君たちはシュレディンガーの猫を知っているだろうか。物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが脳内で実験を行った、所謂思考実験に値するものだ。
「一定確率で毒ガスを放出する装置と一緒に箱に入れられたネコは、蓋を開けて観測するまで生きた状態と死
んだ状態が重なり合っている」
これがみんなの耳にするものだろう。そして、それは「観測するまで物事の状態は確定しない」という考えの量子力学の考え方を説明するものとなった。
つまり、これは要約すればエルヴィン・シュレディンガーが量子力学の確率的表現を巨視的に見ると矛盾に陥ることを「シュレーディンガーの猫」の思考実験で表現したのだ。
確率は5部5部かもしれないし、もしくは4.6だったりするかもしれない。
不確かなもの。
先が見えないもの。
観測出来ないもの。
例えばの話だ。この理論通り行くと、何度もこの実験を繰り返したとて、確率は一定では無い。つまり、運命が揺らぎ兼ねない。
かと言って、全く同じ結果なこともあり得る訳である。未知数である。こうなれば観測出来ない。
何故ならそれは不規則に起こりうる事だからだ。
そして、そんな特殊な思考実験論は決して、非現実では無いことを俺は知ってしまった。知ることになっちまった。
いや、まあ。なってしまったものはしょうがないけども、是非この問題をエルヴィン・シュレディンガーに聞きたかったものだ。
だが、時には思考実験の域を出る事になる。これは、俺の日常を描いた物語だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-26 17:00:00
47796文字
会話率:41%
……意識が戻ったわたしは、ロボット二体に抱えられてトラックの荷台に放り投げられた。2289年7月初め、一斉安楽死の死体処理が始まっていた。わたしは、咄嗟にトラックから飛び降りると、ロボットに見つからないように部屋へと戻った。
6月30日
の「最終日」。わたしは、残っていた何人かの知り合いと、別れの挨拶を交わした。家族は、選ばれて火星に移住した一人息子のオガワ・マモル以外は、すでに安楽死処置でこの世を去っていた。火星の息子に最後のメッセージを送ったその夜、わたし、ミヤマ・ヒカリはこの部屋で「享年28」の最期のときを迎えるはずだった。
生まれ育ったここネオ・トウキョウで、一斉安楽死処置の失敗例は、確率的におそらくわたし一人のはず。月に本部を置く国際連邦のマザーAIに知られたら、再び処置を施されるに違いない。どうしよう…
かつて老占い師に言われた、「会いたいと思う者のところへ向かうとよい」という言葉を思い出した。会いに行ける可能性のある唯一の人物は、自分が生まれる前に大陸で行方不明になった、祖父のミヤマ・マモル。彼の写真と、その裏に書かれた「30115」の数字を手掛かりに、わたしは大陸へ向かうことにした。
マリンビークルという小型船で、AIによる追跡が来ないうちにネオ・トウキョウを後にする。航海のお伴をするビークルを、わたしは「アルト」と呼ぶことにした。「30115」をもとに指定した「北緯30度、東経115度」の地点は「到達不能」。代わりに、最寄りのレフュージを目指して東シナ海を航行し、長江河口のネオ・シャンハイへ到着した。
第四次世界大戦後、寄るべき国を失い、核兵器、生物化学兵器で汚染された地上に残された約1億の民。彼らを収容すべく、国際連邦が建設した大型シェルターであるレフュージは、ネオ・トウキョウ、ネオ・シャンハイを含めて地球の30ヵ所に設置されていた。
レフュージの外には、国際連邦管轄外のAOR(Aliens Outside the Refuge)と呼ばれる居住民たちがいる。その大きなコミュニティーが、ネオ・シャンハイの対岸に存在することをアルトから聞かされ、わたしは長江を渡り、上海へ向かった……
※事情があって削除した長編を、少し再構成して、再び連載の形で公開します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-18 20:10:00
87681文字
会話率:23%
勝手に俺が名付けた確率的電子機構という名のChatGPT(AI)に架空の観光地を旅行したインタビューをしていく話。
最終更新:2023-02-02 17:27:51
2039文字
会話率:52%
二重スリットの干渉縞は、二つのスリットを通過した量子状態の重ね合わせです。シュレーディンガーの猫の生死の重ね合わせも同じ発想です。しかし、猫は大きすぎて、重ね合わせはほとんどできません。つまり、生死のいずれかにほとんど確定します。猫を電子や
光子に置き換えれば、重ね合わせは実在します。そして、その重ね合わせは、量子コンピュータに実用が試みられています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-07 15:00:00
579文字
会話率:0%
量子力学は、摩訶不思議。
二重スリットの干渉縞が既に不思議です。
最終更新:2022-12-03 14:00:00
362文字
会話率:0%
もし異世界に行ったら――
誰しも似たようなことを一度くらいは考えたことがあると思う。
もし自分が勇者なら、魔王なら、冒険者なら、貴族なら、いっそ神様なら、或いは魔物や器物なら?
