「『入るな』か……ふふっ」
夜、おれは町外れの古びたトンネルの前に立っていた。ネットで仕入れた情報によると、どうやらここは“出る”らしいのだ。
人けはまったくなく、昼間ですら誰も通らないのかもしれない。まだ入り口だというのに、空気はじ
めじめと重く、どこか黴臭い。雨が降ったわけでもないのに、アスファルトにはところどころ水たまりができていた。
照明は入り口近くに立つ外灯が一つだけ。その頼りない明かりが、壁にびっしりと書かれた落書きを薄く浮かび上がらせていた。
【入るな】
【危険】
【ここに近づくな】
おれはスマートフォンのライトをつけ、壁を照らしながら、ゆっくりと足を踏み入れた。
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最終更新:2025-06-02 11:00:00
937文字
会話率:30%
その男は薄暗い部屋で、ただぼんやりとしていた。彼はもう何度目だろうか、ため息をついた後、ハッと気づいたように辺りを見回した。いつの間にか夕暮れ時になっていた。レースのカーテンの向こうから外灯と赤みを帯びた光が差し込んでいる。
部屋の電気
をつけた彼は時計を見た。時間を無駄にした……とは思わない。時間ならある。あったんだ。なのに、俺は……。と、彼はまた、ため息をついた。
『あ、よう。なあ、ちょっと話したいことがあってさ……その、打ち明けたいことが――』
『おいおい、こんな時間に突然来るなんてちょっと非常識じゃないか? 帰ってくれ。明日も仕事なんだ』
数日前の記憶が甦る。夜中、友人が訪ねてきたのだが、疲れており、しかもちょうど眠りについたところをインターフォンで起こされたのでイライラし、玄関で追い返したのだ。『話なら今度時間がある時に聞くから』と言って。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-09 16:00:00
2911文字
会話率:63%
宇宙。そこは人を惹きつけてやまない謎とロマンに満ちた世界……。しかし、同時に危険も付き纏う、果てなき迷宮……。
宇宙と聞くと、中には星々がまるで外灯のように我々の行く先を照らしてくれていると思う者もいるかもしれないが、実際はヨツハシデン
キの電球のように明るくはないし、そんな考えはこのオオタ製菓のグミのように甘い。
地球を飛び立った我々、エヴァースリー号の乗組員は常に不安を抱えながらも、暗き航路を突き進んでいた。
そして、ついに……ついにその時が来たのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-06 10:00:00
1038文字
会話率:46%
活劇俳優の滝川 慶次は 撮影を終え ロケバスで休んでいたら Pの黒川が喜び勇んでやって来た。
その黒川の手には やっとの事で譲り受けた 幻の名刀
妖刀ムラマサが握られていた。
自慢する黒川は
次の ロケ地に近い事もあり ムラマサを手
に入れた武具屋に慶次を誘い一緒に向かうことになったのだが・・・・
ロケバスのスピーカーから流れる アイドルのラジオ番組
突然 切れ切れにノイズが入り・・・・・
ラジオの音が途切れたと同時に ナビの案内が終了する。
案内された場所は山の奥
武具屋があるとは思えない。
運転手は 黒川を起こし 確認して貰うが・・・・・
黒川は こんな場所ではないと激怒する。
結局引き返すこととなり Uターンし帰ることにしたが
今度は 帰ることが出来なくなる
抜け出せないループ
やがて 闇が空を黒く染めて行く
外灯がない山の道
ただでさえ暗い夜に 霧が追い討ちをかける。
闇雲に走るのを危険と感じた慶次達は 不本意ながら ロケバスで一夜を過ごす事にした。
陽の光が射し込め 何かの物音で目が覚めると
ロケバスの横を大勢の仮装した人々が 山に向かって行進していた。
ただその行列からは
生気は 感じられなかった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-26 15:32:44
74928文字
会話率:39%
伊豆の思い出です。備忘録として残していた作品かもしれません。
キーワード:
最終更新:2023-07-13 16:10:10
529文字
会話率:0%
いつも通りの日常、いつも通りの帰り道、いつもの友人、そして、いつもの外灯。
しかし、怪異もまた、いつもあなたの傍にある。
外灯すら惑わす、黄昏時。誰そ彼、と人に尋ねるのにも勇気がいる。なぜなら・・・・・・
最終更新:2023-07-11 02:00:00
1817文字
会話率:0%
夜の街を徘徊していると、やっばりやってきた。あいつが。
最終更新:2021-05-02 00:00:00
204文字
会話率:0%
夕方、黄昏時には、彼らが呼んでいるよ。
お気をつけて、夜の仕事なんですね。
夜の外灯は物言わず、魔性を帯びている。
あの宿場町の並んだ外灯についていくと
