とある辺境の都市。そこには日々を逞しく生きる者達がいた。冒険者。行商人。宿屋の店主。門兵。鍛冶職人。
当然、人智の通らぬ領域には、怪物達もまた蠢いていた。
あるとき、橋渡しの事業あり。都市と都市、あるいは集落を隔てる川に橋を架けるため
、多くの人足、護衛の者達が身を粉にして働いていた。
種族も様々、されどその中に、一際目立つ男がいた。布切れ一枚を紐で縛った着流しに、ボサボサの黒髪を後ろで一本に束ねている。
ともすれば浮浪者にしか見えぬこの男こそ、この辺境で名を馳せることになる人物であるとは、今この時は誰も知る由もないのであった。
これは、素姓の知れぬ一人の男が生きた物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-31 14:00:00
3030文字
会話率:0%
新潟県妙高市山中の邸宅から、左腕を切断された死体が発見される。
邸宅の持ち主、菊柳(きくやなぎ)家の人々は、死体の身元に心当たりはないと答えたが、「左腕が切断されていた」というその状況から、巷間にはある噂が流れ始める。
「隻腕鬼(せき
わんき)が復讐のために山から下りてきたのだ」
身元不明の浮浪者が、たまたま隻腕鬼と遭遇したために殺された。そして、隻腕鬼が自分の復讐が始まった証として、「自分と同じように」死体の左腕を切断したのだという。
隻腕鬼を生んだ三十年前の事件が、時を越えて甦る。
新潟県警の依頼を受け、素人探偵安堂理真(あんどうりま)が捜査に乗り出すも、またしても左腕を切断された死体が……。
登場人物
事件関係者
菊柳源市(きくやなぎげんいち)
菊柳興産会長。かつては絶大な権力で地元に君臨していた。その威光は今も残る。
菊柳可南子(きくやなぎかなこ)
源市の娘。若い頃は間多良春頼と恋仲だった。現在は光一と結婚。玲奈を娘に持つ。
菊柳光一(きくやなぎこういち)
入り婿で、可南子の夫にして菊柳興産社長。
菊柳玲奈(きくやなぎれいな)
可南子と光一の娘。
菊柳次晴(きくやなぎつぎはる)
菊柳家親族の青年。菊柳家敷地のどこかにあるという、先代のお宝を探している。
沖庭晋太郎(おきにわしんたろう)
菊柳家に仕える執事。
間多良春頼(まだらしゅんらい)
かつての可南子の恋人。三十年前に左腕を失い失踪。隻腕鬼の正体と噂されている。
警察関係者
丸柴栞(まるしばしおり)
新潟県警捜査一課刑事。
中野勇蔵(なかのゆうぞう)
新潟県警捜査一課刑事。
美島絵留(みしまえる)
科学捜査研究所研究員。
桑原(くわばら)刑事
所轄署である新井署の刑事。
加藤(かとう)刑事
桑原の後輩刑事。
安堂理真(あんどうりま)
恋愛作家にして素人探偵。
江嶋由宇(えじまゆう)
理真のワトソン。
「カクヨム」にも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-07-09 21:00:00
152863文字
会話率:59%
街に住まう浮浪者と化した俺。かつて行き場を求めてさすらった街。すべてを失うことに同意した男の目の前で世界は崩れ始めた。
最終更新:2016-06-06 20:45:06
8597文字
会話率:9%
すべてを失うことに同意した男の目の前で世界は崩れ始めた。
最終更新:2010-09-24 17:46:20
8598文字
会話率:9%
すべてを失うことに同意した男の目の前で世界は崩れ始めた。
最終更新:2008-05-06 08:11:05
8598文字
会話率:9%
魔法とスチームパンクがあって、バケモノが襲来する世界。
そんななか、首都航空隊エースのクリス・マイヤー少尉は今日除隊する。
出自不明の元浮浪者ということで要注意人物とされていたクリスは、今日が最後だからと長年の友人のグレイ少将に請われ、自ら
の秘密を明かす。
※異世界召喚モノだけど、悪役は罰せられず、主人公が貧乏クジばかりだけど、最後にちょっと幸せになれる話折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-17 18:00:00
8617文字
会話率:37%
親に捨てられた少年ーー雫は自分を捨てて浮浪者となり、とある国に逃亡し、そこで仙人の才能を見出だされ、道士となる。
ある日、仙人のテストで触った宝具が彼の運命を大きく変わる事になってしまうのであった
最終更新:2016-05-15 00:34:41
17463文字
会話率:64%
歩くはな (あらすじ)
夢見る歌手を紆余曲折ありながらも、まっすぐに目指して生きる璃花。社会に出て間もなくして身にしみる厳しさを知らされる大きな挫折からいつまでも抜け出せず堕落を重ねる義倫。日本中を震撼させた無差別殺人、殺傷事件に巻き込
まれた中瀬一家の人生が多方の角度から絡み合う物語。
夢と希望に満ちた璃花は高校を卒業後歌手を目指し上京をするが、思い描く世界を見つけるに至らず、幾年も重ねるうちに思うように声が出なくなり、静かに埋もれて行く。
