相も変わらずこの世にはびこる、婚約破棄騒動。
今回はとある帝国の第一皇子が、王女を婚約破棄します。
理由はもちろん、様々な嫌がらせ。
そんな経緯で、王女はどんな行動をとるのだろうか?
最終更新:2021-04-07 01:00:00
3462文字
会話率:28%
その時、朱凜の全身は怒りで熱くたぎっていた。
ちょっと前まで、謁見の間の絢爛さに呆気にとられていた田舎者の姫の顔はそこにはなく、琥珀色だった瞳を怒りで金に輝かせながら、壇上のやんごとなき立場にあるだろう者達を、今にも噛みつかんばかりに
見据えている。
「……もう一度、お伺いできますでしょうか?」
朱凜は、荒くなってしまいそうな声音を全力で押さえ込みながら、問うた。
「うむ……こうして輿入れしてきてもらった朱凜姫には非常に申し訳ないのだが、第一皇子、フェルナートとの婚礼を取りやめたいと思っておる」
そう告げたのは、御年四十四歳になるガーヴィルグ帝国の皇帝、ランヴェール三世だ。男として脂ののったは堂々たる偉丈夫だが、さすがに自分が言っていることに非があるのは理解しているのだろう。顎の髭を撫でながら、その視線はどこか泳いでいる。
「何を……っ」
あまりに無責任な物言いに、思わず朱凜は声を上げそうになる。けれど、すぐ隣にいた外交官がそれを手で制し、視線で『お願いですから堪えてください』と訴えてくるので、朱凜は口を噤み、琥珀色に戻った瞳を落とした。
(どうしていつも、こうなるの……)
十七になるのに背も伸びず、凹凸もほとんどない身体、姫としての手習いごとなどはことごとく駄目で、よくできた兄弟、妹と比べられ、”みそっかす姫”と祖国で呼ばれていた朱凜にとって、この婚礼は唯一自国のために自分が役に立てるチャンスだった。
だから、苦手な勉強も、この国に関することは頑張り、教師からもお墨付きをもらうくらいにはなったのだ。
それなのに、結局ガーヴィルグ帝国でも朱凜は”みそっかす”でしかなく、第一皇子に相応しくないという烙印を押されてしまった。
朱凜は固く目を閉じた。襲ってきた虚無感で身体が一気に重くなる。
もうこのままどこかに行ってしまいたい——そう思った時だった。
「——遅くなりました」
凜然とした声と共に謁見の間にやってきた、青みを帯びた鈍色の髪の男——アースヴィルド第二皇子は王に向かってこういった
「フェルナート兄上と朱凜姫との婚礼を取りやめるのならば、私が朱凜姫を娶ってもよろしいでしょうか?」
思いがけない第二皇子の提案から、”みそっかす姫”と呼ばれた朱凜の新しい物語が幕を開ける——折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-16 21:16:08
8949文字
会話率:32%
アルテリシア帝国第一皇子デイヴィットは父である皇帝と喧嘩の末に身一つで家出を決行する。
しかし待ち受けていたのは世間の冷たい荒波だった…。
金なし、宿なし、身分なしで野垂れ死ぬ直前、ひとりの少女に命を救われる。
婚約破棄がはじまらな
い!!のスピンオフです。
第一皇子デイヴィットとその婚約者ミアの出会い編です。
単体でも読めると思います。
長くなったのでわけました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-29 20:00:00
15631文字
会話率:40%
煌威は煌龍帝国皇帝を父に持つ、第一皇子で皇太子だ。父親の地位から異母兄弟が多かったが、煌威は絵に描いたような文武両道の見目もいい皇太子で、さらに皇位は世襲制の為に次期皇帝が約束されているも同然だった。
――ただ一つだけ。初代皇帝に瓜二つの従
兄弟、紅焔の存在が煌威を惑わす。
煌威は、密かに紅焔こそが次期皇帝に相応しいと考えていた。惚れている、と言ってもいい。
何としても、どんなことをしてでも紅焔を皇位につけたいと望む一方で、これは民に対する裏切りだと苦悩する煌威だったが、進められていた北方の遊牧民族・北戎との条約会談で、自分だけではないそれぞれの狂気を知ることになる。
*…BL的なシーン有り
【注】BLに分類していてR-15にしていますが、BL要素はLvを五段階で表すならLv.3あたり。性交渉の明確な描写は無いけれど、そこに至る寸前の描写、匂わせる描写があります。少し暴力・残虐表現もあるので、苦手な方はお気をつけください。
この作品はアルファポリス、ノベルアップ+にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-25 11:40:56
80395文字
会話率:26%
「私の命は殿下の、いや、陛下のものだ。分かっているだろう」
