あと一日。
あと一時間。
あと一分。
あと一秒。
ほんの一瞬でもいいから、愛する人のそばで過ごしたい。
でもこの宇宙は、そんな希望を打ち砕くようにできているようだ。
何度も何度も、私は破滅の運命にある愛に苦しめられている。
ど
れだけ距離を置こうとしても、恋に落ちずにはいられない。
恋に落ちたら、本当に希望なんて残らない。
もし神様がいるなら、私は世界一の罪人なのだろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-14 05:19:16
34447文字
会話率:59%
「世界は呪うか、祝福するしかない場所なのよ」
と、その人は言った。
――古い洋館、たった二人の住人、観葉植物であふれた部屋、外界から遮断されたような生活。
藤谷志仄は、その洋館に住む女主人だった。正体不明の、本物の魔女だとしてもおかし
くないような女性。
わたしはひょんなことから、彼女と親しくするようになる。でもそれは、危険も冒険もない、いたって平穏なものだった。いつもコーヒーとお菓子がつくような、静かな会合でしか。
それでも、志仄さんが謎の人物であることに変わりはなかった。
例えばその左手には、ひどい火傷の痕が残されていた。彼女は自分で、自分に火をつけたのだ。自由を手に入れるために、世界と戦うために、自分を生きるために――彼女にはそうするだけの、理由と必要があったから。
一方のわたしはといえば、あくまで凡庸で、中途半端で、幼稚な人生を生きていた。そこには耳をつんざく雷鳴も、猛り狂う炎も、不吉で残酷な運命なんてものもない。あるのはただ、柔らかくて、窮屈で、愛情にあふれた、箱みたいなものでしか。
光と緑の部屋で、わたしと志仄さんが過ごした時間――たわいのないおしゃべり、いくつかの出来事、奇妙な頼まれ事。
やがてそれは、いたって不可解な終焉を迎える。そこには何のヒントもなければ、ほのめかしさえ存在しない。
そして数年後、わたしは偶然の邂逅をはたすことになる。それが何を意味するのか、正確なところはわからないにせよ。
結局のところ、わたしと志仄さんのあいだにあったのは、フィクションとリアルの奇妙な交錯だった。彼女が本当は何者だったのかは、今でもわからない。
それでも志仄さんは……そのフィクションは、わたしにとって〝リアル〟だった。
(21/10/18~21/11/10)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-12 00:00:00
49078文字
会話率:34%
世界の終わりに、人はどんな夢を見るのだろう?
時間の停止――それが、世界の終わりにやって来た事象だった。そこには黙示録を告げる天使のラッパも、天空に屹立するキノコ雲も、巨大隕石の衝突も、不治の病に苦しむ人々の怨嗟も存在しない。
ピアノ
の最後の音が静かに消えていくような、そんな世界の滅亡を、彼らはどう過ごしたのだろう?
――ある少女は、いつも通りに学校へ行く。ある男は、自暴自棄の中で薬物に溺れる。二人の少女は、自分たちの自由を確かめる。一組の男女は、叶えられなかった幸福を満喫する。
そして、ある少年は言う。
「この世界から悲しみさえなくなってしまうのは、悲しいことだよ」
これは、終末でもカタストロフでもない「世界の終わり」に、人々がどんな行動をとったのかを綴る、モザイク状の物語――
(09/5/20~09/6/6)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-22 00:00:00
21807文字
会話率:33%
『其方が望む世界を述べよ』と世界が尋ねてくる。
俺が‥‥望む世界‥‥それは‥‥みんなが平和‥‥で――本当にそうか?みんなって誰だ?誰が戦った?誰が死んだ?何の為に‥‥俺が望む世界ってなんだ?今までのようなあの世界を望むのか?あの生活に戻る
のか?
――あり得ない――許せない!!
世界で最も醜い生き物は何か?と聞かれた何と答える?見たこともない化け物?それともデカい昆虫?それとも人喰いの何かか?いや、全部違う。この世界で最も醜い生き物は“人間”だと言える。
表では“大好き”“ずっと一緒”“親友”“家族”といろいろな言葉を使って互いを信頼する。でも、結局は大事なのは自分自身でそれ以外はどうでもよく過ごした時間も!!交わした言葉も!!助けた恩も!!何もかも簡単に捨てられて裏切られるんだ!!
