切なくて、どこか色っぽくて。笑って泣ける、愛情と友情の感動ストーリー。
―― あなたは一人ではない ――
すらりとした見た目で、元運動部の筋肉質。長い人差し指で眼鏡を持ち上げ、理路整然としたショウジ。
その風貌からも、「淡々としていてク
ールだ」と周りからは評されるが、実際は大きな難問を抱え、強引に夢の世界へ落ちる日々を過ごしていた。
大学で出会った友人、純粋無垢で天然ボケな遊の発言に、「何を言ってるのかわからない」とたびたび固まりつつも、居心地の良さを覚えていたある日、遊の紹介で、ひとつ年上の先輩、力也と会うことになる。
指定場所は、【ウィンク・ハート】なる喫茶店だった。
まるで洋館のようなアンティーク調の店内。窓から差し込む太陽の光。サイフォンから漂う、コーヒーのいい匂い。
人知れずロマンチストでもあるショウジは、ウィンク・ハートに胸が高鳴り、おおらかなマスターともすぐに打ち解ける。
そして、力也と対面を果たすことになるのだが……。
【※以下、ネタバレを含みます】
力也を目の前にしたショウジは、息をのんでしまう。
華奢な身体、さらさらの黒髪、長いまつげと、黒い瞳。白い肌に、柔らかそうな唇。
甘くて、濃厚で、上品な、いい匂い。
穏やかな声と、優しい微笑みで挨拶をされ、全てが自分と異なる力也を前にし、ショウジは今までに感じたことのない衝撃が体に走ってしまう。
しかし、力也は微笑みの裏でトラウマを抱え、うまく眠れない日々を過ごしていた。
光を失う黒い瞳、寂しそうな眼差し……。心配するショウジだったが、ウィンク・ハートで開催される小さなコンサートで、力也の歌声を聴くことになる。
僕を月に連れて行って――――?
力也の清らかな歌声と、身をよじって歌う艶っぽさに、鼓動が高鳴るショウジ。
俺が守りたい。そう思いながらも、会うたび、声を聞くたび、あと少し、もう少しと、力也に近づきたくなる自分に戸惑ってしまう。
「この感情を解いてしまって、力也さんに会えなくなったら嫌だ」
月に近い力也の家で、その愛しい寝顔を見守りながら、気持ちを偽ろうとするショウジ。
だが、友情に熱く、正義感の強い遊に諭され、励まされ。
ショウジは自分が抱える偏見と難問に向き合い、力也に思いを伝える決意をする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 23:37:25
244238文字
会話率:41%
のどかな春の日差しがゆるゆるとふりそそぐなか、
王宮の一角にある庭園ではいくつものテーブルと椅子が据えられ、
思い思いの席に座る貴族の女性たちの上品な話声がゆったりと流れていた。
そんななか、ひときわきりりとした空気をまとった令嬢
がひとり、物憂げなため息をついていた。
彼女の名はヴァレンシア。
辺境伯の娘で。
三歳上の兄がひとりいる。
彼は『傾国の』が冠される美青年だった。
美女と見紛う中性的な美貌の兄と
美青年と見紛う中性的な風貌の妹。
クエスタ辺境伯の兄妹を取り巻く騒動と恋愛模様をお届けします。
※ 一年くらい前に思いついた設定を発掘し練り直しておりますが。
安定の見切り発車です。
気分転換に書きます。
※ 他サイトにも掲載しております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 19:16:15
26701文字
会話率:34%
発音だけ上品そうに聞こえる白鳥高校。
そんな学校にかようボケ三銃士たち…。
アホ天才・早乙女メグ
→テンションバカ高い。粉チーズを愛する者。
本当は頭いいけどテンション高すぎてアホ。
ぶっとび系+戦略的バカ
だいたい混乱を招く。
口
癖・「IQ2で生きてるから!!」
冷静ノリノリ(矛盾)・如月サラ
→メガネのしっかり者に見える関西人。
ノリ良すぎて、メグのカオスにすぐのる。
たまにツッコミ。
ツッコミ不在+理屈で押すタイプ
口癖・「いくぜ、関西魂!!!」
静かなる邪眼厨二病・姫野ルカ
→ほぼ喋らずにノート読んでる。(厨二病黒歴史ノート)
発言がいちいち厨二拗らせてる。
たまに正確なツッコミをする。
シュールで笑えるタイプ。
口癖・「月の血を煮込んだ影狼(からあげ)が好みだ」
ツッコミ→1話〜2話不在。
※ツッコミ不在地獄
ボケ追加(不在期間不明)
いじられキャラ追加(不在期間不明)
高校で繰り広げられるカオスの世界へようこそ!!!
