月夜の光に照らされ、どこか儚さを感じさせる艶やかな黒髪を持つ少女、時雨しぐれ。細く、長い手足に白く麗しい肌を持つ見目麗しい孤高の存在。凹凸のない胸部だけが非常に残念で——
「べくしゅんっ!! うぅ、誰か噂してるわね……もしくは風邪かしら…
…」
「刀が風邪なんか引く訳がないだろ。それに馬鹿も引かんらしいから病気ではない。安心しろ」
「おぉぉん!? 喧嘩売ってますぅ!? 馬鹿じゃないですし、人化してる時はか弱い女の子なので風邪ぐらい引きますぅ!!」
遠い昔、異世界からの来訪者と共にこの世界に持ち込まれた武器、刀。そしてこの黒髪の少女こそ、刀の精霊であった。
更に時雨は長年の月日の経過により、自らの意思で人化を可能とし、精霊としてより上位に位置する聖霊と称される存在にクラスアップしていた。
そんな神秘的かつ、霊験あらたかな存在である刀の聖霊に向かって盛大なディスを述べた少年、ハヤテは、その腰に添えられた漆黒の鞘から白銀に光る刃を抜き出して構え、リズミカルに一定の音を立て、先程狩ったウサギの肉を刻み——
「ってちょっと!? 私の本体を包丁代わりに使わないでって言ってるでしょ!? 由緒正しき刀なんだからね!?」
「さっきから五月蠅いな……安心しろ、まな板が良く似合ってるぞ」
「酷い嫌味!? てか何処を見て言ってるの!? せめて刀を見て言いなさいよ! 私のおっぱいはしっかり膨らんどるわっ! このエセ魔法使い!」
ハヤテが調理に使っている刀、それはかつて魔王をも切り裂いた名刀【時雨】先程からやかましい少女の本体でもある。
「エセではない。立派な魔法使いだ」
「そんなスリムマッチョな体して刀ぶら下げてる魔法使いなんぞ見た事ないわよっ!! てかそれ以前に初級火炎魔法しか使えない魔法使いなんていないから!!」
初級火炎魔法……奥様ご愛用の火種魔法に位置づけされる魔法。そのような便利魔法しか使えないのに世界一の魔法使いを目指す本職剣士のハヤテと、聖霊と称しているが全く神聖さが無く、その上落ち着きもない、ぺちゃぱいの少女、時雨しぐれ。
「くしゅっ! くしゅっ……ぶあっくしゅぅぅ!! うう、やっぱ絶対誰か噂してるわ……」
これはそんなどちゃくそやかましく、忙しない聖霊、時雨と魔法使いを名乗るのに、初級火炎魔法しか使えない剣士ハヤテが世界を救う物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-14 17:24:41
293338文字
会話率:45%
時は戦国末期。小田原北条氏が豊臣秀吉に敗れ、新たに徳川家康が関八州へ国替えとなった頃のお話。
伊豆国の離れ小島に、弥五郎という一人の身寄りのない少年がおりました。その少年は名刀ばかりを打つ事で有名な刀匠に拾われ、弟子として厳しく、それは厳し
く、途轍もなく厳しく育てられました。
そんな少年も齢十五になりまして、師匠より独立するよう言い渡され、島を追い出されてしまいます。
さて、この先の少年の運命やいかに?
剣術、そして恋が融合した痛快エンタメ時代劇、今開幕にございます!
*この作品に出てくる人物は、一部実在した人物やエピソードをモチーフにしていますが、モチーフにしているだけで史実とは異なります。空想時代活劇ですから!
