――春、東北の街で。
38歳の独身営業マン・村上孝司は、新年度初日、いつもより早いバスで出勤した朝、交差点ですれ違った若い女性に心を奪われる。
やがて、その女性・原田みゆきと毎朝挨拶を交わすようになり、言葉少なながらも少しずつ距離を縮め
ていく二人。
みゆきは地元で就職し、1ヶ月の研修でこの街に滞在していた。彼女の母は病弱であり、みゆきは自らの将来よりも家族を優先して生きることを決めていた。
偶然の出会いから始まった関係は、やがて励まし合えるほどの温かいものへと育っていく。
しかし、別れの時は静かに、そして確かに訪れる――。
何気ない日々の中に宿る想い、言葉にできない優しさ、そして春にはまだ遠い小さな恋の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-10 16:52:52
7485文字
会話率:18%
王国の王女 イレーネ・ヴァルディナ は、剣を振るう姫君と呼ばれるほどの実力を持つ。
外交の場で隣国の第一王子 レイヴェル・アークヴィス と出会った彼女は、その完璧な容姿と優雅な振る舞いに、瞬く間に心を奪われる。
彼もまた彼女に惹かれ、甘
い言葉と情熱的な手紙で彼女を包み込み、やがて二人は秘密裏に恋人関係となる。
しかし、その幸福は儚く崩れ去った。
突如として 「敵国と内通し、戦争を企てた」 という罪を着せられたイレーネは、祖国に裏切り者として扱われ、無実を訴える間もなく戦場へと駆り出される。
そして、憎き レイヴェル と再会した瞬間、彼女の世界は完全に崩壊する。
「……何も感じないの?」
「……何をだ?」
傷だらけで膝をついた彼女を、冷え切った瞳で見下ろす男。
かつて甘く愛を囁いた唇が、今は彼女を嘲笑するために存在する。
あの日交わした言葉も、触れ合った指先の温もりも、すべてが嘘だったのか。
――私は、利用されたのか。
戦場で敗れ、捕虜となった彼女は、レイヴェルに囚われる。
処刑されることを覚悟していたが、待っていたのは――
予想外にも、まるで恋人のように甘く扱われる日々だった。
レイヴェルは彼女を 「俺のもの」 だと宣言し、傍に置き続ける。
憎いはずなのに、時折見せる優しさに、イレーネの心は揺れ始める。
「こういうのは好きか?」
戦場では見せなかった穏やかな横顔、そして彼の胸に抱かれたときに感じる微かな安心。
すべてが策略だとわかっていながら、彼の腕の中にいるときだけは心が溶けそうになる。
やがて、彼は告げる。
「城に戻ったら、式を挙げよう。俺の妻になれ」
信じられるはずがない。
彼は、私を陥れた男。
私のすべてを奪い、戦場に追いやり、捕虜として扱った男。
なのに、涙を流す私を 「ごめんな」と抱きしめる腕は、なぜこんなにも温かいの?
