――植物の「声」を聞く青年は、ある春、ひとつの桜と恋に落ちた。
大学で植物生態を学ぶ青年・集音路 渉は、国の天然記念物に指定された老木「千年桜」の調査を依頼され、京都北方の小さな町・桜野町を訪れる。
咲く気配を見せない桜を前に、渉はただの
植物として割り切れない“想い”のようなものを感じ始める。
夢に現れる不思議な女性。有名な桜をひと目見ようとする観光客。古文書に記された伝承――。
やがて渉は、植物の「声」を聞くという、自らに芽生えた特異な能力に気づく。
それは、科学では割り切れない“何か”への扉だった。
千年を越えて咲き続けた枝垂桜の記憶と想い。
人と植物の境を越えた出会いと別れの中で、渉はやがて、自らの進むべき道を見出していく。
儚くも力強い、花と心をめぐる幻想植物譚。
今、ひとりの“花守り”の旅が始まる。
<登場人物>
■ 集音路 渉(しゅうおんじ・わたる)
25歳。大学院で植物生態学を学ぶ青年。柳教授の研究室で助手を務めている。
幼いころから植物の“訴え”のような気配を感じ取ってきたが、桜野町での調査を通じて、植物の「声」を“言葉”として聞く能力に目覚める。誠実でやさしく、繊細な感性の奥に芯の強さを持つ。
■ 柳教授
60代。渉の指導教官。冷静で現実的な思考の持ち主だが、渉の特異な感受性を否定せず、穏やかに見守っている。植物庁と大学との橋渡し役も担い、調査全体を後方から支える存在。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 22:00:00
47838文字
会話率:23%
山奥の平和な村で暮らす少女、篠崎翔子は幽霊を食べる事で記憶を共有する不思議な能力を持っていた。
ある日、翔子の暮らす平和な村で、外国人観光客が残酷な方法で惨殺される事件が起きる。
その日を境に、翔子を取り巻く平穏な日常は壊れはじめ
る……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 15:56:46
113833文字
会話率:30%
世界的に名の知れた商業流通の国、マリネン。
商人・観光客など日々多くの人が訪れ、
様々な物資や情報が、滞ること無く行き交っていた。
そんな中、首都クリセントにはある貴族の一族が住んでいた。
その現当主であるヒビキ・クライトは、
中心街から少
し離れたところにある屋敷に、
16人の使用人と共に住んでいた。
人当たりが良く、評判も良い当主とその使用人達。
だが彼らには、裏の顔があった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 07:00:00
127344文字
会話率:47%
古くから帝の座所である京都の守護を担い、霊障などの超自然的な脅威と対峙してきた嵐山の牙城大社。その宮司一族の長女にして、次期大巫女候補である生駒美里亜は、品位と誇りを重んじ、日夜研鑽に励んでいた。
ある日、霊能力の実践的な鍛錬として、霊障に
倒れた男性観光客の霊視を試みることに。男性は「水が滴る音」に苦しむばかりか、その額には絶え間なく水滴が付着するという奇妙な現象が起きていた。
果たして、古都に現れたこの奇妙な怪異の真の姿とは?そして、美里亜は無事に解決へと導けるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 05:21:36
2186文字
会話率:31%
華やかなパリ、オペラ座界隈。表通りにはシャネルやヴィトンを求めて集う観光客たちが行き交い、光が溢れている。だが、一本裏通りに入れば、そこにはもう一つの「パリ」がある――現地に根を下ろした日本人たちが静かに、時に激しく生きる、もう一つの街の顔
だ。
