椎名謎迷(しいな めいめい)18才は、ドーナツを喉に詰まらせ、意識を失った。
意識を取り戻したとき、謎迷は金髪でめちゃくちゃ髪の長い幼子が「モーガン様!」と叫んでトタトタと自分に向かって駆け寄ってくるのを見て首をかしげた。
「はて、ここはど
こだ?お前は誰だ?」
謎迷の言葉に幼子は顔を青ざめ、目に涙をため、必死になって叫んだ。
「モーガン様!?私です、ラプンツェルです!」
「ラプンツェルだと!?」
嫌な予感がし、謎迷は寝台から飛び降り窓の外を見た。
謎迷の予感は的中した。
ここは高い高い塔の上だった。
そして、謎迷の後ろにはラプンツェルと名乗る金髪の幼子がいて、自分、謎迷のことをモーガン様と呼んでいる、、、
もしかして、もしかしなくても自分はあの有名な童話の世界に転生したのでは!?
しかもよりによって悪役に。
なんてこった!
もし、このままストーリーが進めば、数年後にきっと自分はdie!?
嫌だ!死にたくない!何とかしないと!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-25 09:00:00
37507文字
会話率:22%
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛の予定です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品はアルファポリスでも公開します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-24 21:00:00
298297文字
会話率:39%
ホンス伯爵家にはプリシラとリリアラという二人の娘がいた。
黒髪に茶色の瞳の地味なプリシラと、金髪で明るい色彩なリリアラ。両親は妹のリリアラを贔屓していた。
救いは、祖父母伯爵は孫をどちらも愛していたこと。大事にしていた…のに。
プリシラ
は幼い頃より互いに慕い合うアンドリューと結婚し、ホンス伯爵家を継ぐことになっていた。
それを。
あと一ヶ月後には結婚式を行うことになっていたある夜。
アンドリューの寝台に一糸まとわぬリリアラの姿があった。リリアラは、彼女も慕っていたアンドリューとプリシラが結婚するのが気に入らなかったのだ。自分は格下の子爵家に嫁がねばならないのに、姉は美しいアンドリューと結婚して伯爵家も手に入れるだなんて。
…そうして。リリアラは見事に伯爵家もアンドリューも手に入れた。
けれどアンドリューは改めての初夜の夜に告げる。
「君を愛することはない」
と。
わがまま妹に寝取られた物語ですが、寝取られた男性がそのまま流されないお話。そんなことしたら幸せになれるはずがないお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-20 18:16:41
60627文字
会話率:16%
物語は以前の騒動から半年後、解放された比良坂町の中で多忙ながらも充実した日々を運び屋達は過ごしていた。
しかし、以前からこの町では複数の運び屋達が行方不明になるという事件が勃発していた。
その真相を突き止める為、幻の運び屋と呼ばれた成田阿闍
梨は現役最強の運び屋、松浪隼の母親であり自身も天才と呼ばれたタスクから相方が疾走した時の状況を告げられる。
不安が絶えない中である暗い噂を望海達は聞く事になる。
“赤い血を持つ者のみが罹る奇病があると”
そんなおり、旭、望海、光莉が倒れ。
謎の人物の名前を口にする。
夢の中で“二つの帝国”と現実世界を股にかける鉄道✖️擬人化の和風ファンタジー第2弾の完全版
※前作同様、不定期での更新となりますご了承下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-19 12:14:29
64333文字
会話率:44%
【性別逆転・転生転移なしバディミステリ(?)】
病弱な帝姫の宮。姫の寝台の上では小柄な宦官が下着姿の姫君に追い詰められていた。
とある事情から自分に成りすませと迫る姫君に対し、必死に抵抗する宦官の少年へ女官たちの魔の手が伸びる。
★ ★
★ ★ ★
「ちょっと待て! 俺は女装なんかしねえぞ!」
「いい加減観念しろ。なんでもやると言っただろう」
「そうはいったが女装は嫌だ!」
「女装女装って、お前、本当は女じゃないか」
「うるせえ、この腹黒女装皇子!」
★ ★ ★ ★ ★
宦官のはだけた胸元にはさらしに巻かれたささやかな胸。
姫君の下着の下には滑らかな胸板。
性別を偽って生きる二人の互いの利害が一致するとき後宮に渦巻く陰謀が牙を剥く。
腹黒「姫」に翻弄されながら、姫の命を狙う陰謀に巻きこまれていく白狼。
白狼の武器はスリの腕と、人よりすばしこいという点だけ。
