砂漠の果て、小さなオアシスに寄り添うように存在した小国。
民に愛され、民を愛した王と、ただ一人その帰りを待つ王妃。
やがて戦の命が下り、王は「必ず帰る」と誓いを残して去る。
そして――国は砂に飲まれ、民は去り、オアシスは枯れた。
それでも
、王妃は待ち続ける。
ただ一つの約束を信じて、塔の上から沈む夕陽を見つめながら。
名もなき者の愛は、時を越えて、なお消えない。
古の楼蘭王国を下敷きに描く、ひとつの祈りの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-18 21:00:36
4851文字
会話率:9%
中世ヨーロッパによく似た国、エルテンシア国…
かつてその国で、我が身を犠牲にしながらも国を救った
王女がいた…。
その後…100年、国は王女復活を信じて待ち続ける。
最終更新:2025-06-16 20:36:54
583632文字
会話率:51%
同盟は狩猟から帰還した一団に湧き立つ外野の者達の奥から無事を願っていた事を体一杯に抱き付く身内なのだろう、その少女を足蹴にするそぶりを汚れた靴底で見せるが、両者は互いを笑う一団の同胞に恥ずかしく感じながらもその場の平凡な日常のある場所に身を
許す。
その隅に…2席の椅子にカビを含んだ臭いがする布を掛け、その下で背を横たえ汚れた木の床で寝ている。髪はここの泥やハコノ葉が引っ付き、少女らしい体格を感じない程に着込み、汚れが目立つ着こまれた制服。
私はそういう物しか持ち得ない、誇れないだろう仕事を職場で待ち続ける…。
少女が横になった身体から顔をその一団の方に寄越し、どうしようもなく聞こえていたそれに乾いた唇でそう独りの不甲斐なさを吐いた。
もし、本物でなくても無事を祈ってくれる人がいるならば、本物でなくても大きなパンにハコノ葉のペーストを少し塗って焼いたのを沢山食べれたら。本物でなくても、生きたいと願えたのならば。
少女は帰り道、そう考えながら一つの涙を流す。
それに答えるかの様に一箇所の叢が揺れ、少女はそれを掻き分ける。そこにはオオカミの特徴を持つ亜人の少女に転生した男子高校生の穀持に出会い…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-09 06:04:51
571文字
会話率:13%
人間達が住む大陸『モルディガンマ』から海を渡って遠く離れた、別名『魔族の住処』とも呼ばれる巨大な島。
魔界島『ディザストレ』。
この島には、普通の人間では生きて帰れないほど過酷な環境が存在する。
水面まで暗い海の中で獲物が来るのを待
ち続ける魔の海『バミューダ』。
生命を干からびさせるどころか燃やす灼熱地獄のような火山地帯『インフェルノ』。
身体に突き刺さるように凍て付く絶対零度の地とも言われる極寒地帯『フロスティア』。
常に食うか食われるかの過酷な弱肉強食の世界である森林地帯『グランノーム』。
その海と三つの地帯、中枢の居住地帯を持つディザストレには、いくつかの特徴を持つ。
様々な動物の骨が転がる大地には、異形の鳥や植物、獣などが生息する。
光が見えない青黒い海には、船体は穴だらけで帆はボロボロな船が浮かんでいる。
星のない夜のような暗い空には、赤紫の月の光が島の細部まで照らす。
……そして、島に大きく建てられた城『ジェノサイド城』には、魔族を統べる王が最上階の玉座に座る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 09:52:23
187725文字
会話率:44%
かぐや姫を迎えに来た天女に見惚れた男は何が何でももう一度天女を見たいと不死の霊薬を呑み、不死となった。男は各地を転々としながら文明が滅びるまで月の女を待ち続ける。果たして男は再び天女と相見える事ができるのか。
最終更新:2025-05-25 01:42:33
9855文字
会話率:38%
人類滅亡後の火星に残る無人のコーヒーショップ。ロボットは誰も来ない客を待ち続ける。
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最終更新:2025-05-17 22:38:57
1126文字
会話率:21%
ガチ中華系の仙人伝説
上下五千年のヒステリア
仙人の道に歩み始めた7歳の少女に突然の悲報が届いた。
外出中の両親が共に命を落とし、彼女と祖父だけが仙人の町で必死に生き延びることとなる。
二年後の仙門の入門選抜まで、
二人は家の財産を守り
抜き、無事に待ち続けることができるのだろうか。
果たして幼い少女の運命は――
謎に包まれた両親の死の真相とは――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 02:21:21
4645文字
会話率:34%
2000年のある日から、この世界には龍が出現するようになった。
龍は偉大なる存在で、破壊と創造をもって世界を浄化する役目を持っていた。
龍は人から生まれる。
高校生ぐらいの年齢になると、健康診断によって龍の卵となったかが判明し、卒業後
は龍の予備校へ行って、孵化する日を待ち続けるのだ。
私はその予備校の生徒で、将来龍になる者。そして私が好意を寄せている人も、同じように龍になる運命にあった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 13:25:02
4659文字
会話率:55%
その役、立つときを静かに待ち続ける……。
最終更新:2025-04-23 20:00:00
2126文字
会話率:3%
生まれ育ったシルバート大陸を離れたユイナ達は、新天地を探して船旅を続けていた。だが、皆が寝静まる真夜中に『魔眼』と呼ばれる海賊から襲撃を受けた。