フルシュハイツ皇国の第二皇子、ケヴィンの婚約者であったが、とある事件により騎士になり、第一皇子ランドルフ付きの護衛騎士になったアシュレイ・ザヴェルナ。
クーデターをおこしたケヴィ
ンから、何やら怪しい動きをする隣国パヴェーフから、ランドルフと祖国フルシュハイツを守る為禁術を使い、命を散らす。
そして、目が覚めるとケヴィンに気に入られ、婚約者になってしまうきっかけ、社交界デヴュー前の8歳の姿のなっていた。アシュレイ・ザヴェルナとして生きられなくなったそもそもの発端であるケヴィンとの婚約を回避すべく、先に他の人と婚約しようと決心する。そんなアシュレイは、ある人から婚約を持ちかけられる。前世、宰相をしていた、冷酷と名高いオーウェン・スナーフだ。彼とは前世共に国のために奔走した仲ではあったが今のアシュレイとは何の接点もなくアシュレイと婚約する事でオーウェンが得る利もない。
婚約を申し出てきたオーウェン、前世の記憶を持つランドルフ、そして、前世アシュレイに固執していたケヴィン。
運命はたった一つなのか。そして、パヴェーフの本当の狙いとは一体。
※投稿不定期です、週に一回の投稿を目指しています
※R15は保険です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-14 12:00:00
16936文字
会話率:38%
国王の右腕として代々王国に忠実を誓い続けてきた剣術重視のディアス公爵家に生まれたクロエ・ロズ・リズモンドは物心ついた頃から、相応しくあるため、血の滲む努力をしてきた。
第一皇子の婚約者として、公爵家の跡取りとして生きてきたクロエは男爵令嬢、
マリアと出会う。
互いを友人、そして恋のライバルとして信頼していた。
だが、マリアの親族の思惑にはめられすべてを奪われ命を落としてしまう。
彼女を哀れんだ神々はクロエに力を授けた。
「もう何もしないから」すべては生き残るために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-26 15:54:22
1809文字
会話率:18%
魔王バエルに対抗する勇者や魔術師を養成するため、中立都市に設立されたグランレイヴ魔術学院。
バエルの息子であるゼノス・ヴァルフレアは、人間たちの力を見極めるという任務を受け、種族を偽り学院に潜入する。
しかし、潜入初日に出会ったルナミス王
国の第一王女、イリス・レーベンハイトに一目惚れをしてしまう。
対するイリスもゼノスに一目惚れをするのだが、お互いに想いを伝えることができないでいた。
ゼノスは任務よりもイリスのことが気になってしまう。
ある日、課外授業でイリスと二人きりでダンジョンに潜ることになり、その時の出来事がキッカケでお互いの想いを伝え合った二人は結ばれたのだった。
しかし、身分が邪魔をして、今のままでは堂々と付き合うことができない。
誰の目も気にせず付き合うにはゼノスが『偉業』、つまり魔族を倒し、勇者に選ばれる必要があるとイリスは言う。
俺、魔王の息子なんですけど……
「私のために、勇者になってくれますか?」
イリスの願い、ひいては自分のために勇者になることを決意したゼノスだが、本来現れるはずのない高レベルの魔族に襲われたり、帝国の皇帝に気に入られたり、その娘である第一皇女からは執拗なアピールを受け、息子の第一皇子からは友になれと迫られる。
ゼノスはさまざまな障害を乗り越え、二人の仲を進展させることができるのか⁉︎
これは愛する彼女のために、立ちはだかる敵を無双する男の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-20 18:00:00
148109文字
会話率:29%
私、御門アキラは、おばあさんを助けたはいいものの……この世とおさらばしました。
……って思ったんですけど、私が読んでいた小説の世界に転生したみたいです。
そこでの私は、というと……悪役令嬢で、第一皇子に婚約破棄されて、めちゃくちゃ散々です。
でも、そんなある日の舞踏会で……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-05 23:32:55
428文字
会話率:20%
不名誉な人気を博した【運命の赤いイト~男爵令嬢は王子に求婚される!?~】訳して【アカダン】は恋愛シュミレーションゲームだ。
悪役令嬢として書かれているクワドラ王国の第一王子の婚約者メアリー公爵令嬢は実は原案では完璧な女性だった。それを抗議す
べく私は立ち上がる!が、気づいたら【アカダン2】の世界線のヘキサゴン皇国第一皇子ルーン皇太子になっていた!意味が分からない!
