時は二千五十一年。
舞台は神戸沖の人工島、いざなみ県、いざなみ市。
内閣直属の非公開執行組織『治安調査会議(治安会)』の最年少である黒峰曜子に課せられたミッションは、いざなみ市長のボディガードだ。反政府過激派組織『オープン・ファイア(OF
)』の市長殺害予告に端を発して生じた業務である。
警護の仕事をを続ける中、様々なアクシデントに見舞われ、曜子はしばしば経験不足を露呈する。しかし、彼女にはフォローしてくれる心強い味方の存在があった。彼らのおかげでなんとか役割を果たしつつ、それに伴い、彼女は徐々にではあるが確実に自らの器を広げていき、また市長の信頼も勝ち取ってゆく。
これは黒峰曜子の成長を描いた物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-19 22:48:59
93388文字
会話率:70%
多くの任務を荒事に費やす非公開の公的集団、その名も『治安調査会議(通称:治安会)』。
元『マトリ』の『特別強行班』の一員だった忍足悠は『治安会』にヘッドハンティングされた。組織のボスである後藤からたびたび指示や連絡を受け、悪人を締め上げた
り殺めたりする。それはもはやルーチンワーク化していると言っていい。より連続的な反復運動と言っても過言ではないくらいだ。眠っているか仕事をしているか愛猫とじゃれているか、たまに飲みに行くかのいずれかくらいしか行動しない。面白味には欠けているものの、のんべんだらりと過ごすには打ってつけの職場、環境だ。
すなわち、繰り返しのような毎日が悠の生活を支配している。
とはいえ齢三十歳。生きているうちに色々なものを見てきた。色々なことを耳にしてきた。その中で得た知見、経験則については存分に活かしてやろうという意気込みくらいは彼にもある。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-23 10:08:48
92600文字
会話率:83%