紅い瞳を光らせ、暗闇から襲いくる強敵。銀狼のアレスや船乗り達の活躍でどうにか撃退したものの
、多数の負傷者が出てしまった。
それから数日後、ロートニア王国の港町へとたどり着いたユイナ達は、休養と船の修理をかねてしばらく滞在する事となった。恵まれた自然、美しい街並み、どれも豊かで平和な景色だった。
ところが、そんな平和な街も『魔眼』と呼ばれる海賊に襲われていた。子供が攫われ、他の人間は殺されたという。それを聞いたアレスは、メリル王女と討伐の旅に出かけてしまう。
音信もなく待ち続ける日々はつらい。
眠れないユイナは、彼の無事を祈り、月夜に舞った。
帰ってきたら、恋心を打ち明けよう。
ところが、アレスに想いを寄せているのはユイナだけではなくて……
これは、恋に揺れる少女たちの葛藤と決意の物語。
【幕間<シルバート編>】
第一侯爵となり名実ともに国軍最高司令官となったラインハルトは、遠くない未来にシルバート大陸が沈没する事を予言した。シルバート王国の民を救うためには別大陸への侵略しかない。狙うはパッフェル大陸の強国ウィンスター。しかし、正面切ってウィンスターと戦うには同盟国のシラ=エン王国とネフェタリカ王国が邪魔だった。それを打開するためにラインハルトが考えた計画とは――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-20 10:26:02
408938文字
会話率:47%
それは、ただの“配達”だったはずだった。
雨の日も、風の日も。
誰かの元へ、食事を届け続けるウーバー配達員・神原ユウト。
だけど、その玄関の向こうには「注文」だけじゃない、
――誰かの“想い”が置き去りにされていた。
引きこもりの少女
。亡き息子を待ち続ける老婆。
病室で星を見つめる少年。恋人にラストオーダーを贈る青年。
顔も知らない。名も知らない。
それでも、ほんの一瞬、心がすれ違う。
「今日も、俺は世界をちょっとだけあたためる」
誰かの孤独に、そっと灯りをともす配達ドラマ。
――これは、“人を届ける”物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-14 08:29:02
8715文字
会話率:28%
西暦2098年、11月……皇都廣島に、早過ぎる冬が訪れる。終わりの見えぬパラレイドとの戦争が、人類同盟の敗北で終わったばかりだ。世界が平和の訪れに安堵し、歓喜に沸く力さえ失った中……確約された悲劇は迫る。
既に仲間は大半が生死不明、愛機
さえも失った。
だが、終わったままでは終われない!
あらゆる人類が知った、パラレイドの真実!
戦争の終結と共に、人類同盟は滅びた……
今、摺木統矢は逃亡者、指名手配の戦争犯罪人。
冬を迎える皇都の片隅で、彼は息を殺して機会を待つ。
未来を、明日を取り戻す瞬間を、待ち続ける!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-09 15:55:55
46694文字
会話率:32%
※※連載中の「半神スカーラメント~闇に沈む王と暁の叛逆者~」の前身となった戯曲です。台詞とト書きで構成された脚本形式となっております。こちらは完結しており、今後のネタバレになる可能性がございます(違う着地を辿る想定ですが、少しはバレてしまう
のでご注意くださいませ)※※
遠い昔……『年代不明』とされる現在の暦から遡ること一万年前、人類は全ての時と記憶を司る異形の神、邪神ヨグ・ソトースを殺した。ヨグ・ソトースは死の間際、魂を二つに分断。一つの魂は肉体を失い、人類の破滅を望む邪神の王となった。もう一つの魂は屍に残り、未だ愛した人の再来を待ち続ける。暦・歴史、全ての記録を絶った無なる世界に唯一残った国、『無名国家』。世界は姿なき邪神たちによって脅かされ、人々は日々、命を刈り取られていく。先王シーフェルの遺志を継いだ若き王クリフは邪神たちを倒すべく、ヨグ・ソトースの屍より摘出した細胞を移植した新人類『半邪神』を生み出し、殲神特殊部隊として邪神の討伐を行わせる。その終わりなき戦いの日々の中、彼らは、過去を変える力『時の改変』の存在に希望を見出す。——そして今、記憶を失った半邪神アダムが長き眠りより目覚めた。クリフは彼に囁く。『我が忠実な友であれ。僕の終わりが来るその時まで……』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 01:20:34
41724文字
会話率:53%
ある冬の日。大学二回生の『私』は、運命の出会いを求めていた。
しかし、現実はそう上手くはいかない。
何日も、川岸で出会いを待ち続ける日々は流れていく。そんな時、一つの瓶が川に流れてきた。
最終更新:2025-03-31 20:02:00
1520文字
会話率:0%
高校生の剣島聖治(けんじませいじ)は学校の屋上でクラスメイトの沙城香織(さじょうかおり)に告白される。二人は恋人となり喜ぶ聖治だったがそれは記憶であり次第に彼女が誰かも分からなくなっていく。
現実では人類は悪魔に敗北しており、本当の彼は異能
を備えた剣、スパーダを持って強敵と戦っていた。
忘れてしまった大事な人、もう誰かも分からないその人を助けるために――。
場面は変わり聖治はなにかを忘れていると思いながらも普通の高校生として日常生活を過ごしていた。そこへ転校生として沙城香織が現れる。
彼女は初対面のはずだが香織は聖治のことを知っており恋人だという。
恋人を自称する不思議な転校生、彼女との出会いにより聖治は戦いに巻き込まれることになる。
それは未来において人類を守るために行われる儀式、セブンスソード。スパーダを持った七人で殺し合う戦いに聖治は参加することになる。
果たして聖治は香織を守り、さらには人類も守ることが出来るのか?