(粉チーズ嫌いは遠慮します)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 18:45:09
7547文字
会話率:60%
「ご主人様ぁ、もっと、もっと欲しいにゃ♡」
どうやらメリーヌの寝言のようだ。そういう寝言は、起きてから言え!
メリーヌは寝つきが良い。俺の腕枕に頭を載せるや秒で寝て、
右腕にはメリーヌ、左腕にはライア、
そして股の間からスルスルと
昇ってくるのが──アリスだ。
俺は異世界に召喚された“全財産ニキ”。
職業ニートで即、追放。
……でも【デイリーボーナス】で美少女ガチャが引けるなら、それで良くね?
ロリメイド、上品エルフ、猫耳娘。
異世界の森で始まる、ハーレム生活(物理)。
──ただし、世界は詰んでいる。
暴走する聖女。ろくでなし勇者。復活する魔王。
陰謀渦巻く王国と聖教国家群。
平穏など、風前の灯火だ。
それでも、俺は回す。
全財産を賭けて。ハーレムと幸せな未来を引き当てるために。
「名乗ってやろうか……全財産ニキって」
「それはやめときましょう、ご主人様」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 22:00:00
60285文字
会話率:27%
見目麗しく、令嬢たちの憧れの的――近衛隊長アランは、ある日ほんの少し皇太子妃アリシアに話し掛けられただけで、皇太子の逆鱗に触れてしまう。
「彼女の周りに独身男など不要だ」
嫉妬と独占欲を暴走させた皇太子フィリップにより、「恋人を作れ」と
まさかの国家命令が下る。
そのお相手に名指しされたのは、気高く凛とした美しき伯爵令嬢イザベル。
戸惑いながらも、任務として、そしてやがて本心から――
アランは彼女の心に真っ直ぐに向き合っていく。
これは、忠誠一筋の近衛隊長が、王命の名のもとに人生最大の恋を始める物語。
完結済み「品行方正なはずの皇太子が私にだけ狂った愛を注いでくる」のスピンオフ作品です。
■登場人物
◆アラン・ヴェルナー
近衛隊長。公務に忠実、見目麗しく無口で寡黙な男。
令嬢人気は高いが恋には無関心。
だが、アリシアに気軽に話しかけられた“あの事件”以来、
皇太子から睨まれ、突如「恋人を作れ」という国家命令が下る。
◆イザベル・ロズリン
侯爵家の一人娘。容姿端麗、才色兼備。
上品さと気品の中に勝ち気な芯を持ち、令嬢たちの憧れの的。
だが恋愛経験はゼロ。表情の変化が少ないアランに興味を持ち、
「口説かれるより、口説き落とすほうが燃える」と言い出す。
◆フィリップ皇太子
全ての発端。愛しい侯爵令嬢アリシアを独占したい一心で、
周囲のイケメンを“強制的に恋愛させて独身終了”させようと暗躍。
今回のターゲットは近衛隊長アラン。
帝国の命運を賭けて(という名目で)国家規模の恋愛成就作戦を開始。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 21:38:22
8060文字
会話率:46%
人前で、笑顔を貼り付け十三年。
少しでも失敗を犯したら鞭で打たれ、最近は平手もおまけのようについている。
今はそんな鞭打ちのお時間。何回されても慣れないこの鞭打ちも、表面上美しい笑顔で耐えてみせる。
(何回やっても、慣れないわね……)
