ここは夜の国。 一年中真っ暗闇の、魔物たちが住まう国である。
あるの日のこと、人間からの生贄として一人の女の子が木箱に入ってやってきた。それは小さくて痩せぎすな、銀の髪のお姫様だった。
「まったく、人間とはなんと愚かな……生贄など魔族には不
要だというのに自分の娘を送ってくるとは……ってこら小娘! なぜお前は魔王様の膝の上に居座っている!?」
「……ハンッ(鼻で笑う)」
「鼻、今、鼻で、わた、私を、魔王様の一の従僕である私を鼻で笑っ……!? 魔王様もなにかおっしゃってくださいー!」
「…………特に問題ないな」
「大有りですが!?」
しかしこの生贄、なんだかおかしい。
常に無表情な美形の魔王と、その膝にどどんと座る喋らない幼女のお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-09 18:37:59
19532文字
会話率:43%
速記の便利なところは、早く記すこと以外にも、速記を知らない人に情報を読まれないという点が挙げられる。
最終更新:2025-03-28 00:00:00
209文字
会話率:0%
兄様に愛されていると知っていた。
腹違いの王子で、五歳の時に初めて出会った兄様。暗くて埃っぽい離宮の中で小さくなっていた彼に話しかけるのは私くらいなものだった。
私の周りにはたくさんの使用人がいた。愛してくれる両親もいた。でも、兄様はいつも
独りきり。
だから、兄様には私しかいなかったのだろう。
知っていた。知っていたけれど、私は彼の傍にずっといるわけにはいかなかった。
だって私は正当な姫で、王の愛娘で、政略の駒だ。祝福されながら隣国への捧げ物、もとい花嫁として旅立つのが役目だった。
「行かないでくれ、キャンディス。俺の手の届かないところに行ったら、可愛いお前がどこかへ消えてしまうんじゃないかと思えて仕方ないんだ」
そんな風に引き止められつつも、別れを惜しみながら祖国を旅立ったはずなのに。
夫となる人に嫁いで、結婚生活を過ごしていたはずなのに。
なぜか私は、目が覚めると兄様の腕に抱かれていた。
※『狂愛』、すなわちヤンデレをテーマにして書きましたので、少し強引な表現があります。
※メリーバッドエンドです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-09 07:10:00
4800文字
会話率:28%
姉の身代わりで生贄として捧げられた妹、アリスティア王女。
表向きは政略結婚という名目であったけれど、実のところ人類域の象徴である小国からこの世界を統べる帝国への捧げ物として選ばれた「生贄」であったのだ。
実際、最初の人生では怒りに狂った厄災
獣帝レオンハルトによって殺され。
そしてなぜか過去に戻っていた。
せっかく巻き戻った時間、この命。
今度こそは生きながらえてみせると決意するもやっぱり最後は死ぬ運命に。
そしてまた巻き戻るアリスティアの時間。
三度目人生を迎え、アリスティアは悟る。
どうしてこんなループが起きるのか、その原因を解き明かさなければ結局何をしても同じなのでは? と。
少しずつ変わる時間。
変わる出来事。
そしてなぜか一週間前倒しになった婚姻。
自分を愛しているというレオンハルト。
そんな中で思い出す幼い頃のレオンとの出会い。
あれは運命? いや、違う。
三度目ではじめての出来事だったのだから。
これは、今度こそなんとしても破滅を回避して幸せになろうと頑張るアリスティアと、悲劇の獣帝レオンハルトとのもふもふ恋愛ファンタジーデス!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-20 09:49:36
