祈ることすら、許されなかった。
異端者とされた青年は、教皇と契約を結ぶ。
――これは、正しさに傷ついた者たちの記録。
「祝福」は神の力、「禁呪」は異端の力。
教会がすべてを支配する世界で、
少年教皇と異端の青年は、ある契約を交わす。
主
と従者。
信頼か、支配か。
共犯か、救済か。
言葉、名前、信仰――すべてに意味がある物語。
静かで深く、じわじわと壊れていく教会の中で、
彼らは何を選び、何を守るのか。
※本作はフィクションです。実在の宗教・信仰とは関係ありません。
※カクヨム・Talesにも掲載中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 23:00:00
29849文字
会話率:29%
その記憶は、まだ私の中で羽ばたいている。
天井の穴、桃色の鳥、記憶の中の「彼」。
これは、夢か現実か。夢から覚めても確かにそこにいる——。
幻想と記憶をめぐる、自己救済の物語。
最終更新:2025-05-14 22:43:45
5122文字
会話率:17%
「死体が、笑っていた。
その顔が、私だった気がした。」
高校に通う秋月しおりは、ある日“自分の死体”らしい夢を見る。
夢の中の死体は、顔がぼやけ、名前も記憶も曖昧なまま、ただ制服だけが“自分”を思わせた。
悪夢として片づけようとするしおり
だったが、その夢は繰り返し訪れ、やがて現実を侵し始める。
恋人の朝凪みつきは、しおりに微笑みながら、少しずつ彼女の生活や外見を“真似”し始める。
「おそろいだね」「これが、愛だよ。ね?」──愛情を囁くその声はやさしくて、どこか冷たい。
一方、親友の篠森灯花は、しおりの異変に気づきながらも何も言わず、ただ傍に居続ける。
夢に見た死の光景。
それが“未来”なのか、“過去”なのか、しおりにはわからない。
ただ確かなのは、何かが少しずつ狂い始めているということ。
やがて、夢の中で見た“死体の構図”が現実に重なり始めるとき、
三人の関係は愛と執着と狂気の果てに、静かに、確実に崩壊へと向かっていく──。
すべてが重なったとき、最後に聞こえるのは、
あのやさしくも残酷な囁き。
「これが、愛だよ。ね?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 06:00:00
90159文字
会話率:12%
27歳のコンビニ店員、影山智は夜勤を終えた後、東京の街を彷徨う日々を送っている。ある深夜、彼は路地裏で起きた強盗事件に遭遇する。その瞬間、影山の鋭い観察眼と冷徹な判断力が明らかになる。
事件を巧みに収束させた影山だが、彼の行動には謎が残る。
なぜ警察に通報せず、さらには犯人から財布をすり取ったのか。影山の内なる声が、人間の本質と社会の闇について語り始める。
夜が深まるにつれ、影山は不可解な出来事に次々と巻き込まれていく。古びた占い店での不思議な予言、そして自分の影が意思を持ったかのような動き——。これらの出来事は、単なる偶然なのか、それとも何かの前兆なのか。
影山の周囲で起こる謎めいた現象と、彼の鋭い洞察力が織りなす心理的駆け引き。そして、彼の過去と現在、さらには未来への不安が交錯する。
夜明けが近づく中、影山は自身の内なる闇と向き合うことを余儀なくされる。彼が追い求めているものの正体とは?そして、彼の前に立ちはだかる「鏡像」の真の意味とは——。
真夜中の東京を舞台に、一人の男の内面を通して人間の本質と社会の謎に迫る、心理推理小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-15 22:08:06
7420文字
会話率:32%
そう遠くない未来、人々にとって宇宙は、未知の空間から未開の土地へと変わっていた。国家の枠組みは取り払われ、企業の台頭により巡る世界。
国と国、思想と思想の対立は企業と企業の対立と化し、結果的にだが。
世界は、再び焼かれていた。
技
術の発展により企業は人類を宇宙へと連れ、国家という枠組みは形骸化していく。国が力を持つのではなく、企業が国を支える時代が来てしまったのだ。
技術の発展は戦争の在り方も変えた。ifと呼ばれる人型兵器の登場により、現代戦の様相は大きく変化し、また規模の大きいものとなっていった。
更にBFS、バイオフィードバックシステムの登場により、本来ならば守られてしかるべき少年少女までもが一兵士として存在を余儀なくされる。
歩兵同士の白兵戦ではない。互いに機械に乗ったまま、相手の死を実感することなく、迷うことなく戦術目標を制圧していく。
それはある種理想的なシステムであり、大した訓練も無しに新兵をプロフェッショナルへ変える魔法のような存在だったが。気付いてみればそこには子ども同士が銃を向け合う地獄のような戦場が広がっていた。
2070年を舞台にした、少年と少女の物語。
とある事情からif操縦兵として従事している少年、リオ・バネットが、偵察任務の際、遺跡で得体の知れない少女と出会う。
自分という物の所在も分からない少年が、言葉も在り方すら分からない少女の手を握る。
少年と少女を中心に、焼かれた世界はゆっくりと動き出していく。
※
月間更新、大体15日前後を目安に更新しています。更新時は活動報告やTwitterでその旨を流していたり。
俗に言うリアルロボット物ですが、少しファンタジーな部分も。ロボットやミリタリー、戦争というワードにときめく人にはばっちり合うと思います。
何と表現したらいいのか悩み所ですが、web小説というよりも‘小説’が、‘物語’が読みたい、という人にも合うかなあと。好きな人は好きだろうと思われる、そんな癖の強い作品に仕上がっています多分。
御意見感想、誤字脱字などなど、気軽に報告どぞ。メッセでもコメントでも何でもどぞ。どきどきしながら確認します。
ではでは、楽しんで貰えたら幸いです!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-15 19:40:41
1654803文字
会話率:35%
国を巻き込み成長する、男として生きる女の話。
◆ ◆ ◆
軍人風の男ロクシアに、「男」として育てられた主人公リュカ。
隣国エーベルハルトへ旅をしている途中、国境付近のレイモンド村で、
突然ロクシアが失踪する。
村での生活に慣れた頃、リ
ュカの元へ一通の手紙が届く。
それは、ロクシアから男ばかりの士官学校へ誘う内容だった。
様々な人との出会いを通じて成長し、自分が何者であるかが明らかになる長編ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-10 16:46:46
650142文字
会話率:20%
【Crônica】:クローニカ、クロニカとも。ポルトガル語源で、ラテン語の[chronica]から派生した言葉。主に新聞や雑誌など、定期的に発刊される媒体で連載される小説で、日々の出来事や情景を芸術的に綴った物、あるいはその日のニュースを基
にしたフィクションやエッセイのような形式の物など、一口にCrônicaといってもその内容は多岐に渡る。一部の国で独自に発展した形態ながら、もとより詩的である日本語との親和性は高いと思い、執筆を試みました。テーマは「曇りの日の憂鬱な買出し」。このテーマに共感を持ってもらえるかは不明ですが、ぜひ一度目を通して、このCrônicaという分野を少しでも知ってもらえれば幸いです。その上でご感想をいただければこれ以上嬉しい事はありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-09 10:41:03
3913文字
会話率:6%