祖母の命日に霊園へ家族三人でお墓参りに訪れる。
彼と彼女の娘はランドセル姿で、亡くなった祖母に見せるためにランドセルを背負っていた。
親族から反対される中、祖母一人だけが二人の味方になってくれた。
祖母は過去に周囲から反対されていた友達が心
中を図り、命を落としたことを何か力になれたのではと後悔していたので、彼と彼女の味方になったのだと聞いていた。
お墓参りでは娘の葉桜が水をやり、花を生け線香をあげて葉桜にとっては曾祖母に手を合わせた。
まだ祖母のようには炊けないあんころ餅を供えて食べる。
帰り際、伯父一家とすれ違った。
彼女と葉桜が話す何気ない姿に、三人一緒に生きていきたいと願う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-02 16:48:08
5743文字
会話率:27%
高見沢春子三十九歳。会社員として働きながら、俳壇でも活躍中だ。二足の草鞋を履きこなし、傍目には何不足なく見える彼女にも悩みがある。同世代の俳人は次々と結社の主宰となり、弟子の指導で俳句に恩返ししているが、マイペースで忍耐力のない春子は、俳
句を作ることは好きでも、結社で弟子を教えるなどということには全く興味を持てない。そういう自分はエゴイスティックなのかと後ろめたさを感じていた。そんな折、カルチャーセンターから俳句教室講師の依頼があった。カルチャーで教えるだけならば結社を運営するより遙かに気楽だ。新しい才能を育てられるかも知れないと即座に引き受けたが、やる気のない生徒達にキレた春子は、生徒の句の記された清記用紙を破り捨ててしまった。教室は崩壊し、春子はクビになったが、春子の厳しい指導に惚れ込んだ五人の生徒に頼まれて個人的に教えることになった。
当初、才能なく春子をうんざりさせた五人だったが、禅寺での花見吟行句会で心の悲しみを詠んだ秀句が見られるようになり、変貌していく。春子も、五人がつらさや切なさを乗り越えて生きるための杖として俳句にすがり純粋な気持で向かい合っていることを知り、辛抱強く教えようと決心した。
一方、春子は見合いに失敗し、会社の仕事にも生きがいを感じられなかった。四十歳を前に、芭蕉の「つひに無能無芸にして只此一筋に繋る」のように俳句に賭けるしかないと、思いを強めるのだった。
やがて五人の勧めで春子は「デネブ」という結社を立ち上げ、主宰となった。弟子も増え順調に発展していく「デネブ」だったが、最も熱心に結社を勧め、身を粉にして働いていた木村編集長が失踪し、「デネブ」を退会してしまう。
時ほぼ同じく、春子の未発表大作『桜八景』がAMIという若い美女によって勝手に『夜桜お七』と改題され、有力総合誌『俳句群像』新人賞を射止めた。春子は『俳句群像』の永山編集長に盗作だと抗議したが、AMIを広告塔としたい編集長に、未発表の『桜八景』をどうしてAMIが盗作できるのかと反論され、証拠のないことを理由に相手にされない。
だが、春子には思い当たるふしがあった。編集長を説得し、桜の名所の霊園でAMIと一対一で会うことになった。満開の桜に牡丹雪が降り、やがては月が昇るのでは、と思われる三月の夜。が、待ち合わせ場所に現われたのはAMIではなく思いがけない人物だった……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-25 00:00:00
43400文字
会話率:31%
高見沢春子三十九歳。会社員として働きながら、俳壇でも活躍中だ。二足の草鞋を履きこなし、傍目には何不足なく見える彼女にも悩みがある。同世代の俳人は次々と結社の主宰となり、弟子の指導で俳句に恩返ししているが、マイペースで忍耐力のない春子は、俳
