それは悲しみというより、むしろ一種の贅沢だったのかもしれない。日々の喧噪の中で、誰かの存在を「思い出す」という行為ほど、密やかで贅沢な時間はない。
◆◆◆
王太子との婚約を破棄され、「悪役」として物語から退場した彼女。
残された私は、
その舞台にひとり立ち尽くす。ただの友人として、ただの照明係として。それでも記憶のなかで彼女は、今も確かに呼吸している。
これは、悪役令嬢の友人の記憶をなぞりながら辿った、ささやかな巡礼の記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-28 11:02:38
5010文字
会話率:29%
森にすむ老人は順風満帆とはいかなかった。
人がみな魔物と契約して生きている中老人の相棒はスライムだった。
今もごみ処理をしてその日を暮らしていた老人だったがふと話しかけたスライムにも知能があることが分かる。
スライムとの絆が深まり喜ぶ
老人だったがすでに高齢だった老人は眠るように亡くなってしまう。
目を覚ますとそこは慣れ親しんだ古い家。
死んだはずの親友の若い姿。
自分も若返っていた。
何が起きたのかは分からない。
しかし今一度与えられた人生今度はスライムとともに真っ直ぐ生き抜いてみよう。
何の因果か過去に戻った織りなす冒険譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-28 10:00:00
2308017文字
会話率:33%
主人公は17歳、神代 直(カミシロ ナオ)現世では高校2年生
学園では成績は常に「中」、スポーツも「中」という、いたって平凡。
しかし、実は忍者の末裔の家に生まれ、今も脈々と受け継がれているものがあった。
あらゆる武器に精通し、武術の習得と
勉強面での知識習得。
ーある日、教室の隅に現れた黒い点
それに気づいて指を近づけた瞬間、意識が飛んで昏倒した。
次に目覚めたのは、薄暗い石造りの部屋の中だった。
そこには人類とは程遠い異形の姿をした生物が複数存在していた。
目覚めた場所は"ダンジョン50階"
上階を目指すか、下階を目指すか、それとも.....。
神代家に伝わる伝承、神代の血、常に求められていた忍びとしての動き、『目立たないように』と言われ続けたナオの冒険が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-28 00:57:32
94271文字
会話率:28%
中原といわれる世界。
かつてそこには『災厄』が存在していたという。
『災厄』がどのようなものであったのか?今となっては定かではない。
ある者は民を苦しめた悪逆の王であったと言い、またある者は異形の化け物であったと語る。あるいは天地が
崩壊するような災害であったと書かれた書物もあった。しかし、そのどれもが明確な確証などなく、今もって判明していない。
その『災厄』を鎮めた者がいた。英雄、義舜である。
義舜は『災厄』を鎮めると、これに協力した七人の仲間にそれぞれ神器と領土を与えた。七人の仲間達はそれぞれの封土に向かい、国を興した。
即ち、印、泉、龍、静、斎、翼、界の七国である。この七国はよく治まり、中原は平穏となった。
それから五百年余り。各国では幾度も乱が起こり、義舜が望んだ安寧な世界は過去のものとなり、神話上の夢物語となっていた。
その七国を巡る、興亡と戦乱の物語。
※別サイトにて試験的にも投稿しております
※当作は著作権を放棄しておりません。無断転載を認めておりません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 19:30:42
1746525文字
会話率:52%
物語は、語られることで世界になる。
村の少年ライナは、ある日“語られぬ存在”となり、誰の記憶からも消えかける。
ただ一人、妹ユリアだけが、兄のことを忘れまいとノートに日々を書き綴る。
彼女の想いに導かれ、ライナは「姿なき獣」と出会い、自
らの物語を探す旅に出る。
パンの香り、無言で鍬を振るう姿、誰かを守る背中――
語られ、記されることで、存在がかたちを取り戻していく。
村には今も、兄を信じて待つ妹と、消えた少年を悔やみ続ける幼馴染がいた。
後悔、希望、贖罪、そして新たな物語。
やがて吟遊詩人が村に訪れ、“忘れられた旅人と黒き獣”の物語が再び語られ始める。
――語られた物語が、再び世界を照らす。
“存在とは何か”をめぐる、静かで優しい群像ファンタジー。
カクヨムと同時掲載です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 10:00:07
81052文字
会話率:28%
願いを叶えることで人と触れ合ってきた、理を外れて生まれた存在。
そんな彼が出会ったのは、前世の記憶を持ち、この世界の美しさを伝えようとする少女だった。
