——助けたくれて“ありがとう”…じゃあ、“殺すね”?——
旅商人である【カイル】は樹海窟で1人の少女—否、狡猾かつ残虐非道で恐ろしい生き物『魔族』と遭遇した。魔族とは人類の敵——最高峰の化け物である。たかが商人がどうすることもできない…刹
那で殺されるのなんか目に見えている。だが…『ゴフッ——』突然少女は血を吐き出した。彼女(魔族)はどうも瀕死にあるようだ。カイルの存在はまだ気取られていない——ならこの隙に…この時カイルはただ逃げればよかった…よかったのだが……
『どうしてこんなことしちゃったんだァア僕はぁああ!!??』
気付けば少女を助けてしまっていた。
自身の荷馬車に少女を乗せ——オマケに商品である貴重な薬草まで使ってしまって——
人類の宿敵である魔族を助けてしまう程の【トチ狂った“お人好し”】——コレが旅商人カイルだった。例え魔族だったとしても、傷を負った少女を森に置き去りになんてできなかった。
そして、彼女は今…宿屋の一室に設えたベットに寝かせて安静にさせている。『これからどうしよう』カイルは思案しつつ、その寝息を立てる少女を捉えたが…すぐさま現実を逃避するように視線を外した。次の瞬間——突然の浮遊感——
『ねぇ…人間、ここはどこ? 納得いく答えをくれれば楽に“殺して”あげる』
気づくと、カイルは首を掴めれ小さな少女に壁に押し付けの状態にさせられていた。幼気な少女は狂気に満ちた言葉を当然のように吐き捨て——その表情は冷たく無表情——まさに残虐非道——彼女は『魔族』だった。
『そう……助けたくれて“ありがとう”……じゃあ、“殺すね”?』
後に、カイルに突きつけられた言葉がコレであり——この時、カイルは死を覚悟した。
だけど……
まさか——この子と旅路を共にすると……誰が思うのだろうか……?
これは……
1人の なんの変哲もない ただの旅商人の若い青年が……
己の どこまでも善人気質で 飛んだお人よしな性格が 偶然的に——
残虐非道で狡猾 どこまでも快楽殺戮主義の『魔族』である“筈”の娘と出会い……そんな彼女と 何故か旅をするお噺。
そこには 数多の偶然が重なり合う。
互いの『打算』がありきな行く末に——
やがてそれは……
2人にとって大きな奇跡を紡ぐのだった……
◇基本情報◇
・この作品は完全オリジナルです。
・カクヨムにも掲載有りです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 12:05:14
181400文字
会話率:57%
S級パーティの剣士であるアニエスは、ずっと同じパーティのリーダーに片想いしていた。
ダンジョンボスを倒した次の日、リーダーに話があると言われたアニエスは、ついに恋人になれると信じていた。
が、リーダーが待ち合わせに連れてきたのはギルドの受付
嬢。
リーダーに受付嬢と結婚を前提に付き合うことを打ち明けられたアニエスは、心がポッキリ折れた。
幼い頃から辛い修行に明け暮れ、ここまでの強さを手に入れたのに選ばれるのは綺麗でか弱い女の子。
それなら冒険者なんて辞めてやる。
私だって誰かに守られるかわいい女の子になりたい。
誰かと幸せになりたい。
アニエスは傷心のまま他国に渡り、見知らぬ街を彷徨う。
疲れ切った所を荷馬車に乗った男性に拾われ、ついて行くと、そこは街の食堂だった。
かわいい制服を着てにこやかに客に料理を運ぶ給仕係。
みんなが彼女を優しい目で見ている。
女子力の塊だ…。
そう思ったアニエスはアニーと名乗り、メイクや髪の手入れ、服装を研究した。
さあ、これで私もどこから見てもかわいい女の子。
誰も元S級なんて思わないはず。
新しい恋ができるに違いない。
普通の女の子になりたい、普通じゃない身体能力の給仕係。
アニーは幸せな恋愛ができるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 12:00:29
83515文字
会話率:47%
「ごめんねアラン。あなたと一緒にはなれないわ」
村娘のララは、恋人であるアランからの求婚を断り、夢を諦めるのかと問う。
アランの夢は、行商をしながら世界を巡ること。
そして、そこにララはいない。
アランは町へと帰り、考える。
もう一度、
求婚の機会を待つか、それとも本当に夢を追ってみるか。
そんな折、とんでもない話が聞こえてきた。
「村へ続く道に、竜が巣を作った」と。
かくして竜によって外界から隔離されたララの村。
それでもアランは荷馬車を降りて商品を担ぎ、徒歩で村へと通った。
村人は喜び、ララも料理でアランを労う。
やがて卵は孵り、皆は小竜の早い巣立ちを願うけれど――
※セパレータ(◇ ◇ ◇)毎に、ララとアランで視点が切り替わります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-09 12:02:24