――憎しみの檻の中で、彼に囚われた私は。
――このまま、愛に堕ちてしまうのだろうか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-23 01:28:16
18157文字
会話率:18%
足立隆之介(27歳、会社員)は、5年間付き合った恋人・井浦里奈に「一緒にいると未来が見えない」と振られ、深い絶望に沈む。彼女の残した乙女ゲーム『星巡りの聖女』に逃げ込み、悪役令嬢クラリッサ・フォン・ローレンスに心を奪われるが、徹夜のゲームプ
レイで立ちくらみを起こし、部屋で転んで頭を打って死亡。目覚めると、ゲームの攻略対象・エルノー王国の第三王子アリウス・エルノーとして転生していた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-22 01:21:27
10863文字
会話率:39%
音楽が物事の全てを左右する力であるこの世界。
そこにはオカリナ王国という小さな国があった。
国の名前のとおり、オカリナがこの国を象徴する楽器だ。
第一王子のクロウリーと、歳の離れた第二王子のミケルは仲睦まじい兄弟であり、彼らもオ
カリナを吹き、二人で完璧なデュエットを奏でていた。
しかしある日、兄クロウリーはどこからか聴こえてきた別のオカリナの音に心を奪われる。
そこから兄弟の関係は崩れ始め、ある事故が起きる…。
フルート皇国、ピアノ合衆国、パーカッション諸島…さまざまな楽器の国が交わる、自由と優しさの物語!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 23:34:17
39716文字
会話率:25%
四十歳、小説家――人生の半ばを過ぎた主人公・時雨 陽は、偶然目にした「躰道(たいどう)」の演武に心を奪われる。空中を舞い、捻り、跳ぶその動きは、まるで身体で詩を綴るようだった。
運動とは無縁の人生。だが、なぜか心が動いた。
運動音痴、未
経験、白帯。それでも彼は、道場の扉を叩いた。
これは、“書くこと”を生業としてきた男が、“動くこと”によってもう一度自分と向き合っていく、成長と再出発の記録である。
年齢なんて関係ない。はじまりは、いつだって白帯から。
実在の武道「躰道」を題材に、身体と心の変化を描くリアルな武道×ヒューマンドラマ。
※作者は実際に躰道経験者です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 13:09:36
7488文字
会話率:14%
「燦歌彩月第六作――」その先の言葉は夜に消えた。
久慈家の名家である天才画家・久慈色助は大学にも通わず怠惰な毎日をダラダラと過ごす。ある日、久慈家を勘当されホームレス生活がスタートすると、心を奪われる被写体・田中ゆかりに出会う。
第六作を描
く。そう心に誓った色助は、己の未熟とホームレス生活を満喫しながら作品へ向き合っていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-27 16:00:00
108165文字
会話率:37%
高嶺の花に、一目惚れ。それが全ての始まりだった――
きらびやかな夜会の場で、伯爵家の次男クラウスが出会ったのは、王太子の婚約者として誰もが畏れ敬う公爵令嬢レティシア。
その堂々たる美貌と鋭いまなざしに、クラウスは一瞬で心を奪われる。
しか
し彼女には不可解な噂が絶えず、王太子もまた彼女を断罪しようと動き出す。
矛盾する話に違和感を抱いたクラウスは、「真実を見極めたい」という思いから、すべてを敵に回してでも彼女を救うことを決意する。
高い身分ゆえに孤立する彼女と、一目惚れした青年の衝撃的な邂逅は、危うい陰謀と政治が絡む波乱の幕開け。
その先に待つのは破滅か、それとも新たな運命か――
凛とした令嬢の気高さと、純粋な想いを貫く青年の奮闘が紡ぐ、波乱と奇跡の物語がいま始まる。
※この作品は「カクヨム」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-18 19:30:00
150654文字
会話率:33%
松風闘雅(まつかぜ とうが)、29歳。かつて「将棋の神童」と呼ばれ、15歳でプロ入りを果たした天才棋士。しかし、才能に慢心し、プレッシャーに押し潰された彼は、勝てない日々の中で自信を喪失し、ついには将棋界から姿を消した。挫折と後悔に苛まれる
