深い霧の中、事故に遭った宮部郁が、江間、福地、佐野、菊田、寺下と共に辿り着いた先は、化け物のうろつく異界の森――祖父の故郷だった。
言葉も文明も環境も何もかもが異なるこの場所で、保護という名目のもと、彼ら‟稀人”の争奪戦を始める異世界人
を前に、どこで、誰と、どう生き延びる?
【ケース1:宮部の場合】
Q1.稀人だと――明かす? 隠す? どうやって?
A1.隠す。言葉が使えることを利用して、勘違いするよう仕向ける。
Q2.友達と協調――する? しない?
A2.人を化け物の生贄にして自分たちは逃げるという間柄を、そもそも友達と言わない。
Q3.向こうの知識を利用――する? しない?
A3.利用する。ただし、向こうの知識ではないと見せかける。
Q4.何になる――王様? 神様?
A4.一般人。王様も神様も面倒くさい。
Q5.こっちの‟幼馴染”を――頼る? 頼らない?
A5.頼らない。顔を見たらぶん殴るとわかっている権力者には近づかない。
Q6.向こうに――帰る? 帰らない? 誰と?
A6.帰る。どうしようもなく馬鹿なお人好しと、以前の稀人に育てられた子と。
――騙す相手は、自分を含めたすべて。
※舞台の性質上、残酷/グロ描写があります。※直接的・具体的な描写ではありませんが、登場人物たち置かれた環境や関係性の表現のため、性描写があります。※「カクヨム」様でも投稿中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-17 21:18:11
812117文字
会話率:44%
座右の銘は地獄の沙汰も金次第。
趣味はトマトの品種改良と財テク。
野望は農園付き一戸建てで自給自足生活。
――美貌の性悪王太子に悩む、王太子付執務補佐官アンリエッタの恋愛(?)マニュアル。
(本作品は、以前自サイトにて公開していたも
のの、改稿版となります/「カクヨム」様にても公開中です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-23 09:08:22
242088文字
会話率:40%
自称薬師見習いは、隠し事が一杯。嘘とシラを相棒に、今日も国王の3男兼魔女狩り責任者の騎士を相手に、にっこり作り笑い――いつまで持つか定かでないのが、最近の彼女の頭痛の種らしい。(全3話)
(本作品は、以前自サイトにて公開していたものの、改
稿版となります)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-18 09:08:46
9999文字
会話率:42%
テオドラ・ラノビアは思いだした。ここがかつて読んだ小説の世界であり、5年後、自らの婚約者でもあるカイル王子により、宰相の父ともども自分が処刑されてしまうということを。
父親が犯した王族弑逆の過去はいまさら変えられず、このままでは死が待つ
のみ。
「だったら、これから5年間でカイルを助けつづけ、媚びを売り、恩を売り、わたしの命だけは見逃してもらえるよう交渉するしかないわ」
しかし、彼女は王族と対立している宰相の娘。王族の領域となる王宮では、婚約者である王子はもちろん、信用できるものも、手を差し伸べてくれるものもいない。
政治権力をめぐる争い、暗殺、陰謀 、扇子の下の化かし合い。さまざまな思惑と欲望と嘘が渦巻く場所で、少女はたったひとり、自分の未来のために立ち上がる――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-10 20:00:00
158368文字
会話率:30%
熊の駆除反対デモに参加した帰り道、『新鮮なタマゴあります』の看板が目に入った。
最終更新:2025-03-14 13:00:00
1000文字
会話率:31%
化狐と化狸は、どちらがより人を騙すのがうまいかを勝負することにした。
最終更新:2024-11-19 07:32:26
574文字
会話率:25%
小柄で幼い顔立ちの、気弱そうな子爵令嬢シャーリン・グイシェント。
平民育ちと言う異色の経歴を持つ侯爵令嬢アイリスの友人であり、明るくお人好しで、とんでもない取り巻きを抱えるこの女のことが、心底嫌いで仕方がない。
それでも彼女が、一番の親友を
演じる目的はただひとつ。
