時は二千五十一年。
舞台は神戸沖の人工島、いざなみ県、いざなみ市。
内閣直属の非公開執行組織『治安調査会議(治安会)』の最年少である黒峰曜子に課せられたミッションは、いざなみ市長のボディガードだ。反政府過激派組織『オープン・ファイア(OF
)』の市長殺害予告に端を発して生じた業務である。
警護の仕事をを続ける中、様々なアクシデントに見舞われ、曜子はしばしば経験不足を露呈する。しかし、彼女にはフォローしてくれる心強い味方の存在があった。彼らのおかげでなんとか役割を果たしつつ、それに伴い、彼女は徐々にではあるが確実に自らの器を広げていき、また市長の信頼も勝ち取ってゆく。
これは黒峰曜子の成長を描いた物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-19 22:48:59
93388文字
会話率:70%
時は二千五十年。
舞台は神戸沖の人工島、いざなみ県、いざなみ市。
内閣直属の非公開執行組織、『治安会』こと『治安調査会議』には”父親”とされる人物がいる。その男の名はライアン・ミウラ。身の丈二メートルの巨躯を誇る強面だ。”父親”であること
に自覚的だからこそ、彼には若いメンバーが子供のように愛しく思える。サポートしてやるべき連中であり、支えてやるべき存在であると考えている。そんなふうに縁の下の力持ちを自認するいっぽうで、『治安会』の最大火力を有しているという側面は、彼にとっては茶目っ気みたいなものだ。
過激派組織『オープン・ファイア』、『アンノウン・クローラー』の台頭。その他諸々の凶悪事件等々。悪い意味で賑々しいいざなみ市において、悪党の跳梁跋扈に対抗し、まさに”治安”を守るべく、ミウラを始めとする『治安会』の面々は、今日もチャレンジングに奮闘する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-12 23:17:24
96508文字
会話率:83%
自衛軍に入り、若くして退役後、中南米のゲリラに参加した。それがミユキ・ハジメの略歴だ。自己を主張したかった。自らの美学を貫きたかった……、なんていうのは言わば後付けの理由であって、実のところ、狙撃手という立場で仕事ができることで調子に乗って
いたのだろうと彼自身、思っている。
そんなふうに彼には確固たる信念がない。だからそう。張り詰めていた気持ちだって突如として破綻する。簡単に言うと、ニッポンが恋しくなったのだ。帰国後、まったく給料が得られなくなって職探しをしている折に『治安会』という組織の後藤と出会う。「ウチに来なよ」と勧誘される。新しい職場、新しい環境。どんな仲間ができるのかドキドキした。この上なくドキドキしたのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-14 10:10:56
91428文字
会話率:79%