ルーリア・コキリ・セロライハラ。侯爵家の次女であるがメイドのような暮らしをしている。否、メイドより酷い暮らしをしている。
ワンピースに近い薄茶の埃まみれのドレス。埃を被った髪。その髪は血のように赤黒く、それが理由で家族に虐げられていると言っても良い。髪と同様、目も赤黒くて、まさに血塗れなのだ。瞳がルビーのようなんて、そんな綺麗なものではない。ルビーと呼ばれるものは透き通っていて、生き生きとした赤色の瞳のことを言うのだ。
ルーリアの瞳はそんな色ではない。
赤にはドス黒い黒色も混ざっていて、今にも死にそうな目をしている。髪も同じだ。埃を被って少しばかり見えないは見えないが、よく見れば直ぐに分かるということで。
そんなルーリアが鞭打ちの時間が過ぎて窓拭きをしている最中、母であるギュアカーラの聞いたことのないほどのご機嫌な声を聞き、ルーリアは怪訝そうに窓から門前を見る。すると、ギュアカーラの隣でメティーチェイアが上品なカーテシーを披露しているではないか。
その前には男性がいる。誰かしら。そう思ったのは少しの間。姉と母の自室があるこの廊下には、来ないのではないだろうか。
そう思い窓拭きを再開し鼻歌を歌っていた時、話し声が聞こえて横を振り返ると、あの三人がこちらへ来ているではないか。
ルーリアはバケツとタオルを置いて曲がり角まで逃げた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 19:46:21
97715文字
会話率:44%
スーパーで見つけた最高級の桃――「清水白桃」を追っていた俺、葵(あおい)は、
目の前で光を放ったその桃に吸い込まれてしまった!?
気がつけば、そこは空も大地も果実の香り漂う、異世界〈桃界(とうかい)〉。
目の前に現れたのは、優雅で上品な桃
姫──清水白桃。
「ようこそ、桃魂(とうこん)の継承者様」って……え? 俺が選ばれし者!? なにそれ聞いてない!!
しかも桃界には、個性も果汁も強すぎる十二の姫君たちが存在していた!
・筋肉と火力で焼き上げるアホかわ武闘派:川中島白桃
・BBQと爆発タレの陽キャ元気娘:なつっこ姫
・優雅で氷のように清楚な毒舌姫:黄貴妃
・あざとさマシマシの恋愛小悪魔:さくら白桃
・そして、眠れる始祖の魂“夢みずき”──その正体は……まさか俺!?
バーベキュー試練、恋のきゅんセリフ対決、ドレス社交界、桃グモ討伐!?
“食べて・笑って・バトって・たまに世界を救う”
異世界〈桃界〉で、果実(じぶん)を磨け! 魂(もも)を燃やせ!!
だが楽しいだけでは終わらない。
葵の中に眠っていた“始祖の記憶”が目覚めるとき、桃界の真実が暴かれ始める──。
かつて桃界には、甘さを奪い尽くす黒き果実が存在した。
その名は《黒桃王アモルグレア》。
再び現れたその影は、姫たちの果汁と愛を狙って迫る!!
葵よ、おまえは“夢みずき”か、それとも……?
全力桃魂ファンタジー、ここに開宴!!
恋も戦いも試練も全部モモ盛りッッ!!
いざ叫べ――
「いってみょょょぉぉおおおおお!!!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 09:24:41
17964文字
会話率:44%
【☆書籍化☆ 角川ビーンズ文庫より1〜3巻発売中です。コミカライズ春頃連載開始予定。ありがとうございます!】
お兄様、生まれる前から大好きでした!