ある時、国民的人気歌手のNaoにひょんなことから気に入られ、僅かな光明を感じるチャンスを得る。
親友の撮影した動画の中に偶然にも以前から気になっていた行きつけのBar Darwin's Beagleにある写真の男を発見する。少しずつ好転を見せはじめた毎日に高揚する気持ちを抑えきれず、しかしそのタイミングですべてに水を差す事件が起きる。
義倫は社会の厳しさを知り、すべては自分の思うようには運ばないと理解すると共に、道を見失い腐った生活を送る。
そんな毎日のある日、古くから妹のような関係でいる幼馴染から女性の紹介話を持ちかけられる。あまりにも突拍子のなく理解に苦しむその話の内容に答えをはぐらかすが、ウェブ検索で現れたその女性の容姿に一転、不覚にも胸は大きく高鳴り始めるのだった。
アルバイト終わりに義倫は駅で一人の浮浪者に話しかけられる。男の話す不思議な内容に興味を惹かれ、誘われるまま浮浪者の住むブルーシートの小屋まで付いて行く。そこにあったのは想像を絶する人の闇と幻想的な世界だった。
そこで男の過去を聞くことになる。男の正体は幾年も経過し、風化してはいるが、引っぱり出す記憶には色濃く残る世間を震撼させた無差別殺人、殺傷事件の場で一命を取り留めた被害者中瀬であった。
璃花と義倫と中瀬、三者を取り巻く家族や友人、それぞれの人生の線が絶妙に重なり合い、絡み、逝く者と、残される者の見える世界から“生きる”ということを儚い恋を交えて熱く描く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-17 02:36:14
392文字
会話率:0%
ギャングと浮浪者と娼婦がはびこる町。
クスリと銃弾と暴力だけが金を生む、天国とは程遠いこの場所で生きる人々の生と死の、瑣末な短編集。
最終更新:2016-01-30 02:20:54
13167文字
会話率:38%
街の通りの隅っこにいる浮浪者のお話です。
最終更新:2015-11-29 00:26:37
5778文字
会話率:43%
人外の怪物たちが強さを競う舞台、『怪物拳闘祭』。それに参加する選手を育てる人間を『ブリーダー』と呼ぶ。
路地裏で落ちぶれている男、ブロスター・ゴーニストは『元ブリーダー』だった。
闘技場に立ち寄ろうとしても、その身なりから浮浪者扱いさ
れ門前払いをされる。路地裏に戻ろうとした彼を呼び止める存在がいた。その存在とは、以前教えを乞うていた人物の一人娘セリナだった。
話を聞くと師匠は病気ですでに亡くなっており、彼の牧場を娘のセリナが一人で経営していたらしい。しかし、師匠が亡くなった牧場からは選手は一人、また一人といなくなっていった。彼の生前の言葉と、牧場の現状を知ったブロスターは彼女の手伝いをすることを決意する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-20 18:00:00
21578文字
会話率:59%
世界にマナがあり、人々に魔法がある世界。
大陸中原の大国グルジェの皇子ラナハルトは、
ある日、市井で大勢に対して説教を唱えている若い浮浪者と出会う。
その相手は、自分を「この世界とは違う世界を知っている」と彼に告げた。
後に暴虐王と呼ばれ
る粗暴な皇子と、
自分のいる場所とは異なる世界に心を囚われた隷人。
そして彼らを取り巻く人と国との物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-10 22:44:56
68389文字
会話率:43%
東洋人が原因不明に激減した22世紀後半。
中でも東洋の島国――日本人の人口の激減は目を見張るものがあった。
原因不明の人口激減。終末論を騒ぎ立てられることも少なくない。調査に明け暮れた22世紀だったが全く成果はなく、23世紀という新時代に向
けて、まとまりのない政府が漸くまとまって日本に出した結論は『退化』であった。
「たかが2人、しかも1人は浮浪者だ。何を騒ぐ必要があるのやら」
大馬鹿者として名前だけ有名人になってしまった国守(くにもり)壱斗(いっと)は職にも就かず、転がり込んだ紬唄(つむぎうた)という甘味処で団子を貪り、瓦版を眺めてそうぼやいた。
紬唄は津賀家で切り盛りをしており、今のところ従業員は夫婦と2番目の娘のみ。
壱斗は従業員でもなんでもなく本当に転がり込んだだけだ。いや、一応名目上は用心棒だ。
毎日三食、客が残した団子やら商品に出せなくなった甘味をひたすら食べ、店の表で胡坐をかくだけ。
それは世に言う残飯処理だ。決して用心棒ではない。客たちは毎度毎度そう思いながら津賀家の大黒柱が丹精込めすぎて失敗したぜんざいを食べる壱斗を見守るのだ。
東洋人が原因不明に激減した22世紀後半。
中でも東洋の島国――日本人の人口の激減は目を見張るものがあった。
原因不明の人口激減。終末論を騒ぎ立てられることも少なくない。調査に明け暮れた22世紀だったが全く成果はなく、23世紀という新時代に向けて、まとまりのない政府が漸くまとまって日本に出した結論は『退化』であった。