句を作ることは好きでも、結社で弟子を教えるなどということには全く興味を持てない。そういう自分はエゴイスティックなのかと後ろめたさを感じていた。そんな折、カルチャーセンターから俳句教室講師の依頼があった。カルチャーで教えるだけならば結社を運営するより遙かに気楽だ。新しい才能を育てられるかも知れないと即座に引き受けたが、やる気のない生徒達にキレた春子は、生徒の句の記された清記用紙を破り捨ててしまった。教室は崩壊し、春子はクビになったが、春子の厳しい指導に惚れ込んだ五人の生徒に頼まれて個人的に教えることになった。
当初、才能なく春子をうんざりさせた五人だったが、禅寺での花見吟行句会で心の悲しみを詠んだ秀句が見られるようになり、変貌していく。春子も、五人がつらさや切なさを乗り越えて生きるための杖として俳句にすがり純粋な気持で向かい合っていることを知り、辛抱強く教えようと決心した。
一方、春子は見合いに失敗し、会社の仕事にも生きがいを感じられなかった。四十歳を前に、芭蕉の「つひに無能無芸にして只此一筋に繋る」のように俳句に賭けるしかないと、思いを強めるのだった。
やがて五人の勧めで春子は「デネブ」という結社を立ち上げ、主宰となった。弟子も増え順調に発展していく「デネブ」だったが、最も熱心に結社を勧め、身を粉にして働いていた木村編集長が失踪し、「デネブ」を退会してしまう。
時ほぼ同じく春子の未発表大作『桜八景』がAMIという若い美女によって勝手に『夜桜お七』と改題され、有力総合誌『俳句群像』新人賞を射止めた。春子は『俳句群像』の永山編集長に盗作だと抗議したが、AMIを広告塔としたい編集長に、未発表の『桜八景』をどうしてAMIが盗作できるのかと反論され、証拠のないことを理由に相手にされない。
だが、春子には思い当たるふしがあった。編集長を説得し、桜の名所の霊園でAMIと一対一で会うことになった。満開の桜に牡丹雪が降り、やがては月が昇るのでは、と思われる三月の夜。が、待ち合わせ場所に現われたのはAMIではなく思いがけない人物だった……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-25 00:00:00
44526文字
会話率:37%
高見沢春子三十九歳。会社員として働きながら、俳壇でも活躍中だ。二足の草鞋を履きこなし、傍目には何不足なく見える彼女にも悩みがある。 同世代の俳人は次々と結社の主宰となり、弟子の指導で俳句に恩返ししているが、マイペースで忍耐力のない春子は、
俳句を作ることは好きでも、結社で弟子を教えるなどということには全く興味を持てない。そういう自分はエゴイスティックなのかと後ろめたさを感じていた。 そんな折、カルチャーセンターから俳句教室講師の依頼があった。カルチャーで教えるだけならば結社を運営するより遙かに気楽だ。新しい才能を育てられるかも知れないと即座に引き受けたが、やる気のない生徒達にキレた春子は、生徒の句の記された清記用紙を破り捨ててしまった。教室は崩壊し、春子はクビになったが、春子の厳しい指導に惚れ込んだ五人の生徒に頼まれて個人的に教えることになった 当初、才能なく春子をうんざりさせた五人だったが、禅寺での花見吟行句会で心の悲しみを詠んだ秀句が見られるようになり、変貌していく。春子も、五人がつらさや切なさを乗り越えて生きるための杖として俳句にすがり純粋な気持で向かい合っていることを知り、辛抱強く教えようと決心した。
一方、春子は見合いに失敗し、会社の仕事にも生きがいを感じられなかった。四十歳を前に、芭蕉の「つひに無能無芸にして只此一筋に繋る」のように俳句に賭けるしかないと、思いを強めるのだった。
やがて五人の勧めで春子は「デネブ」という結社を立ち上げ、主宰となった。弟子も増え順調に発展していく「デネブ」だったが、最も熱心に結社を勧め、身を粉にして働いていた木村編集長が失踪し、「デネブ」を退会してしまう。
時ほぼ同じく、春子の未発表大作『桜八景』がAMIという若い美女によって勝手に『夜桜お七』と改題され、有力総合誌『俳句群像』新人賞を射止めた。春子は『俳句群像』の永山編集長に盗作だと抗議したが、AMIを広告塔としたい編集長に、未発表の『桜八景』をどうしてAMIが盗作できるのかと反論され、証拠のないことを理由に相手にされない。