社畜SE雪村利奈は、乙女ゲームの悪役令嬢エカテリーナに転生した。
前世の頃から皇子より悪
役令嬢の兄アレクセイにハマっていたけど、実物はさらに素敵!そして悪役兄妹の生い立ちが可哀想すぎて泣く!
よーし破滅フラグと国の滅亡フラグを回避して、みんなで幸せになるぞー。
かくして建国以来四百年続く超名門ユールノヴァ公爵家の悪役令嬢と、口が悪くて気が強い歴女なアラサー社畜、ふたつの人格が統合。外見は上品なお嬢様、中身は怒涛のツッコミ属性。社会人の常識や歴史の知識で、多忙な兄を助けつつゲームイベントを乗り切ってゆく。
なんかそのたびに、超有能お兄様のシスコンレベルが上がっていくような。いや最初からシスコンだけど。ブラコンシスコンのラブラブ兄妹で幸せだけど。
そして、ヒロインと皇子に近づかないという破滅フラグ対策が、どんどんグダグダになってしまうのはなぜなのか。いや、二人ともいい子でいい友達だけど。けど皇子、君は私にとって破滅フラグの化身なんで……仲良くなるのはまずいんだよう。
それにしても乙女ゲームの世界と言いつつ、設定になかったことだらけ。
とにかく悪役令嬢エカテリーナは、お兄様のために頑張ります!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 08:00:00
1122712文字
会話率:28%
斎藤和人、18歳。
元暴走族「夜狼」の総長だった中卒の青年は、現在義父の豪華な家で1人、高卒認定試験に挑んでいた。
母は大病を患い2年間、昼は建設業、夜はコンビニで働いたが、母は他界してしまう。
義父の言葉をきっかけに医者を志し、暴走族
から足を洗うことを決意する。
しかし、まともに勉強してこなかっただけに1人でやっても、参考書は呪文に見えてきて、全く先に進まなかった。
そんな中、家庭教師・笹原麻里奈が現れる。上品で美しい彼女に思わず一目惚れしてしまう。
それから彼女の励ましで、和人の心にやる気が灯る。
過去の絆を胸に、和人は夢と恋へ新たな一歩を踏み出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 06:30:00
3346文字
会話率:23%
2020/08/07
前々から書き直そうか、でも書き直すの面倒くさ…大変だとスルーしていたことを今直す時なのだろうと感じたため初っ端から腰を据えて直していきます。
最新話の更新はしばらく気分次第の更新になります。最新話を楽しみにしている人が
いるかどうかはさておきお知らせまで。
詳細は活動報告に書いたので気が向いた人は読んでみてください。
~~
「勇者御一行」として、旅をする勇者一行の旅物語。
表向きは確かに勇者らしく爽やかで偉ぶらない上品な人なんだけど、本当は性格も悪いし金にも汚いし女にも汚いし自分勝手だしそこらの悪党より頭の回転が早いから余計に性質が悪い勇者、サード(性悪)
裏表の激しい勇者があまり好きではなく、よく勇者と言い争い、勇者の裏の顔が皆にバレればいいのにと密かに願っている、見た目は金髪碧眼の美しい見た目で魔法の力が強い女魔導士エリー(人ではないらしい?)
元々商人になりたかったのに無理やり武道家にされ、心は商人で非戦闘員と言い張って全く前線に立って戦わないが、計算力と商才はピカイチの肩書きは武道家のアレン。
そんな三人はいく先々でクエストの依頼や国の思惑や事件などに巻き込まれていく!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 15:07:04
2960616文字
会話率:41%
転生、ざまぁ、婚約破棄――テンプレ展開に溢れた異世界学園にて、影の薄い公爵令嬢リディアは静かに笑う。
「ごきげんよう、ヒロイン様。ご都合主義はお庭でどうぞ?」
天然毒舌×笑い上戸×上品さで異世界“あるある”に痛烈ツッコミ!