*この作品はノベルアップ+様に掲載中の、「いや、婿を選定しろって言われても。だが断る!」を改題、改稿を経たものです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-25 18:00:00
129577文字
会話率:42%
気付いたら森の中。
何故か自分と一緒に異世界転移されたのはガチャポンの筐体。
いくらガチャポンが大好きだったとは言えど、まさか一緒に異世界転移するとは思ってもみなかった。
しかも、何故かガチャポンは自分のスキルになったらしい。
ガチャ
ポンから出たアイテムは、ただ飾るだけの名刀シリーズが何故か実物大になって切れ味も抜群。ぷにぷにと握って遊ぶストラップは大きな気持ち良いクッションに。古き良き拳銃シリーズは本当に撃てるし、列車の玩具は巨大化して本当に走る。
かなり有用性が高いので重宝するが、中身が被る事もあるし有料。
それでも、このガチャポンがあれば異世界生活は楽しめそうと本宮了は異世界転移を前向きに受け入れた。
あれ? ガチャポンのラインナップって勝手に変わるの!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-13 18:00:00
47609文字
会話率:39%
【アルファポリスより転載】
曲亭馬琴他 編「兎園小説」第十一集「白猿賊をなす事」より
江戸時代後期に催された、世の中の珍談・奇談を収集する会「兎園会」
「南総里見八犬伝」等で有名な曲亭馬琴、著述家の山崎美成らが発起人となって開催
された「兎園会」で披露された世の珍談・奇談等を編纂したのが「兎園小説」
あの有名な「けんどん争い」(「けんどん」の語源をめぐる論争)で、馬琴と山崎美成が大喧嘩をして、兎園会自体は自然消滅してしまいましたが、馬琴はその後も、個人的に収集した珍談・奇談を「兎園小説 余録」「兎園小説 拾遺」等々で記録し続けます・・・もう殆ど記録マニアと言っていいでしょう。
そんな「兎園小説」ですが、本集の第十一集に掲載されている「白猿賊をなす事」という短い話を元に短編の伝奇小説風にしてみました。
このお話は、文政八(1825)年、十月二十三日に、海棠庵(関 思亮・書家)宅で開催された兎園会の席上で、「文宝堂」の号で亀屋久右衛門(当時62歳)という飯田町で薬種を扱う商人が披露したものと記録されています。
この人は、天明期を代表する文人・太田南畝の号である「蜀山人」を継いで二代目・蜀山人となったということです。
【あらすじ】
佐竹候の領国、羽州(出羽国)に「山役所」という里があり、そこは大山十郎という人が治めていました。
ある日、大山家に先祖代々伝わる家宝を虫干ししていると、一匹の白猿が現れ家宝の名刀「貞宗」を盗んで逃げてゆきます・・・。
【登場人物】
●大山十郎(23歳)
出羽の国、山役所の若い領主
●猟師・源兵衛(五十代)
領主である大山家に代々出入りしている猟師。若い頃に白猿を目撃したことがある。
●猴神直実(猴神氏)
かつてこの地を治めていた豪族。大山氏により滅ぼされた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-17 19:26:46
11656文字
会話率:29%
前作「豊臣秀矩(勝家)」に出て来るユキは安兵衛の娘です。
成長し、安綱の刀を腰に差したユキは傭兵軍団を伴い、ドラキュラ公と対峙する事になる。
オスマン帝国皇帝のムラト四世に見いだされたサムライ安兵衛だが、戦火のコンスタンチノープルを
逃れ、黒海に面するモルダビア公国にやって来る。
その旅路の途中でベネチア商人の娘ラウラと再会。ユキはラウラと親しくなり、母親ミネリマーフの死後、養子に迎えられていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-09 16:07:45
21781文字
会話率:48%
中学、高校といじめを受けて来た少年の成り上がり物語現実の厳しさや人間関係の大切さを考えさせられる作品です。