本作は、パリ在住の翻訳者を語り手に据え、1990年代から2000年代初頭にかけての「日本人街」の実相を描く、全12話の連作フィクションである。登場するのは、免税店で働く女性、フランス人の夫を支えるレストラン店員、夢破れた画家、ビジネスで転落していく兄弟、カラオケラウンジに集う亡霊のような常連たち…。彼らの姿を通して描かれるのは、異国で生きるということ、誰にも言えない嘘、そして、言葉では救えない苦しみである。
登場人物の多くは「何かを求めている」。金、愛、名誉、あるいは“理解されること”を。だが、その願いはしばしば裏切られ、沈黙のなかに押し込められていく。翻訳という職業に携わる主人公は、そのすべてを“言葉にならない現実”として受け止め、語ることの限界と希望の両方に向き合う。
「翻訳できないのは、心の奥だった」
という一節に象徴されるように、この作品は人間関係のすれ違い、文化摩擦、ジェンダー、階級、国籍といったさまざまな「見えない壁」を静かに、しかし鋭くあぶり出していく。時にユーモラスに、時に残酷に、物語は進む。そして、すべての登場人物が、どこかで「選ばなかった自分」と対峙する瞬間を迎える。
また、各話にはモデルとなるような現実の事件や社会背景も散りばめられ、ドキュメンタリー的なリアリティも感じられる構成となっている。事実とフィクションの境界が曖昧になるような、濃密な読後感が特徴だ。
この物語に登場するのは「成功した日本人」ではない。むしろ、名もなく、声を上げることもなく、パリの裏通りでひっそりと生きてきた人々である。だが、彼らの生きざまには、語られるべき価値と、誰かに届いてほしい祈りが込められている。
本作は、「異国に生きること」をテーマに据えつつ、同時に「日本とは何か」「自分を支えるものとは何か」を問いかけてくる。かつてフランスで、そして今なお世界のどこかで“営業時間外”に生きている誰かの魂に、そっと手を伸ばすような物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-02 08:32:45
20986文字
会話率:27%
西日本の広島湾に浮かぶ小さな島・宮島。
厳島神社で有名なこの島は、“神の島”とも呼ばれ、今も数々の伝説を抱えている。
宮島は、厳島神社や大鳥居で知られ、多くの観光客が訪れる人気の観光地だ。しかし、観光地としての賑わいの裏には、ガイドブッ
クに載らない“七つの謎”が眠っていると言われている。
それは地元の人たちの間で、密かに語り継がれてきた都市伝説。
深夜の商店街に現れる女の霊、海の中から聞こえる謎の声――。
「そんなの、ただの噂でしょ」
そう思っていた、理屈っぽくてちょっと冷めた女子高生・月乃紅葉。
けれどその夜、彼女は“その噂”の真実に足を踏み入れてしまう。
―これは、神の島に潜む“7つの謎”と、ひとりの少女の物語。
『宮島のオカルト7選』
① 商店街の幽霊
② 大鳥居の人魂伝説
③ 幽閉された巫女
④ 弥山に潜む天狗
⑤ 影を追いかける狐
⑥ 厳島神社の足音
⑦ 海の底の祭壇折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 01:40:38
10317文字
会話率:12%
2025年、海沿いの小さな町・星宮市は観光客が減り、寂れた星宮神社も参拝者を失っていた。神社の娘・葵は、町を元気にするためアイドル兼神主として立ち上がる。仲間と共にユニット「スターマリン」を結成し、地元フェスでライバル「マリンリリー」「ウェ
ーブクレール」とライブバトルを繰り広げる。5時間以内のSNSいいね数で勝負が決まる中、ライバルの嫉妬と水増しが発覚。葵は神主の祈祷と本音の投稿で逆転し、絆を深める。5年後、3組はトップアイドルとして東京ドームで輝き、#星宮フェスが世界トレンド1位に。星宮市に笑顔と活気が戻る、キラキラと葛藤の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 15:52:50
