目の先に映る世界は凄惨な光景で埋め尽くされている。
手からは生き物が動脈を小突く一定の鼓動が伝わり、そして目には、まだ手沢のついていない一抹のナイフを通して地面に流れていく体温が映る。出水した赤の液体は、絶えず流失し続け地に大きな水たまり
を作っている。人間というのは、体内から半分以上の血液が出ると致死する可能性が極端に高くなると言われていることを思い出すに、目の前の血だまりがとうにその致死量と呼ばれるものを超えていることは火を見るより明らかだった。
さっきまで雨を降らしていた霧がかっていた雲は一時顔をそらし、代わりに覗かせた月がより鮮明に景色をはっきりとさせていく。月明かりに照らされてらてらと輝く赤黒い水たまりは、かさを増しやがて足下にまで及ぶ位になった。この乱れた呼吸は誰のものだろうと口をつぐむとそれは紛れもなく自分から発せられたものだった。他人から発せられる腐った鉄のにおいに脳漿がくらくらと陶酔し一歩退く、するとどろどろでネチャネチャとした粘液が足に絡んで思うようには動けなくなる。手元に残ったままの確かな感触を引き抜けば、そこからは止めどなく血が流れていく。
鈍く光ったナイフを見る。半液体から、反射された己の顔は酷く歪んでいる。
そうしてその肖像画を眺めていると、ばたりと眼前の人間だったものが肉塊に変わって崩れ落ちていった。
今日僕(私)は、人を殺めた。
あらかじめ準備していた高尚な動機も今となればほんの一縷のあまりたいしたことではなかったように、僕は思う。
あれだけ殺したくてたまらなかったはずなのに、殺したくはなくなってしまった私は、この事実を呪う。
神よ、願わくは変えられない物を受け入れる勇気を僕に。
願わくは、変えられない物を変える勇気を私に。
少年が、少女を殺してしまったことによって始まるピカレスク小説です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-30 20:41:52
123933文字
会話率:39%
ジャック・アゼルバーンは、200年続く国内最高峰の魔術師育成機関、サンシャルルへの転入が決まった。
サンシャルルの教育理念は、「国王陛下に尽くし、恩寵を受けることを至上の喜びとし、その為なら例え命さえも捨て得る、高尚な人格の育成」である。
しかし、ジャックの目的は、国王に身を捧げることではなかった。
それは、かつて故郷を到底理解できない理由で、焦土にされたことへの復讐だった。
復讐心を覚えてからというもの、ジャックは寡黙な老師、レナード・ローガンのもとで剣技や魔法を習っていく。その才能はレナードをして、「鬼才」と言わしめるもので、11年間でその実力は計り知れないものとなった。
時は熟した。
最後にあるものを手に入れる為、ジャックは学院へと向かう。
それが、200年続くゼルウィード王国を崩壊へと導く、革命の足音だとは、この時まだ、誰も知らないーーーー。
(1話1話が短いです。ご了承ください)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-14 12:33:26
29109文字
会話率:28%
あなたは神を信じますか?
人間関係で淀んだ心に嫌気がさし、オーストリアに一人旅に出た少年、辻新歩は立ち寄った修道院で修道女見習いの少女、朱坂朱雀に出会う。歩は修道院に何度も通ううちに、朱雀と心を通わせ、人の心の温かさを思い出す。甘酸っぱい
青春恋物語。
・・・すみません、そんな高尚な内容じゃないです。本当はVRゲームが好きすぎて実生活が最低なものになってしまった少年と神になりたいとかいう妄言を吐いてる少女と他、様々な致命的欠陥を持った残念美少女たちがVRゲームを作りながらわちゃわちゃする作品です。
誤字脱字報告、感想、好きな美少女(二次元)について語りたい、などその他もろもろ、コメント欄?(あんまり詳しくないのでよくわからないんですが)とか感想欄とかに送ってもらえたら嬉しいです。多分、返事します。できなかったらごめんなさい。
基本、二週間以内に更新しようと思いますが、不定期で長期休暇をしたり、一定のテンポで更新できない可能性があることを予め述べておきます。
微妙な修正をときどきしますが、それについて報告はいたしません。大きな修正箇所があったときはきちんと報告します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-16 00:43:33
40040文字
会話率:61%
生きたいですか。たとえ化物になっても。狭い箱を舞台に命の在り方を問う……なんて高尚さは微塵も無い話。
Twtter上の企画 #紡いだ糸の果て 参加作品。テーマは「命」
※この作品はTwitter(@ojitw)・カクヨム・小説家になろう・エ
ブリスタ・pixiv等に掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-09 11:27:40
4896文字
会話率:31%
男は血に飢えていた。男は戦いに飢えていた。どうしようもない渇きを、どうしようとも無くすことができないまま、男は敵意を振りまくだけだった。唯一、剣を振り肉を裂き肉を裂かれる時だけは渇きを感じずにいられた。その果てに待つのが死だけだとしても、そ
れこそが救いだと信じて......
