「革命をはじめようか」
短い共産党宣言を読み終えたところでそんなことを言ったあたしだったが
「革命を導いてが良い」
がどこからか分からずに脳に響いた。他の言葉と一緒に。
するかよと突っ込み返りたかったんだけど、記憶が不安定になった。
時間が流れるくらいは何とか分かっていって、場所も変わる途中だ。
本当に声があったのか?
音でもあったのか?
数秒にも及ばない内に異なる所にいると把握できて、轟音と破壊に囲まれた。周りの悲鳴と近くに子猫か赤ちゃんの鳴き声も聞こえる。
母さんが抱きしめて走ってる。ちらちらと裏から大きな……
何あれ。大きい過ぎて早すぎて、でも輪郭不明。音だけで死にそうだ。
来たか。
突然回されて母さんと向き合う。
「ごめんね、ヤ」
とだけ言い、あたしを土に置いた。そして母さんが突然消えた。
あそこへ向いたか。どうしてそんなこと。|娼婦《しょうふ》が何を出来てるの。
近い子猫か赤ちゃんの泣き声が悲鳴になった。慟哭になった
ああ。
あたしだね。
夢か。きっとそうだよ。
破壊音が激しくなる内に、終わりを待つしかない。
目を閉じて記憶がまた不明になる。そのうすると混乱が遠ざかる事に気づいて目をまた開ける。
町の姿がない。目を彷徨わせた最後に誰かのおじいさんの腕にいた。
「母親によく助けられたな。二人とも」
彼の視線を追ったら、遠く下に建物があった。
記憶がまた不明になる前の最後の記憶は轟く悲鳴だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-05 10:10:00
210546文字
会話率:38%
すでに夜の闇がすべてを支配していた。
ちらちらとまたたく星と青白い月の光だけがこの世界を見下ろしている。
小さく打ち寄せる波が湖面で星と月の光を反射していた。
海とも思えるほどの巨大な湖を一望する摩天楼が闇を突き刺し立ち上がっている。
これほどまでの高層建築物はかつてなかった。
最上階にはかなげな灯火のまたたき…
低く小さくはあったが、その声は朗々と板敷きの広間全体にしみわたる。
広間の壁面に灯火が揺れ、板敷きの四方にある雪洞が明暗をくっきりとさせていた。
人間五十年
下天のうちを
くらぶれば
夢まぼろしの如くなり…
敦盛の一節を謡いつつ舞う男。
見事な銀の総髪。高く結い上げたもとどり。
鼻筋が通り引き締った口元は、見様によっては酷薄とも思われがちな薄い唇。
獲物を狙う猛禽類の如き爛々とした眼光の先になにがあるのか…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-06 09:39:15
20810文字
会話率:58%
「じゃ、私帰るね。ちょっくら世界を救ってくる!」
「……またそんなこと言って」
「だって私、この世界の『ヒロイン』だからさ」
僕の隣の席には、せっかくの美少女っぷりを拗らせた厨二病で台無しにしている残念な子がいる。
この世界の『ヒロイン』
を自称し、奇怪な発言を繰り返す彼女の名前は廣田音花。
僕は彼女をちらちらと横目で伺い、見守るのが日課だ。
彼女のことを「可愛い」と、密かにそう思いながら。
※長編予定の話を読み切り風に短編としてまとめた話です。ご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-15 16:02:12
2300文字
会話率:22%
三十もとうに過ぎ、大学で日々真面目に働いている清水奈保美のそばに、ちらちらとポスドクの間島が挟み込む。
実母からのプレッシャー、世間体。そして憧れていた人の結婚。
どこかやさぐれていた彼女に、するりと彼は滑り込む。
どこまでも不器用で、矛
盾していて、けれども素直な彼女の恋愛物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-29 16:56:19
23593文字
会話率:44%
淡々とした婚約者との関係に疑問を抱いたことはない。ただ、不意に現れた弟の幼馴染の姿が、ちらちらと脳裏によぎる。その日を境に、自分の中の何かが変化する。それがいいものなのか、悪いものなのかもわからないまま。※Asymmetryというサイトから
の転載です、改題しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-23 17:11:33
