“昇る前の陽を出迎え、沈んだ後の月を追いかけるのだ。水平地平の向こうにも、未だ、旅路は続いている。”
ヒタキの一族ユカリは旅人――渡りを生業としている。国々を渡り、物や手紙を運んだり、その土地の品や話を伝えたりする。国と国を繋げる仕事だ。
ただヒタキたちが他の渡りと違うのは、行き先が南北に伸びる人の国々のみならず、東の海、西の山、境を越えた先の異界であるということだった。異形や精霊、人とは違う様々な何かが住まう異界の国――日が昇るサウーラと日が沈むナリュムと、人の国も行き来する一族は俗に東西の渡りと呼ばれていた。
東西の渡りは異界の品を人に齎し、人の品を異界に齎して暮らす。それは時に宝物であり、時に武具であり、時に物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-24 07:00:00
144489文字
会話率:36%
戦争により荒れ果てた国を旅する男、ヒュー。
彼は何かを探し求めるように、何かから逃れるように彷徨っていた。
それに従うのはうら若き少女イリ。
彼女はちょっと変わった雰囲気で、不思議な力を使えたり、素手で動物を捕まえたり、そのまま生で食らっ
たりする。
あとヒューのことが大好き。
そんな中ちょっと変わった家出貴族少女のセレと出会うところから彼らの物語は始まる。
カヨートと呼ばれる半獣半人の不思議な種族が生きるその世界で、彼らは旅をしながら、心を通わせながら、時に戦いながら、国家の陰謀に巻き込まれながら、彼らなりのスタイルで乗り越えて行く。
人と人、人とカヨートの心の交流を描くファンタジー紀行。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-09 17:03:53
95071文字
会話率:55%