少しずつ、世界の音が遠ざかっていく――
若年発症型の両側性感音難聴を患う青年・蒼井玲は、「音が残っているうちに思い出を作りたい」と旅に出る。
訪れた町で立ち寄ったのは、ひっそりと佇む老舗線香店『葛香堂』。
そこで出会ったのは、香りにすべてを
託すように生きる職人・葛城司だった。
――音が消えていく中でも、香りは残る。
言葉が届かなくなっても、想いは伝えられる。
静かに惹かれ合うふたりの間に育つのは、声の代わりに香りで綴られる記憶と、温もりのような恋。
これは、音がなくても生まれる“絆”の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 18:00:00
18431文字
会話率:8%
夏の終わり、もう一度だけあの日を灯す。
線香花火が落ちるとき、心に残った嘘が光る——。
忘れたはずの約束。言えなかった想い。すれ違う心と、優しい嘘。
光、令、隼、華蓮、七瀬——
五人の高校生がそれぞれに抱える秘密と後悔が、
ひとつの夜
、ひとつの花火で交差していく。
会話で綴る静かな群像劇。
「あの夏」に、もう一度手を伸ばすために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-02 16:00:00
4930文字
会話率:14%
━━━
俺は母を殺してしまったのだろうか。
━━━
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振られた人間が自殺した場合、
振った側は人殺しになるのだろうか。
いじめられてた人間が死んだ場合、
見て見ぬふりをしていたクラスメイトは人殺しになるのだろうか。
一度死んだ人間がもう一度死んだのなら、
それは人殺しになるのだろうか。
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人殺しの定義は人それぞれ違う。
母を失った青年は、自身の願いのためだけに、母親を動かしてしまった。
それは母を生き返らせてしまったのか。その場合母を再度死なせてしまうことになるのか。
そのとき、青年は人殺しになるのか。
これはそんな青年と、能力の研究・検証をするとある探偵事務所所長が死生観を考える物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 10:55:05
115591文字
会話率:48%
テロリストになりかけの女とヤクザになった男の物語。1970年に生まれた二人。
最終更新:2025-05-29 20:50:31
81020文字
会話率:40%
去年の夏、小学五年生の奏音(かのん)と広斗(ひろと)は来年の夏祭りも一緒に行こうと約束した。
そして約束の日、屋台から少し離れた場所で、奏音は広斗を待ち続けた。しかし広斗は来なかった。
夜も深け、夏祭りは完全に撤収した頃、広斗が約束の
場に現れる。広斗が持ってきた線香花火に火をつけると、彼は自分が引っ越すことを告げる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 12:52:22
2860文字
会話率:29%
中学生の湊(みなと)は、夏休みの終わりにこの町に来た。その日、中学校のグラウンドで不思議な少女・灯(ともり)と出会う。灯には以前会ったことがあるような既視感があった。どこか懐かしい甘い匂いと、線香花火の火花のように揺れる彼女との会話に惹かれ
、湊は次第に心を通わせていく。しかし、彼女との会話を重ねるごとに、現実の輪郭が曖昧になり、彼女の存在に違和感を覚え始める湊。ひと夏の夜、ふたりの心が静かに重なり、そして離れていく——夏休みが明ければまた会えるとおもっていたのに。そんな儚くも温かい純愛を描いた幻想的な物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-06 23:59:20
21000文字
会話率:12%
幼なじみとの恋の行方へは…。
伝えたい想いは溢れ、言えずに零れ落ちていく。
何年も逃げてきたくせに、土壇場になって焦るなんてね。
もう無理だってわかってるから、諦めるから、この線香花火が消えるまでは──。
最終更新:2025-04-21 22:24:52
4532文字
会話率:68%
幼女は虫網とスプレー片手に無双する。
次はなにを作ろうかな。
光に誘引されたら電気が走るトラップかな?