彼の前に、突如として異世界への召喚陣が現れる。
目を覚ますと、そこは「煌華大陸」と呼ばれる異世界。中華王朝を彷彿とさせる文化と武術が支配するこの世界で、彼を召喚した蒼天国は、隣国の紅蓮の侵攻を受け、滅亡寸前だった。英雄として召喚されたはずの闘雅だったが、期待された戦闘スキルはなく、唯一与えられた「錬金術」のスキルは武人の国では価値がないと見なされる。失望と嘲笑の中、冷遇される闘雅。
しかし、ある日、戦場の戦略会議に同行させられた彼は、そこで目にした「星辰盤(せいしんばん)」に心を奪われる。それは将棋に酷似した軍略盤だった。「これなら、俺にもできるかもしれない…!」戦いの形は違えど、戦略の本質は変わらない。かつて将棋に人生を捧げた男が、今度は異世界の戦場で新たな勝負に挑む。果たして、闘雅はこの世界で再び輝きを取り戻し、最弱国を勝利へ導くことができるのか──!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-17 13:40:12
31020文字
会話率:41%
深海に潜む魅惑的なスケトウダラにしか愛を感じられない主人公は、ある日念願の漁船に乗り込む機会を得る。
海の男たちのあざけりをよそに、彼は銀色に輝くスケトウダラの姿に胸をときめかせ、ひとり言葉をかけ続ける。
リールが弾け、見事に釣り上げたス
ケトウダラを抱きしめる主人公は、その美しさと神秘にさらに心を奪われるのだった。
しかし、最終的に下した決断は、釣り上げた獲物を深い海へ返すこと。
青く暗い水底へと姿を消すスケトウダラを見送るとき、主人公は儚さと永遠の愛を同時に感じ取る。
常識を超えた熱情が交錯するこの物語は、魚への狂気すれすれの偏愛と、人間の孤独が生む切ないロマンスを鮮烈に描き出す。
スケトウダラ・コンプレックスという言葉を生み出した問題作。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-06 15:03:47
3582文字
会話率:10%
とある大陸の辺境に、高い山と海とに囲まれた王国がある。
その地で生まれ育った人々は、幼少期から成人へと変化する中で、幼虫が蝶になるかのごとき変化を迎える。体表から繭糸を紡ぎ、身体を包み込む。そしてその中で肉体の全てを作り変え――羽化する
のだ。
蝶のごときまばゆい容色を備え、人々はその後の人生を生きてゆく。
そんな彼らを人々は「蝶の民」と呼んだ。
その――生まれ変わるような様を目の当たりにした少年レンは、その不思議に心を奪われる。自身は只人であるが故に一層、憧れを募らせてゆく。
だが十六歳になったレンが国の教育機関であるアカデミーに通うようになると、そこには蝶の民でありながら、その羽化の過程を憎む少年ファルがいた……。
相容れない考えを持った少年達は、やがて無二の友となり――、しかし「蝶の民」の性質に翻弄されてゆく。
再び出会った彼らが選ぶのは友情か、それとも新たな関係か。
これは、不思議な国を舞台に、それでも懸命に未来を模索する少年たちの物語。
ブログ(https://miyuki-sakura.hatenablog.com/)にて、先行連載中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-19 16:18:14
53593文字
会話率:41%
西村陸は、普通の高校生として平凡な日常を送っていたが、転校生の登場でその生活が一変する。新しくクラスに加わった星野さくらは、誰もが注目する美少女で、すぐにクラスメートとの距離を縮める。彼女の明るさと魅力に、陸も心を奪われるが、予想外の展開
が待ち受けていた。
ある日、もう一人の転校生、天野美咲が現れ、冷静でミステリアスな雰囲気を放ちながらも、陸に対して興味を示す。美咲の告白に戸惑いながらも、陸はさくらとの関係と美咲との距離感に悩む。次第に二人のヒロインは、陸に対してそれぞれ独自のアプローチを見せ、彼の学園生活はドキドキとした瞬間で満ちていく。
最終的に陸は、どちらのヒロインとも特別な関係を築くことを決断し、三人での楽しい日々が始まる。平凡な高校生活から一変して、陸は予測不能な学園ハーレムを楽しむこととなり、心の中で自分自身と向き合っていくのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-06 19:33:44
1758文字
会話率:36%