そんなことをまずは考えるだろう。
でもちょっと
待って欲しい。それよりもっと大事な視点があります。
『果たして自分は主人公なのか?それとも脇役なのか?』
コレが最優先事項だ。人間やりがちだが、自分を特別だなんて思っちゃいけない。
主人公にだけ許されること、出来ること、分かること、保証されること。それら一切は脇役には適応されないのだから。
確率的には異世界でも脇役だと思う方が自然だ。現実の自分を省みるならば。
しかしだからと言って落ち込むことはありません。
脇役にも脇役なりの戦い方ってもんがあんだからよォ! ケヒャッ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-25 17:18:58
128745文字
会話率:14%
「こじつけがヒドい」と嘲笑されるかも知れませんが、
ボクが、今日、生きている。
ボクが、今日、健康でいる。(新型コロナウイルスの場合は、“絶対的確信”とは言えませんが)
それは確率的な話で、その確率を広げて下さったのは、志村けんさ
んだと思ってます。
ボクの個人的な感想なんですが、
志村さんがお亡くなりになるまで、
国内の空気って、ホントに真剣味をもって意識してた人の数って、少なかったように感じてます。
大好きだった人に命を引き替えに救われた今だもの。
つなぎたい……ですよね?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-30 08:03:21
1002文字
会話率:0%
服を染める話です!!
キーワード:
最終更新:2020-02-16 17:42:13
260文字
会話率:0%
『昨夜、大陸北西の国境地帯で紛争が勃発しました。周辺住民に対し、王国政府から避難勧告が出ています。また、同地帯で発生した暴動に対し、王国軍治安部隊が鎮圧を試みていますが、長期化が予想されています』
垂れ流されているキャスターの声は、もう何度
目かもわからない紛争の勃発を告げた。
こうして紛争が起こり、負け、領土を失うのも次で何度目になるだろうか。
考えることすらせず、ため息をつきながらコートに袖を通す。
床に落ちていた学生証を拾い上げ、裏に目をやる。 魔法の系統を表す十二の星。その中のたった一つ、爆炎系を表す星だけが、赤く色付いている。
「…………」
劣等種、三流……幼い頃から言われ続けた言葉がら脳裏を駆け巡る。
「まあ、そうだよな」
そう吐き捨て、家を出た。
俺は、たった一つの魔法しか使えない。確率的に、千年に一度の劣等種である。
それでも、俺は世界を変えるつもりだ。
この、腐敗しきった魔法の世界を、古代の知識で。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-13 13:28:39
125995文字
会話率:41%
保存用(2012年4月作成)
魔法……それは人の常識では起きえない奇跡を指す。
しかし、そんな奇跡もいつしか日常に蔓延るようになった。
それは技術者たちが異世界への扉を開けようとしたときに起こった。
亜空間の亀裂から放たれたエネル
ギーは膨大な魔力となって人々を襲った。
それによって都市はほぼ壊滅。
残された人々は長い年月をかけて復興を試みることとなった。
そんな中である。魔法を扱える人間が現れ始めたのだ。
亜空間から流れ込んだエネルギーが原因なのだろうか。
魔法を使える人々のことは魔法使いと呼ばれるようになる。
その魔法使いには大きく分けて二つの種類に分類される。
生まれた時から魔法を使える、先天的な魔法使い。
そして、何かが原因で突発的に魔法が使えるようになる、後天的な魔法使い。
一般的に後天的な魔法使いが使える力は強いとされているが、
身体的あるいは精神的になんらかの欠落がある場合が多い。体が魔力に耐えられないのだ。
それに加えて確率的にも後天的な魔法使いの方が圧倒的に少ない。
だからといって、先天的な魔法使いが生まれる確率も決して高いわけでない。
先天的な魔法使いが生まれるのは十万人に一人の確率であると云われている。
その偶然生まれた魔法使いの活躍により、通常ならば一世紀はかかるであろう復興も僅か三十年足らずで完了してしまった。
その功績を人々は称え、魔法使いを敬まった。
そして、いつしか国は魔法使いが動かすようになっていく。
これはそれから三十年後が舞台となっている。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-05 00:00:00
130485文字
会話率:36%
異世界転生
誰もが一度は「してみたい」と思うかもしれない。
でもちょっと待ってくれ。
もし誰に転生するのかが完全にランダムなんだとしたら。
超貧乏人に転生して一生食料を求め続け税を納める…そんな風になる可能性があるんだとしたら。
これは、
超のつく貧乏料理人の子供に運悪く?(むしろ確率的には当たり前?)転生してしまった男子高校生が、変人だらけの貧乏村で奮闘し、少しずつ、しかし着実に成り上がっていくお話です。
目指せ伝説の魔導騎士!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-01 21:00:00
2365文字
会話率:28%
普通の喧嘩とは?