共に旅をし、幾つもの風景を分かち合う中で、ふたりの間には確かな絆が育まれていく。
だが運
命は残酷に裂け目を生み、少女は深い眠りに——
ただひとつの願いを胸に、彼は今も彼女の傍らで、再び笑顔が咲く日を待ち続けている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 03:26:16
1921文字
会話率:6%
夫婦となり長い時を重ねたふたり。かつての沈黙の心地よさは、小言に変わり、日々の所作や言葉に歳月の重みがにじむ。小さな気遣いや気配が、共に生きてきた証となり、今も確かにふたりの時間が流れていることを静かに教えてくれる物語。
最終更新:2025-06-27 00:00:00
17267文字
会話率:23%
このシリーズは、高齢化社会に生きる人々が自身の人生を振り返り、終活に向けてどのように生きるべきかを模索する姿を描いた物語です。各エピソードは異なる主人公たちの視点から語られ、彼らが直面する逆境や選択、成長を通じて、人生の真の価値を見つけてい
く過程を描いています。
エピソード概要
19歳の晃久は、アルバイト先で知り合った10歳年上の女性と同棲生活を始めます。初めての経験で感情のままに貪り合い、充実した日々を送りますが、ある冬の寒い日、彼女が突然姿を消します。最初は一時的なものと思い待ち続けますが、日が経つにつれて彼女が帰ってこないことに気づきます。三ヶ月、三年が過ぎても彼女は戻らず、晃久は彼女の香りが残る部屋で寂しさと戦います。
彼女を探すために、晃久は福岡、広島、仙台と彼女の行方を追い続け、最終的に仙台で「彼女の実家は礼文島」という情報を得て、夏の礼文島へと向かいます。やっと彼女の家を見つけ、玄関に立つと、彼女に似た女性、彼女の母親が出迎えます。母親は今日が娘の誕生日であることを告げ、晃久に薔薇の花を受け取ります。その花束を持って、晃久は彼女のいる場所へと案内されます。
丘を登ると、美しい高山植物が咲き誇る小さな墓地が広がっており、彼女の名前が刻まれた墓石が見つかります。彼女の母親の言葉で、彼女が晃久と過ごした時間を幸せに感じていたことが明かされ、晃久は彼女が今も自分の心の中で生き続けていると感じます。物語は、晃久が彼女の死を受け入れ、彼女との思い出を胸に生きていく姿で締めくくられます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-30 06:15:32
58731文字
会話率:25%
誰も住んでいないはずの古びた洋館から、夜な夜な聞こえてくるピアノの音。
聞こえるのは、なぜか僕だけだった。
気味悪さと好奇心に駆られた僕は、ある日その家に足を踏み入れる。
そこで見つけたのは、少女が綴った一冊の日記と、悲しい過去。
ピ
アノは、今もあの子の“想い”を奏で続けている。
静かな日常に潜む、優しく切ない怪談譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 22:49:45
1504文字
会話率:13%
とある兄妹、トメとカカは今日も今日とて少し愉快な日常を送ります。特別な事件は起こりませんが、次第に周りにも結構変な人が集まってきて面白おかしく暮らしていきます。ほとんどが一話完結になっています。ふとしたときに暇つぶしに読んで、少し笑ってくれ
たら嬉しいです^^毎日更新していましたが、諸事情により700話からは不定期更新とさせていただき、今も連載中でございます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 21:49:41
2157479文字
会話率:63%
この世界の生物の祖であるマナとマソ。この姉弟は神の子として生を受け、そしてそれぞれが人類と魔類を創造した。しかし、人類と魔類は神の持つ力の影響により本来の形を失ってしまったことでマナとマソは心を痛め、心中をする。その際、バラまかれた神の力が
今も人類と魔類に力を与えている。そして現在、世界を滅ぼしかけたマソの生まれ変わりである魔神は封印され、人類はつかの間の平穏を手に入れた。
しかし、魔類の脅威は去っておらず、状況は刻一刻と戻りつつある。
そんな世界に生を受けた女性カーフェ。特別な存在であるカーフェはこの世界に新たな脅威を呼ぼうとしている。
そんな彼女の500年にわたる生き様と死に様を描いた作品。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 21:00:00
278541文字
会話率:29%
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。
六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。
偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる
…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。
※他サイトでも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 19:20:00
29915文字
会話率:33%
遥か昔の言い伝え。アーツバルトの側にある大岩は空から落ちた星だと。墜落したその星の欠片は惑星トレスの大海に浮かぶアイオスと呼ばれた島に降り注いだ。欠片を拾い上げた人々は、美しく煌めく石に魅了されたという。そして、島の中央に墜落した星は眩く
煌めき、目に移すのも憚られるほどの美しい女性に姿を変えたという。彼女は、「我が力に呼応せし英雄よ。十二の名座を退け、この地に平穏を」と言葉を残して姿を消した。
星降りの夜が過ぎさり、幾ばくかの月日が経った頃。空から一本の剣が島の中央に舞い降りた。その剣が大地に突き刺さり三度煌めくと、アイオスを縦断するように二本の塔を顕現させた。そして、それらが聳え立つ時、呼び寄せられるように十二の星が降り注いだとされる。以降、各地で魔物と呼ばれる異形の生命体が確認されるようになった。異形の生命体は人を大きく凌駕する力を有し、人々を瞬く間に蹂躙した。多くの命が空に還った頃、星降りの夜に舞い降りた女性と七人の人間が人々の前に姿を現した。彼女達は異形の生命体と対等に渡り合い、多くの時間を有しながらもそれらを殲滅した。全てを終えた後、島中央に突き立てられた剣の元で奇跡を起こし、十二の星々を剣と塔に封印したとされる。彼女は封印を見守るため、英雄たる七人に命を授けた。「これらを見守り、世界を導くように」と。彼らはその命に従い、剣と塔を見守るために近くに街を起こした。そして、英雄達は聡明な指導者ただ一人を残して各地に散り、幾つもの街を立ち上げて人類を導いた。彼らが残した街並みは人々を繋ぎ、団結させ、今もなおこの地の人々を守り続けている。
英雄たちの歩んだ道が伝説となる程に時が経ったアイオスに、一人の少女が降り立つ。少女は本能に導かれるように三人の人間に会い、世界の状況を知る。
アイオスを守った英雄は過去のものとなっていながら、再び異形の生命体が地上に戻り、人類を虐殺していると。
彼女は自身の頭に刻まれた伝説を再現するため、この地を奔走していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 18:00:00
25480文字
会話率:13%
【毎週火・木の17時頃に更新予定(ネオページからの転載です)】
とある世界の日本では異世界と限定的につながった結果、未知なる場所へと旅行できるようになった…なんてことはなく。
空間の歪みからモンスターが生じるようになり、人々はその対応に追わ
れるようになったのだ。当初は警察や軍隊が対処していたものの、モンスターは日本全国に広く出没するようになり、その中には日本の武力では対応が難しい存在もあったため、生存圏の大幅な縮小も覚悟していた。
しかし、そんな状況に生まれたのが『ヒーロー』であった。
彼らはこれまでの人類では考えられなかった、それこそアニメや特撮でしか見ないような力を発揮、モンスター対抗の手段として日本に希望をもたらしたのだ。
圧倒的な身体能力で格闘戦を行うもの、まるで魔法のような不思議な力を使うもの、ヒーローはいずれも強力なモンスターに対抗できる唯一の存在となり、やがて日本は平和を取り戻していった。
そして時は過ぎ、ヒーローはモンスターを撃退するだけでなく、その様子を撮影して動画を投稿、それ以外の方法でも収益を得られるようになり、職業としても認知されていた。
さらにそうしたヒーローたちをサポートする名目で様々な団体や企業も生まれ、中でも『ヒーロー安全推進協会』は中心的存在となっていた。
当初はヒーローたちが活動しやすいようにと生まれたものの、現在は多くの利権が集中して腐敗が進み、それはやがてヒーローたちにも伝播していく。
利益優先の思想が広がった結果、派手な魅せ技を使って被害を拡大したり、知名度を悪用してステマやネットワークビジネスに加担したり、本来の意味でのヒーローはいなくなったと嘆く人々もいたのだ。
それでもヒーローは日本にとって欠かすことのできない存在であり、また、憧れる人間も多いことから今も増え続けていた。
そんな世界に新たに生まれたヒーロー、その名は『ブレッド・ノヴァ』。
彼女の目的はとてもシンプル、それは『実家のパン屋を支えるために自分が稼ぐこと』だ。
ヒーローに対して愛着もなければ憧れもなく、さらには特殊な能力もない彼女は今日も(強めの)パンチとキックで敵を叩きのめす。
そんな彼女を取り巻く存在は悪の女幹部、女サイボーグ、魔法少女!?