何度も失敗と死を繰り返し、それでも聖治は諦めない。
最後に君を助けるために。
聖治は『いつまでも待ち続ける(何度だってループする)』
異能×剣戟+タイムループ×タイムスリップの現代異能バトル!
*『セブンスソード』を改稿したものとなり内容はほぼ新規となっています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-28 19:00:00
199880文字
会話率:45%
かつて、悪神と恋に落ちた少女がいた。
悪神は自らの罪を悔い、少女に言う。
「待っていてくれ。必ず罪を償い君の下へ戻る」
彼女はその言葉を信じ、今日も桜の木の下で待ち続ける。
身体を白骨にしながらも。
最終更新:2025-03-27 07:15:21
1525文字
会話率:33%
戦乱に揺れるエレンデール王国。伯爵令嬢であるセレイアは、王命による結婚を余儀なくされる。彼女の夫となるのは、ロベルト・アシュフォード第二騎士団副団長。しかし、結婚翌日に彼は戦場へ赴き、二人の新生活は始まりすらしなかった。
セレイアはアシュフ
ォード侯爵家の別邸で夫の帰りを待ち続けるが、ロベルトからの手紙は一通も届かないまま噂だけが広がる。ロベルトには恋人がいたこと、そして彼女を戦地へ連れて行ったこと。
和平条約が結ばれ、戦場から戻るというロベルトから届いた初めての手紙に、セレイアは心を揺さぶられる。自分の愛は報われず、夫と過ごす未来も失われてしまった……。
セレイアは自らの運命と向き合い、どのように生きるべきかを模索する。
失われた愛と未来への希望の間で揺れる彼女の心の葛藤を描いた、感動(??)の物語。
全10話、完結しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-19 12:21:14
28703文字
会話率:39%
とある2人の話をしよう。
俺の名前は結城勝利。高校1年生。
クラスで五十音順で後ろの席にいるのが吉野隼人だ。寡黙系黒髪爽やかイケメンだ。羨ましくない。断じて羨ましくない。
こいつ、中学の時から巷で噂になってた、誰に告られても躊躇なく断る
、小さい頃の王子様を待ち続ける姫、綾瀬桃香ちゃんにいきなり話しかけやがった!
その強メンタルだけは認める。ナイスファイト。
今回もすぐ断られるだろと思ったら…ん…?
なんだか綾瀬の様子が………?
周りがどう考えてもお前ら付き合ってるだろ! という2人がくっついてそうでくっついてなくてフワフワ距離を縮めていくお話。
※本文は三人称、吉野隼人の一人称で進みます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-03 21:00:06
693747文字
会話率:67%
王宮内で洗濯係の使用人として働くレーナは、二ヶ月前事故に遭って以来、正夢のようなおかしな夢を見るようになる。
ある日、調理場の近くで出会ったオスカーという男性が誰かに毒を盛られる夢を見てしまう。だが本人に伝えたことで、事件は未遂に終わって事
なきを得る。その後、役人から犯人だと疑われたレーナは取り調べのために連れて行かれそうになり……
王宮で洗濯係として働く
レーナ・アラルースア
×
エテルノ王国の王太子
オスカー・バルヴィア
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:
「君は予知夢を見ることができる。でも、異国の夢に関しては違う」
王宮内で出会った眉目秀麗な男性
あなたは、この国の王太子で……
「おそらく思い出せる。頼む、どうか思い出してくれ」
私がその昔、恋焦がれた人だった――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-21 19:11:42
24113文字
会話率:40%
その場所にも雪は降る。『冬の番人』が静かに待ち続けるものとは。
→そこには一面の白い世界が広がっていた。雪降るその土地で、僕は黙々と作業を始める。
そんな中、通信機に着信があって――。
『雪』をテーマにしたためた掌編、さくっとお読み頂け
ます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-07 07:02:51
1000文字
会話率:34%