これは、改心もせず前世も持たない黒幕系悪役令嬢が、夢に向かって頑張るはなし。
※主人公は腹黒性悪なので、お気を付け下さい。
一章「彼女のはなし」……ヒロインにおもねる彼女が、疑惑を躱すはなし。
番外編「彼らのはなし」……いかにして彼らが、ヒロインを愛するにいたったかのはなし。
二章「蟲のはなし」……彼女が自身の野望の、最初の足がかりを掴むまでのはなし。
三章「???のはなし」……準備中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-29 20:48:39
85391文字
会話率:25%
男爵令嬢フィオナ・ダントンは婚約者ドグラスに愛されることはなかった。むしろドグラスは別の女性と密かに交際し、フィオナが自分から出奔するよういじめまでする始末。
フィオナが突き止めたところによると、王立学園の卒業パーティーで婚約破棄をする
計画があるらしい。フィオナは作戦を立てて手切れ金をがっぽりいただこうと目論むが、卒業パーティーには予定外の存在が現れた。美貌の子爵令息・レイツァルト・シュレスヴィヒ。彼もまた、フィオナの婚約者への復讐を企んでいた―――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-23 19:01:39
4389文字
会話率:62%
毎日のように見る夢はやがて少年に現実と幻想の境目を無くした。
不良少年である和々切占七【おわぎりせんなの】はたった一人の義妹の風見正【かざみせい】の献身的な面倒見の良さによって、憂鬱な中学校生活に入ることが出来た。
しかし、苛まれる夢
と、高すぎる能力によって日常という化かしは消え果てることとなる。
遂に自分の本心に気付いた占七は心の底から愛していた市絆黒夜【しほだくろや】に告白し、クロヤも両想いであるために結ばれてしまう。……しまう、しまったのだ。
彼にとっての心は無限のようにいくつもあり、妹の流魅果さえも好きだったのだ。時の流れに逆らえず、荒廃した世界の中心でまたしても妹の五七に愛の告白をした。
金魚のフンのように離れず、彼の隣に立ち続けている初日【はつひ】も分かっていない。ここはどこだ? お前は誰だ? 俺はなんなんだ!?
異世界現代SFミステリー恋愛恋愛れれれれれれれれれれレレレレレレレレレレ──サスペンスファンタジー。
終と始シリーズ【19】折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-09-08 08:16:19
13797文字
会話率:37%
どこか中世のヨーロッパを思わせる剣と魔法の世界。駆け出しの冒険者にして死霊術師である主人公が使い魔探しを兼ねた旅に出かけたところ、そこで成り立てのアンデッドに相談を持ちかけられる。アンデッドにしてはものの道理を弁えた話しぶりに、ふと思い立
って自分との契約を提案する主人公。アンデッドの末期の願いを叶えるという条件で仮契約の同意を貰えたのはよかったが、よくよく話を聞いてみると、日程的な問題からその依頼を叶える事が難しいと判る。
そこで主人公が採った奇想天外な手段とは……
「デュラハンの首」・「飽食の餓死者」・「化かし合いのダンジョン」・「片腕の証言」・「震える指」・「溺死人」・「死霊術師のお仕事」・「マコーレー子爵の災難」・「花瓶の冤罪」・「スケルトン・パズル」・「声無きものの訴え」・「墓室の闖入者」・「貴方はだぁれ?」・「死者の神像」・「斥候職のお仕事」・「オーガの像」・「難解な怒り」・「蜘蛛男爵」と同じ死霊術師シリーズです。宜しければ前十九作もご覧下さい。
R15と残酷描写は保険です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-29 21:00:00
5728文字
会話率:45%
どこか中世のヨーロッパを思わせる剣と魔法の世界。駆け出しの冒険者にして死霊術師である主人公は、今日も今日とて奇妙な依頼を引き受ける羽目になった。
〝クモの館が火事になった〟という理解に苦しむ前口上の後で、領兵部隊の現場指揮官が主人公に依
頼した焼死体の鑑定とは? そして、蜘蛛男爵と呼ばれていた人物の死に纏わる謎とは? 事件の影に見え隠れする大グモは果たして実在するのか?
