昭和7年。
横浜の山下公園には不思議な噂があった。暗くなると赤い靴を履いた女の子が行方不明になるのだ。
フェリス女学院の初等科に通うはるこの級でもその話で持ちきりだった。噂に興味を持った級友の愛里ははる子が止めるのも聞かず1人赤い靴を履
いて山下公園へと向かう。翌日愛里は行方不明になってしまった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-10 18:04:30
8391文字
会話率:55%
未華子は、二十歳。専門学校に通っている。学校が終わるとアルバイト先である個人経営の店【和食処 悠の里】へ直行する。その店の親方は、最寄り駅の商店街で和食店を古くから営んでいた。
ある日、親方は、辞めていった板前の補充をするつもりで、駅の
掲示板に求人広告を出した。それを見てやって来たのが善幸だった。
彼は二十三歳。高校を卒業し、職に就くも興味が持てなかった仕事は潔く辞めてしまう。一言でいえば、忍耐力に欠ける青年だった。
ところが、この店で見習いとしてひと月が過ぎた頃から、魚の捌き方に興味を抱くようになる。包丁など手にしたことがない彼が〝俺は料理人になる!〟と決断したのはこの頃だった。
ある日、事件が起きた。それは、善幸にとって〝なんでもない普通の女の子〟から、異性を意識させるステージへ格上げしなければならないほどの突発的な出来事だった。
未華子は、奥まった小上がりで、衝立て二枚を引き寄せ接客用の着物に着替えていた。突然、パーンッ、パーンッと、二度ほどケツを杓文字で引っ叩くような音を立てる。衝立てが倒れたのだ。露わな下着姿を善幸だけに見られてしまった未華子……。
ある日、未華子は善幸をデートに誘った。東京駅で遅い昼食を済ませ、夜景のきれいな【港の見える丘公園】へと向かった。その途中、山下公園に立ち寄る。山下公園を散策しながら、彼女は自分が大動脈弁膜症で、いずれ大手術を受けなければならない身体であることを打ち明ける。
その後、向かった【港の見える丘公園】では、複雑な家族関係であることをも話してしまった。今となっては、すべてを一気に話してしまったことを後悔した。ある日、親方が病で倒れ止む無く閉店した後、善幸からの連絡は途絶えてしまったからだ。
最初で最後のあのデートから一年が過ぎていた。
山下公園の桟橋に艫と舳を身動きできないように錨泊されている氷川丸。その姿を、未華子はひとりベンチから見据えている……。
善幸は親方から紹介された店で見習いとして再び働きはじめていた。その店で、精神力と忍耐力を身に付けようとしているのだろうか。ともあれ一端の料理人になるために頑張っているに違いない。
でも……もう迎えに来てくれてもいいのでは? と未華子は“ある覚悟”を持って待っていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-28 09:18:53
168449文字
会話率:38%
名探偵 羽黒祐介と天正院大学の胡麻博士は、横浜の中華街にやってきていた。青島飯店の主人の浮気調査の結果を伝えに来たのだ。ところがその夜、山下公園付近の茂みから女性の遺体が見つかる。元交際相手の男が最有力容疑者なのだが、彼は事件当日、横浜駅近
くの喫茶店にいたという完璧なアリバイを有していた。羽黒祐介は、横浜を舞台に、彼のアリバイを崩すことができるのか……?名探偵羽黒祐介シリーズの八話完結の短編本格ミステリー。アリバイ崩しもの。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-24 18:40:30
23449文字
会話率:51%
主人公の鏡未来はバレンタインデーの時、よその学校へかよっている多田綾子が行き先不明の黄色と白のバスに乗って行方不明なったと言う話を聞いて、クラスメイトの木村恵奈と矢野真紀と一緒に探すことにしました。
黄色と白のバスが向かった先は、変わり果
てた誰もいない700年後の自分たちが住んでいた街でした。
彼女たちが変わり果てた街で見たものは、横浜スタジアムが巨大な墓地になっていたり、山下公園が銃や戦車などが放置されていた状態になっていたことでした。近くにいた人に聞いてみたら、2年前に発生した「世界最終戦争」と言う大規模な戦争で多くの犠牲者が出たという場所だったと知りました。
他にも資料館や教会などで情報を集めることにしたのですが、果たして彼女たちは多田綾子を無事見つけることができるのでしょうか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-08 16:12:28
59906文字
会話率:63%
今週から僕がリモート勤務になったことで、妻の期限が悪くなった。
気晴らしに僕は平日の昼間からランニングをするために外に出た。山下公園を抜け、みなとみらいに向かう大さん橋のあたりで、全身白装束のランニングウェアに身を包み、キャップとサングラス
とネックオォーマーで顔を覆ってウォーキングをしている女を見かけた。前にも見たことがある。気になった僕はあとをつけた。