9806文字
会話率:17%
魔力を持ち操る者を魔女・魔術師と魔力を持たぬ人間は畏怖を込めてそう呼んだ。
魔術協会とユリウス国。彼らが住まうところは違えど、同じ言語を扱い順調に交流が行われてきた。
だが、どうしても深く関わり合う上で些細なことで諍いは発生してしまう。どち
らに非があろうとも1vs1なら勝つのは決まって魔女、魔術師側。謝罪し和解までいくものの人々も腹の中ではよくは思っていなかった。
長と国王は永久問題として頭を悩ました。このままではいずれ対立を招いてしまうと策を模索している時、事件はついに起きてしまった。
報復の意を込めて、あるいは無関係に、ある時人の操る荷馬車は長の一人娘。魔女の娘を轢き殺してしまった。
後に対面することになった我が子の変わり果てた姿、亡骸を前に長ら両親は崩れ落ち、あまりの悲惨さから参列者らは復讐を誓った。
彼らに同調する者も多くおりあわや戦争にまで発展しかけた時、当時のユリウス国の王が謝罪し当事者を秘密裏に魔術協会に差し出した。
長らは、彼を前にして瞳を揺らし、然れど生きよと述べた。
この者を殺せば心は幾分晴れるだろう。だが、我々二間の関係に埋めようのない亀裂が生じることになる。..娘は..あの娘は...ユリウスのこと...大好きと言っていたんだ...。だから...せめて...。帰ってくれ。二度と俺らの前に姿を現すな...。
国王...協会の内部が落ち着くまでしばらく関係を絶つことを許して貰いたい。
絶縁状態の関係のまま王ら長らの寿命が尽き、代代わりしても関係性は変わることはなかった。
だが、白の魔女、ホワイトリリー。絶大な魔力を持ちし者の出現により事態は好転。彼女は人々のために力を振るい魔女の価値を示し続けた。
その甲斐あって徐々に二間の蟠りがほどけていく。
しかし、同時に、国王は危惧した。
白の魔女が味方のうちは頼もしい。
だが、もし、もしも、その力を我々人間に向けることがあったなら...。
そんな折、魔術教会の長と名乗る者から信じられない提案を受けた。
白の魔女を消すため我自ら力を貸そうではないか。
成功した暁には、我々魔女、魔術師と、人間、昔にあったような関係性を取り戻したいと思っておる。我らの代で、また歩みを共にしようではないか。
差し伸べられた小さな手を目にし、迷うことはなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-08 16:00:00
45570文字
会話率:28%
戦争で左腕を失ったことにより、軍人を辞することになった。その褒賞は、田舎で暮らすには十分すぎた。「田舎へ行って悠々自適に暮らそうか」そう考えて王都から田舎へ行く荷馬車に乗せてもらおうとしたとき、それがすべての始まりとなった。
王位継承戦
? どうやらまだぼくは戦火から逃れられないらしい。
これは覚悟を決めたきょうじんな男の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-30 05:20:23
25803文字
会話率:38%
シャルロッテ・ハ―ミルトンはハ―ミルトン伯爵家の長女でありながら、家族に嫌われメイドとしてこきつかわれていた。
十八歳のある日、両親が金を作るためにシャルロッテを娼館に売るという話をしていたため、逃亡を決意する。
荷馬車の主に頼み込んで、
人の住む場所ではないと言われている辺境へと向かった。
荷馬車はシャルロッテをウルフロッド辺境伯家に運んだ。
そこで待っていたのは――待っていたというか、倒れていたのは、誰もいない辺境伯家で一人住んでいるジオスティル・ウルフロッド辺境伯だった。
辺境は魔獣が蔓延る地である。人はほとんど住んでいない。そんな場所で、ジオスティルは魔獣討伐に明け暮れていた。
強すぎる魔力を身に宿したジオスティルは虚弱で、不摂生で、不健康。
おまけに面倒を見てくれる人もいない。
見かねたシャルロッテは、他に行く当てもないし、ジオスティルの面倒を見ることにしたのだった。
不健康でとある事情から孤独になったジオスティルと、逞しく生きるシャルロッテが領地を開拓したり魔獣を討伐したり、森と湖と草原ばかりの人よりも動物や魔獣の方がずっと多い辺境で、のんびり暮らす話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-25 08:36:29
308886文字
会話率:39%
がたごとがたごと荷馬車は揺れる。売られていく花嫁は私。まあ、金を払ったのは私の家なので、売られてというのは違う。ただの気分だ。
王太子に婚約破棄され、捨てられた私を拾ったのは田舎の男爵だった。即自宅に連れ帰ってくれて、一緒に彼に領地に行くこ