腹黒「姫」の武器は鋭い洞察力と完璧なる「貴婦人」の姿だけ。
後宮に巣くう敵を二人は一掃できるのか――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 18:30:00
232992文字
会話率:47%
冷血大公と呼ばれる私は、とある目的のために孤児を拾って厳しく育てていた。
一世一代の計画を目前に控えたある夜、様子のおかしい養い子が私の寝室を訪ねてきた。どうやら養い子は、私のために惚れ薬を飲んだらしい。「計画の成功のために、閣下の恋人と
してどう振る舞えばよいのか、教えて下さいませ」と迫られ……愚かな私は、華奢な体を寝台に押し倒した。
Twitter企画【#惚れ薬自飲BL】参加作品の短編でした。
アルファポリス他にも公開しています。そちらは年齢制限にご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-20 23:21:09
22533文字
会話率:47%
自称ヒロインの平民女に夜這いを仕掛けられたトラウマから「寝台で息子が役に立たない、初夜失敗の呪いにかかったようだ、助けてくれ」と泣きついてきた腐れ縁の公爵令息コーリーのお願いを、カミラは「絶対嫌です」と一言で切って捨てた。
最終更新:2023-10-31 21:06:45
33552文字
会話率:62%
あらすじ詳細は別項記載です。
あらすじ、本文の各ページ冒頭には、注意事項を記載しております。毎ページあってうっとうしいかと存じますが、感想トラブル防止のため、なにとぞご理解賜りますようお願い申し上げます。また、当該注意事項をご了承
いただけない場合には、【閲読は固くお断り申し上げます】。
本作は「pixiv」(2024年7月11日投稿)にも掲載しております。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22541269
なお、「第一巻」「第二巻」は、2024年7月11日現在、「pixiv」のみの掲載です。
『寿国演義 第一巻 銀鈴、都へ行く 急行列車と動物支障と家出娘』
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18418837
『寿国演義 第二巻 無邪気皇后銀鈴、茶番で投獄されるのこと』
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18420994折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-11 17:54:40
124806文字
会話率:48%
あぁ……どうしてこんなことになってしまったんだろう。
私は眠っている男性を起こさない様に、そっと寝台を降りた。
私が着ていたお仕着せは、乱暴に脱がされたせいでボタンは千切れ、エプロンも破れていた。
私は仕方なくそのお仕着せに袖を通すと、止
められなくなったシャツの前を握りしめる様にした。
そして、部屋の扉にそっと手を掛ける。
ドアノブは回る。いつの間にか
鍵は開いていたみたいだ。
私は最後に後ろを振り返った。そこには裸で眠っている男性の胸が上下している事が確認出来る。深い眠りについている様だ。
外はまだ夜中。月明かりだけが差し込むこの部屋は薄暗い。男性の顔ははっきりとは確認出来なかった。
※ 私の頭の中の異世界のお話です
※相変わらずのゆるゆるふわふわ設定です。ご了承下さい
※直接的な性描写等はありませんが、その行為を匂わせる言葉を使う場合があります。苦手な方はそっと閉じて下さると、自衛になるかと思います
※こちらの作品は「アルファポリス」「カクヨム」でも掲載しております(アルファポリスは先行投稿となります)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-09 12:49:30
137535文字
会話率:42%
養子として主人のリュカと一緒に育てられてきた従僕のルナ。数年前から家族としてでなく使用人という立ち位置に直った関係にルナは底知れぬ寂しさを感じていた。ちょっとした出来事をきっかけにリュカの悩み解消のため、ふたりは1つ寝台の上で夜を過ごすこと
に。これは彼らが休息を通じて不器用に愛を育む、いやしのためのおやすみBL。「アルファポリス」「小説家になろう」のサイトで重複投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-12 12:10:00
24826文字
会話率:39%
わたしは、ある日突然王都からやって来た見知らぬご令嬢に「あなたの夫を略奪したわ」と宣言され、屋敷を追い出されてしまった。奇しくもちょうどその日の朝、略奪された夫との子どもを授かったことを知ったばかり。初夜に寝台をともにした、わたしのことが大