32163文字
会話率:16%
この国の王女として生まれたミルシュ姫。
彼女の瞳は生まれつき赤い。
それは魔物の国の王イグリス様の花嫁である証でもあった。
ミルシュ姫には特別な血も流れていた。
その血は魔物たちを誘き寄せ、惑わしてしまうほどの甘美な匂いを発してい
た。
彼女は民を守るためにも、日夜寄ってくる魔物を倒して回った。
18歳になってイグリス様の花嫁になるその時を待ちながら。
そんな中、隣国の王子様が魔物に襲われているのに出くわしてしまった。
ミルシュ姫は、美しい彼が怪我をしてはいけないと、咄嗟に助けてしまう。
それがきっかけで、言葉が通じない隣国の王子様とミルシュ姫の距離は縮まっていくのだけど……
運命は変えられなかったけれど、最後まで愛する人々を守り通した、気高く美しいミルシュ姫の物語です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-13 07:08:26
14498文字
会話率:21%
アマギはとある街に訪れていた。
照り付ける太陽に嫌気が差しながら、街に入ってすぐにあった酒場へと逃げ込む。そして空腹からそのまま食事を取る事に。
異様に空気の乾いた酒場では、他の客の愚痴が響いていた。
「ったく、水不足はいつまで続くんだ
よ」
水不足を解決するために行われるこの街の儀式、雨乞い。
何度も行われる雨乞いとその捧げ物が、生活の負担になっているとの愚痴が溢れていたのだ。
店主に聞いてみると、もうずっと雨が降っておらず、たまに降る雨が待ち遠しくて仕方がないらしい。
こんな街はさっさと去った方が良いと助言され、諦めムードな住民を見たアマギは、つい不服そうな顔を返す。
「じゃあ会いに行こうか。空の精霊に」
雨の降らない異常気象。その理由を、アマギは知っていた。
少しでも面白い、期待出来ると感じたら、評価☆やブックマークを押して頂けると励みになります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-16 21:10:17
8736文字
会話率:55%
様々な死地に趣き、戦場を駆け巡り様々な不幸をまき散らすと恐れられる人物で、みなからは〈死地巡りの鴉〉と呼ばれている男がいた。
実は超人気の配信者〈わふわふワンコ〉を推しまくるリスナーである。ハンドルネームは〈ヤタガラスくん〉で通っている
男だ。
彼はわふわふワンコの笑顔を見るために手に入れた戦果を全て注ぎ込み、生き延び続けていく。そう、わふわふワンコがいる限り彼は戦場を駆け巡り続け、勝ち取っていく。
全ては推しへの捧げ物を手に入れるために。
さあ、怒涛の推し活の始まりだ!
◆◆◆◆◆
この作品は〈カクヨム〉にも掲載しています
※不定期更新です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-18 12:01:15
17613文字
会話率:48%
国の守護龍様に、生贄として選ばれた転生者。
けど、それは捧げ物じゃなくて、介護要員だった?
全ての物事に興味のない男性×献身的な女性
を目指します。
最終更新:2023-05-18 12:07:20
58730文字
会話率:47%
その日の夜会、第二王子と長らく結んでいた婚約が解消されたアトリーシャ・デュライ伯爵令嬢。
社交界の白百合の君と名高い才媛の彼女に降り掛かる醜聞に、人々の注目が集中する。
その中で、彼女を一目で女神と崇拝してしまう一人の男性。辺境の赤熊と
言われるディルダート・クロヴァス辺境伯。