とになった。花嫁として。その道中も一筋縄ではいかず?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-22 01:21:30
5454文字
会話率:41%
家の前を荷馬車が通った。
最終更新:2024-01-17 20:38:49
352文字
会話率:40%
凄惨な戦いだった魔王大戦は人類が勝利した。
しかし、戦後の復興に伴う軍備縮小により、火球の魔法使いだったクロウは職を失う。
転転と職を変え、なんとか生きていたが、やっとましな仕事にありつく。
荷馬車の護衛運送業務だった。
不審なところもあっ
たが、背に腹は代えられない。
だが、輸送途中で襲撃に会う。そこで破損した荷からあらわれたのは緑の瞳の少女だった。
※本作品においては暴力の描写があります。小説上の表現として用いています。その点ご理解の上お読みください。
*「カクヨム」に投稿しています(名義:@ns_ky_20151225)。
*「アルファポリス」に投稿しています(名義:alphapolis_20210224)。
*「エブリスタ」に投稿しています(名義:estar_20210224)。
*「ノベルアップ+」に投稿しています(名義:novelup20210528)。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-01 08:00:00
119791文字
会話率:53%
旅芸人のボクは、荷馬車に拾われる。
道中で悲恋話を披露したところ、拳銃を向けられ…。
最終更新:2023-09-08 12:00:00
7563文字
会話率:29%
病弱な令嬢アシュリーは、一ヶ月後に死ぬと宣告されてしまう。そんな彼女の元に婚約者のネイサンがやって来て、「どうせ死ぬなら、その前に一緒に旅に出よう」と誘ってくる。
こうしてアシュリーは、ネイサンとの二人旅を始めるのだった。その道中で彼女が
体験するのは、初めての出会い、初めての外の世界、初めてのキス……と人生初の出来事だらけ。
そして、数々の経験を重ねる内に、自分の運命を受け入れていたアシュリーの心境に変化が生じて……?
これは、淑女の殻に閉じこもっていた令嬢が、婚約者と共に明るい未来を掴むまでの話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-23 12:30:53
7626文字
会話率:39%
5歳の頃、スラムの奥のごみ捨て場に捨てられたニーノ。保護されて、それから酒屋で働いていた。現在12歳。ホールだけでなく厨房や仕入れも任されるようになったが、南の国境近くの村に仕入れにいくと、その村が山賊に襲われた。捕まり荷馬車に乗せられる
と、その荷馬車が襲撃された。
命からがら荷馬車から逃げ出した時、ルカをはじめとする隣国の騎士団が現れた。どうやらニーノは隣国まで連れていかれていたらしい。
「私と一緒に行きませんか」
女かと間違えるほど綺麗な顔のルカに手を差し出されるが、ニーノはそれを拒否する。
皆が心配しているはず。私は必ずリンドウ帝国の、働いていた酒場に戻ってやる。
しかし、ニーノには、とある秘密が。
まだ幼さの残るニーノが、奮闘しながらも奇跡を起こしていくお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-25 23:00:00
306646文字
会話率:31%
銀の山脈が、空を切り取るぎざぎざの折れ線グラフ。
微分・積分なんかするんじゃねえ。
最終更新:2022-12-19 07:00:00
420文字
会話率:0%
伯爵夫人アンテノーラは荷馬車に揺られていた。
激しい雨が幌を打ち付け、安定しない山道は体力も精神力も削り取っていく。
(これでよかったんだわ…神様、どうかあの人を…)
愛する人の幸福だけを祈るアンテノーラの身体が、荷馬車ごと大きく揺れる。
目の前に迫る大荷物に死を覚悟したが…気付けば過去に戻ってきていた!?え?しかも貴方も一緒に!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-10 16:47:47
16490文字
会話率:43%
大事故に巻き込まれ、死んだな、と思った時には真っ白な空間にいた佐藤乃蒼(のあ)、普通のOL27歳は、「これから異世界へ転生して貰いますーー!」と言われた。
一つだけ能力をくれるという言葉に、せっかくだから、と流行りの小説を思い出しつつ、ど
んなチート能力を貰おうか、とドキドキしながら考えていた。
そう、考えていただけで能力を決定したつもりは無かったのに、気づいた時には異世界で子供に転生しており、そうして両親は襲撃されただろう荷馬車の傍で、自分を守るかのように亡くなっていた。
ーーーこんなつもりじゃなかった。なんで、どうしてこんなことに!!