メアリー至上主義の私(ルーン)が、先にメアリーに求婚してしまおう!多分夢だけど!
***
注意
・なんでもありです。
・転生?転移?
・ルーンの中身は女性でした。
・R15は何かに触れたら悪いので付けました。
・無事逃亡しました。探さないでください。更新はありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-01 05:00:00
84758文字
会話率:51%
梅雨の切れ間に散歩に出掛けた天宮まどか。
どこからともなく聞こえた鈴の音をたどると、小さな鳥居とほこらにたどりつく。
不思議に思いながらもまどかが鳥居を潜り抜けると、その先には平安時代の景色が広がっていて……!?
帝の第一皇子、康仁の毒
殺を見抜いたまどかだが、逆に毒を盛ったのではと疑われ投獄されてしまう。そんなまどかを助けたのは、『安倍晴明』を名乗る陰陽師だった。
なにをかくそう、まどかを平安時代に召喚したのは晴明で……?
晴明のもとで巫女として修行を積みながら、昼間は康仁の料理番として働くことになったまどかが、現代の知識をフル活用して、次第に御殿のひとたちに認められていく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-29 08:46:33
124233文字
会話率:45%
クロウガン帝国の第一皇子であるアーサー・クロウガンは婚約者であるルシエ・カイルと勇者の不倫を
見てしまった...
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メリケンサック使う主人公面白そうだ
なあと思って書きました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-26 23:00:00
2270文字
会話率:4%
聖霊帝国の第一皇子は、雪が降り積もった地面に倒れこんでいる。
信頼するものに裏切られ、己を嘲笑していると、不思議と目を惹く幼子がやってくる。
謎の幼子に謎の薬を飲まされ、そのまま彼の意識は遠のいてしまう。
彼は一体、どうなってしまうのか……
。
エブリスタ・カクヨム・小説家になろうで同作品をUPしてます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-14 15:18:13
4331文字
会話率:36%
セルティウス帝国…かつてそこには大陸一繁栄した大帝国が存在した…
モンスターを狩ったり、人助けをしたり、気ままに世界を冒険している主人公、セシル。
実はこのセシル…今は亡き大帝国「セルティウス帝国」の第一皇子、セルティウス
家唯一の生き残りであった…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-03 03:40:10
512文字
会話率:0%
リディア皇国第三皇子の俺の婚約相手シルリアは、あろうことか皇位継承戦の最中に俺を裏切り第一皇子のガイレンのもとに寝返る。
平民の出でありながら、父ナニアの商売における比類なき才覚を武器に皇子の婚約者にまで成り上がった小娘はどうやら俺では欲望
を満たせなかったらしい。
シルリアの陰謀に巻き込まれた俺は皇位継承戦からの脱落だけでは済まず、命を奪われた。
次の瞬間、なぜか俺はマルデラ公爵令嬢、リリベルと向き合っていた。
「ハイン様、私を、信じてください」
前世、皇太子ガイレンの婚約者として、悪役令嬢として名を馳せた彼女から告げられた言葉を胸に、俺は二度目の生を得る。
これはループする世界で悪役令嬢、リリベルが初めて幸せになるためのピースが揃える、その一つ前の世界の出来事。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-05 12:24:41
3757文字
会話率:46%
豊かな国、明日神ノ国では、とある絵師の描く絵が話題となっている。しかし、絵師の正体は謎。
そんな折、その噂が帝のおわす宮まで流れる。そして偶然にも、第一皇子が狩りの道中、山奥で少女と出会う。その少女が、何を隠そう例の絵師であった。
こ
こでは、宮に遣えることとなった、ひとりの少女を辿ってゆく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-02 11:01:18
7772文字
会話率:40%
婚約者であるサミュエル第一皇子が戦争から帰ってきました。
国王陛下と王妃殿下が亡き今、私は彼と正式に結婚し、王妃になります!なります……なり……え?