何故喧嘩は喧嘩で終わるのでしょう?
殺し合いに発展しなかったのでしょう?
それは負けた側が『優しいから』終わったんです。
負けた側がもし、しつこく、残忍な、サイコパスだったら?
勝った者はその後、殺されますね。
え?
じゃあ、最初から殺す?
はい、殺人罪ですね。
まだ、優しい人か解らない段階で、殺す事は出来ませんよね?
つまり、喧嘩は負けた方が、幸せだというのは真実なんです。
勝ち続ければ必然的に最期は殺されます。
どうしようもない。
これが現実です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-04 15:43:09
9937文字
会話率:62%
日本などの科学文明が存在する世界を第一世界ウーヌス。
魔物や魔術が存在する世界を第二世界ドゥオと定義しよう。
並行して存在するこの二つ世界への移動はできないはずだが、あらゆる事象は確率的に存在し得る。
それは、量子力学的に証明可能な法則。
ドゥオに落ちてしまった不運な人物の救出と調査を依頼された私立探偵「真壁 征志朗」は、学園都市エレンでシンイチとなるの人物を保護した。このことが新たの調査の始まりになるとは、まだ気付いていなかった。
本作は「振り向けば、そこに探偵事務所」を大幅に改稿した上で、再構成した作品です。
一話完結という形で書き上げていますので、前作を知らない方も楽しまれると思います。
1月4日までは、毎日8時と20時に更新。
1月5日以降は、毎週月曜日更新へ移行します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-05 08:00:00
106620文字
会話率:43%
主人公、照理(理工学部学助手)は、ホースラヴァー博士(総合人間学部教授)により、ロゴスレンズ(ロゴスを見るための器具――ロゴスとは言語)を移植されるシーンから物語は始まる。
ロゴスレンズを移植した照理は、恋人のソフィーと花屋を訪れる。照
理は、七つに分裂したソフィーの姿を見る。博士は照理がロゴス一端――理論上の確率的世界として示される七つの並行宇宙のソフィーの姿を視覚及び言語認識として知覚したのだとを告げる。
照理は次第に宇宙エミュレーション理論に関するインスピレーションを得る様になる。そのせいもあり学会での発表は好感触を得る。控室でロゴスレンズ超しにソフィーの姿を確認すると、七つの宇宙内一つの宇宙で自分とソフィーが黒服の男に刺殺される視覚を得る。照理は近接する世界で起きた危機は自らの世界でも起きうることを危惧し、学会会場からの脱出を試みる。その際に、既に死亡した一つの宇宙を除く六つの宇宙の自分同士が黒服の男からの脱出を賭けて、ロゴスレンズ上の視覚を媒介に騙し合い、結果主人公視点の世界の照理だけが生き残る。照理は、博士の研究室に駆け込み、何者かに命を狙われたことを訴える。博士は自身が神父を務める教会に照理を連れていくと、「監視者」という敵の存在を明かす。また、博士は話の中で、何年も前に何の罪もない妻がガンで死んだことは、この宇宙に正しいロゴスが機能していないことの証明であると述べる。キリスト教グノーシス主義に基づいた「この世界は真の宇宙の七光りに当たる、偽の宇宙(神がサイコロを振る世界)である」という見解を示す。また、この宇宙を確率という混沌の力学で分裂させている監視者とは、監視的プリズム様機構なる存在だと述べる。照理は博士の狂気的妄想に気が付き、逃げ出そうとするが気絶させられる。そして……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-14 18:16:33
27358文字
会話率:44%
人工知能勉強中の学生ミサキは、社畜お兄ちゃんと二人暮らし。
慎ましい二人の生活は、お兄ちゃんの一言で色を変える。
「兄ちゃんをアルゴリズムにしてくれないか」
人工知能の最適化アルゴリズムがかすかに解るかも知れない日常系コメディー。
最終更新:2017-08-25 09:51:18
3168文字
会話率:81%
借金が理由で自殺した俺は、赤ん坊として目を覚ます。
そしてここは自分の世界とは違う異世界だった!?