最終更新:2020-04-26 20:41:03
1034文字
会話率:0%
若き日の夏目漱石が、正岡子規が、樋口一葉らが、三日月宗近、加州清光、薬研藤四郎などの名刀握って妖怪退治⁉︎
文豪×刀剣のハイテンション・ノンストップ明治奇譚。
最終更新:2020-02-14 21:56:02
38108文字
会話率:31%
鞍馬寺の別当蓮忍が幼い遮那王に守り刀として与えた寺宝の名刀、義経を守り通した今剣(いまのつるぎ)は今、光秀から信長の元に戻された。
今剣が選ぶのは光秀か信長か。
運命は変えることができるのか。
最終更新:2020-01-13 21:20:52
15398文字
会話率:29%
目が覚めるとでかい蜘蛛に襲われていたサラリーマン。
助けてくれたのは勝手に喋って勝手に動く刀。
【一緒に妖怪退治するぞ】
こんなことを言い出す刀に振り回され、混乱しながらも、一生懸命鍛錬して強くなり、仲間を増やしていく。
日本刀を継承
してその号を名乗る刀士。
知恵を付けて人間と仲良く暮らしている妖怪。
死んで残留した思念が幽体化した幽霊。
彼らと入り乱れながら、時には戦い、時には手を取り合って悪い奴らを成敗。
現代日本と少しズレた世界であるパラレルワールド《妖界》に訪れた危機に、神様の気まぐれで送り込まれた前向きなサラリーマンが、勝手に動く刀と共に悪い奴らに立ち向かうお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-30 00:15:03
258102文字
会話率:34%
真田幸村、真田信繁が双子の兄弟だよって設定。
織田家に人質に出向いた幸村が本能寺の変の後秀吉の下で光秀討ったり、歴史の流れに忠実だけど細かい所で差異があるよ。
真田十勇士が一部登場するよ。
架空の名刀も登場するよ。
最終更新:2019-11-17 01:59:30
4584文字
会話率:63%
子供のころから、剣術や武術を教えられ、一般人とはかけ離れた生活を送っていた士埼刀香。
そのせいで、何をしてもほぼ彼には誰も勝てないような体になってしっまった刀香。
その上、彼は物凄く用心深いため、どんな所から攻撃しても、隙が無く、ほぼ無敵の
状態だった。
そんな彼に訪れたのは・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-17 12:00:00
1830文字
会話率:11%
ワケあり貧乏のじゃロリお姫様が思わず呟いた。
「ひもじいのじゃ」
朝食、草! 昼食、草! 夕餉、草! ここ一ヶ月の献立、草のみ!! 牧草を食べすぎてもはやそれ以外の味が思い出せなくなった姫様が貧乏をどうにかすべく立ち上がった!
「牧
草を食べすぎてどの週で狩られた草かすらわかるようになってしもうた! 嫌じゃ! このまま牧草マイスターになぞなりとうない!」
目指すは美味しいご飯と温かいお布団! 手始めに畑を豊かにする為、近隣にある迷宮で妖魔を狩り、それを畑に撒くことを決意する!
妖魔! それはこの世の物とは思えぬ化物!(ハイファンタジー作品なので当然この世ではないのですが)恐ろしい妖魔を相手に、腰に携えた名刀草刈り丸(主な用途は草刈り)で立ち向かう!
時には一人で勝てない敵もいるが、そんな時には頼りになる家臣達がいる!
「サービス残業マジクソ」とか「この武家マジブラックでござる」とか「あー、週休六日にならんでござるかなぁ」としょっちゅう漏らす家臣たちだが、いないよりはマシである!
因みに、鼠ベースの獣人だから姫様の半分ほどの背丈しかないぞ! 大掃除の時は姫様ばかりに重い家具を持たせるガチ畜生共だ!!
美味しいご飯と温かいオフトゥンだけが姫の望みであったが、姫に隠された出生の秘密が平和な暮らしを許さない!
自分が住んでいる村だけでなく、領地があるスカンピン国! それにスカンピン国がある白虎の地! 果てには世界を巻き込みながらも世界へ羽ばたきそうで
「えぇ……お外の世界怖いし、妾村から出たくないんじゃけど……なんか無礼討ちとかあるんじゃろ? 村の外マジ怖いのじゃ……」
羽ばたかないっっ!!