蚊取り線香もいいなぁ。
洗剤も強そう……。
あ、引っ付いて離れない粘着ものもいい。
隣にいる大人は「まるで新春特番の初笑いものバラエティ
ですね」と棒を振り回す。
磔にされる、顔のいい人たちなんて見たくないので。
カクヨムに掲載予定折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 06:00:00
2290文字
会話率:28%
「偶然の再会、蘇る記憶。そして、伝えられなかった想い――。」
途切れたまま終わった関係。会えなかった時間。
それでも、忘れられなかった人がいる。
ある日、行きつけの喫茶店で彼女と偶然の再会を果たした「僕」。
久しぶりの会話の中で、彼女が
ふと口にした「夏祭りの帰り道」の記憶が、僕の中で曖昧に霞んでいることに気づく。
なぜ、思い出せないのか。
なぜ、彼女は寂しげな表情を浮かべたのか。
忘れていた記憶の続きを探しに、僕は夜の河辺へ向かう。
そして、そこにいたのは――再び現れた彼女だった。
線香花火の儚い光の中で、彼女がそっと語り始める。
会えなかった間の気持ち。
本当はずっと言えなかった想い。
そして、あの夜の約束の意味。
「もう一度、一緒にいたい」
二人で灯す最後の線香花火。
今度は、どちらの火も最後まで落ちることなく、静かに燃え尽きる。
これは、一度はすれ違った二人が、時間を超えて紡ぎ直す物語。
夜風に揺れる記憶とともに、二人は再び歩き出す――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-16 14:38:31
5286文字
会話率:38%
僕は五年くらい前に死んじゃったのに、君は律儀に僕のお墓参りに毎年来てくれている。
君には見えない僕は、今日も今日とて、君を笑顔で迎えに行く。
「来てくれてありがとう!」
特別なことは何も無い、僕のお墓参りをしてくれる君の話。
最終更新:2025-02-27 21:08:45
1279文字
会話率:15%
真冬で雪が降り積む別荘地に東京からやって来たテロリスト共が立て籠もった。
それはオレが県警の機動隊に入って初めて経験する対テロ警備だった。
最終更新:2025-02-17 15:48:04
1783文字
会話率:10%
夏の香りが戸棚の隙間からするから開けてみると
つやつやの夏蜜柑何処から貰ったのだろう
紫陽花が雨に濡れて泣いているからそっと仏壇の線香の匂いを嗅いだ
死の香りがことりと胸に落ちてくる
梅雨の時期のさみしさはトイレの裸電球のようなものかもしれ
ない
夕べの夢は忘れました皆トイレに流します折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-15 14:32:36
2834文字
会話率:0%
人生とは孤独なのだよと誰しもと風の旅人は言う
孤独が人に教えてくれるものもあろう
燐寸を擦って煙草を咥える旅人
宿場町はなにも答えない
夏を教えてくれるものだけが私を救い
懐かしい玩具箱の中で布袋様の根付が嗤ってる
玄関に貼られたお守りの札
に赤い染み
どこか奇妙な大人の世界は
魔術のよう折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-21 09:41:45
3411文字
会話率:0%
雨は呼ぶ
闇の生き物を
そっと法螺貝に耳を澄ませると
過去が囁きかける
夢を見ているのだ
低い男の声が腹から
雨が降っているからでしょうか
お腹の子は随分野太い声
それでなくても
仏間は線香の香りで
亡くなった人達の遺影が
笑ってゐる
雨の
中
美しいかんばせの着物の男が
神社へ向かっていく折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-27 15:02:13
4017文字
会話率:0%
急遽しつらえた線香立てとお花を眺めながら
最終更新:2025-01-19 18:36:42
203文字
会話率:0%
夏の夜、主人公・遥は娘の花と一緒に縁側で蚊取り線香を焚いていた。その懐かしい香りが、幼い頃の記憶を呼び覚ます。祖母の家で過ごした夏休みの日々――庭に漂う蚊取り線香の煙、夜空に広がる星々、そして優しい祖父母との時間。その中で、祖父が遥に語って
くれた「煙は消えるからこそ美しい」という言葉が、遥の心に深く刻まれていた。
しかし、ある日、遥と祖父が裏山を探検している最中に祖父が倒れてしまう。必死で助けを求めた遥の行動により祖父は一命を取り留めるが、その出来事をきっかけに家族は「命の儚さ」と向き合うことになる。祖父はその後も穏やかな日々を送り、蚊取り線香と共に「今ある時間を大切にすること」を教え続けた。
現代、母となった遥は、娘の花に当時の思い出を語り継ぐ。そして祖父が使っていた蚊取り線香の缶を手に、娘と共に再び祖母の家を訪れることを決める。煙に乗せて紡がれる記憶と家族の絆――それは夏の香りとともに、次の世代へと受け継がれていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-13 09:09:35
1491文字
会話率:44%
蝋燭に火をともす──。
キーワード:
最終更新:2024-11-19 20:10:39
255文字
会話率:0%
それは線香の煙のように漂って
キーワード:
最終更新:2024-10-24 10:10:50
1389文字
会話率:52%
線香の煙のように弱い「私」の心について。
最終更新:2024-10-14 02:43:45
1038文字
会話率:0%
一人読み声劇シナリオです。
感じるままに読んでいただけたらと思います。
軽い言い回しの変更は可ですが、過度な改変はご遠慮下さい。
基本連絡等は不要ですが、連絡いただけたら喜んで聞きに行かせていただきます。
キーワード:
最終更新:2024-09-30 00:09:24
1076文字
会話率:6%
ぬるい微睡から覚める。
最終更新:2024-09-24 14:07:13
1812文字
会話率:25%
あの日から、ずっと。
―そして。
最終更新:2023-07-07 16:05:17
1640文字
会話率:27%
うだるような夏の夜。
夏の夜空に、花が咲く。
最終更新:2022-05-22 14:30:08
703文字
会話率:15%
世界の果てで、彼が見たものとは――
※他サイトで公開中の作品を一部改訂したものです。
最終更新:2024-09-20 23:09:09
1894文字
会話率:0%