から世界を救おうではないかッ!!」
親無し友無し恋人無しのチンピラ高校生樋田可成。ヘタレと卑屈と極めるクソヤロウでありながら、その胸に不相応なヒーロー願望を有する彼は、ある日天使を名乗る謎の超絶美少女から中途半端な時間操
作能力と、世界の救済というとんでもない重責を押しつけられてしまうことになる。
天使と異能者が跋扈する現代日本を舞台に、外道が邪道に王道を往く厨二バトルファンタジー。主人公たりえない者が主人公になろうと血反吐吐いて足掻いていく――――そんな更生物語が今始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-30 09:43:04
1028497文字
会話率:30%
剛田光、18歳、高校三年生。
恋人無し、勿論童貞。
自慢できる事はないけど、普通の家族、普通の友達、高校もそれなりに楽しい所だったが、下校中に突然ひき逃げにされ、死んだようだ。
その死んだようだ!と言う言い方は、一瞬の事だった為、痛みもな
く即死だったから、あまり自覚が無いのだと思う。
人間、誰でも必ず一度は経験する事が2つある。
生まれてくる事とそして死んでしまう事。
短い人生だったなぁ~、彼女欲しかったなぁ、あ、俺童貞のままじゃん。と色々思いながら……………え?思いながら?
そのあと、眩しく光に吸い込まれて、知らない場所に立っていた。
まわりは白一色。何がなんだかわからず、何故かその場をうろうろしていたら、光の粒子があらわれてそして集まって人型になっていく。
段々と光も収まり、人の菅田があらわれた。それは今まで見たことのないほど綺麗な女性だった。
その女性が話だした。
「剛田光さん、本当にすみませんでした。」
は?
俺は何の事かわからず、話を続けて聞いていた。
「剛田光さん、こちらの手違いで貴方に迷惑をかけてしまいました。本当にすみません。」
「あ、あのうここはどこですか。それから貴方は……」
お、しゃべれた。
「剛田さん、ここは天界です。そして私はあなたの担当をする魔法神女神、ナナといいます。」
「はいっ?俺の担当?女神?」
「はい。剛田さんの担当女神ナナです。」
「ちょっと聞きたい事が………」
「はい、どうぞ何でも聞いて下さい。」
「俺ってやっぱり死んだんですか。」
「はい。そうです。これから貴方は別の世界で生活をしてもらいます。」
「はいっ?別の世界? 」
どうやら、何かありそうだ。
女神が直接話すなんて、そして俺の担当女神ってなんだ?
こうして、先のわからない異世界に行く事になっているらしい。
こんな事って本当にあるんだ。
しかし、担当の女神ってなんか役所的な感じがする世界だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-18 21:07:17
70512文字
会話率:55%
中高一貫校、影春学園。
そこに通う生徒の一人、黒瀬影莉は少し変わった生徒であった。友達ゼロ、恋人無し、学校内での会話も殆ど零のぼっち。
似非ぼっちなどではなく、本物のぼっちたる彼はただ独りで過ごす学園生活を、脳内で愚痴り、怒り、歓喜する。
これはそんななんてことはないぼっちの日常を綴る物語。
――――な訳がない。
孤高の存在、黒瀬影莉。彼は特別な存在である。
異端である彼は、孤独で過ごす者の憧憬の眼差しを一点に受け、孤独で過ごす者を救済していく。
それは完全無欠の生徒会長。あるいはおどおどした消極的なクラスメイト。はたまた忍者の末裔。
これは、彼――黒瀬影莉の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-11 00:00:00
155122文字
会話率:25%
自分のことを平凡だと思ってるけど実はイケメンハイスペリーマン35歳恋人無し は優良株だと思われるのに何故まだ独身なのか。
*すぐ読み終えられる短編です.
【注】過去の独白です。
【注】切ないです。
最終更新:2020-03-22 00:05:28
2362文字
会話率:7%
「人類をジャッジしてください!」
ハリウッドスター顔負けの、まるで全盛の頃の男性はオーランド・ブルームそっくりさんと女性はキャメロン・ディアスにそっくりさんな外人カップルにストーカーされた揚句、埼玉の自宅まで押し掛けられた今時のご時世でリ
ストラされた40代独身、現在恋人無しのどん底中年オヤジこと工藤潤が突然!超シュールな世界へと巻き込まれる、SFナンセンス&冒険アクション?エンタテインメント。
謎のハリウッドセレブみたいな彼らは一体何者?人類を遥かに凌駕した超テクノロジー&UFO襲来?人類を救うことが出来るのは現在失業中の冴えない中年男こと工藤潤なのか?
米中貿易摩擦によって世界の経済が、まるでリーマンショックの再来を懸念するなか、経済斜陽国日本で突如現れた謎の麗人達に巻き込まれた中年男・工藤潤は、埼玉から日本全国、はたまたアメリカ政府やホワイトハウス、さらにはヴァチカン?までも巻き込んで行き、その結末は果たして・・・
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-18 10:16:00
77095文字
会話率:27%
10年前、多くの者から勇者と称えられ魔王討伐に赴くも成し遂げれなかったユミルは、冒険者を廃業して適当な街で悠々自適に過ごしていた。
ある日、10年前の勇者を捜す金髪の美少女が現れる。
「よろしいですか勇者様、このままでは32歳、無職
、独身、恋人無しです。つまりいつ死んでもおかしく無いっていう状態ですよ。しかしです。ここに勇者という肩書さえあれば32歳勇者というなんともギリギリではありますが、ステータスを彩ることができるのです」
それを聞いても全くやる気が起きない元勇者に少女は言ってみせる。
「必ずその気にさせてみせます」
勇者の復帰を熱望する少女と、隙あればぐうたらと過ごしたい元勇者の冒険が始まる。のかもしれない。
1話:主人公とヒロインの出会いの話です。
2話:中間管理職の奮闘です。(1話とセット)
3話:城勤めのサブ主人公の話です。
4話:先輩が後輩の面倒をみる話です。(3話とセット)
5話:勘違いから始まるギャグパレードです。
6話:ちょっと切ない別れの話です。(5話とセット)
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【重要】1話と2話で1セットの構成です。できればこの作品らしさは2話なんで、2話までは読んで欲しい……。
【状況】6話まで完結しています。7、8話は執筆中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-17 18:31:19
158565文字
会話率:41%
29歳で恋人無し、仕事は微妙、ただなんとなく毎日を送る優里のまえに、ひとりの男が現れた。
みすぼらしい格好に高級バック。見るからに怪しげな男は、引っ越しの挨拶にと一冊の本を差しだした。彼には大きな秘密があって…、
その瞬間から、優里の単
調な日々が大きく動きだす。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-04-30 13:57:57
32396文字
会話率:58%
クリスマスに恋人がいない人達に見て欲しい、バカで少し笑える少年のクリスマスでの“恋人廃絶宣言”の話。
最終更新:2006-12-13 15:49:17
612文字
会話率:16%