ほおずき市があると、夏が近づいてきたという気持ちになる。その頃には空気がねっとりと重くなり、湿気をはらんで少し甘い香りがする。あ、夏がくる、と思う。
彼と一緒にほおずき市にいった。近所にある大きな神社で行われている。神社に近づくにつれ、
すでにほおずきを手にした中年の男女とすれ違う。これからほおずき市にいこうと、私達と同じ方向に歩いている人達もいる。
浴衣を着た女の子に目をとられながら歩いていると、あっという間にすれ違うのも一苦労というほどに人が増え、夕暮れを吹き飛ばすような暖色の明かりがあちこちを照らしている神社にたどり着く。
神社の境内に入ると、鉢に入ったほおずきがずらりと並べられ、威勢のいい声が上がっていた。鮮やかな橙色のほおずきがひしめき合い、次々に売れていく。少し離れたところに、焼きそばやチョコバナナなど、お祭りではおなじみの出店も並んでいる。子供たちが親の顔を見上げて、自分が欲しいものを指さして見せている。
「行っちゃうよ?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-20 16:00:00
3014文字
会話率:26%
舞台は現代日本、架空の都市「ほおずき市」
高校2年の主人公、四谷 悠は夏休み初日に補習を受けていた。
幼馴染の雨月 玲を夏祭りに誘おうとしてたが、どう誘えばいいかわからず補習中も上の空。
スマホを片手に悩んでいると雨月 玲の母から「娘が帰っ
てこない」と電話がかかってくる。
夜の街を駆け、ようやく見つけた雨月 玲は幽霊のようになっていた。
少年と幽霊が織りなす、短い夏の出来事。
この作品は「https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9173775」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-29 04:06:07
50391文字
会話率:59%
yahooブログ「おもいで文庫」に掲載した作品を、再度推敲の上投稿するものです。
今回は、母方の祖母との思い出を綴ってみました。ご自身のおばあさまとのエピソードを重ねながらお読みいただければ幸いです。
最終更新:2016-04-24 12:34:26
10062文字
会話率:2%