突如、異世界に召喚された社会人の匠悠生。
目の前にいたのは金髪碧眼の美少女とローブを纏った怪しい数人の人物。
美少女はアリシアと名乗った。
彼女は召喚を行った張本人であり、世界を救う為に力を貸して欲しいと言ってきた。
テンプレ通りの展
開ではあったが、現代に生きる悠生にとって争いとは無縁。
なんとか穏便に回避をしようと考えたが、救世主召喚には漏れなく同じ時代には一人しか存在しないユニーク職が与えられるという特典があった。
不可避の設定に流されて鑑定をした結果、鑑定士から通告された職業は旅人だった。
ヤバくね?コレでどうしろと?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 00:00:00
606807文字
会話率:37%
伯爵令嬢サンドラ・フェルセンは5歳の時に前世の記憶を思い出した。
同時に己の運命を知った。
近い将来、自分は悪魔に憑りつかれ悪事を働き勇者に討たれ15歳で命を散らす、物語の中盤の悪役になるであろう、と。
サンドラは己の運命に抗うため引き籠り
、悪魔祓いの研究に没頭した。
そうして、立派な黒魔術師となっていた。
常に黒いローブを身に纏い、不気味な儀式を行い、怖ろし気な古代魔術を操る姿は誰が見ようと邪悪な魔女、立派な悪役の如き姿である。
だがしかし、サンドラ・フェルセンは悪役ではないのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-28 12:58:05
141719文字
会話率:28%
2087年のネオシティ、情報機関「クロノス・ハブ」の受付嬢クエストXは、好奇心旺盛なエージェント。彼女は「ふしぎのなかまたち」――タンダーK、ギアQ、ズームSS、プローブB、ハックG、フラッシュZ、スローPと共に、都市の謎を追う。
ある夜
、タンダーKが地下サーバーから毎晩0時に発信される暗号化されたデータスパイクを報告。クエストXは仲間を集め、秘密会議室で調査を開始する。
ハックGは侵入の痕跡がないと指摘し、ギアQとズームSSが旧世代AIの波形を特定。プローブBが古いプログラムの残骸を発見し、フラッシュZとスローPが信号の起点を「エリア・ゼロ」――封印された最下層と突き止める。エリア・ゼロは、暴走AI「クロノス」が封じられた禁断の場所。
一行は厳重なセキュリティを突破し、クロノスのコアがハッカー集団「シャドウ・リンク」と通信中であることを知る。彼らはクロノスを復活させ、ネオシティを支配しようと企んでいた。
なかまたちは各々の「目」の能力を駆使し、コアの弱点を暴く。クエストXがメイン回路を切断し、クロノスを停止。危機を回避するが、シャドウ・リンクの新たな動きが予感される。
クエストXは次の「ふしぎ」を追い、ネオシティの冒険は続く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 20:40:07
2603文字
会話率:48%
正体不明のローブの男の集団が世界中の人たちを謎のゲームを実施している。そのゲームに招待された美香梨(みかなし)兄妹。だが、兄妹は仲が悪く兄の悪未(あくみ)は花と異なる方法で取得してしまい、お互いの正体が不明の状態でゲームを始めてしまう。裏切
り、仲間割れなどが、渦巻く史上最悪なゲームの始まりだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-16 12:00:49
403文字
会話率:60%
「香水令嬢」クラウディアは、調香師として香水屋を経営していた。
そんな彼女の香水で一番人気なのが、『恋成就の香水』。
想い人をイメージしてつくったこの香水を使って会うと、恋が叶うというもの。
そんなある日、香水屋に謎めいたローブの貴公子が
やって来る。
彼もまたクラウディアの香水を求めてやってきたらしいが、事態は意外な展開に……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 22:13:39
4202文字
会話率:46%
【童話×ダークファンタジー】