だが、春子には思い当たるふしがあった。編集長を説得し、桜の名所の霊園でAMIと一対一で会うことになった。満開の桜に牡丹雪が降り、やがては月が昇るのでは、と思われる三月の夜。が、待ち合わせ場所に現われたのはAMIではなく思いがけない人物だった……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-25 00:00:00
19114文字
会話率:31%
供養供養。
日の目を見ることもなく、永遠に「執筆中」の墓の中。そんな小説たちに光を当てるべく作成しました。
未完結の作品を章ごとにわけ、不定期に投稿していきます。
願わくば、この作品自体がエターとならんことを……
最終更新:2019-12-17 21:13:34
83873文字
会話率:42%
「私」と夫は、一年間深大寺に通い続けている。境内の一角にある動物霊園に、愛犬のハナが眠っているのだ。我が子同然に可愛がったハナがいなくなった後、私たちは「お父さん」でも「お母さん」でもなくなってしまった。
子供のいない中年の夫婦が、ふたりだ
けの老後の距離感を探る物語。
第15回深大寺恋愛短編小説賞の最終選考落選作です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-12 21:13:44
3717文字
会話率:36%
クーデター計画を知った瀬上明は、命を狙われる。それを奈美が手助けすることになる。
行方不明の翔の手掛かりを得るため、剣持と会った麻里江と美樹は、剣持の情報から霧子を追って北海道へ向かう。霧子も奈美を追って北海道へ行く。
奈美の兄、亘の命日の
日。霊園で霧子、麻里江、美樹そして奈美が出会う。そこへ襲撃をかける牙堂と鳴神。その戦いを止めたのは誰あろう面史郎であった。
史郎と奈美の出会いは新たな戦いのステージに移る。
各地で起こる爆破事件。世情はますます不安になり、クーデター計画は着々と進む。
そのクーデター計画の証拠を握る瀬上明も命を狙われ、それを助けるため奈美は自身のアメリカ行きを条件に霧子に手助けを求める。
史郎と奈美の関係を疑う麻里江は、奈美と接触し、偶然かかわった瀬上明拉致に遭遇、ともに瀬上救出の手助けをする。
無事、瀬上を救出するが、無明の画策で土御門、幸徳井の二人の陰陽師が殺害される。
それを知って蓮堂は無明との取引に応じ、その事件を機に奈美は面史郎の暗躍を示唆し、麻里江と美樹、そして霧子も共に戦うことを決心する。
しかし、世の中は嵐の中に進もうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-28 22:24:12
113836文字
会話率:45%
ある時は寺の墓場で。
ある時は広い霊園内で。
時は平安時代。
またある時は江戸時代。
またある時は室町時代。
またある時は平成時代。
見る者出逢う者も老若男女問わず。
そんな『肉の塊』のお話。
最終更新:2018-06-03 03:10:14
13858文字
会話率:50%
かつて青森市でおこったありえない事件、または青森市出身者たちが織り成す出来事。
それらをまとめた一作である。明治時代から昭和初期まで。
主だった出典
〇青森市史 第六巻 政治編
〇歴史と文化 旧町名事業計画書
最終更新:2017-09-23 17:39:10
6451文字
会話率:0%
看護師をしていた友人の雅人は今は霊園を管理している。その雅人がその成り行きを小説にこめて主人公に読んでもらう。雅人が霊園を管理することになった過去のあることとは…?
最終更新:2017-08-07 03:18:15
2849文字
会話率:41%
叶えたい者に巻き込まれた者や、不届き者に偶然の者。
四人組が出会ったのは《グレース・セメタリー》なる古代の霊園だった。
さらに重なる不幸によって見舞われる最悪の最悪の最悪!
生きて出るのか? 死んで一部になるのか?
四人組はひた走る‼ 逃
げるしかない!