ギフトとか言う力は持ってるけど、明らかに俺の力は運だよりのもの。
しかもステータスは最弱って。
だが彼はめげずに異世界での新たな生活
を歩み続ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-22 23:21:01
5839文字
会話率:20%
憧れの女性、三鷹凛子の匂いを嗅いでいたら、ちょっとしたはずみで死んでしまった俺。
死んだ俺が目を覚ました場所は、狭く薄暗い部屋であった。
その部屋の管理者である女が言うには。
「あなたは死んだので、生まれ変わる為に、一旦記憶を消
してから『生まれ変わりの扉』をくぐりなさい。」とのことであった。
あのまま生きていてもろくな人生ではなかっただろうと考えた俺は、女の勧めるまま、前世の記憶を消す為の書類にサインをしようとするが、書類の違和感に気付き女に問い詰める。
問い詰められた女は、しぶしぶ生まれ変わりについて説明する。
生まれ変わるものはランダムで決定されるので、自動的に個体数の多い生物に生まれ変わることが確率的に高いということだった。
およそ八割以上が微生物に生まれ変わる事実を知って、俺は生まれ変わりを拒否する。
女はそんな俺を暴力で従わせようとする。
女の暴力に屈する直前に、部屋の奥にもう一つの『生まれ変わりの扉』を発見する。
その扉は、選ばれた者のみが通ることができる、望んだものに生まれ変わることができる扉であった。
女の隙を見て、その扉をくぐり抜ける俺。
望んだものに生まれ変わった俺は、夢のような生活が始まるはずだったのだが・・・・
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-02 01:03:40
5948文字
会話率:37%
平穏だった世界に突如として光の柱が降り注いだ。
その光に包まれた者は星屑(スターダスト)を得ることとなる。
星屑(スターダスト)を得た者は確率的に能力を得ることがある。
そして、星屑(スターダスト)の持つ力はもう一つあった。それは、星屑(ス
ターダスト)を一定量集めることで、不可能を可能に、どんな願いもかなえられるという夢を叶えてくれるものだった。
だが、星屑(スターダスト)を集めるには、持っている者を殺すという方法で集めることができる、というものであった。
そんな星に選ばれた星屑(スターダスト)を持つ能力者たちは何を想い、何を求めてどんな運命を辿るのであろう。
ある者は自分のために、ある者は平和のために、ある者は人を殺すために、ある者は愛する者のために、それらを使う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-07-17 03:42:33
2655文字
会話率:23%
ある日ごく普通の中学二年生神薔薇十七夜(かんばら かなき)は学校の歴史の授業で受けた疑問を旧日本兵の祖父にぶつける
だが祖父はお前にはわからないとばかりにまともに話しにとりあわず、さらなる疑問と心にモヤモヤした違和感を感じ家を飛び出した
さ
迷う少年十七夜(かなき)は、狭い裏路地にたどり着くとある特別な力を持つ少女に出会う
そして少女は言った
確率的に零は存在しない
どんなに低い確率でも奇跡は努力でなんとかなるよ
自分には何が出来て何が出来ないのか知った方がいいよ
それだけ言うと少女はその力で神薔薇を過去へといざなう
それは彼が望んだ疑問の解答
第二次世界大戦前の日本へ東条英樹としての転生だった
そこで神薔薇は答えを見いだせるのか?
正義に燃えるアメリカ
粛然吹き荒れるソ連
史実より苛烈さのましたドイツ第三帝国
怪しげな動きを見せるイタリア
そして少年の心を持った東条英樹が混沌の時代を駆け抜ける
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-23 01:09:50
2107文字
会話率:47%
17歳少年の現実に有りそうな...現実では確率的に有り得ない話
最終更新:2012-02-08 18:29:08
459文字
会話率:50%