のじゃロリ和風幼女がなんやかんやで天下を取るエセ和風ファンタジー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-17 23:43:28
140323文字
会話率:53%
都市に住む侍。現代の侍。彼らの持つ刀は、一見してただの刃物。しかして其の実、主人を選ぶ妖怪ならぬ妖刀。選ばれた主人には、妖刀の持つ[妖力]が与えられる。
その形状は異なり、太刀、脇差、洋刀、青龍刀、短刀、手裏剣、包丁、斧、鋏etc…
片
凪禅太郎の持つ刀は、四尺(約132cm)もある名刀「鬼祟り長光」。潜む妖怪は齢六百を超える白髪の幼女…いや妖女、第六天魔女。通称ロク。
オカルト雑誌の記者にして禅太郎の彼女鞘枝夢。二人と一匹の、vs妖怪、with妖怪、and妖怪、to妖怪な物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-12 00:52:04
5636文字
会話率:70%
これは
産まれて兄妹が最初は
不幸になる物語である
二人は産まつき、最強の
能力を持っていた。
だが、それを狙う人達
兄は、妹を守るために戦う
そして、どうなるかは、本編をどうぞ!!!!
最終更新:2018-07-22 15:58:41
4033文字
会話率:34%
われわれは、自衛隊
日本は、食糧と物資のぶそくに見舞われて
外国のアメリカと、こうしょうをする総理大臣だったが無理で、戦争することになる。総理大臣はわかっていた。アメリカと戦っても負ける事はわかっていた。だが、逃げるのは、だめだと分かってい
た。だから、自衛隊を送り込んだのだった。
そして、そのころ
地球と違う異世界では、
今、大変になっていたのであった。
とある
組織がうごいていたのであった。その異世界をとりこもうと
だが、その世界の神様は、きづいてなかった。
そして、日本とアメリカの戦争が始まる
アメリカはこういうことは、したくなかったらしい、
でも、このお話には、関係ない
この話は、
自衛隊のある人達がメインとなった話です。
異世界人達は、自衛隊に助けを求めるかもしれない
それは、本編で見ていただきたい折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-18 12:00:00
11990文字
会話率:0%
とある少女を追っていた東條時雨はいつの間にか気を失っていた・・・
最終更新:2018-04-23 12:30:54
235文字
会話率:45%
遥か昔魔王を打ち倒したという剣士が居たそうだ。
その剣士が持つ刀の名は夜桜と言う名前だった。
黒に輝くその名刀を持ち剣士は魔王を切りもう一本の刀百鬼に封じ込めたとされ
今もなおこの国の山の頂辺に刀が祀られている。
最終更新:2017-12-10 20:41:18
1756文字
会話率:43%
「大切に使われた物には、命が宿る」
そう言われたら、あなたは信じますか?
作家が愛用した万年筆、有名なスポーツ選手が、有名になる前にボロボロになるまで使い古したシューズ。はたまた、古代中国の将軍が死ぬまで振るい続けた名刀。
道具は、所詮は
使われるだけの物。そんな考えを否定するかのように、スメラギさんの扱う道具たちはまるで自らの意思があるかのように、持ち主を選び、自身の性能を思う存分発揮するのです。
これは、大学生の「ヒビヤくん」と不思議な道具屋で働く「スメラギさん」の、ちょっぴり不思議で、ほんわかしみじみ、時々うるうる、な和風ストーリーです。
これを読んで、あなたが身の回りの道具に愛着を持ってくれれば、それ以上の光栄はないでしょう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-19 20:29:57
8497文字
会話率:46%
我こそは、かの刀匠正宗が鍛し一本、と自負する日の目を見ない刀のお話。
最終更新:2017-10-26 03:54:47
1416文字
会話率:21%
「ドラゴンだから」と彼女は言った。
彼女と出会った剣士の運命は・・・
最終更新:2017-04-04 03:00:00
1441文字
会話率:17%
死んだ剣豪たちは「剣界」という異世界に異動し、剣を磨く。
はずだった!!
現代のマンションの裏路地と剣界が接続されると……………
剣豪たちは現代の人を斬って、斬って、斬りまくる!
その剣豪たちから人々を守るために戦う謎の流派・鳥義鎧聖
流の遣い手・中2の時掛守。
壮絶な殺人剣を振るう普通の少年・僕。
剣界に降り立った宮本武蔵、。
三人の視線から送る剣戟あり青春あり人情ありの現代剣客小説。8/11連載再開折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-01 18:03:30
30751文字
会話率:41%