これは、令嬢によ
る異世界再教育譚――誰もが自分の物語を歩むために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 00:00:00
12711文字
会話率:50%
「今日からキミ、ボクの秘書な」
「……は?」
副社長の秘書として抜擢された、真面目が取り柄のOL・紬(つむぎ)。
副社長、神崎 湊(かんざき みなと)は、優しくスマート、そして上品な京都弁から社内で"はんなり王子"と
噂される。
……でもそれが、ぜ~んぶ演技だったなんて、聞いてませんけど!?
蓋を開ければ性格最低!命令三昧!やってられんわ!
秘書を外してもらうため、私、反抗期に入らせていただきます!
「いじめ甲斐のあるええ態度やねえ。ボク気に入ったわ」
「勘弁して……」
はんなり王子(実はドS)×反抗期秘書のオフィスラブ開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 20:30:03
42473文字
会話率:36%
ノーラの使い魔はとても賢く白いネズミの使い魔でクリスと言う。そんなクリスが、献上品や航路を偶然にも選び取りそれは大きな利益をもたらした。
その幸運に父は浮かれて他人に話してしまう。
すると婚約者のルドルフとその母ビアンカは、近
いうちに自分たちも幸運の恩恵を受けることができるのだと考え、散財や派手なふるまいを繰り返す。
その行動にノーラは決意を固めて、話し合いの席で「あなた達のモノではない」と切り出したのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 20:13:11
14216文字
会話率:37%
舞踏会の席で、ずかずかとさして仲良くもない貴族たちの輪に入っていく婚約者をハリエットは難しい顔で見つめていた。
自分には荒くれ者の血が混じっているから上品なお前らとは違うのだと言う婚約者のウィリアムに半ば呆れたような気持ちになる。
彼は別のパーティーでは女性を隣に侍らせて、濃密な接触をしている。どうしてそう非常識なことばかりするのかと問いかけるハリエットに「嫉妬しているんだろう?」と返す。
しかし続けて「お上品なお前らとは違って俺は」と言うウィリアムに、ハリエットはやっとウィリアムが非常識さを誇っているのだと理解できた。
非常識なことがカッコイイと思っている彼だけれど、そんな彼にハリエットは常識を守るべきだと“人の側”から語ることができない。
だからこそ自分がその”人の側”から常識を語れない規格外であることをあかして、常識の大切さをわかってもらおうと考えたのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 20:17:43
11466文字
会話率:38%
大きな荷物を抱えて、指定された住宅街の地図をたどる。都心からは少し離れた静かな住宅地。古びたアパートやマンションが並ぶ中に、ぽつんと現れたその家は、思った以上に風情のある、そしてどこか懐かしい雰囲気の平屋だった。
深緑の瓦屋根に、白く塗ら
れた木の壁。小さな庭には、桜の木が一本、ほころびかけた蕾を揺らしている。
「ここ…か?」
門の前に立つと、ちょうど玄関の引き戸が開いた。
「高木くん、だよね?ようこそ。待ってたよ」
現れたのは、落ち着いた雰囲気の女性だった。黒髪をゆるく束ねていて、アイボリーのエプロンをつけたまま。おそらく30代前半だろうか。上品な笑みが自然で、どこか懐かしい感じがする。
「あなたの姉の陽菜ちゃんとは、高校のころからの親友なの。彼女に頼まれちゃってね、しっかり面倒見させてもらうわ」
そう言って彼女は手を差し出した。
「私は白川楓しらかわ かえで。この家の大家であり、いまのところ同居人でもある、かな」
僕は思わず、彼女の手をぎこちなく握った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 16:01:51
6224文字
会話率:36%
七十二歳の男性が主人公の心理小説。妻を亡くして十五年、平穏な老後を送っていた彼の心を突然揺さぶったのは、図書館で出会った六十四歳の既婚女性への恋心だった。
雨の日曜日、管理施設からの電話で一日の計画が狂わされた主人公は、午後に曽野綾子の『老