その両親の死は、もしかしたら転生の時に考えていたことが原因かもしれなくてーーーー。
自分を転生させた神に何度も繰り返し問いかけても、嘆いても自分の状況は変わることはなく。
彼女が手にしたチート能力はーー中途半端な通販スキル。これからどう生きたらいいのだろう?
ちょっと最初は暗めで、ちょっとシリアス風味な異世界転生のお話となります。
(R15 は残酷描写です。戦闘シーンはそれ程ありませんが流血、人の死がでますので苦手な方は自己責任でお願いします)
登場人物が揃ってくれば、それなりにのんびりな感じになる、予定です。
チート能力?はありますが、無双ものではありませんので、ご了承ください。
今回はいつもとはちょっと違った風味の話となります。
ストックがいつもより多めにありますので、毎日更新予定です。
力尽きたらのんびり更新となりますが、お付き合いいただけたらうれしいです。
*一気に勢いで書き上げたい為、感想、誤字脱字報告機能はなしにさせていただきます。
その為、誤字などがどうしても気になる方はブラウザバックでお願いいたします*折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-05 17:45:24
182762文字
会話率:32%
公爵家の令嬢として甘やかされ育った妹と、いつも比べられる長女のアリス。アリスの母親は伯爵家で、荷馬車に轢かれて亡くなっている。彼女の住む国は隣国と戦争中であり、戦況は彼女の住む王国が有利だった。しかしそんなご時世に、余裕をこいて優雅にティ
ーパーティを開催するなど、かなり油断もしていた。アリスには正式に王子との婚約が決まっている。ある日、名も知らぬ男爵家から一人の家事使用人のフェイズという男が奉公しに来る。アリスは、生まれ育った環境の中で謙虚に生きることを胸に誓っていたが、不思議と彼の前では本音が出てしまう。アリスは、ずっと心を押し殺して生きてきた。フェイズとの出逢いが、彼女の心を解放する!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-02 13:31:44
4622文字
会話率:39%
いまや価値が無くなった札束を対価に凶悪な魔獣を退治していく中年男、トラリス。
そんな彼に村を救われた少女ミアだったが、正当な対価を受け取らないトラリスの態度に納得が行かず、トラリスの荷馬車に勝手に忍び込んでしまうのだった。
最終更新:2021-10-02 16:35:10
2467文字
会話率:68%
ある静かな昼下がり、荷馬車でのどかな道を行く少年ハルトと少女シャルナ。
そんな二人は盗賊に襲われる一団に出くわす。そこで助け出したのは、なんと一国の姫であるレレティアであった。そこから二人は、国同士の大きな事件に巻き込まれることになる。
最終更新:2021-07-31 01:04:19
23814文字
会話率:69%
奴隷として今の今まで生きてきたアリス。アリスの積まれた荷馬車が盗賊に襲われ・・・
最終更新:2021-07-15 23:50:29
6957文字
会話率:45%
うむ。清らかなる乙女の気配がする……。吸血鬼は無垢なる姿で祈りを捧げるお約束の|ご馳走《生贄》を前にし、はしたなく舌舐めずりをした。自慢の牙をポッケットからシルクのハンカチーフを取り出し、キュッと音立て拭き清める。
逃げるなよ……。彼女
を運んだ荷馬車の幌の中で潜む、大蒜の首飾りをぶら下げた衛兵達とガタガタ震え、十字架を握りしめ祈りの言葉を唱える、ヘナチョコ神父。兵士達は尖らせた杭を片手に息を殺し、行く末を見守る。
マリアはドキドキとして、この日を待っていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-29 22:07:55
3373文字
会話率:39%