彼女はマンションの前で止まった。一人の男が彼女を待っていた。男は彼女に近づくと、離れた場所にいた僕を睨みつけ、いきなり彼女の頬にビンタをくらわせると、そのまま泣き崩れた。彼女はしゃがみこんで愛おしむように男に触れた。
DV男と依存症の女か、そう理解したらいきなり興味が萎えた。僕はその場から立ち去った。
その女の名前は奈美と言う。彼女の一連の行動には理由があった…。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-15 13:21:46
9543文字
会話率:38%
2011年3月11日・東日本大震災の日、谷川智子は2年前に亡くなった
亭主の事務手続きの書類に不備が見つかったと役所から連絡があり橫浜市役所
と神奈川県庁に行き、担当部署を回り処理し2つの部署で完了の確認をもらった。
その後、亡き、亭主との
思い出の山下公園を巡った。その時、向かいの少し
離れたベンチに座っていた初老の男性が「やー久しぶり」、元気と声をかけ
て来た。それでも、思い出せない。すると、
「俺だよ、俺、M中学の時、一緒だった、滝山恒夫だよ」と言った。
聞けば、仕事でアメリカに渡りアメリカ人女性と結婚したが仕事で日本に
帰って来る時、アメリカを離れられないと言われ、離婚したと言った。
そんな話をしていた午後3時前に急に地面が揺れ出し大きな地震が起きた。
その時に滝山恒夫が、こういう時は、安全で広い場所、そー、ここなら、
パシフィコ橫浜へ行こうと歩き出した。途中のコンビニで食べ物、飲み物を
買いパシフィコ横浜に入った。その後、夜10時過ぎに地下鉄が動き出した
との情報を聞き、みなとみらい駅へ行き、新横浜へ向かった。そして谷川智子
のマンションに入ると食器が散乱していたので、滝山が、かたづけて都市ガス
を使える様にしてお湯を沸かし、食後、風呂に入り、泊まった。翌日、滝山が
勤務してる会社の仙台営業所に連絡すると、橫浜営業所に出社しろと言われ、
橫浜営業所、勤務となった。その後、滝山は昔、好意を持っていた谷川智子に
求婚し、結婚を受諾してもらった。その後、日本国籍をもどし米国に残した
財産を精算した。その後、2人で新潟、北海道を旅した。その後、同窓会を
企画し旧友との親交を深めた。その後、谷川智子の長男から経済的支援を
依頼され、智子が応じたが、その後も数回にわたり支援要請を受けて遂に
彼女の全財産を渡した。その後・・・。あとは、読んでのお楽しみです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-13 17:34:58
20595文字
会話率:3%
毎週土曜日に横浜のみなとみらいをジョギングしている僕が出会った一人の女性。
ごく普通に仲良くなって、ごく普通に恋人同士になっていく二人。
でも、そこにはほんの少しだけ秘密が仕掛けられていた。
最終更新:2017-07-26 15:23:31
13420文字
会話率:21%
戦前、北米シアトル航路で運用され、今は山下公園に係留されている氷川丸の生涯を書きました。
最終更新:2017-07-08 20:35:43
1175文字
会話率:3%
社会人3年目になった村田直也。
アプリの企画を考える、彼はある日から
『桜木町』に転勤になる。
桜木町は、彼にとって思い出の地。
直也は、大学四年間『自主映画』を撮っていた。
横浜、桜木町のキャンパスで一眼レフを片手に
自分で立ち上げた映
画サークルの仲間と共に。
しかし、大学2年の秋。
直也は、東京学生映画祭を見て感化され、
仲間を『大賞を受賞する』という目標に巻き込む。
気が付けば、ついて行けなくなった友人が自分から離れていってしまう。
そして、映画を作ることを楽しめず、結果だけを追い求め、コンペでも賞はとれないまま大学を卒業する。
気付けば、仲間はそれぞれ別の居場所を一番の居場所として、自分から離れながらも、笑顔で友達と卒業式を迎えていた。
映画サークルが自然消滅し、直也はたった1人になって孤独になり大学を卒業した。
それはまさに、友をおきざりに、結果を追い求め、1人でやろうとした結果、
ずっと同じ映画サークルで、唯一自分の味方だった
彼女、結奈にさえ別れを切り出されてしまう。
それから三年。
山下公園を歩きながら、当時の映画サークルでの楽しい撮影を思い出し、もっと仲間を結果よりも楽しむことを大切にすればよかった。
あの居場所を大切にすればよかったと、
後悔し涙する。
そんな時、子供が噴水に落ちそうになり、
それをかばい、自分が噴水の中へ落ちていく
直也。
そして水の中から出ていくと、
そこは、大学3年の夏休みだった。
過去に戻った直也は、自然消滅させた映画サークルを
卒業までに、復活させることを決める。
しかし、もう直也はこの時点でみんなに距離を置かれていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-04 12:26:22
929文字
会話率:25%