いの才覚』を読み返しながら、自らの感情と向き合う。彼女は知的で上品な女性だが、夫がいる身。週に二度会うまでになった二人の関係に、主人公は深い愛情と同時に激しい罪悪感を抱いている。
物語は主人公の内面の独白として展開し、『老いの才覚』の各章を引用しながら、老いと愛、道徳と欲望の間で揺れ動く心境が丁寧に描かれる。亡き妻への想いと現在の恋心の違い、既婚女性を愛することの罪深さ、そして七十二歳で経験する人生最後の激しい恋への戸惑いが、繊細な筆致で表現されている。
この禁じられた想いを決して口にすることができない主人公の苦悩は、やがて日本の超高齢社会への提言へと昇華される。誰かを愛することは生きることそのものであり、高齢者にとって愛する心を失わないことこそが、生きがいを見つける鍵だという普遍的なメッセージで物語は締めくくられる。老いてなお燃える恋心を通して、人生の尊厳と愛の本質を問いかける、現代的で深い人間ドラマである。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-15 21:35:57
4104文字
会話率:3%
腕一本で生きている職人であり、捜査官であり、元軍人であり、裏組織から命を狙われる身である、72歳の爺さんが、爆撃機の飽和攻撃により、異世界に転生してしまったので、こっちで物つっくて売ったり、戦争に巻き込まれたりしたり、戦闘機で暴れながらてき
とーに生活する話。
誤字脱字等教えていただければありがたいです。
毎週日曜日に更新したいですが、間延びするかもしれません。
補足
職人とは、町工場などにいる職人です。例、旋盤師など。師なので火工も出来ます。
タイトルをうまく上品に表現するのが難しい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 04:29:11
57064文字
会話率:63%
大大大大大好きなゲーム
《ラブ♡プリンス 〜ロイヤルな恋模様〜》
推しはセシル=グランディールだけ!
金髪でかっこいいし、なにより王子様ってところが最高!
言葉遣いも丁寧で、すごくお上品なところが大好き!
だけど私、そのラブプリの中
に転生しちゃって…
でもセシル王子と恋愛できる〜!ってめっちゃ嬉しかったんだけど…
他のキャラに出会ったらみんなかっこよすぎるんですけど!?選べないぐらいドキドキするんですけど!?
でもこのゲームって誰も選ばなかったら田舎に追放エンドなんだよー!?
お嬢様の暮らしから田舎はイヤー!
でもでもっ途中で元の世界戻れるかもしれないし、少しの間だけ迷ってもいいよね!?
でもでもでも、現実に帰ってみんなに会えなくなるのもイヤー!
どうしよーーー!!!!????
《AIに画像作成してもらってます。
なかなか希望通りにいかず…難しい。》折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-09 21:52:55
50358文字
会話率:28%
【アルネシア大陸――それは五つの地が交わる幻想世界】
舞台は〈アルネシア大陸〉。旧市街と呼ばれる中心都市を軸に、山岳・島・橋で外縁を囲む五つの地域からなる巨大大陸。
プレイヤーは〈ヒューマン〉〈エルフ〉〈ドワーフ〉〈フェルーナ〉〈ノク
ターン〉といった多彩な種族から選択でき種族補正が用意されている。
スキルはツリー式で自由に成長可能。ソロでもパーティでもギルドでも、どんなプレイスタイルも受け入れてくれる懐の深い世界だ。
経済も本格仕様。通貨「ゴル(G)」が流通し、露店・オークション・交易・闇市まで存在。
死ねば経験値を失い、拠点に強制送還。戦闘中やダンジョンではログアウトも許されない。
時折流れる「ワールドアナウンス」は、世界の運命が動く兆しだ。
財閥令嬢・桜ノ宮ミレイ。すべてが一流の彼女が、妹に勧められて初めて挑戦したのは――仮想世界〈ネヴァーリア・オンライン〉。
上品な言葉遣いと完璧すぎる立ち居振る舞いから「お嬢様ロール勢」と誤解されつつも、彼女の目的はひとつ。
「極上のスイーツ素材を、この手で調達してみたいですわ」
ゲーム内で素材が時間経過で消える仕様に「もったいない精神」を発揮し、辿り着いたのはまさかの“解体スキル”!?
