『ゆうびーんやさーんのおとしーものっ、ひろーてあげましょ…』
公園のベンチに腰掛けながら、縄跳びをする子供達をぼんやり見つめる。
昔から縄跳び、特にこの『郵便屋さんの落とし物』という(正式名称かどうかは知らないが)大縄跳びの遊びが苦
手だった。
どのタイミングで飛び込めば良いのか、もし自分が引っかかったら周りにどう思われるのか。
そう考えると足が竦んだ。
パチッ、、、パチッ、、、
縄は一定のリズムで、無機質に無慈悲に回り続ける。
「はあっ、、、はあっ、、、っ」
いくら膝でリズムを取っても、飛び込む一歩が出てこない。
――踏み出す勇気が
※カクヨムでも連載中です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-11 23:22:30
42162文字
会話率:53%
ありふれた人生。
時間は無慈悲かつ無機質に進む。
最終更新:2022-12-11 19:04:37
8379文字
会話率:25%
「うふふ」
部屋の壁一面に飾ってある昆虫の標本を眺めていると、思わず口角が上がる。
アゲハ蝶、カブトムシ、コオロギ、ギンヤンマ、等々――。
昆虫のフォルムというのは、見れば見るほど美しい。
いくら眺めていても飽きないわ。
私はそ
れらの標本の中央にある、一つだけ中身が空のケースに右手を当て、感慨にふける。
――その時だった。
「お嬢様、そろそろ夜会のお時間です」
侍女のアレハンドラに声を掛けられ、すっと現実に戻された。
「ええ、今行くわ」
「……相変わらず、圧巻の光景ですね」
無機質な表情で標本を見つめながら、アレハンドラが呟く。
「うふふ、そうでしょ」
本心ではどう思っているかはさておき、そう言われるのは悪い気はしない。
さて、今日は大事な大事な夜会。
気を引き締めないとね――。
「フェリシア、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「……」
宴もたけなわとなった夜会の最中。
私の婚約者であり、侯爵家の次男でもあるカルロス様が、唐突にそう宣言した。
カルロス様には男爵令嬢のマルガリータさんが、庇護欲をそそる憂いを帯びた表情でしなだれかかっている。
会場中の貴族の視線が、一点に集まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-09 21:19:36
2942文字
会話率:48%
僕というキャラクターは作り作られた無機質のような何か。いつも「私」という存在との狭間で揺れている。しかし、人々が求めているのはあくまでも僕の方。そんな僕自身の葛藤を短編にして、つらつらと書いた私小説です。
最終更新:2022-12-04 13:27:48
2593文字
会話率:0%
「君を愛する事は出来ない――――が、心はともかく、君のお腹は満足させよう、絶対に!」
『人形令嬢』アリーシャは困惑した。それはもう大いに戸惑った。
何故なら、夫となるべき男がそんな事をのたまったからだ。
無機質・無表情・無感情
。心を持たぬ芸術品とあれ、と育てられ、社交界では見世物として畏怖される自分だ。
女として愛されることなど初めから期待していない。これは政略結婚。男女間の恋愛感情などそこに在り得る筈が無い……のに。そも、この旦那様が恋するのは人でなく食べ物だった。もう一度言う、食べ物だった!
『美食伯』セシル・シュトラウス伯爵。彼は、美味しい物を食する事に己の全てをかける、稀代の変人貴族だったのだ!
「我が血、我が肉と為すこの世の食材全てに、私は敬意を捧げている。それ、すなわち愛だ」
――どうしよう、どうしよう。この伯爵様は変な人だ。もの凄くおかしい人だ!