ローズマリーは王太子であるエドガーの婚約者だ。
だが、エドガーは別の女に心を奪われる。
エドガーを心の底から愛していたローズマリーは嫉妬に狂い悪役令嬢と噂されるようになるが、それでもエドガーの事を愛していた。
だが、限界は訪れた。
そんな
ローズマリーに王妃は優しく囁く。
その恋心をどうにかする方法があるとしたら、どうする、と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-03 11:55:33
26621文字
会話率:31%
どろどろに蕩けた太陽が、水平線に落ち行く時刻。
其れを御友人と共にぼんやりと眺めておりました。
そうして浮かべるのは、昨夜に見た夢。
冷たい日没の話。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事
項2
幻想奇譚。スクリュードライバーの話。
昨日は絶賛気絶したので、今日はその続きです。
勿論、それ単体でもいけます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-26 21:20:30
824文字
会話率:38%
『赤い雨の降る夜に』粗筋: 近未来の街ネオチバを舞台に、犯罪組織クラースヌイ・ドラコンの警備員セルゲイ・イワノフと、組織が管理する高級クラブのホステス、ナターシャ・ソコロワの悲恋を描く物語。 元スペツナズ隊員のセルゲイは、シベリアから来た純
朴なナターシャに心を奪われる。組織の非道さに疑問を持ち始めた彼は、特別教育(洗脳)の対象となったナターシャを救うため、組織からの逃亡を決意する。 追手から逃れながら、セルゲイはナターシャの逃亡経路を確保。最後は廃工場で追手と対峙し、ナターシャの逃亡時間を稼ぐため、自らを犠牲にする。 数年後、モスクワで新しい生活を送るナターシャのもとに、ある来訪者が訪れるところで物語は幕を閉じる。 赤い雨という象徴的な気象描写を通じて、非情な組織社会における純愛と犠牲、そして救済のテーマを描き出した作品である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-23 15:35:38
17012文字
会話率:40%
中学生のオタク少年、翔太が、河童の都市伝説で有名になった大阪の田舎町、箕里町にやってくる。
そこで滞在する民宿、星野屋の娘、ゆきと出会う。
呼吸を忘れるほどの美しい少女、ゆきに心を奪われる翔太であったが、彼女から河童にまつわる重大な秘密を聞
かされると事態は一転――
ゆきは翔太との距離を一気に詰めると、星空の下に誘い出し、まさかの告白!?
「翔太君となら……試してみても、いいよ」
この星を巡る翔太とゆきの、ひと夏の冒険が始まりを告げた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-21 16:31:55
4831文字
会話率:42%
中世ヨーロッパ風の貴族社会を舞台にした物語。吸血鬼の一人であるグレンは、人間社会での振る舞いに長けており、その知識欲と興味から特に人間の感情に対して強い関心を抱いていた。
ある日、彼は新たに出会ったツンデレ令嬢、エミリアに心を奪われる。エミ
リアは、外見こそ美しく、上品でありながら、その内面はツンツンとした厳しい性格。彼女は他人に対して冷たく、感情を表に出すことはほとんどないが、その心の奥には孤独と葛藤が潜んでいる。
エミリアの内面に潜む真の心を知りたくなったグレンは、彼女の心を溶かすために、あらゆる手段を講じる。エミリアは初めはグレンの真意を疑い、彼の接近を拒もうとするが、次第にその優しさと巧妙なアプローチに心を動かされていく。
一方、グレンもまたエミリアのツンデレな態度に振り回されながらも、彼女の心の奥深くに隠された感情に触れ、次第に真剣に彼女を想うようになる。二人の間に育まれる感情は、果たしてどのような結末を迎えるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-16 22:02:22
62056文字
会話率:37%
中世西洋風の舞台。王都に住む貴族男子は剣等、何がしかの武術を身に着ける事が求められる。
伯爵の次女デイジーはそばかすコンプレックス。パーティーで壁の花になっていたところを、武術とは無関係そうな子息クリスからダンスを申し込まれる。
その