そんな汚く醜い生き物が蔓延るこの世界が‥‥許せない!!醜い癖に!!弱いくせに!!何も出来ないくせに!!上から偉そうに言いやがって!!お前らみたいな弱い奴ら生きていちゃいけない!!
「そうだ。“本物”の強者だけ。強さこそが絶対の世界を!!弱者は生きれない世界を!!この世界のように本物の強者だけが生きる世界を‥‥俺は望む!!」
『――了。世界の改変を行います。マスター「渡辺 裕介」』
この日、世界を崩壊した。そして新たな世界‥‥新世界が生まれた。
どうも皆さんこんにちはLarkです。今回から新しく“真相創造な新世界”というローファンタジー小説を書いていきます!!内容としてはバトル・内政・ざまぁと色々な物を詰め込んだ作品になります。
出来るだけ毎日20時投稿を心掛けますが無理な時やモチベが上がらず投稿できない時があると思いますが温かい目で見守ってくれたら嬉しいです!!では、これからもLarkの作品をよろしくお願いいたします。バイチャ!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-10 20:00:00
54057文字
会話率:24%
50年前、世界中に突如現れた天にまで登る巨大な塔。その日を境にゲートとダンジョンが大量に発生した。
モンスターと戦うため人類の1割が覚醒者となり、ハンターとして人類を救うための戦いが始まった。
小さい頃ハンターに助けられた花王実(かおうみ
のる)は、その日からハンターになることを夢見ていた。
夢が叶いハンターになれたが、一般人と大して変わらない一番下のE級。
それでも憧れの人に少しでも近づければと思い、毎日鍛錬を続けモンスターと戦う日々を過ごした。
ある日、協会からの応募でD級ダンジョンを調査することになった。
そこで仲間に裏切られ生け贄にされてしまう。
死ぬ直前にダンジョンに隠されたシークレットミッションをクリアし新たな能力を手に入れた。
実にだけ与えられるミッション。
それにクリアすれば新たな力を手に入れられる。
ウィンドウの指示に従い力を手に入れた実は一体どこまでレベルアップできるのか……?
最弱ハンターの成り上がりが今始まる!!
アルファポリス・カクヨムにも掲載してます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-09 22:42:15
84892文字
会話率:28%
400年も続く由緒正しき陰陽師の家系に生まれる桐花未桜。しかし、陰陽師としての才能はなかったが、いつも笑顔で優しい性格。使用人や町の人に愛される。幸せな日々を過ごした。13歳の時に母親が父親の信近と愛人の末姫に殺される。二人が使用人達も殺そ
うとしているのに気づき、殺されないように全員を逃す。
信近が再婚し、末姫と義妹の寧々が転がり込んでくる。末姫と寧々に嫌がらせを受ける日々。二人だけでなく新しく雇った使用人達にも嫌がらせをされる。
だけど、未桜の瞳は日に日に強い意志をもったかのように輝きを増す。例え、嫌がらせをされようと自分の心が折れることはない。それは、12年間の間たったの一度も。
25歳になった未桜は一人の青年、若桜桃志郎との出会う。その出会いが未桜の運命を大きく変えた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-13 22:35:10
100437文字
会話率:28%
就職して2年目の松本夏美は、人生を平穏無事に過ごしたいだけの24歳。
日本語堪能な、欧州系私企業のお飾り日本支店長(イケメン御曹司?)は、どうやら高名な錬金術師の子孫らしいです。謎の『宝珠』に反応する人を探しに来た彼に、その宝珠の関係者と言
われてしまった夏美は戸惑いつつも、その『宝珠』の謎を一緒に解くことにしたのですが…。
サブタイトルに☆が付してある部分の後書きには、タロットカード語りがあります。
また、文中において、ドラゴン、龍、竜という名称が混在しておりますが、その種族由来、その地方由来の呼称を優先しておりますので、ご了承ください(白銀龍、白蛇竜等)。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-09 14:03:44
850042文字
会話率:31%
中学校を卒業したばかりのコミュ障な主人公。