そうして始まった結婚生活は不可思議そのもの。
見たことも無い料理をたらふく食べさせられ、その薀蓄を語られ、嬉々としてアリーシャに構う伯爵に振り回される。
けれど、そんな日々が『人形』の凍てついた心に確かな変化をもたらして――
これは心を持たぬ人形として躾けられた令嬢が、食べる愉しみと生きる悦びに目覚め、幸せを知る物語。
※前・後編合わせて二編の短編となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-20 12:07:12
73861文字
会話率:32%
稀なる宝玉と讃えられた水姫は父の意向により家の中に長らくしまい込まれていた。
東の領主に見初められ嫁ぐことが決まった日、初めて水姫は外へと出された。砂漠をゆく華美な花嫁行列は、父によってわかりやすくつくり上げられた決められた幸福の形だ。
心
を物のように無機質にして輿に揺られていた水姫だったが、花嫁行列を強襲した盗賊によって東の領主のもとではなく盗賊の根城へとさらわれてしまう。
水姫をさらったのは少年とも青年ともつかない容姿をした男、盗賊たちに王と呼ばれる夜従だった。
夜従は水姫の心を見透かすように言う。
「お前がそうしようと動くのなら、ここはお前の王国に変わる。虜囚ではなく自由ある民だ。ここにいれば自由にしていい。けれどそれも拒絶するならお前は僕の『物』でいる他ない。動かぬ置物に生活のしようなどないのだから。僕の物が嫌だというなら、もっと不特定多数の男の物になる。それも嫌なら自害の道も与えてやろう。これはお前だけが選択できる。さあ、どうしたい?」
夜従との出会いで水姫は自分の心に生まれた新しい感情と葛藤することになる。
短編集内で連載中だった物を単独連載に移行しました。
場面により流血・残酷描写、性的な場面を想起させる描写、現実に置いての良俗に反する描写があります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-12 21:46:27
34990文字
会話率:41%
いつも、無機質な部屋のベッドの上で、窓の外にある空を見ている彰人と怪我をして入院している光莉が
天気のように様々な思いを抱え、自分たちだけの明日を思うラブストーリー。
最終更新:2022-10-24 06:58:21
4873文字
会話率:72%
「ここは……どこ?……私は……誰?」
記憶を失った少女は気がつけば見知らぬ街中に一人で佇んでいた。そこは人気のない廃墟のような街。突然、青空より貫く光の柱が出現する。その光に心が暖かくなるのを感じた少女は導かれるように一歩を踏み出した。
そんな光に誘われた少女の前に出現した赤い扉。開いた先は全く別の世界。無機質な高層ビルの群れ、澱んだ空、人で埋め尽くされた路。
「私……ここ知ってる?」
光へ向かう途上に次々と現れる赤い扉が見せる景色に少女の記憶は刺激される。記憶喪失の少女の記憶を求める旅が始まった。
果たして少女は記憶を取り戻すことができるのか?
いったい光の柱の元で少女を待ち受けるものとは?
これは一人の少女の追憶《ものがたり》……
※ロビベルβ小説大賞参加作品折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-11 19:18:57
5479文字
会話率:32%
僕の叔母だという知らない人の車の窓から見える知らない街の景色はとても無機質で
6月なのに寒々としていてまるでこの町で過ごすであろう日々を予見しているかのようだった
最終更新:2022-10-03 22:56:28
981文字
会話率:14%
無機質な男 マサル
大型コンピューターを相棒に持ち、静寂をこよなく愛する男。
血の通った人間にとって、真の静寂とは何なのか・・・
無機質だった男の心が、本当に求めていたものは何だったのか・・・
最後の結末まで目が離せない作品です。
最終更新:2022-09-05 19:13:00
7551文字
会話率:2%
鈴木 祐《すずき ゆう》は、大学受験を控えた高校生である。
深夜に勉強をしていてラジオのスイッチを押す。
そして、勉強をするのだった。
最終更新:2022-08-06 21:21:07
2798文字
会話率:44%
「若くして死を迎えた悲しき少年よ、儂からのささやかな贈り物じゃ。転生させてやろう」
突然、神らしき風体の老人から告げられた人生終了のお知らせと、再スタートのお知らせ。だが、このお知らせが厄介な出来事の始まりだった。
(転生って……ゲー
ム機にかよぉぉお!!)
無機質なゲーム機に転生させられた上に、神経は通っている地獄の環境。指紋にまみれの本体をどうしても拭いてほしくて足掻く、向井悠貴。
そんな時、1人の美女を見つける。
圧倒的美とナイスバディを誇るお姉さん、恋子の手によって体(画面)を拭いてもらうために、恋子がプレイする乙女ゲーのキャラとなって恋子の手を取りその世界へと引き摺り込む!
「ん? んん!? ユリオス様が目の前に!? というか手! え、寝落ちした!? 夢? 明晰夢!?」
「画面拭いてくんない?」
この出会いはきっと必然。何故なら……。
「…………他の男なんてどうでもいいでしょ? 僕だけを……見てよ」
「みりゅ……じっくり堪能すりゅう……♡」
ユリオスにご乱心のお姉さん専用の癒しとして利用されることになったのだから!
(中身はあれとして、すっげぇ美人なんだよなぁ。中身はあれとして)
下心を糧に、楽しめ人生――!!