嫌いな夫との子を……。
略奪レディに「死ねば?」とまで言われたサヤだが、宿った命を絶つつもりはなかった。それどころか、なにがなんでも産み、育てる覚悟をする。
※ハッピーエンド。タイトル通りの典型的な略奪物です。ゆるゆる設定はご容赦願います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-10 19:06:49
40939文字
会話率:15%
領主は日々、夢を見る。自身が変じた蛇の夢だ。
屋敷の寝台の中から這い出て、窓をすり抜け、領地を離れた山へ向かう。辿り着くのは決まって一本の木に作られた鳥の巣で、蛇は中の卵を親鳥代わりに温めていた。
婚姻を前に令嬢が輿入れをする日の朝
もその夢を見た。蛇が抜け出る窓の向こう、南の山嶺の彼方から従者たちを引き連れ訪れる。可憐な少女から美姫へと成長した令嬢を迎えて、ようやくその由来を知れた。幼かった令嬢とはじめてまみえた、南の国の庭園だった。
前祝いを兼ねた晩餐の後寝室を訪れる。2人きりになった部屋で10年ぶりの対話を楽しむが、ふと令嬢の雰囲気が変わったことに気づいた。かつての幼さの片鱗を脱ぎ捨て寝台の上で待ちわびる姿はまさしく妻としてもので、その視線は夢に見ていた蛇が卵へ向けていた視線と同じであった。
領主は誘われるままに褥へ入り、一昼夜をかけて肢体を絡めあった。
婚礼後まもなく、領主夫妻は第一子を授かった。さらに5人、6人と子宝に恵まれると、成長した子どもたちの助力で執政を盤石のものとした。
領主の名はやがて巻き起こった戦乱を平定し一国を築いた初代国王として伝わっている。
晩年まで国へ献身を捧げた王妃の葬儀には数多くの領民が嘆き悲しみ、長子へ地位を譲った領主は妻君の眠る生家で余生を過ごしたという。
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本作はGitHubで管理し、note及びカクヨムにも投稿しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-09 18:00:00
2867文字
会話率:0%
ティーティエの世界は狭かった。
固く冷たい石の床は、ティーティエの足で歩いて、壁から壁まで十五歩程度。
そこに詰め込まれている椅子と机と寝台、本が少しばかり積んである小さな棚。
一日に三度、食事を持ってやってくる使用人と、朝と晩に身
支度を整えに来る侍女と、時々窓辺に舞い降りる小鳥も、ティーティエの世界を構成しているものと考えていいのかもしれない。
それが彼女の世界の全てだった。
特殊な能力をもって生まれたために閉じ込められて暮らしていたティーティエが、外の世界に飛び出す話です。
恋愛要素は後半からです。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-02-05 10:45:26
23493文字
会話率:25%
荒瀬実は実家に帰省して、簡易宿泊所を始めた弟の彰と再会する。
最終更新:2024-01-26 20:00:00
19648文字
会話率:60%
ピアニスト、本吉和孝は閉校になった空別小学校の卒業生。世界的に有名になった時、この地を再び訪れる。
最終更新:2023-03-25 20:00:00
13080文字
会話率:53%
上野と札幌を結ぶブルートレイン、北斗星が消えようとしている。鉄道に興味のない文幸に、父の和幸はその思い出を語る。
最終更新:2023-02-27 20:00:00
2812文字
会話率:45%
列車の中では誰もが緊張で顔を青くしていた。何しろ稀代の連続殺人犯が乗車しているという情報があったからだ。
隣国での講演会に行くために寝台列車に乗った僕は、列車のサロンで一人の令嬢と知り合った。
そんな中、殺人犯が列車に乗っているという情報
が駆け巡って……。
ミステリタッチの悲恋ものです。
舞台は19世紀末後半のヨーロッパ風の架空の国。ファンタジーではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-24 12:16:13
7740文字
会話率:32%
目覚めたらそこは、寝台列車の一室だった――――――。
何の変哲もない日々を過ごしていたはずの女子高生五十鈴川璃乃(いすずがわりの)は寝台列車の一室で目を覚ます。
わずかに腫れた首元、乗った記憶のない列車、聞こえてきた復讐というワード。
ま
るで推理小説のような展開に、様々な事情を抱えた乗客たち。
そして事件は、起こるべくして起きる。
あった瞬間の懐かしい感覚を頼りに、信頼する美浜綴(みはまつづり)と一緒に旅に来ていたその親友、渡会頼叶(わたらいよりと)とともに、璃乃はこの列車に潜む謎と自分自身の記憶を追う。