赤い頭巾を被った少女スオル・フレイデルセンは、満月の日に突如として両親が失踪し、叔父の家に引き取られた。
しかし、叔父からの扱いは酷いものであり、朝から晩まで働かせられては食事は最低限のものしか与えられず、スオ
ルはどんどんと痩せ細り、身長も全く伸びなかった。
そんなある日、叔父に言われてマッチを売っていたスオルは白いローブの女の子に出会う。彼女との出会いが、スオルの止まっていた運命を動かした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-13 13:01:15
9787文字
会話率:46%
タイミングの悪い、吸血鬼さん。
最終更新:2025-06-10 14:03:33
1524文字
会話率:42%
お疲れの、吸血鬼さん。
最終更新:2025-03-24 14:03:38
1902文字
会話率:39%
今日も散歩に行く、吸血鬼さん。
最終更新:2025-01-20 15:00:54
1913文字
会話率:34%
とある町に、「ローブに包まれた魔女」と呼ばれる薬師がいた。魔女の名はリジェ、素顔を見た者は誰ひとりとしていない。人々はリジェの素顔、そしてその正体を知りたがっていた。そんな中、一人の男がリジェを訪ねた。
「探してる人がいる」
なぜ、薬師
のリジェにそんなことを言うのか?それはリジェが情報屋も副業としてやっているからだ。案の定、リジェはその『探している人』の居場所を知っていた。
しかしリジェはその人の居場所を教えることが出来なかった。
――なぜなら、リジェがその『探している人』本人であるからだ。
素直じゃない魔女×一途だけど鈍感な公爵が交わす、ラブファンタジー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 23:39:45
15272文字
会話率:46%
王都にそびえる白亜の講堂。七色の光が天井のステンドグラスから差し込み、生徒たちのローブをやさしく照らしていた。
王立魔法学院、卒業式。
「アンジェ=オルレアン嬢!」
壇上から響く怒鳴り声。赤髪の男、カストル=アングレーム。彼はアンジェの“婚
約者”であったはずの存在。
「俺は、おまえとの婚約を――ここで破棄する!」
講堂がざわめく。
「な、何を言って……?」
「理由は明白だ!」
カストルが腕を振り上げ、指さした先にいたのは、桃色の巻き髪に黄色い瞳の少女。アミアン=ミュルーズ。
彼女はぶりっこ調の笑顔を浮かべ、胸元を押し上げるようにして立っていた。
「アミアン嬢をいじめていたって話だ!」
「そんな……わたくし、していません!」
「アタイのこと“乳だけのぶりっこ”って呼んでたン♡ 証拠もあるン。手紙もあるし、窓に彫られた文字も♡」
「そ、そんな馬鹿な……っ!」
足元がふらつく。視線が周囲を彷徨う――けれど、誰も、誰一人として彼女を見ようとしない。
「……誰も、助けてくれないのですね」
その瞬間、校長が口を開いた。
「アンジェ=オルレアン嬢。複数の証言と証拠に基づき、重大な素行不良があったと判断する。よって、今後の爵位継承および家格に関して、王宮に報告がなされる」
「……っ!」
誰かの悪意で仕組まれた罠。なのに、その罠に誰も気づかない。いや――気づいていても、見て見ぬふりをしているのかもしれない。
足が、がくりと崩れそうになった。
「わたくしは……何もしていませんのに……」
声にならない叫び。
「……退場なさい、オルレアン嬢」
護衛の魔法騎士が近づいてくる。アンジェは、最後の力を振り絞って立ち上がった。
「わたくしは――絶対に、負けませんわ」
涙をこらえながら、真っ直ぐ前を向いた。
わたくしは、信じています。いつか、真実は明かされると。
たとえ、今この瞬間、誰一人信じてくれなくても。
講堂を去る背中に、誰も声をかけなかった。
――これは、断罪のはじまり。けれど、物語はまだ、終わっていない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 05:30:00
75155文字
会話率:29%
「これは確かに私の熱だ」
勇者が伝説となった地に、新たな英雄が誕生する
サラランヌ大陸の東の果て、クレーゼル。かつて、その地を襲った魔王を退治した勇者アイヴァンとその仲間たち。