だが死の先に待っていたのは、また別の戦いの日々だった。世界を守る?男にはそんな高尚なことなどできはしない。だがせめて、男は自分らしく戦いの中で、自身の存在意義を証明してやると心に刻んだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-26 17:32:57
273673文字
会話率:40%
魔王の討伐を果たした三英雄と呼ばれる少女たち。
無慈悲に人々の命を奪う堕ちた伝説の大賢者 ルグサ・ライアスを打とうとするも敗北。
彼から頼まれた願いは、
過去の彼を籠絡し、王女の"魅了(チャーム)"を防ぐこと。
三人の
大英雄たちは彼と同じ学校に通うことで、好感度を稼ぐことに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-08 08:00:00
16525文字
会話率:31%
勉強に無関心で学校では頭の悪い印象を皆に与えていた僕が、ある事をきっかけに勉強を本気でやり始めた。 さらば頭の悪い見苦しい自分。よろしく、これからの輝かしい未来。
そう決めた翌日。 僕は命を落とし、生まれ直した。
最終更新:2019-03-31 16:00:00
3840文字
会話率:39%
僕は普通の男です。エプロンドレスが好きな変態でもネカマでもありません。以上終わり。
最終更新:2019-06-29 00:56:44
1296文字
会話率:5%
楽しい砂遊び、どうしてやっちゃいけないの?
みんなも一緒に考えてみよう!
最終更新:2019-06-26 19:29:55
508文字
会話率:0%
母と息子の高尚な感じがする会話です。
最終更新:2019-03-31 17:00:00
200文字
会話率:89%
世に貧乏人がいる限り
貧乏人がいる世がある限り
どんな時代のどんな世界にも存在するボロ下宿
それがここ、【トコヨ荘】
三畳一間の貧乏下宿。
煤けた木造三階建て。便所食堂共用。風呂は無し。
フスマに鍵無し。プライベートなんて高尚なものも、も
ちろん無し。
棲んでいるのは、奇人変人狂人魔人魔法使いに魔王に忍者にドラゴンに
そんなトコヨ荘の住人達と
古株でまとめ役で面倒くさい性格の丁さんと
ただの無職のよっぱらいの”おれ”の
日常と貧乏飯とスケールの小さいアレコレの小話です。
完結しました
ご愛顧ありがとうございました
現在はこちらを連載しております。よろしければどうぞ
https://ncode.syosetu.com/n1855fd/
「199X年・異世界は暴食の支配する無法の大地と化した!」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-06 18:15:04
103599文字
会話率:55%
ぽこっと思っただけなので、高尚な感じではありません。ファンタジーを説明できる人、教えてください。
最終更新:2018-10-06 13:18:10
1727文字
会話率:10%
俺の名前は「田中 彷徨《たなか かなた》」元天才の生まれ変わりだ。
イカレタ自己紹介乙。とか言わないで、まぁ、ちょっと聞いてくれ。
元天才って、何が元天才なんだよ?とか気にならない?あ、気になりませんか。すみません。いやいや、帰らないで!ブ
ラウザバックしないでくれ!すぐだ、すぐに終わる!