「デュラハンの首」・「飽食の餓死者」・「化かし合いのダンジョン」・「片腕の証言」・「震える指」・「溺死人」・「死霊術師のお仕事」・「マコーレー子爵の災難」・「花瓶の冤罪」・「スケルトン・パズル」・「声無きものの訴え」・「墓室の闖入者」・「貴方はだぁれ?」・「死者の神像」・「斥候職のお仕事」・「オーガの像」・「難解な怒り」と同じ死霊術師シリーズです。宜しければ前十八作もご覧下さい。
R15と残酷描写は保険です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-23 21:00:00
7650文字
会話率:66%
: どこか中世のヨーロッパを思わせる剣と魔法の世界。今回も死霊術師ギルドの陰謀によって面倒な話を押し付けられた主人公は、望みも目的も正体も判らない怨霊(?)の群れを鎮撫せよという無理難題を押し付けられる。古い祭祀遺跡を潰して畑にしたと聞かさ
れた主人公は、そりゃ祟られるのも当たり前だろうと呆れるのだが……よくよく聞けば話はそう単純なものではなく……
祟りを為さないものを「怨霊」と呼んでいいのかという形而上学的問題は別にして、誰にも何にも怒りを向けないが故に、却って不満の理由が判らない。彼ら「怨霊」の呟きと状況のみを手掛かりにして、主人公が辿り着いた結論とは?
「デュラハンの首」・「飽食の餓死者」・「化かし合いのダンジョン」・「片腕の証言」・「震える指」・「溺死人」・「死霊術師のお仕事」・「マコーレー子爵の災難」・「花瓶の冤罪」・「スケルトン・パズル」・「声無きものの訴え」・「墓室の闖入者」・「貴方はだぁれ?」・「死者の神像」・「斥候職のお仕事」・「オーガの像」と同じ死霊術師シリーズです。宜しければ前十七作もご覧下さい。
R15と残酷描写は保険です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-11 21:00:00
7062文字
会話率:64%
ある春の日。クレアは第三王子エルレッドから婚約破棄を言い渡される。
相思相愛だったはずの彼が、なぜそんなことを言い出したのか。
その理由を探ろうと、十二年間の婚約期間で培った洞察力を武器に奮闘するが……。
◇◇
婚約破棄を巡り、王子と婚約
者が化かし合うお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-20 21:53:45
70074文字
会話率:33%
どうもどうも、えー、騙し騙されっていうのは世の常、人の常でありますが、おっとっと。専売特許とまでは申しませんがねぇ元祖、騙す動物と言えばそう、タヌキとキツネですねぇ。
この二匹、昔から競い合ってきたもんでね。そりゃもう人間なんて手首を捻
るようなもんですよっとね、へっへっへ。
そう、昔々のこと。とある少年がおつかい帰りに山道を歩いていました。
片手にはお母さんにお土産に、と叔母に持たされた蜜柑を包んだ風呂敷。もう片方の手は道中で拾った長い木の棒。
おっと今、棒を捨てて、また新たに木の棒を拾いました。先程のよりも長いかなと地面に置いて見比べ、むむむっとまあ退屈しのぎですな。道のりはまだまだ長いですのでね。
さて、そんな彼に朗報。何やら先のほうで物音がしました。はてさて猪だろうかそれともイタチ?
そっと近づき様子を見ると、はい、お待ちかね。ここで登場でございます。タヌキとキツネであります。
おや、喧嘩かな? と少年は思いました。両者睨み合い、何かを喋っているようでしたが人間には獣の言葉はわかりません。ええ、ええ聞かせようとしなければね。
でも、想像がつきますよね? そう、どっちが上手く化けられるかって話だと。
と、その二匹、動きをピタリと止め、次いで耳だけをピクピク動かし始めました。
少年は自分のことがバレたのかなと思いビクリとしましたが、そのまま見ているとどうも違ったようです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-02 11:10:00
6498文字
会話率:30%
とある酒場に訪れた一匹の化け狸。そいつは好きでもない酒を飲みながら一人の男を待っていた。この化け狸は一体何を企んでいるのか。第三者目線で描かれる現代風刺ローファンタジー。
最終更新:2024-01-21 15:00:00
3057文字
会話率:16%
侯爵令嬢ロザリーは宴の場でいわれのない罪の嫌疑をかけられ、皇太子ジェイデンから婚約破棄されてしまった――――が、
実はこれは、二人で示し合わせた計略だった!