際に、そばかすがチャームポイントと言われ気をひかれ、後日そばかすが薄くなる化粧品を贈られた事で心を奪われる。
クリスとお見合いするが、クリスは訳あって最近まで商人として育ち、現在は伯爵を継ぐべく努力中。デイジーは好意を強める。そんなデイジーにクリスも思いを寄せていく。
転生無し、魔法無し、チート無し、ざまぁという程では・・・。流行りの項目無し。かなり能天気な話です。
習作レベルのできです。各話短めです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-07 17:40:00
55259文字
会話率:51%
大学生の神谷仁は、図書館で美しい女性、新城美咲に出会い、一目で心を奪われる。二人は文学を通じて親しくなり、やがて恋人同士となる。しかし、仁の幼馴染の佐藤恵美も仁に対して密かに恋心を抱いており、ある日彼に告白する。仁は美咲への愛を優先しつつも
、恵美との友情を大切にすることを決意する。
一方、仁の親友である山田翔太もまた美咲に対して特別な感情を抱いていることを告白する。仁は翔太の気持ちを理解しつつ、彼との友情を続けることを選ぶ。三角関係の中で揺れ動く彼らの関係は、夏祭りで一層深まる。
夏祭りの日、仁、美咲、そして翔太の三人は一緒に祭りを楽しみ、友情と愛情を再確認する。花火の下で手をつなぎ、三人の絆はさらに強固になる。彼らは互いの幸せを願いながら、新たな未来へと歩み出していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-18 22:53:16
5198文字
会話率:9%
ルティーナ・クワイエットはクワイエット公爵家の長女である。
サラデイン皇国は精霊の加護を受けた国。多かれ少なかれ皆、精霊の加護を持っている。
クワイエット公爵家は古くから闇の大精霊ヴァレリーの加護を受けており、ルティーナの傍には生まれたとき
から加護精霊ウリちゃん(黒マメシバの姿)が付き従っているぐらいに、その加護は強大なものだ。
闇の大精霊とは魅了の力を持つ。
ルティーナは幼い頃は無自覚に周囲を魅了し、浄化によって魅了がとけた友人たちから蛇蝎のごとく嫌われることを繰り返してきた。
そのため、すっかり人間不信い陥り、陰の者として部屋に閉じこもってきた。
強い闇の大精霊の加護を持つ――ということで王太子殿下であるカイネ・サラデインの婚約者に選ばれた十五歳の時、ルティーナは夢を見る。
これから入学するサラデイン貴族学園で、は、ルティーナとは真逆の可愛く明るく人気者である子爵令嬢ステラ・エルナンに心を奪われる。
嫉妬に身を焦がしたルティーナは、魅了の魔法をカイネに使用しようとして失敗し、その罪を断罪されて投獄されて、ルティーナの持つ力は危険だという理由で処刑をされる。
そんな未来はおそろしいのでできることなら穏便に、婚約破棄に辿り着きたい。
というかそもそも、カイネが明るすぎて眩しすぎて、光属性の加護が強すぎて、逃げ出したいんですけれど……!
そう――カイネはルティーナの幼馴染だった。
昔から、しょっちゅう家に乗り込んできては、遊びに誘ってくるのだ。
あぁ、今日もカイネの声がする。
「ルティ、ここをあけてくれ。雪を降らせたから、雪合戦をしよう!」
「こごえてしまいます……!」
「海に行こうか、ルティ」
「とけてしまいます……!」
粛々と婚約破棄を受け入れますから、どうか構わないでくれませんか!?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-17 10:21:14
173559文字
会話率:33%
大学2年生の茜は、元家庭教師の弟である透夜と知り合い、一方的に好かれる。彼はネットアイドルとしてデビューし、動画を見た茜はそのグループ内のヒカルに心を奪われる。透夜を介してヒカルと知り合った茜は、そのまま彼の恋人になる。アイドル活動も恋も順
調に進むが、茜は過去に辛い失恋を経験していて、人を本気で愛することに強い恐怖心を抱いていた。
少しずつ心を病んでいく茜を見かねて、透夜が実家に帰ろうと誘う。実は茜の失恋は、元カレの心中事件のせいで更に痛手を負っていた。彼の自殺の原因を知りたいと思っていた茜は、元カレの友達だったという透夜と共に墓参りすることを決意した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-07 20:30:00
40379文字
会話率:43%