この作品は、カクヨムにも掲載しております(https://kakuyomu.jp/works/16816927859252091549)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-02 11:15:01
237262文字
会話率:57%
男爵家の長男であるライエルには、リリスという婚約者がいる。
リリスは公爵家の令嬢であり、ライエルとの婚約は彼女たっての希望によって実現したものだった。
爵位が最低位の男爵家に対し、公爵家は最高位。
公爵家令嬢であるリリス自らが婚約を望んだ
ということは、それだけ彼女がライエルのことを愛していることを意味するわけだが……困ったことに彼女は、人間味が感じられないほどに無機質無表情だった。
「愛している」という言葉すらも無感情に言ってのける、リリス。
そんな彼女の胸の内が全くわからず、本当にこちらのことを愛しているのかどうか自信が持てなかったライエルは、ある一つの行動に出ることを決意する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-11 21:48:28
6302文字
会話率:24%
この物語の趣旨は、始まりから終わりまで変わりません。
幼い頃に両親に売られた。売られた私は娼婦として買い取られる。
娼婦として育った私は、無機質な感情の中、とある欲求を燻らせていた。
それは、
【私を 本当に 愛して くれ
る 人を 見つけて 殺して ほしい】
という望みを。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-24 00:33:58
268文字
会話率:0%
規則的で機械的で無機質な音
キーワード:
最終更新:2022-05-15 23:00:00
205文字
会話率:0%
18歳の時任隼人(ときとう はやと)は、真っ白な立方体の空間に倒れ込んでいた。部屋にはテレビと2つのボタンだけが置いてある。ドアは付いてあるが、外から鍵はかかっており出られそうにない。すると、次の瞬間。テレビのモニターが光出し、無機質な声が
部屋に響き渡った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-09 20:28:06
1035文字
会話率:0%
人と魔が存在する異世界に転生した主人公、クリム。
彼は『全ての武器に触れることができない』という“神罰”を負った“咎人”として転生した。
ひょんなことからその“神罰”を買われ、武器の運び屋をすることになったクリム。
しかし、クリムが
運ぶのは無機質な武器などではなく、一人の少女、アルムでーーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-24 21:02:40
9943文字
会話率:34%
「……現実でもゲームみたいにクエストをクリアするだけでアイテムとか手に入ったら良いのにな」
小学生の頃に親が失踪した八瀬(はちのせ)那月(なつき)は大学にいくために生活を切り詰めてバイト漬けの日々を送っていた。無機質に繰り返される日々に嫌気
がさした翌朝、目覚めると彼の目の前には『クエスト』が書かれたディスプレイが浮かんでいた!
ナツキが半信半疑でそこに書かれている『クエスト』を達成すると、本当にスキルを入手してしまう、ナツキは嬉しくなって【クエスト】をクリアし続けていると、突如として異能バトルに巻き込まれてしまった!
「……日本に異能ってたくさんいるんだ」
しかも、そこで知った衝撃の事実。だが、ナツキは諦めない。
「俺が一番強いんだ……ッ!」
これは、ある日突然『異能』に目覚めてしまった少年が、目覚めた異能と持ち前のやる気だけで異能バトルを無双する物語である!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-23 01:07:57
303662文字
会話率:43%
世界に突如現れた化け物を倒すハンターとして働く僕は、活動の中で武器職人であるオリビアさんを助ける。そして、その縁からオリビアさんのお店をよく使用することになる。今日も、修理を頼んでいた愛銃を受け取りに彼女のお店へと向かうのだが……
※カク
ヨムにも投稿しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-26 20:04:10
1968文字
会話率:71%
頼まれたら誰にでも手を貸してしまうような主人公は駅のホームで、
以前助けたいじめられっ子に突き落とされてしまう。
"転生開始 ゆうsssmasss者適正"
暗闇の中、無機質な声が響いた。
そして主人公は魔王
を倒す勇者候補『エノア』として転生することとなる。
国中から勇者としての期待が集まる中、エノアは過去の経験から勇者になるつもりはなかった。
しかし幼馴染であるリーシアに説得され勇者になろうと決意する。
結果は凡人。
なんの才能も持たないとして蔑まれる。
そして幼馴染のリーシアともほとんど会えない生活が続いた。
それから数年が経ち学園に通うもリーシアを助けるために使ったスキルが
制御できず、建物を崩落させてしまう。
結果反逆者として実質国外追放を言い渡される。
日銭を稼ごうとギルドに向かう途中、声も出さずにしつけという名の暴力に耐える狐の獣人娘を助ける。
死にかけだった獣人の女の子にイナと名付けエノアは魔王を倒す勇者となるために歩みを進めた。
しかしエノアは知らなかった。
自分が魔王であることに。
自分が勇者であることに。
そして――
彼女に魅入られていたことに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-25 20:00:00
682521文字
会話率:38%