ロザリーとジェイデンは意に染まぬ政略結婚を廃し、それぞれが真に心を寄せる別の相
手と結ばれるため、協力関係を築いていたのだ。
「あなたのようなペテン師の妃になったら、片時も心が休まりませんわね」
「君のような女性が常に傍にいたのでは、長生きは難しそうだ」
世をあざむく協定と密談。愛を巡る駆け引き。
麗しき令嬢と皇太子は、化かし合い、共謀し、棘を隠して笑みを交わす。
薔薇が咲き競う世界で理想の愛をつかむため、狡猾な男女による純愛革命が動き始める。
侯爵令嬢×騎士。皇太子×侍女。複数の恋愛が同時展開する策略ロマンス群像劇。
★完結まで毎日更新。全54話(約19万字)
★魔法のiらんど、ノベルアップ+にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-26 05:00:00
191348文字
会話率:39%
【化かし合い】
【騙し合い】
【殺し合い】
この世の闇を生きる女達。
齢十七。
その3人の女達の目指すものは。
異世界道中、往来の隨に
舞わせてみせましょう。百鬼の集い。
蠱毒のような現世を渡るは、"鵺"
;の様に………
藍色の夜空に咲き、偽りと本音の間を生きる華の仕事人
《どうぞ、一件試しに仕事を発注してはいかがですか?》折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-06 19:56:22
2043558文字
会話率:78%
青年は幼少期に一目ぼれした少女に、大学生となった今もなお恋焦がれていた。
しかしその少女はただの人間ではなく、獣耳と尻尾を持っていた。それは記憶も朧げな幼少期の記憶に焼き付いた幻影なのか、それとも。
※ジャンルは恋愛ですが、どちらかという
とコメディです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-19 04:28:59
3643文字
会話率:51%
ハンターとして覚醒してから10年、結希明日斗はまったく使えないスキルのせいで、底辺ハンターから抜け出せなかった。
ある日首都の上空に、天使のような魔物が出現した。それにより首都は壊滅。明日斗も死亡してしまう。
しかし、これまで使えなかったス
キル〈リターン〉が発動し、明日斗は十年前の覚醒時に舞い戻った。
何も知らなかった過去の自分とは違い、今は未来の記憶も持っている。
〈リターン〉スキルと未来の知識を使いこなし、誰よりも早くレベルアップしていく。
――十年後、首都を壊滅させた最悪の魔物を討伐するために、明日斗は最強ハンターを目指す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-27 18:00:00
153941文字
会話率:26%
小さな山を登った先には、妖怪の住む世界があった。
木を倒した犯人を目撃したのは一つ目小僧?
カッパのすもう大会の賞品のきゅうりはどこに消えた?
手がかりはぬれた葉っぱ、たぬきときつねの化かし合いの真相とは?
そんな怪事件を裁くのは……人間の
男の子!?