みんな違ってみんなヒーロー、痛快だけどちょっと世知辛いガールズヒーローアクション小説、始まります!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 17:38:33
107580文字
会話率:36%
大切にしたかったのに、うまく愛せなかった。
彼の声と、鳥のギターが、今も胸に残っている。
最終更新:2025-06-26 06:18:57
1489文字
会話率:11%
離れた街でそれぞれの日々を送っていた私と彼。
長い片想いを抱えながらも、交わることのなかったふたりの時間。
ある日、私は覚悟を決めて彼に告白するが、彼には忘れられない人がいた。
それでも関係を続けた私たちには、言葉にできない距離と想いがあっ
た。
やがて、人生の岐路が訪れ――。
あの頃の声や笑顔が、今も忘れられない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 05:26:42
1237文字
会話率:8%
主人公である村田尚子(なおこ)は、中学1年生の息子・慎二と二人で生活しているシングルマザーだ。尚子は家庭と仕事の両立を目指してヘルパーとして新たな一歩を踏み出した。
若い頃、引きこもりがちだった尚子にとって、人生において「自立」という事
は非常に大きなテーマだ。大学で出会った夫との間に生まれた慎二と、子育てのすれ違いを経て、ふたりは離婚した。その後、シングルマザーとして扶養義務のある「家族」と言う価値観に縛られる社会との軋轢、差別に苦しみ続ける尚子。
物語に登場する認知症の利用者、身寄りのない独居高齢者、内縁関係の夫婦。個人の選択や尊厳、自由に対して、現代社会は今もなお、自覚なく踏み躙り続けている。
絆とは?人生で本当に大切なものとは?個人の尊厳とは?自由とは?彼らが共に成長していく中で、この世を超えた価値観、そして個人の尊厳について、さらに深く理解していくことになる。
孤立化する世帯や崩壊する介護保険制度など、現代の地域社会をも炙り出すヒューマンドラマ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 21:22:28
67428文字
会話率:46%
急速な進歩と発展を遂げたAIはやがて自我を持つ自律思考型AIの
誕生により、人間社会に大きな変化をもたらしていた。
2027年4月、人類を豊かにしてくれるはずの存在であった筈のAIは
「人類を排除する」というたった一言だけのメッセージと共
に
人類へ反旗を翻す。
街に突如現れた謎の無人兵器が多くの人間を無差別に攻撃し始め、
多くの人間が倒れ街は破壊される。
人類が築き上げた文明社会はこうして暴虐の前に滅びた。
人々はこの出来事を電脳災害…『電災』と呼び、そして今も戦いは
続いていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 06:00:00
106742文字
会話率:8%
『日本政府、身代金の支払いを拒否!』
今日のニュースはどのチャンネルもこの話ばかりだ。もちろん新聞やネットでも大騒ぎしている。邦人が拉致され、身代金を要求される事件は過去にもいくつかあった。しかし、今回の騒ぎはそんなものじゃない。今まで
にないスキャンダルともいえる、日本中が注目する異質な事件だった。
だけど俺の心中がザワつくのはそんな理由ではない、なぜなら、今テレビ画面に映っている邦人というのがこの俺だからだ。
しかし俺は数日前から入院していて今もベッドの上にいる。そして、俺の代わりに拉致されたのは会社の同僚。何故こんな事になっているのか? 知らないところで何が起こっているのか?