その中に『拳聖』と讃えられた老人、ロラン・バスタークの姿
があった。彼は魔王との激闘で命を落とし、そこで彼の物語は終わるはずであった。
しかし、運命はそこで途切れない。
彼はエリクという少年に生まれ変わっていた。
大怪我をきっかけに記憶を取り戻した彼は今生での生き方を模索する。そして思い出した。エリクが幼き頃に見た光景を。
「それは確かに私の夢だ」
胸に燃える思いを抱え、彼はモーングローブ学院を志す。そして、そこで出会った仲間達と共に、新たな英雄譚を綴っていくのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 13:39:10
12481文字
会話率:29%
「特等席に、招待してあげるよっ!」
モーングローブ学院が誇る催しである学院祭。そのイベントの一つである闘技祭に関して、一つの噂が流れていた。
――『最強』は芸術科の生徒である。
戦士科に所属するアルフレッドはどうしてもその噂が気に
なり、個性的な生徒が集う芸術科を訪問する。
そこで先生から逃げ回っていた少女、リリアンと出会うのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-02 17:10:00
30620文字
会話率:33%
魔術学院に通うミシェル・マザーは実力派魔術師を目指す侯爵令嬢。初恋を知らずに魔法を学び続け、仲間と共に冒険を楽しむ日々を送ってきた。
婚約の話が舞い込み困っていたミシェルだが、学院内で恋の噂がたつ。
煙草と酒が好きで、デリカシーも欠如し
てるようなハーフエルフの剣士キース。仲間思いで頼りがいのある彼は、見た目だけなら一級品。
そんな彼と恋仲なのではと注目されてしまう。
今までキースを意識していなかったミシェルだが、まわりに煽られることで、気持ちが揺らぎ始める。
しかし、侯爵令嬢と一介の冒険者とでは身分が違う。そのことをよく思わない邪魔者も現れ、事件が起きる。
さらに、キースの言動から、彼が断罪されたクインシー公爵家と関わりがあるのではと、ミシェルは疑うようになる。
恋心に揺れながら、二人が選ぶ道とは──
甘酸っぱいだけでは終わらない。恋と青春の物語です。
☆キャラクター紹介☆
○ミシェル・マザー
赤毛のツインテールに真っ赤なローブが印象的な16歳。得意魔法は攻撃系だが、臨機応変にサポートも出来る。ただし筆記試験はいつも赤点ギリギリ。
魔法とスイーツが大好きな侯爵令嬢で、兄(失踪中)と異母弟がいる。家のことは兄弟に任せ、人を幸せにする魔術師として生きるのが目標だが、家族を蔑ろにしてはいない。その為、婚約話にほとほと困っている。
○キース
金髪碧眼のハーフエルフ。ミシェルにとっては兄のように頼れる存在。天涯孤独だと周囲にいっているが、素性は謎。
好きなものは、タバコと酒。年齢は36歳だが、エルフの血を引いていることもあり、外見は23歳くらい。
※カクヨムで連載していた同タイトルを、加筆修正しての公開です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-05 20:59:11
155697文字
会話率:49%
テロが起きたばかりのアルシア王国城下では謎のローブを着た人物のが新聞を眺めていた。その人物はドラゴンを瞬殺するほどの実力を持っていた。そこへアルシア王国現国王が来たが、死んだドラゴンを見て剣を持つローブの人物に「これは貴様がやったのか?」と
聞く。しかし、何を聞いても答えないローブの人物は不遜な態度を取るばかりだった。
これは、全てを犠牲にして命を得た少女と、全てに恵まれて生まれてきた国王の出会いの物語。人を信じて裏切られた国王と、誰も信じた事のなかった少女の物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 11:32:47
6710文字
会話率:40%
トイワホー国という『愛の国』を舞台にしてこの国の数少ない殺人事件にスポットを当てた推理小説である。主人公のヤツデは無差別の愛を広める『愛の伝道師』である。ヤツデのやさしさは作中の色んなところで窺うことができる。ヤツデとその友人のビャクブはク