1889文字
会話率:0%
あらすじ:
山間の静かな温泉街へ向かう一本道。その道では、どの車で通っても必ずカーナビが「この先、料金所があります」と案内する。
だが、そこに料金所は存在しない。何年も前に撤去され、今は基礎だけが残るだけだ。
地元では「あるある話」
で済まされるが、観光客にとっては不可解なナビの警告。
主人公の〈田所〉もまた、その道を何度も通っていた一人だ。
だがある日、彼の目の前に、“存在するはずのない料金所”が忽然と現れる。
それは、ただのナビの誤作動ではなかった──
忘れられた記憶、捻じれた時間、消えた料金徴収員……
温泉街の奥に潜む“何か”が、ゆっくりと口を開け始める。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-15 17:40:11
1099文字
会話率:25%
就職に悩む24歳の新城春奈は、不採用続きの日々に落ち込み、海辺で気分転換をしていた。ふと見つけた最新型スマホから届いたメッセージをきっかけに、謎の男とつながる。彼は「私と海と電話」と名乗っていた。
彼は未来を予知する能力を持ち、春奈に次々
と驚くべき予言を送ってくる。恋も仕事も失っていた春奈は、彼の言葉を信じて動き、就職を果たす。
ある日、彼は「7月4日には絶対に海に近づくな」と警告する。しかし春奈は仕事の責任を優先し、観光客を案内するため海岸へ向かう。
直後、彼の予言どおり、トンガの噴火を皮切りに巨大地震と津波が発生。
巨大地震の原因は、南太平洋上に巨大大陸が浮上してきたのだった。
春奈は観光客を避難させ、自らは最後の一人を助けるため命を賭すことになる。
しかし間一髪で救われた春奈は、夢の中で彼と再会し、彼が未来から来た魂であり、未来の世界で自分と生まれる前に結ばれる約束をした相手であることを知る。
目覚めた春奈は、自分が生きていること、世界が壊滅的被害を受けながらも再生へ向かっていることを知る。
そして2年後、新ムー大陸を水平線の向こうに見ながら、春奈は彼と再会し、「私と海と電話」が「あいしてる(I・SEA・TEL)」という愛の暗号だったことに気づく。春奈の心には、未来への希望と愛が満ちていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-14 09:42:35
5727文字
会話率:55%
観光客で賑わう伊勢志摩のおはらい町。その片隅の路地裏に、深い悩みや満たされぬ欲望を抱えた者だけが辿り着けるという「縁結(えんむすび)神社」がある。
宮司のような謎多き美青年・常世(とこよ)と、彼と心を通わす不思議な尾長鶏は、訪れる客に八百万
(やおよろず)の神々の力が宿るという「縁(えにし)」、すなわち特別なアイテムを授ける。
しかし、それには必ず守るべき「約束事」があり、その選択が客の運命を大きく左右する。幸福、教訓、それとも破滅か…。様々な人生が交差する、現代のあやかし奇譚集。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-24 12:40:00
135620文字
会話率:17%
とある休日、鈴木紗理奈と明日香響は観光客で一杯の電車に乗って隣町まで来ていた。その途中で立ち寄ったカフェで、響が突然「人間って働き過ぎだと思うんだよね」と呟いた。
次の作品を書いている合間に書いた短編。
最終更新:2025-05-07 09:41:09
5472文字
会話率:66%
増え続ける観光客と、彼らのマナー違反により、京都には悪感情がどんどん蓄積している。
このままでは妖たちが暴走してしまうだろう。
事態を憂慮した狸谷山不動の古狸は、負け戦のプロフェッショナルを彼の地に招いた。
北の地に住むエルフ、クンネチュプ
アイである。
鬼、妖、陰陽師、異星人、そしてエルフが集い、何をするのかといえば、マナー向上作戦!