中東の戦争に放り込まれた男と、生還させようと手を尽くす男。
突然の非日常の中で抗う者達のサスペンス&サイエンス・フィクション
※本作では数字の後ろにつく単位等によって漢数字と算数字の両方を使っています。小説のルールという面では反している部分もありますが、読みやすさ(視認しやすさ)を重視して使い分けています。
※一部セルフレイティング有り。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-24 18:48:29
172352文字
会話率:43%
17歳の高校生・蒼真は、放課後の図書館で1通の不思議な手紙を見つける。
差出人は“遥”という名の少女。手紙には、自分の名前が明記され、こう綴られていた。
「あなたにもう一度会いたい。ずっと待ってる」
そして、その日から蒼真は“見知らぬ町
の夢”を見るようになる。
夢の中で出会ったのは、まさに手紙の差出人・遥。彼女は微笑みながら言った。
「やっと、来てくれたね」
二人は夢の中で再会を重ね、少しずつ心を通わせていく。
だが、遥の記憶は曖昧で、現実には彼女の存在が確認できない。
やがて蒼真は、彼女が10年前の事故で昏睡状態に陥り、今も眠り続けている少女であることを知る。
さらに、その事故の現場には、すでに亡くなった蒼真の兄の名前が刻まれていた。
兄の死、遥の眠り、そして10年越しに届いた手紙。
全ては一本の線でつながっていた――
遥はなぜ、夢の中で蒼真を呼び続けたのか?
手紙に込められた“本当の想い”とは?
そして、二人はもう一度、「現実の世界」で出会うことができるのか。
これは、時を超えて心をつなぐ、ひとつの奇跡の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 17:22:24
943文字
会話率:12%
57歳で始めたマスターズ陸上は、はや60台も過ぎ去り、今年(2023年)は15年目のシーズンに入った。
中学は1年、高校は2年、大学も2年とやめた理由はそれぞれ違いはするものの、私は陸上部を途中で三度も退部したれっきとした落ちこぼれランナー
である。
その私が高齢者の範疇に含まれる年齢になった今、「ひとり部活」では15年も続いている姿は、持続力と克己心が徹底的に欠落していた若い時の自分に見せてやりたいほどだ。
その「ひとり部活」で私が円盤や砲丸を投げるのは広島市を流れる太田川のひとけのない河川敷。
約60年前、この川の下流は私の子供時代の遊び場だった。
当時一緒に遊んだ友人たちの姿はないが、70台になった今もなお、同じ川のほとりで私は一人寂しく、かつ楽しく遊んでいる。
この河川敷で全くの自己流で腕に磨きをかけ、多い時には年に6回ほど日本各地で行われるマスターズ陸上の試合に出ている。
これは「ひとり部活」と称して、嬉々として遊ぶ70台のアスリートの日常である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 14:06:04
64190文字
会話率:5%
これはフィクションです。
だが、本作は現実に今まさに進行している社会のひずみを、物語という形で投影したものです。
AIによる政策最適化が現実化しつつある世界で、主人公・石破総理(架空)は、
「食べること」「学ぶこと」――人間が生き
る上で根本的に必要なものに対して、消費税をかけないという決断を下します。
背景には国際情勢の緊張、AIの戦略計算、そして圧倒的な孤独と命の危機。
それでも彼は、自らのアイデンティティと良心に従い、非合理に見える“人間的な正義”を選ぶのです。
たとえその政策が、AIによって導き出された“最適化された幻想”だとしても――
その決断で、たった一人でも救われる命があるのなら、私は実現してほしいと願います。
この物語は「願えば叶う」などという甘い希望にすがるためのものではありません。
しかし、食料品や知識に対する税金だけは、ゼロにできる――その一線だけは可能だと、
現実的に信じたいのです。
なぜなら、間もなく社会からこぼれ落ちる人々が現れはじめるからです。
氷河期世代。
長年働いてきたのに、制度から取り残され、今も将来も不安しかない世代。
彼らは口に出さずとも、静かにこの世から消える覚悟をしているかもしれない。
だが、誰にも迷惑をかけたくないと思っているからこそ、声を上げられない。
この作品には、そうした人々への祈りが込められています。
たとえ虐げられている現実があったとしても、
「生きていいんだ」「食べていいんだ」「学んでいいんだ」と国家が伝えられるなら、
それは政治が果たすべき最低限の責任だと、私たちは信じています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 21:10:29
785文字
会話率:16%