不運な事故にあい、大けがを負ってしまう。
退院後のある日、光につつまれて異世界転移をした。
なんとペットの猫であるヒメもつきてしまう。
転移ボーナスで、主人公のケガは治った。
そしてヒ
メは人間の姿を手に入れる。
二人は、小さな家を買って日向ぼっこをしながらゴロゴロと過ごしたい、という目的のために傭兵をやってお金を稼ぐことになる。
気づけばだんたんと強くなり、傭兵の中でも注目される存在になっていた。
そしていつか魔王を倒し、世界を救う存在になる。
以上あらすじです。
ヒロインや、サブも交えた、ラブコメ要素をもりもり盛り込んで書いていければと思っています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-09 06:20:00
520127文字
会話率:32%
新しい部隊への転属を経て『あだ名付き』との遭遇を果たした私。
今こそ思い出そう。
あの頃の戦いと、師匠と共に過ごしたあの日々とFDLを。
これは私が見た「世界」である。
語り継ごう。
『英雄』達を。
最終更新:2024-09-08 20:14:34
46464文字
会話率:18%
どことなく風変わりな青春を過ごした。回り廻って中国まで行って映画を撮った。思い返せば「なあ~んや」人生だったと思う。天国から地獄の経験もした。今は昔の話である。
最終更新:2024-09-07 14:00:54
69900文字
会話率:12%
街の派遣所からお城の給仕係として、半年契約で派遣されたリディ。契約更新に一縷の望みをかけながら最後の一か月を平穏無事に過ごしたいだけなのに、彼女の周りはそうはさせてくれない。城内きっての美丈夫レオンハルトに直接雇われ、ダブルワークを始めたの
を皮切りに、嫉妬とトラブルに見舞われる。窮地に立つたび、助けてくれりレオンハルトに感謝はするも、その熱のこもった視線はスルー。少し訳あり、難あり侍女の物語。R15は保険、ふわゆる設定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-07 12:40:39
248198文字
会話率:39%
学園一の有名人である菜名宮六乃は平穏に一人で過ごしたい俺を巻き込んで、いつもいろんなことに首を突っ込んでいる。ある時は優しさで、またある時は私利私欲のために菜名宮は無茶苦茶に日常を荒らして塗り替えていく。そんな奴のことを、俺はいつしか革命家
と呼ぶようになった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-06 23:39:12
51416文字
会話率:54%
恋をすると毎日が楽しい
君との特別な時間を
もっと一緒に過ごしたい
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-09-06 17:56:30
256文字
会話率:0%
どんどん年を重ねていく中で
少しずつ薄れていく
君と過ごした日々の記憶を
忘れたくなくて
キーワード:
最終更新:2024-08-22 11:05:45
203文字
会話率:0%
兄弟がいっぱいだよ。やったね。
キーワード:
最終更新:2024-09-06 08:46:22
1031文字
会話率:28%
まだ羽も生えそろわないひな鳥の小鳥。
ある日、4人家族のペットとして迎えられた。
小鳥と家族がともに過ごした19年。
他サイト(物語ドットコム)にも投稿しています。
最終更新:2024-09-05 14:14:26
2433文字
会話率:3%
無実の罪で死刑宣告が下された侯爵令嬢ウルリラ・バーンレイヌ。
処刑の間際、絞首台の上で彼女は「来世があるのならば、今度こそ穏やかに生きてみたいものだ」と願い、稀代の悪女として刑場の露と消えた。
そして彼女が転生した先は、まさかの独ソ戦
の最中のスターリングラードだった。
ドイツ軍、督戦隊、上官命令…
ありとあらゆる脅威が彼女に襲い掛かる中、ウルリラは一兵士として穏やかな生活を勝ち取るべく戦う。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-02 23:38:54
4182文字
会話率:18%
人気の少ない裏庭に呼ばれたと思えば、私の婚約者であるオズワードと別れろという話だった。
お金で婚約者を買った悪女だと呼ばれているのは知っている。