どうなってんの!?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-01 20:10:00
105538文字
会話率:35%
憎い相手に呪いをかける事が出来る。
2020年 連日観光客で賑わう横浜元町。その町外れにある6階建ての黒いマンションには不吉な噂があった。601号室の郵便受けに、憎い相手の名前や写真を投函すれば、その相手に呪いをかける事が出来るというのだ。
杉浦美沙紀は、最愛の恋人を死に追いやった女への恨みを晴らすため、そんな都市伝説の様な噂に翻弄されつつも、すがるような気持ちで元町を訪れた。それが悪夢の始まりだった。
そして2025年。
数年前から都内各地で発生していた原因不明の変死事件がロンドンでも頻発する様になり。。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 22:27:12
8569文字
会話率:13%
もちもち村は、正月を祝うための特別な場所として多くの観光客に愛されている。
キーワード:
最終更新:2025-04-23 08:44:10
2720文字
会話率:40%
婚約を解消した鈴木李梨花は楽しみにしていた新婚旅行だけはどうしても諦められず、単身ロンドンに旅立つ。観光客向けのお手頃なホテルにチェックインし、部屋のクローゼットを開けると、そこには赤毛の騎士がいた。
「美しき乙女、ここがどこだか教えてく
れないか」
美しくないし乙女じゃないしこの状況だとここがどこだか私もわからないのですけど。
ご都合主義展開・ゆるっとふわっと設定、ご了承ください。BLタグは保険です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 10:00:00
60279文字
会話率:64%
食べるものの影響は大きいですね
キーワード:
最終更新:2025-04-04 09:35:51
1674文字
会話率:4%
怪異を引き寄せる街・京都。
観光客ひしめく華やかな喧騒の陰で、女子高生失踪事件が発生する。
社会に疲れ果てた元サラリーマンの紫菊次郎と、若くしてサッカーの夢を諦めた中学生の紅蘭丸。それぞれの人生に足踏みしていた二人は、ひょんなきっかけか
ら協力して事件の真相に迫ることになる。
SF(少し不思議な)アイテムをめぐるデコボコバディ探偵譚、ここに開幕。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-16 01:43:10
48214文字
会話率:54%
<6月は平日毎日12:00更新 7月より第一、第三金曜日の12:00更新予定となっております>
ある日突然、ゲートと呼ばれるものが出現した現在。
ゲートの先には、この世界とは全く違う場所、ダンジョンへと繋がっていた。
そ
のダンジョンには危険なモンスターが生息しているが、そこで出現したりモンスターがドロップするアイテムは現代科学では考えられない性能を持っており、高値で取引されている。
いつしかダンジョンへ潜る人々、プレイヤーが現れ、一攫千金を夢見てダンジョン攻略を生業とする人々も現れた。
そんな中、東京の離島に住む鏡月正一は、人並みにプレイヤーへの憧れは持ちつつも、幼馴染である四十物琥珀の両親の仕事、島にやってきた観光客向けのスキューバーダイビングを手伝うことに精を出していた。
彼は幼い頃に両親を亡くしており、四十物家に引き取られており、そのため彼は自分を育ててくれた琥珀の両親へ恩返しをするため、ダイビング等の免許を取得し、仕事を支えようと考えていた。
ある日正一はいつものように、観光客のダイビングルートの確認をするため、海に出ていた。しかしそこで、彼は普段は見かけない海底の穴を見つける。
近づいてみると、なんとその穴はゲートであり、正一は意図せずダンジョンの中に入ってしまった。
パニックを起こす正一だが、海底ダンジョンの中でモンスターが溺れて死んでいることに気づき、難なくドロップアイテムを入手することに成功する。
そのアイテムを持って、とにかく戻ろうとする正一の脳裏に、ある考えが浮かんでいた。
それは――
……あのダンジョンの中のモンスター、ひょっとして、全員溺れ死んでるんじゃないか?
これは平凡に暮らしていた少年が、ある日突然現れた海底ダンジョンに出会ったことで、最強の道を駆け上っていく物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-07 12:00:00
120814文字
会話率:36%
ドイツに住む日系カナダ人エリナ・カシハラは、フランクフルトで知り合った日本人観光客ツバサに、日本の古い素封家である生家で起こった話を語る。それは『かごめかごめの唄』に沿って行われた連続殺人事件だった。女探偵上条翼がその謎を解く!
最終更新:2025-02-02 11:59:39
10506文字
会話率:49%
21世紀を生きるおじさんが、時空実験に巻き込まれ未来SF時代にタイムスリップ。肉体を失い女性型アンドロイドのボディに魂をインストールされたおじさん改めTS少女は、未来の世界で生きていくことを決める。
そんな技術の発達したこの時代では誰も働く
必要がなく、日がな一日遊び呆けるのが未来人の生き方になっていた。しかし、現代人の真面目な元おじさんは、働かずただ遊ぶだけでは何かが物足りない。そうだ、動画配信しよう!
VR習熟のために時間加速したゲームで修行したり、VRMMOでかたつむり観光客をしたり、ゲームを離れて21世紀料理を作ったり。TS少女の挑戦が今、始まる!
※ハーメルンでも掲載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-20 05:00:13
1205358文字
会話率:47%