彼はなんと可愛らしいシャーロットと名乗る女性と仲良くお手手を繋いで帰ってきました。
そして邪魔な私はデタラメな罪を着せられ、処刑されましたとさ、、、、、
死んだ私はなんと、サミュエルとシャーロットとの間にできた子供に転生しました。
そして強国だったフェルマー王国は5年の間に戦に負け続け、弱体化していました。
私、エリザベス・S・フェルマーは、国に害をなす父を王座から引きずり下ろし、フェルマー王国の女王となります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-14 00:25:03
209文字
会話率:29%
流行り病で生死を彷徨った後、どうやら私は二重人格になってしまったらしい。
そして私の体を時折勝手に使っていたもう一人『あたし』が、第一皇子である私のお兄様に愛の告白をした、ですって!?
そんな奇行を好きな人から聞かされた私の気持ち、わかって
いただけるかしら!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-04 23:32:04
15378文字
会話率:17%
昔から本が大好きで、やっと念願だった図書館司書になれた国立図書館司書の『シェリア・ファランド』。
毎日大好きな本に囲まれて過ごしていた彼女の元に現れたのはラインツ皇国の第一皇子であり、皇太子の『クラウド・フィア・ラインツ』。
なんと彼はシェ
リアに恋をし、毎日の様に時間を見つけては口説きに行っているようで・・・・・。
司書のシェリアと彼女に求婚し続けるクラウドの異世界を舞台に繰り広げられる恋愛話です。
誤字脱字はない様にしている心算ですが、若し見つけられましたらお声掛けを宜しくお願い致します。
作者は非常にメンタルが弱い為、誹謗中傷はお願いですから止めて下さい。
大変申し訳ないのですが、誤字脱字報告ではなく、感想等でお知らせ下さる際には物語の題名とサブタイトルも一緒に書いてく下さいますようお願い申し上げます。
作者は大変莫迦なので、大筋は覚えているのですが、どれを何処に書いたかを忘れてしまいます。
報告を頂いた後、見つけ次第出来るだけすぐさま修正致します。
大変ご迷惑をお掛け致しますが、ご理解とご協力の程をどうぞ宜しくお願い致します。
尚、この作品は作者の完全オリジナルです。
ブックマーク並びに評価を付けて下さった方々、本当に有難う御座います。
今後も時間が空いたりしたら亀更新ですが、書いて投稿して行きますので、宜しくお願いします。
※一応R15のタグを付けてはいますが、ならない可能性もありますのでご容赦下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-07 16:06:28
54887文字
会話率:35%
兄である第一皇子が運命の相手に出会った?第2皇子の立場を諦観しているお話。
最終更新:2019-10-08 06:44:31
1790文字
会話率:4%
王道の婚約破棄モノです。婚約破棄モノとして意外性もどんでん返しもありません(笑)
公爵令嬢が自国の第一皇子との婚約を、衆目の前で高らかに宣言されてしまうーからの、ざまぁー的な内容です。テンプレです。
どうしても一度書いてみたかったんです
。後悔はしていない。
よろしくどうぞ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-22 18:00:00
8028文字
会話率:39%