「貴女に、100日間捧げ物を贈る願掛けをしてもよろしいでしょうか」
唐突な申込に戸惑うアトリーシャ。
アトリーシャにダンスを申込む為に何故か毎日1体、100日間魔獣を捧げると言うディルダート。
周囲の協力を得て、彼は毎日彼女に魔獣を捧げ続ける。
少しずつディルダートとアトリーシャの距離が近付き始めた頃、王都を滅ぼすような恐ろしい計画が発動しようとしていた…
女性に免疫のない脳筋熊男なヒーローと、天然だけど実は強かなヒロインの物語。
【完結まで投稿済】全14話+おまけ1話 (毎日20時更新)
「黄金の姫君と白金の王子の優しい嘘」( https://ncode.syosetu.com/n6519hs/)
こちらと対になるお話。単独で読んでも大丈夫です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-27 21:00:00
117636文字
会話率:54%
聖医の名門エントラス伯爵家の次男であるローレンス・レンテ・エントラスは、名家の縁故(コネ)もあり成人前の10歳に関わらず教会の助祭に任ぜられ、司祭マーガレット・サリバンに仕えることになる。
癒しの聖女と呼ばれるマーガレット、だが「冷鋼のマ
ギー(チルスティール・マギー)」とも呼ばれていた。それは癒しの御業についてはまぎれもない実績をあげていたのだが、賤民の出自から、奇跡的な医術の秘蹟だけでその地位についた成り上がりとも聖堂内で陰口すら叩かれていたからだ。
そのためもあってか、彼女は司祭でありながら教区すら与えられず、治癒院にて奉仕を行う日々を送っていた。
何度も彼女の下に助祭が任ぜられたことはあったが、その身分故か、その者達が数ヶ月もせぬうちに彼女と袂をわかち、そして全て去っていったのは聖堂内では知らぬ者のいない事実だったのだ。
ローレンス・レンテ・エントラスはその詳細も知らず、彼女の下へ赴くことになるのであった。
補足:
あまり設定を作ってないのですが(後付け地位とかあるかもですし)
教皇 > 枢機卿 > 大司祭 > 高司祭 > 司祭 > 助祭 > 侍祭
ぐらいのざっくりとした組織内地位ぐらいでよんでいただければ助かります。
※初投稿です。創作小説の連載形式など初めてなのですが、お楽しみいただければ幸いです。
※小説について何かご指摘がありましたらお伝えください
医療に携わる方々への敬意と感謝をこめて。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-12 20:46:43
27098文字
会話率:53%
巫女様は、神様の元に行きたかった。
村の戒律に従い、生まれた時から、
神様の捧げ物になることを夢見ていた。
巫女様はこの世界のことを何も知らない。
太陽も、思い出も、そして自分が溺れる海さえも。
巫女様はずっと神様のことだけを考えて生き
てきた。
私はそれが嫌だった。
だから私は巫女様と出会い、巫女様を外へ連れ出した。
やがて私は巫女様と口づけをする。
私たちは夕日の海の中で、思い出を作る。
そして儀式の日が訪れた。
巫女様は私とともに神様がいる海へと向かった。
そして巫女様は海に消える。
ただ独り、巫女様は私を守るために沈んでいく。
だから私は、海に飛び込んだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-14 19:31:57
6145文字
会話率:15%
高校三年生の滋賀舞花は、五年片思いした相手に失恋してしまう。
これって恋愛成就が上手くいかなかったからじゃない?
ねえ神様、私のお願いちゃんと聞いていましたか
?