前世の俺は、科学・医療・戦術・交渉様々なものに手を出し、それらの世界で常に先頭を歩いていた。世界というヤツは、この俺という素晴らしすぎる人間を、その頭脳と才能を放ってはいられなかったのだ。
しかし、目立つということは、僻み《ひがみ》や妬み《ねたみ》の的にもなるということである。俺は、その出来すぎた才能が故に度々命を狙われることになったが、俺の創り出した「想像を物質化」する技術によれば、あらゆる危機を回避することが出来た。
そうして、最後に天才的私の前に現れた偉大な書物は「ラノベ」と呼ばれるまさに人間の、主に男子諸君の欲望が詰まりに詰まった高尚な|聖書《バイブル》だったのである。
私の類稀なる速読と記憶力により、数多のライトノベルシチュエーションが脳髄、そして、海馬に強く刻み込まれた。
そして、俺は決めた!異世界転生してクールでカッコイイ、能ある鷹は爪隠す的な無気力系主人公のように生き直そうと!
え?ちょっと待って。このカップ麺食べたらすぐ異世界行くから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-24 20:00:00
14046文字
会話率:23%
読書ってそんなに高尚じゃないはず。
最終更新:2018-09-22 20:08:58
1901文字
会話率:18%
日々様々な方の意見を見聞きし、色々と考えさせられることが多いなろうで、自分の創作への見方考え方を取りまとめてみました。
まったくもって高尚なことも押し付ける気もなく、半分位は己の決意表明な部分もありますので、あくまで話半分に読んで頂けると
嬉しく思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-19 11:41:11
4184文字
会話率:0%
大学を卒業後、就職活動に失敗しフリーターを続けている22歳、荒井裕翔。
そんなどこにでもいるような男に「人生の転機」が訪れる!
神々の駒として人生を謳歌する〝プレイヤー〟に選ばれたのだ。
そんな裕翔を操る〝ベルウェザー〟(先導者)となっ
たのが自称
«全知全能の神»
ゼウスだった。
これは示す者と歩む者、ゼウスと裕翔の神聖で高尚なゲーム
«神゛聖ゲーム»
の物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-29 12:27:36
2957文字
会話率:31%
スーパー(マーケット)・バトル!
それはスーパーマーケットの客全てを(脳内で)制圧することを目的とした高尚な競技である!
最終更新:2018-05-25 02:43:09
5098文字
会話率:47%
健全的、芸術的、高尚で、重厚な感動的詩ですにやり
キーワード:
最終更新:2017-11-22 19:41:37
225文字
会話率:67%
なろう小説の『欲望』にはさまざまな分類があるが、総論にしろ各論にしろ、新しい『欲望』が見えてこない。したがって、これからのなろう小説は、単に既存作品の焼き直しになるであろう。と、高尚なフリをした、単にアイディアがでなくてもがいてる様をつづっ
たエッセイです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-05 23:48:41
1881文字
会話率:0%
空から降ってきた謎の女の子シルヴィエと契約した主人公恩智英(おんじえい)は、異世界を救うべく転移する。
大正ロマン風の異世界に降り立った彼は、日本語でしか操作できないというロボットにシルヴィエとともに乗り込み、戦争へと巻き込まれていく。
戦
いの中でライバルの出現、敗北を経験しくじけそうになるも、奇跡の復活をとげロボットは覚醒する。
多くの戦いを経験し、敵国のスパイからの勧誘を受けるなど事態は情報戦の装いを呈してくるも、デカイ剣と火力の凄い胸ビーム、中盤から飛ぶ拳、ドリル、翼パーツの登場により総力戦へと進んでいく。全350話(予定)
その後は未定なのでアイデアをくれえいよう
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-10 18:19:28
37356文字
会話率:28%
40歳無職(職歴無し)童貞(プロ素人問わず)大学中退
ヒキオタヒョロガリメガネで色々駄目で終わってる
死んだと思ったオッサンが、気がついたら異世界に
いた。
圧倒的草木の香り、深い森の中。
まっとうに生きようだとか、
もう二度と間違わないだ
とか、人生やり直すとか
そんな高尚なことは一切思わない。
せっかくだからあがこう、うまくいったら楽しもう。
馬鹿は死んでも直らない。
以前とまったく同じ調子でオッサンは動き出した。
※現在50話ほど投稿予約済みです。
毎日16時掲載となっております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-28 16:00:00
108761文字
会話率:6%