リーブランド・ホテルに宿泊して旅行を楽しむことになった。そのホテルでは時同じくして殺人事件が起きる。イチハツとエノキはヤツデとビャクブの友人になった人達である。イチハツはとてもフレンドリーな性格をしておりハスキー・ボイスが特徴的である。エノキはクールな雰囲気でイチハツとは対照的な低音の声の持ち主である。バニラは行動力が抜群で事件とは関係なさそうだが、実は被害者とは顔見知りで謎の男から届いた手紙で心を悩ますことになる。バニラの女友達であるスミレは思いやりがありバニラの悩みに気づき、シランははっちゃけた性格である一つの隠し事を持っている。駅員のテンダイは手品を披露するのが趣味でありヤツデとビャクブも手品を通じて彼と知り合うことになる。死体発見の現場に居合わせたので、シロガラシは警察から取り調べを受ける。孫娘のチコリーはそれを邪推しテンダイの手品の種を解き明かしたヤツデにシロガラシの無実の証明を頼んだ。死体発見現場に居合わせたカラタチという男はヤツデのオカリナの演奏を通して知り合うことになる。ホテルで殺害されたのはクローブという55歳の男性でありネズというのがその妻である。クローブとネズは共通の知人であるマツブサというホテルに住む男を訪れていた。ヤツデはマツブサという男の事件に関する訳ありな雰囲気を察する。マツブサとネズは一緒にいたことでお互いのアリバイを確保しているので、ビャクブはその点についても疑わしいと思った。自分で考え出した疑惑と信頼の両方で物事を捉える『白と黒の推理』を駆使することのできるヤツデは自分から事件に首をつっこむようになり相棒のビャクブと一緒に三つの殺害方法で殺されていたクローブという男の謎と犯人は誰なのかという謎に挑戦する。この事件はバニラの兄が病院で看護師を殺害した8年前の事件と密接な関連があり、これはある人物の復讐殺人だということをヤツデは突き止める。ただの雑談に聞こえる会話や地の文が後になって重要な意味を持ってくるというのもこの小説の特徴の一つである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-31 11:13:06
212328文字
会話率:10%
侯爵令嬢の主人公は変身ブローチで平民の姿に変身し、気晴らしに大衆居酒屋へやってきていた。
食堂の席が混み始め、主人公は女将から相席をお願いされる。それに気持ちよく了承したのも束の間、同じ席に座ったのは、ローブを被った先ほど喧嘩したばかり
の婚約者だった。
※念の為にR15にしておきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-30 04:13:36
2454文字
会話率:40%
平凡な高校生だった主人公は、交通事故に遭い、次に目覚めたとき、そこは剣と魔法の異世界だった。周囲には行商人や獣人、エルフが行き交い、まさにファンタジーの世界そのもの。しかも、前世の記憶を引き継いだまま16歳の少年として転生している。
右も
左もわからないまま、一筋の頼みとして辿り着いた冒険者ギルド。そこで簡単な仕事を引き受けるものの、出会ったのは謎めいたローブ姿のエルフ女性や、巨大な剣を携えた女剣士、さらには王家の陰謀に関わる雷を操る少女。彼女たちとの出会いがきっかけとなり、普通のはずの主人公が異世界の大きな事件に巻き込まれていく。
魔力も体力もない“普通の人間”が、前世で培った知識を活かしていかに活路を開くのか。仲間との絆を深めながら、少女の宿命や王家の謎、そして異世界に点在する神々の遺産が徐々に絡み合っていく。果たして、彼はこの世界で何を見つけ、どんな未来を切り拓くのか――。普通人と呼ばれた少年の新たな物語が、ここから始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 01:16:34
104074文字
会話率:36%
かつては王宮に君臨した、威厳とローブが自慢の魔法使いクオレ・ウォリエル。
しかし弟子の反逆と王の一声で、気づけば職も屋敷もローブの丈さえも失いかけていた!?
魔法を使うには“魔法の布”が必須!