※更新は夜中ぐらいです。
※グロい描写はたま~~にあるかと思われ(笑)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-23 19:00:00
117136文字
会話率:35%
めんどくさがり屋の高校三年生、霊園天飛が、ある日町へラノベを買いに行った帰りに突然の事件により、
死んでしまう。そして、次に目を覚ますと中世の街並み、獣人、大きなトカゲ、空にはドラゴンーーー
どう見ても現実世界ではない世界に迷い込んでーーー
残酷な描写、暗い世界観などを含む予定ですが、ぜひお楽しみください!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-04 11:37:45
14713文字
会話率:20%
桜らんまん、花が旬の春は九藤朋さんとの桜ウタ短編企画!九王沢さんが依田ちゃんと女子会デート!桜咲き初めのお江戸下町花の名所、谷中霊園で出会ったのは中原中也そっくりの少年ギタリスト?!中也若き日の恋さながらの片想い恋愛の行方は…?九王沢さんシ
リーズ単発短編は、中原中也の絶筆『在りし日の歌』をモチーフにした花待月の文学デートです☆折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-08 21:00:16
11876文字
会話率:48%
君は君の夢を叶えるために歩けばいい
その夢が叶わないことを 僕は僕の夢にしよう
最終更新:2017-01-14 18:16:32
742文字
会話率:0%
史上最強の勇者であった如月耀(きさらぎよう)は邪神との戦いに勝ち、
数多ある戦いを打ち破り世界に平和をもたらした。
そのあと平和な世界で暮らしていこうとした耀を勇者で仲間だったうちの二人に罠に嵌められ別世界に転移させられてしまった。
時を経
て耀は再びかつて救った世界に転移するが、そこは転移させられてから二十年たったせかいだった…
戦乱と謀略の波にのまれた世界で耀は再び立ち上がる。かつて描いた自らの求めるものを今度こそつかみ取るために…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-04-20 00:30:06
5086文字
会話率:25%
Twitter上で世界設定、登場人物、お題を参加者でシャッフルし、決められたもので創作するという企画の作品です。ちなみに世界設定は「霊園」、登場人物は「神速 黒羽」「神速 朱音」、お題は「好きなあいつに仏花を」です。少し長いですが最後まで読
んでくれると嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2016-04-06 23:21:07
1952文字
会話率:50%
セミテリオ(霊園、所在地:東京都桜山区)に居住する、薩摩出身の彦衛門とマサ夫婦、ご近所の殺害被害者亜米利加人元外交官ロバート、産後の肥立ちが悪く住人となった仏蘭西人女性カテリーヌ、肺病で住人となった高等学校生徒虎之介、お見合い直前で西班牙風
邪で住人となったユリ、その他近隣住民が、乗って旅する見聞録。鬼が出るか蛇が出るかは見ての、いや、読んでのお楽しみあれ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-03-23 23:00:00
952546文字
会話率:5%
行方不明になった親友を思いつつ、亜紀は霊園の中を走るバスに乗っていた。夜が来る前に……帰らなければいけない。そう出なければ……恐ろしい事が起こる。
バスの中の不思議な物語。
最終更新:2015-11-25 18:57:25
3838文字
会話率:33%
突如死んでしまった男が、パソコンに遺してしまったエロ画像を友人に消してもらうために、あの世で幾多の強敵(おじいちゃん)と戦っていくお話。
最終更新:2015-02-25 22:11:49
2559文字
会話率:20%
十代の女の子 桜花(おうか)が、ドイツ人留学生 クラウス との出会いから変わっていく物語です。
最終更新:2014-11-22 13:00:00
33624文字
会話率:47%
十代の女の子が、一人の男性と出会ったことで変わっていく物語です。
生きていくうえで、思いがけなく傷つくことは誰の身の上にも起こりえます。
そしてそこから回復していくこともきっとできると思います。
やさしい気持ちを持ちたいと思います。
約3万
文字ありますが、お読みいただければ幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-11-02 14:47:28
32181文字
会話率:46%
霊園に至る途中の公園で1人の少女と出会う。
それは、一つのジグソーパズルのピースを二人で分けて持っていて、交互にピースを埋めていくような、少し可笑しくて微笑ましいやりとりだった。
自身の個人サイトにて公開したものを転載
最終更新:2014-09-21 14:12:41
6399文字
会話率:52%
初老の男が霊園の僧侶らと死闘を繰り広げる。
最終更新:2014-09-15 15:00:00
4774文字
会話率:52%