あやかし法廷ミステリ―開廷!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-18 18:42:14
50684文字
会話率:47%
全14話構成です。
一年のうち、僅かな時間だけ学年一のマドンナとなるウルトラレアでツンデレな美少女──三輪美波。
そんな彼女がひょんな出来事をきっかけに、県総体前という変な時期に俺の所属する陸上部に入部することになった。
陸上部
に入ったことにより、ウルトラレアだった彼女はレアでも何でもない完全無欠で普通のツンデレ美少女となり、部活動に励み始め、めきめきとランナーとして頭角を表してゆく。
「……負けたくねえ」
時に化かし、時に貶し合い、時に青春し、時に恋愛する。
そんな生活の中で俺はついに──とある感情に気付き爆発四散するのだった。
※カクヨムさんにも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-24 18:42:35
27407文字
会話率:41%
中学を無事卒業し、企救丘(きくがおか)定時制高校に通う警弥郷(けやごう)は普通の友人が一人もいない。意を決して友人作りに励む宣言をする。しかし、普通ではない唯一無二を豪語する親友には無理だと嘲笑される始末。
ぼっち飯を極めている最中、警
弥郷の前に、体は人間だが頭はリアルな兎の少年らしき何かが現れる。
馬鹿し合って化かし合う__一筋縄ではいかない友達作りが幕を開ける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-26 00:03:43
3435文字
会話率:36%
航空ショーの取材で訪れた尾張地方の小さな街で中塚裕治は徳川家康の手紙を見せられる。織田信長宛てで狸を小牧に派遣するという内容である。不審を抱きながらも興味をそそられ足の向くまま信長の居城があった小牧山に登る。怪異な現象に翻弄されながら中塚は
遂に狐の親分、吉五郎との邂逅を果たすのだった。
『信長を化かしたキツネ~小牧山吉五郎伝』のメーキング編
(書かれるきっかけとなった不可思議な街の有り様を活写する)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-20 21:40:00
12009文字
会話率:63%
永禄6年(1563年)、織田信長はそれまでの清洲城を引き払い、尾張平野のこんもりした小山である小牧山に城を築いて、永禄10年(1567年)まで居住する。宿敵である斉藤龍興の稲葉山城を攻めるためである。
この城替えにより、小牧山城は近代築
城術の先駆けとなり、小牧城下町も近代城下町のモデルケースとなった。そういった表の歴史に隠された秘伝が、いまもなお小牧の津々浦々でひっそりと語り継がれている。それこそがキツネ伝説であり、吉五郎礼賛秘話である。
本書は聞き得たかぎりでの吉五郎伝説をまとめた小編である。なにぶん450年以上前の出来事の伝聞なので、辻褄の合わないところや突拍子もない荒唐無稽な逸話も差し挟まれている。そこはそれ、想像力を駆使したり、妄想を逞《たくま》しゅうして補うほかはない。
以下は本編のあらすじである。すでにあらすじからして、なにやら胡散臭い気が漂っているが、この物語は小牧の人々によって語り継がれてきた一片の真実を、広くあまねく高らかに謳うものである。
時は戦国時代。尾張平野のただ中に、こんもりとした小山があった。その山にはキツネが住んでおり、親分の名を吉五郎といった。同じころ尾張で敵なしの武将が、そのキツネたちの山に城を築こうと向かっていた。織田信長である。状況を見極めるや吉五郎たちはやむなく山を降りた。
山の木々は伐採され、山じゅうに武家屋敷が建てられ、さらに山の北側の原野が切り開かれて城下町が整備された。
信長は町を整えると、宿敵の斎藤方に味方している織田信清の犬山城へ出陣した。その帰り、あるはずのない城が小牧の草原に出現していた。これこそ、キツネの吉五郎たちが渾身の力で築いた幻の城だった。キツネたちの逆襲が始まる。
信長が苦境に立たされたと思い込んだ京都の公家は、陰陽師《おんみょうじ》の安倍|晴雨《せいう》をつかわし、同盟者の徳川家康は、キツネ退治にたぬきを寄越すと言ってきた。京の連歌師《れんがし》、紹巴《じょうは》もトリックスターとして活躍。町衆も巻き込んでの大騒動が始まる。吉五郎はお山を取りもどすことができるのだろうか。
(エブリスタに重複投稿)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-12 05:24:20
58993文字
会話率:52%
ある日、舞は物体を透明化させる魔法陣を偶然発見する。
魔法陣をインビジブルと名付けた舞は、研究を続けながらそれを使い自身を透明化していたずらをするようになるのだが、あることを切っ掛けに欲望が膨れ上がっていく。そしてインビジブルの魔性の力
に次第に憑りつかれた舞は、遂には大きな罪を犯してしまう。
そんな舞は兄の優樹のお陰で留まることができたのだが、今度は失くしたポンチョが原因で殺人事件が起きてしまう。
これ以上妹に罪を着せるわけにはいかない優樹は、インビジブルを回収するため警察と化かし合いをしながら、親友の霧崎と共に見えない犯人を追う。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-12 18:37:44
201162文字
会話率:58%