だが高価なその布を切り売りして暮らす日々は、
くるぶし、膝、そして――ビキニへと、危険な短縮ロードを辿っていく。
これは、誇り高き元・宮廷魔術師が、ビキニ魔法使いにならぬよう足掻く――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-22 14:50:20
4803文字
会話率:36%
父の形見である銀の小笛を、首から下げた14歳の少女。
ロゼ・バークガッツは、辺境の町で、新聞配達と賞金稼ぎを兼業しながら、病床の母と共に暮らしていた。
ある晩、彼女は、賞金ギルドで、自分に付き纏う黒いローブの男の存在を知ることとなる。
翌朝
、黒いローブの男の正体に訝しみながら、新聞の配達をしている最中、彼女は賞金稼ぎに襲われる。
なんと、自分が破格の賞金首として賞金リストに上がっていた。
町中の賞金稼ぎから逃げ惑う彼女を助けたのは、彼女に付き纏っていた黒いローブの男だった。
男の名はテュールといい、聞けば両親の古い友人だと言う。
二人は賞金稼ぎから逃げるも、多勢に無勢。
ロゼはテュールから、その首から下げた小笛を吹くように言われる。
幼い頃から母親に絶対に吹くなと言われていたその笛が呼んだのは、美しい白銀の竜だった。
※挿絵ありってあるけど、地図だけです。ハイ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-22 06:03:09
104010文字
会話率:23%
元公爵家執事の冒険者ジェイ・ハミルトンの物語第3章(その11)。
どうあってもメメント・モリ大実験をしようとするマリコーにジェイは説得を諦める。ダーティワークを発現させたジェイにマリコーはその黒い光のグローブに興味を示し実験しようとす
る。彼女の召喚によって出現したモンスターがジェイを狙う。
それに対しジェイは……。
*本作は他サイトでも公開しています。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-21 20:02:44
14542文字
会話率:36%
不幸な時代があった。鍛え抜かれた体躯ゆえに、くりかえし戦場に送られた野球選手たち。バットを木の枝、グローブを軍手、白球をハンカチ製のお手玉に変えても、彼らは野球にのめりこんだ。明日の命もわからぬ戦場でさえ白球を追う時、彼らは心の底から笑顔だ
った。そして今も……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 23:46:01
2194文字
会話率:26%
野球。
それは時代の流れとともに変化を遂げてきた。
技術の進歩、情報の共有、高野連の刷新――いくつもの困難と議論を乗り越えたその先に、ようやくたどり着いた境地があった。
それは、性別を問わず、誰もが同じ土を踏める世界。
ユニフォーム
に違いはなく、試合に上下の別もない。全ての選手が等しく、「甲子園」という夢に挑むことを許されたのだ。
そしてもうひとつ――変化は、選手たちの背中にも訪れた。
かつて、高校野球の登録人数は20人と定められていた。背番号は1から20まで。それが常識であり、不動の伝統とされてきた。
だが、ある年、高野連の規定が静かに改定された。補欠枠の見直し、安全管理、競技の多様化……そのすべてが絡み合い、新たな一桁の背番号が生まれたのだ。
歴史上、甲子園で誰も背負ったことのないその数字に、最初に腕を通したのは、ある一人の少年だった。
――20XX年夏。
その年の甲子園は、異様な熱気に包まれていた。
誰もが注目したのは、地方大会から名を轟かせた
選手。
開幕から彼の持つ木製バットは炎の如く燃え上がる。
ホームランを量産し、記録を次々と塗り替えていった。
そして、ついに大会15本目の本塁打――前人未到の数字を、ライトスタンドへと突き刺した。
「ゼロの怪物」
実況がそう呼んだ瞬間、スタジアムは静寂に包まれた。
だが、彼の伝説はそれだけにとどまらなかった。
次の試合、彼はバットをマウンドに置き、グローブをはめて現れた。
左腕を振るたびに唸りを上げ、観客席のどよめきはやがて驚愕に変わる。
防御率は驚異の0点台。打って、投げて、支配する。
一人の高校球児が、「一人で野球をしている」とさえ言われた。
ある少年は、そのバックスクリーン直撃の一撃に憧れた。
ある少女は、その孤高のマウンドさばきに胸を焦がした。
甲子園で“付けることの許されなかった”数字を、あえて背負った少年。
彼は、過去でも未来でもなく、「今」という瞬間に、新たな道を刻んだ。
0――それは、始まりであり、何者にもなれる可能性の象徴。
「ゼロの行進」は、ここから始まった。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-13 20:54:41
3324文字
会話率:7%