グロいけど旨い! 可憐で優雅なお嬢様が、誰よりも美味を追い求める、甘くて鮮血なVRMMOグルメ譚、開幕ですわ!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-02 12:16:27
81344文字
会話率:49%
ル・バニア皇国。
はるか昔、魔法がこの世界を支配していた頃。
聖女と勇者によって450年前に建国され建国から僅か数年で急速に勢力を広げた大国の名である。
豊富な魔法資源と優秀な魔法師を多数擁し、魔法を中心とした優れたインフラと政治体制を構築
したことで栄華を極めた。
しかし、その栄華の根源はある日を境に衰退を始めた。
そのことは、それまで代替手段としてしか見られていなかった『錬金科学』を揺らぐことのない地位まで押し上げることになる。
ある令嬢の多大な功績によって、魔法は錬金科学にその地位を奪われた。
以降、魔法は急激に衰退の一途を辿ってゆく。
数百年の月日が流れ、魔法の技術は人類から完全に失われることとなったのだった。
今やその栄光に満ちた残滓(残りカス)は各地に点在する故国ゆかりの朽ちかけた遺構と魔法師が残した歴史的価値以外はなんの役にも立たない古ぼけた魔法書のみとなった。
そう、とっくの昔に魔法は衰退したのよ。
今は科学全盛の時代、魔法はおとぎ話の中の話であって、本当に使える人間は誰一人として残っていないわ。
それも全ては、あの女のせいで。
栄華を誇る皇国には一人の才女が居た。
その才女の名はアルスリンデ。
アルスリンデはル・バニア皇国の貴族、セルグート公爵家の長女である。
生まれながらにして比類なき非常に高い知性と優れた身体能力。
多くの優秀な魔法師を擁した皇国内でも歴代最強と言われるほどの魔法適性と尽きることのない無尽蔵な魔力量を持ち合わせていたその才女は、建国の祖となった聖女に並ぶほどと言われていた。
そして、まるで一流の職人によって作られたビスクドールかのような気品溢れる完ぺきな容姿、上品に泡立てたクリームがたっぷり入ったミルクティーのような白く滑らかな肌。
形の良い特徴的な瞳は覗き込めば吸い込まれてしまいそうな、深い海の底のを思わせる碧眼。
つややかなサクラ色のリップから発せられる玲瓏たる声は美しい鳥のさえずりでさえ霞んでしまう。
癖のない長い黒髪は光を受け艶やかに輝き、その様は漆黒の空に散りばめられた星々のように輝いていた。
皇国の公爵令嬢、アルスリンデ=セルグートはその才覚と容姿から「碧眼の才女」と呼ばれていたのだ。
そして、私は「碧眼の才女」を壊すの。
これは、その故国の才女(チート)公爵令嬢アルスリンデの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-30 20:00:00
78653文字
会話率:20%
2XXX年、世界は核の炎に包まれた!
それでも人が滅びることは無い。
このろくでもない時代には、無法者がはびこり、変異した化け物が闊歩し、暴走した機械が動き続ける。
戸惑うことなんて許されず、生き残るためには順応しなければならない。金
と暴力を持ち、強かじゃければ死んでしまう。なめてくるやつは、ブチのめせ。
もちろん、できるだけお上品にだ。
この変わり果ててしまった故郷で、いったい何ができるだろうか。
さぁ、この終末どうする?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-09 11:33:15
35439文字
会話率:27%