本作は、谷川健一の著書に書かれていた、とあるエピソードに着想を得ている。
「殯(もがり)のときに、死者の復活を願う光景は早くから見られた。伊波普猷(いはふゆう・那覇市出身の民俗学者・言語学者)によると、沖縄本島の津堅島では、人が死ぬと後生
山と称する藪の中に放ったが、屍が腐爛して臭気が出るまでは、その家族や親戚朋友たちが、毎日訪れて、死人の顔をのぞいて帰った。死人が若者であった場合は、生前の遊び仲間の青年男女が毎晩のように酒肴や楽器をたずさえて訪れ、思う存分踊り狂ったという。」
※後半にショッキングなシーンがあります。メンタルの弱い方は注意。グロ度★★★★★
※本作はコロンさま主催『酒祭り』企画の参加作品です。締切最終日の投稿にして、とんでもなく空気の読めない一作となっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 18:00:00
14655文字
会話率:19%
人よりも周囲から気づきを得るのが得意な女学生、鹿倉由美絵《しかくらゆみえ》は、ある日インターンシップの帰りに駅前の雑踏の端に座り込んだ男、新部高典《にべたかのり》に気を留めた。
上質なメンズスーツを身に着けた中で、シャツだけをしわだら
けにした高典に興味を覚えた由美絵は、高典の油断を誘って行きつけのバーラウンジへと連れ込む。レディススーツから色気のあるワンピースドレスへ着替えた由美絵に翻弄されつつ、高典はひとまず一杯を共にすることにした。
カウンターに並びでカクテルを飲んでいると、由美絵は高典のシャツのしわについて尋ねる。高典はその所以を喋ってみせるが、そこに嘘があることを由美絵は看破した。
シャツにしわをつけたのが他ならぬ高典自身であることを由美絵に指摘された高典は、逡巡を経て質問に答える条件を由美絵に持ちかける。ショットグラスに注がれた酒を一方が飲んだら質問ができて、もう一方は答えなければならない一問一答だ。由美絵がシャツのしわの”なぜ”を問うなら、由美絵も高典の質問に答えなければならない。由美絵は酒の余興を受け入れた。
お互いに飲んでは問い、問われては答えを交互に繰り返すうち、由美絵は自身の中で納得のいく答えに辿り着いた。その答えを示された高典は、回答を継いで自ら語る。シャツのしわは高典の新人時代の失敗と分不相応だった傲慢さの象徴だった。
秘密を語り合った2人はしばらくただの友人の様に酒を交わす。楽しい一時を過ごし終えると、由美絵は青シャツの襟を正してラウンジから去る高典を見送った。
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本作はgithubで管理し、note及びカクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-01 22:36:45
10938文字
会話率:53%
音大での講義を終え、居酒屋へ直行した2人の女子大生。
未来の奏者を目指す彼女達が酒肴としたのは、将来の夢と焼おにぎりだった。
最終更新:2020-12-27 09:33:16
928文字
会話率:37%
『ゴブリンの勘定亭』。冒険者たちが集まる酒場の一角で、酒と料理を楽しむパーティがいた。クエストの疲れを癒やすように、彼らは酒をあおり食事をかっ食らう。頬を赤く染め酔っぱらった彼らは、余興とばかりに互いの酒代を賭けるゲームに興じ始めた――。
この小説は読者参加企画内蔵型作品です。皆様のご参加をお待ちしております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-03 23:32:19
8647文字
会話率:66%
酒は買い置きのものがあるけれど、金がないので肴を用意できない。己のふがいなさを肴に酒を飲み進めるうち朝を迎え、新しい一日を生きる煩わしさに気が滅入りそうになる。
最終更新:2015-02-23 03:00:00
314文字
会話率:0%
食のエッセイです。週末の食卓を書いています。
最終更新:2014-11-21 09:00:13
1023文字
会話率:0%