この列車は、人々の想いで彩られている―――――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-23 00:52:23
5291文字
会話率:38%
夜行列車が駆け抜けるその鉄路に、蒸気機関車の姿は少ない。元からその鉄道には、蒸気機関車は居ないと言う理由から。
寂しく響く、ホイッスルの汽笛に乗って、今日も夜行列車は夜の鉄路を走る。
根も葉もない噂話を吹聴され、何もかも無くなった旅客と、そ
れを影から見守る給仕役を乗せて。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-08 11:34:03
38046文字
会話率:18%
ぼうっと。
暗い部屋の中で。
最終更新:2023-11-15 14:43:33
1626文字
会話率:22%
ふと、目が覚める。
―部屋は真っ暗なまま。
最終更新:2023-10-31 14:36:04
1733文字
会話率:20%
意識が戻ると。
視界に広がっているのは、たくさんの標本。
最終更新:2022-09-13 11:23:36
1524文字
会話率:3%
日露戦争に従軍した周防大尉は戦闘で負った傷を癒すべく、佐世保の海軍病院を目指す病院戦の寝台に横たわっていた。
そんな周防大尉の夢枕に、旅順や奉天で死に別れた部下達の霊が現れるのだが…
※本作品は、夏のホラー2023参加作品で御座います。
最終更新:2023-08-19 09:01:17
1957文字
会話率:26%
契約結婚で、初夜の履行は致しません!
属国との国境いへ、新たな辺境伯として帝都から派遣された騎士セルギウス。
弟三人を養うため、新たな領主の妻となることを決めた没落令嬢チェルシア。
何故か二人は寝台の上で睨み合っていた。
◆◇◆◇◆
周辺国を侵略しつくした帝国で、弱きを助け強きを挫く『帝都お見合い協会』の短編その一です。
まずは、安い魔石を磨く労働者を『愚直モグラ』と呼ぶ鉱山地方のお話から。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-04 23:18:40
12277文字
会話率:21%
彼女は男だった。
僕はそれを知らなかったが。
最初にあった彼女は、僕をスタンガンで動けなくさせた。
そしてアディオス、とばかりに部屋を飛び出し海岸線の国道の向こうへと消えた。
彼女は違う仕事もしているようだった。
二度目に彼女に会ったと
き、彼女はまた別の仕事をしていた。
しかし僕が彼女とやることは変わらない。
今度はスタンガンを回避した。
そして彼女に十分な誠意と愛情を示した。
彼女が逃げてしまう前に。
彼女は精神が不安定である。
泣き崩れ、走って逃げた。
しかしその後、その日の彼女の書き込みに、
『〇〇さん(僕の名前)、お水入れときますね』
と書かれているのを見つけた。
それをみて懐かしくなり、また数カ月後、彼女を指名した。
私は上空を飛行していたが、彼女をみつけた。
彼女は工事現場で働いていた。
土木作業の途中、といったところだった。
そこに降り立ち挨拶をする。
明るく返してくれた。
本当に多種多様な仕事してるんだね。
私は彼女が俄然好きになった。
夢というのは波のように何度も繰り返し同じようなことが起こる。
それはデジャブのようなもの。
そのデジャブに気付ける者は、夢を文字通り二周目として体験できるのだ。
しかしすべてのシーンが同じわけではない。
まったく違う場面が入り込む。
そして夢の展開はあらぬ方向へと進む。
彼女は五人の背の高い外国人を相手にしていたようだった。
そして彼女が男であるが故に差別され、チップをまともにもらえなかった。
その場に居合わせた私はその五人と犬が3匹の巨悪集団に正義を要求した。
しぶしぶといった感じで彼らは彼女に対価を支払った。
その場に犬がいたのは犬を害獣として認識している私の特質のせいであろう。
私の足の爪が巨大な鳥のように変身し、彼女を捕らえた。
彼女はカピバラのような生物に変身し、そこで泣き崩れていた。
その小屋で泣き崩れていたのは彼女だけではなかった。
彼女と近い形質を持つ者が1人、寝台の上で嗚咽していたからだ。
「こんなことならこうしてここに引きこもっていればよかった。彼もこうしていればよかったのよ。顔が不細工なんだから」
と彼女は彼を巻き込んで反省した。
私は彼女を慰めたかったのだが、それは一週目の世界だった。
彼女とうまく行ったさっきまでの世界とは違い、なぜかここには五人の外
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-07-29 14:10:36
1154文字
会話率:4%