そして、オズワードとの関係は私の片思いだとも。
それでいいと思っていたのに、惚れ薬を手に入
れてしまった。
一日しか効かない、惚れ薬。
その瞬間から、私は彼と愛のある一夜を過ごしたいと夢見るようになってしまった……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-02 06:30:00
5797文字
会話率:37%
勇者が死んだ。
転生召喚から魔王討伐まで十三年。そのたった三か月後のことだった。かつての戦友や彼と過ごした仲間たちが悲しみに暮れる中、新たな勇者が転生する。
これは暴走する転生召喚と、世界の自営をかけて戦う〝黒塗り〟の騎士たちの物語。
最終更新:2024-09-01 18:57:31
282566文字
会話率:51%
ミーンミンミン……
蝉の声を聞くと、僕はあの夏を思い出す。うんざりするほどの蝉しぐれに迎えられた、あの夏を。
小学四年のお盆の間、僕は母方の祖父の家で過ごした。僕はそこで不思議な少女と出会い、ある約束をする。そして、不可解だった彼女の正体
を知ることになる。
大人びた少年理玖と、彼の前に突然現れた不思議な少女の、たった数日間の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-01 15:00:00
23777文字
会話率:32%
20XX年、ワールドワイドシステム(WWS)の普及により日常生活に仮想空間が浸透して数年。
日本を端に世界各地に瞬く間に広がったWWSは、政治・経済・開発・生産・趣味と生活にかかせないものとなった。
大学でWWSの研究をしている伊予
島祐一は、ある日黒服に連行される形でとある施設へと連れてこられる。
そこには、多くの研究者、知識人、軍人が集められていた。そして、政府の役人によってとある情報がもたらされる。
「WWSの開発者和泉京華がテロリストに誘拐された。彼らの目的はWWSの支配、あるいは破壊だ。君たちにはWWSの解析と防衛、そして開発者奪還のための手助けをしてほしい。」
天才少女と秀才少年が過ごした三度の夏休み。
そして、果たせなかった四度目の夏休みを迎えるため少年が奮闘する、ひと夏の現代サイエンスファンタジー。
※この物語はフィクションです。作中に登場する内容にはすべて作者の独自解釈が多分に含まれます
※実在の人物・団体とは何も関係ないです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-01 12:24:43
26397文字
会話率:59%
平穏無事、不幸に巻き込まれることなく、それでいて過度な幸福も要らない。世の中大半の人間が送るであろう普通の人生を歩みたい多田 崇はある日金欠に困りバイトを始めることにする。
バイト先に選んだのはBAR。紳士淑女が集う大人の場こそ自分に相応し
いと思ったからだ。
しかしBARのマスターは金髪の幼女……? しかも客が揃いもそろって見た目も中身も色々悪い悪魔だった……!?
金髪ドS幼女のマスター。
口を開けば下ネタしか言わないレオタードの青髭オカマ。
どスケベボディを持ちながらも内気天然うっかり属性持ちの淫魔。
ドジ、間抜け、馬鹿。三拍子揃った軍服のアホの娘。
その他大変個性豊かなお客様を相手に果たして多田 崇は普通の人生を歩むことができるのか……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-31 22:06:05
445988文字
会話率:36%
拙作、『バイト先で金髪悪魔幼女とかを相手している俺ですが、それでも普通な人生を過ごしたい』のクリスマス短編です。
全くの初見さんでも楽しく読めます!!!
最終更新:2020-12-26 00:27:08
4290文字
会話率:27%
ゼルキアエル・ヴェレンは、自らの異常なまでの黒魔術に対する適性を周囲に隠し、孤高に生きるひねくれた少女。
誰を信用することも無く、1人で生活していた彼女だったが、あるS級冒険者の男に懐かれそうに。
果たして、ぜ
ルキアエルの黒魔術秘匿生活は上手くいくのだろうか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-31 02:04:26
1947文字
会話率:28%