あの世につながっているんだってね。
秘密の合言葉。
最終更新:2021-02-04 16:07:11
600文字
会話率:0%
懐古の舞。ここはどこか、黄昏の國。
外灯の下で舞う、振り袖姿の娘。
最終更新:2020-11-25 11:00:43
494文字
会話率:0%
部活帰り、無人駅の外灯の下に居る赤い女。
最終更新:2020-07-09 10:34:27
3860文字
会話率:29%
そろそろ終電になる深夜の駅のホーム、電車を待っているのは僕だけで、他にいるのは外灯に集まってきた羽虫くらいだった。そんな誰もいないはずの駅のホームで、僕は可愛い女子高生と出会いました。
最終更新:2020-06-04 17:18:07
12595文字
会話率:53%
瀬戸口ゆかりは長崎県の青林島に住む中学二年生の少女です。ショートヘアーの髪形でスポーツが得意ですが、勉強が苦手な女の子。
青林島は過疎化が進み、中学生はゆかりを含めて七人だけでした。中学を卒業すると本土の高校に行くために島を離れることに
なります。漁業以外で働く場所も無く、若者が住めない青林島の将来をゆかりは憂えていました。
学活の時間、ゆかりは青林島を明るくする方法を先生に尋ねます。すると先生は簡易型の水力発電機で道路に外灯を灯す方法を教えてくれました。
青林島は夜になると港の付近以外は暗闇に閉ざされます。だが、外灯が灯れば島の人の心も明るくなるはず。ゆかりはそう考え、青林島活性化応援部を創設します。仲間と共に水力発電機を製作し桜並木通りに外灯を灯します。
たった一基の外灯でしたが、それが評価され、村役場から補助金を貰い増設することになりました。さらにゆかりの提案がきっかけで、桜並木通りで夜桜祭りを行うことになったのです。
青林島には樹齢四百年の降龍桜があります。この桜は県指定の記念物です。ゆかりたちは降龍桜をLED照明で照らし、その美しさをテレビで知らせ、観光客を島に呼び込みます。
観光客の一人に大野仁美がいました。彼女はゆかりと意気投合し、ゆかりの親友となります。
夜桜祭は仁美の助けもあり大盛況でした。
ゆかりは大野仁美を島に呼ぶために、今度は蛍祭りを提案します。そして水力発電機が増設され、LED外灯は島の中央まで達します。さらには海水浴場を設立し、海の家を建てるのです。
蛍祭りの日、多くの観光客と共に仁美が島に来ます。その夜二人で蛍を見に行くと、多数の蛍が沼のあちこちで光を放ちます。天空には天の川、周りには無数の蛍のきらめき、仁美はまるで異世界の風景のように感動します。
このときゆかりは将来の目標を決めます。
その目標はとても大変なものでした。
ゆかりはその目標に向かってひたむきに努力します。そして…その夢が、ようやくかなうのです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-10 12:00:00
100036文字
会話率:41%
宵闇の公園、スノードームみたいな外灯が点いた。
一人、公園のベンチでミルクティを飲む今夜は、クリスマス。
私の願いは、叶うかな。
某イラストからインスピ頂戴して書いてみました!
お、お祭り騒ぎだと聞いたので……二次創作にあたりそう
なら、その辺ちょこっと修正します(ビクビク折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-24 04:08:31
2157文字
会話率:27%
一本足の外灯と電車と夜空と。たったひとりぼっちの宇宙を照らす存在。
最終更新:2018-10-21 01:48:10
3216文字
会話率:53%
今日も特別な場所へと自転車を走らせた。彼女は人工的な光の下に居た。前から居たように自然と。
最終更新:2016-08-14 22:54:05
1117文字
会話率:49%
外灯の下に猫がいた。希望みたいだった。
最終更新:2016-05-10 19:05:54
392文字
会話率:0%
夜ハ深マル時、
ソレハ即チ、
外灯ガ命ヲ宿ス時。
最終更新:2015-01-11 20:10:04
196文字
会話率:0%
世界で最も星に近い町、スードヘブン。町の名物は、星屑を利用した外灯と、それを扱うエトワールという職業。新米エトワールの主人公は、ある日観光客の少年とぶつかって、仕事道具を落としてしまう。その縁で彼に星空や町中を案内することになった主人公は、
スードヘブンへの思いを語る。現実とはちょっと違う星空を舞台にしたファンタジー短編。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-01-12 21:22:38
14429文字
会話率:45%
悪夢に悩まされている高校生の裕作はある日の下校途中、外灯の下で少女と出会う。少女に導かれるまま森の中に入っていく裕作、森の中で裕作が見たものとは!
最終更新:2012-12-10 02:55:12
1108文字
会話率:50%