便利すぎる位、進化した世界。退化を命じられた日本は江戸時代までの退化を行い、江戸国と呼ばれるようになった。
王政の江戸国。
五代目の王の犬になることを拒否した大馬鹿者は今日も居候先の甘味処で残飯処理をするのだ。
大馬鹿者がだんだん合法ロリの犬になっていく話です(大体あってる)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-14 11:56:48
724文字
会話率:0%
ビクトル=ヒエルマンは炎耐性の先天性精霊力者である。聖騎士となる日を夢見ていたが、あえなく挫折。屈辱の日々を経て、ドラゴン迷宮へと辿り着いた。そこは意外にも、理想郷だった。冒険者たちの残り物を漁り、生活の糧に変える浮浪者同然の生活スタイル
だが、何不自由ない生活。「これで彼女でもできれば最高だな!」なんてことを思うビクトルの前に、運命を変える一団がやってきた────。
驚異的な戦闘力を発揮する少女を前にして、止まっていたビクトルの運命が今、動き始める。
※マルカデミーシリーズ第一弾。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-09 12:42:06
225564文字
会話率:34%
ローザン帝国の北の玄関口、アルフィールドは小規模の街ながら、名君チャールズ・アルフィールドの治世により、交易都市として栄えていた。
しかし、平穏な日々は続かず、貴族の不正を取り締まる総取締ロード卿に目をつけられたチャールズ・アルフィールドは
反逆罪というぬれぎぬで公開処刑されてしまう。
お忍びの市中視察で運良くロード卿の手を逃れた娘のアリアナ・アルフィールドは唯一残った騎士ハロルド・マックイーンと偶然であった浮浪者エマとともに帝都に上り、父親の濡衣を晴らすことを考えるのだが…。
お姫様と旅をすることになった騎士とひょんな事で一緒になったエマとの珍道中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-09 00:00:00
8388文字
会話率:39%
探偵業を主にする部活動『舎六部(シャーロック部)』。浮浪者系の部長とツッコミ助手少女が在籍するその部活に、久しぶりの依頼人がやってきた。この依頼は、果たして彼らをどこへ導くのだろうか。
謎が謎を呼ばず、真相は彼等に語りかけない探偵譚、こ
こに開幕! ……するといいなぁ……。
※連作短編となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-14 15:54:58
59915文字
会話率:47%
悲惨な人生を歩み、浮浪者となった「彼」。
遂にその人生を達観し、自殺をしてしまったが...?
※二話以降から「彼」視点になります。名前も多分付きます。
最終更新:2015-01-15 13:51:33
1805文字
会話率:4%
謀反防止のために都で生まれ都で育った主人公は、急死した父親の跡を継いで、先祖伝来の領地に旅立った。以来、都に戻ってこない彼に珍客が訪れる。都からの客人は、田舎の暮らしがそんなに楽しいかと、主人公に問いかける。主人公は領民から『殿様』と敬われ
てはいるが、その生活は浮浪者同然で、やっていることは土地の便利屋だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-04 03:06:47
30236文字
会話率:42%
さて、昔々あるところに、サリアという不良品のアンドロイドがおりました。サリアが不幸な案山子として畑を守っていると、浮浪者のような見た目の男が通りすがりました。
――咲いた綺麗な花からは、とても不思議な香りがしていました。(本作品は、本文中の
一文一文がSFになっています。詳しくは、本作の後書き部分参照ください。)
(あなたのSFコンテスト参加作品2作目。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-24 21:17:12
8572文字
会話率:50%
弓と刀を使う元浮浪者が、元盗人と協力して悪党を撃ったりごはんを食べたりするファンタジー日常モノ。
本当のタイトルは『弓と盗』でしたが、目立たないのでやめました。
最終更新:2014-06-05 00:35:43
9012文字
会話率:59%
――感じている、間違いなく世界の中心とは俺だ。
原因不明に衰退してしまった東京で下松は動き出す。
存在を感じられない女。
残念な生き物。
襲い掛かる浮浪者達。
やがて辿り着いた真実に下松は踊り出す。
自家焙煎のフェロモンを醸し出す男女達の冒
険。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-05-27 06:00:00
11247文字
会話率:27%
かつて私が“drifter”であった頃に、常に身に着けていたメガネがある。
最終更新:2014-05-02 11:26:22
854文字
会話率:7%