そうして登った山の上、今年の初めにお参りに来た神社には、何だか意地悪な神職が
いた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-23 11:22:06
6070文字
会話率:50%
これまで人間界は、契約により平和が保たれていたが、ある夜に南の門から侵入した大男?が人間達を食い荒らした。お腹いっぱいになった大男?は、暗黒界の王レック様に捧げ物として小学生の桜を連れていくことにした。子供の肉は貴重で匂いを嗅ぐだけで食べた
い衝動が抑えられなくなるほどだ。人間は食料でしかない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-29 16:08:40
121194文字
会話率:20%
深夜、呼び出されたマンションに向かう途中、事故を起こしてしまう。やっとつかんだ幸せを逃すなんて出来ない。
美和はその場から逃げた。呼び出された息子のマンションには、嫁と嫁の母親が、待っていた。
そこで息子との「離婚」を突き付けられる
。理由を語り出す母娘に、美和の過去が暴かれる。
やっとつかんだ幸せを簡単に奪われたくない。美和は、ある事を決意して……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-17 21:54:22
201文字
会話率:50%
これまで99匹のドラゴンを仕留めてきた歴戦のドラゴンスレイヤーであるシモン=ガルスは、100匹目の獲物に緑泉の竜レウロデプスを選んだ。しかし、レウロデプスを守護神だと崇める村人たちはガルスへ竜を退治する必要はないと説明する。一方で、ガルスに
問い詰められた村人たちは、年に一度、竜へ捧げ物となる少年少女がいることは否定しなかった。竜種そのものへの憎悪に燃えるガルスの足は止まることなく……。
2011年に同人誌として発行した『銀ヶ峰の白竜侯』に収録されていた作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-18 20:25:22
6383文字
会話率:48%
彼は自らの喉に弾丸を撃ち込み、その魂を捧げた。
この世界には、穢れた魂を抱えた屍が蔓延っている。彼は、自身の魂が穢れる前に、捧げたかったのだ。
神は、その捧げ物を喜んで受け入れ、そして送り出した。
何処かの世界を『穢れ』から守る為に。
最終更新:2020-10-04 19:06:10
14164文字
会話率:40%
ある町の、ある祭壇。
ここでは儀式が執り行われていた。
その儀式では神様にある捧げ物しなければならない。それは”捧げしモノ”と呼ばれている。
だが“捧げしモノ”を盗んだ男がいた。
それは神の怒りに触れ、この町では色を失くした。
そして18
年後……
とある普通の高校生。
彼は他の人よりこの事件に興味がある。
彼はこの町に色を取り戻していく……
※この作品は、「ノベルアッププラス」「カクヨム」「エブリスタ」「アルファポリス」でも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-19 08:00:00
31608文字
会話率:46%
天使が支配した世界は優しくて、平凡で、ありふれた、苦しみひとつない世界。──そう思わされている。
実際には森に住む魔物から守ってもらう代わりに年に一度、捧げ物という名の生贄を差し出す日々。
そんな村で私、ユーリア・サントブルグはシスターを
志し、平穏に暮らしていた。
だけどある時、運悪く私は捧げ物に選ばれてしまった!!
捧げ物になるのはすごく光栄なことだというけど...実際に会ってみた天使様はとんでもない方で?!
そんな中私に差し伸べられた救いの手は、頭の中から聞こえた声。声は前世の私だと言うけど...男の声じゃない!一体どうなってるの?!
ドタバタ冒険系ファンタジー!ほんのりラブコメ(になる予定)を添えて!
※5月6日、タイトルを変えさせて頂きました。内容は変わりませんので、これからも皆様に楽しんで頂けたら幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-28 23:18:03
50948文字
会話率:37%
ゲームのやりすぎで死んでしまった?!
目が醒めればそこは、ゲームの世界。
『OH!ファンタスティック牧場』という牧場経営ゲームの世界で、課金アイテム無双が今はじまる!かもしれない。元いた世界で夢にまでみたあれやこれやの美味しい料理、ブランド
もののフルーツを堪能する!これが基で死んだのなら、思い切り満喫してやるーの食いしん坊の一念で牧場経営に力をこめる。謎のしゃべる白リスちゃんに今日も貢物をして、女神さまの祝福を当てに捧げ物を惜しまない!<我ら一族>の小さいおじさんたちの手を借りて、毎日楽しく暮らすはず…だったのに、まさかの魔王と女神の乱入が?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-13 20:41:50
84908文字
会話率:26%
御門 椿は地球で死んだ。
神様に会い、神様好みの容姿に変えられて異世界で生まれた。
そこは人間界だった。
人族の両親から生まれた椿は純血の魔族だった。
家族から疎まれ、蔑まれ、遂に魔界へ捨てられた。
森に捨てられてすぐ精霊に拾われる。
精霊に捧げ物をしに来た魔族にまた拾われて、着いた先は魔王城!
幼児ですが、頑張って生き抜きます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-15 01:38:32
13609文字
会話率:34%