8214文字
会話率:28%
父の仕事の都合で東京から田舎の離島に引っ越してきた佐野龍一。
携帯もテレビも通じない島で高校三年間を過ごすことになるのだが、島に来た初日に巨乳で美人の同級生、蒼神渚と話す。
渚に惹かれる龍一だが、島で過ごすうち彼女が島の人たちから避けられて
いることを悟る。
そんなことは関係ないとばかりに彼女に話しかけていたら、渚から好意を向けられることになり――。
「どうして目をそらすの? 貴方がちらちらと見ていた私の胸も見てもいいのよ?」
かなり大きい好意を向けられていることを、龍一はまだ知らない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-17 09:30:00
12703文字
会話率:40%
※この作品には「黒人差別」の表現が出てきますが、黒人差別に限らず、どんな差別思想も肯定するものではございません。
雪がちらちらと降り注いでいる。この真っ暗な中、[カヤナ=ベル]という名前だった黒人の男はその冷たさを懐かしむ。
君に出会えてよ
かったと思う。これはきっと、愛すら超越した何かで、俺の原罪ごと洗い流すような、優しい温もりなのだろう。
許されるその日をいつまでだって待っている。待つのは、得意だからな。
「タロット絵師の物語帳」がカクヨムコン9に出ているので、それの宣伝も兼ねた短編小説となっております。これは行商人サファリ=ベルのたった一人の父親、カヤナ=ベルの生涯の物語と、夢。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-09 12:00:00
5755文字
会話率:33%
残業で会社からの帰りが遅くなり、最寄り駅に着いた頃にはすっかりと日付が変わった深夜。
しんと静まり返った道は、なんとなく恐ろしさを感じさせ、知らず暗闇の先が気になってしまう。
ちらちらと揺れる光。点々と続く街灯の、途切れたところの闇に、何か
居るのではないかと、ふるりと背が震えた。
それがただの気のせいであったら良い。
そう思いながら。
自分の足音だけが響く道を歩いた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-23 16:43:34
4483文字
会話率:26%
ゆかちゃんは、寒い冬が苦手です。
今日も、ちらちら雪がふっています。
アルファポリスさんにも掲載しています。
最終更新:2023-02-13 11:48:28
351文字
会話率:27%
むかしむかしあるところに、そんな言葉で始まる昔話が迷信だと言われたのはひと昔前のこと。
現代社会には所謂 妖怪や怪物と呼ばれたモノが市民権を獲得し、堂々とその正体を晒して生活している。
人も妖怪も入り混じり、数は少ないものの人と妖怪が結婚し
、子供をもつ家庭もある。
そんな平和な国のお話。
猫又の妖の家系の三国 環は溺愛する婚約者の香川 ひなたを待っていた。
吐く息は白く、いつのまにかちらちらと雪が降り出したころやってきた彼女の気遣いあふれる行動に環は…。
「たまきせんぱい〜?!」
「可愛がったのなら最後まで面倒をみましょう」の続編になります。
前作も併せて読んでいただいた方がわかりやすいので、よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-10 23:20:05
2124文字
会話率:41%
囲炉裏の火がちらちらと燃えくすぶる薄暗い部屋で、
二人の男が話していた。
「三角川にかかる淀み橋の、お札をはがしてはいけないよ。」
最終更新:2022-12-29 20:46:48
995文字
会話率:43%
日常思ったことを詩にしています。
これは去年、曇り空に薄桃色の桜がぼうと広がるのをみて、ひどく気が滅入って作った詩でした。
あんまり気にいってなかったのですが(^.^;
今年もなぜか同じ気分だったので、この季節には鬱ぽくなる人なのかもし
れません。
桜も散り始め、枝がちらちらみえるようになるとすこし回復してきました(+_+)折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2022-04-05 21:13:03
242文字
会話率:0%
僕は荒木冬弥(ふゆきとうや)。中高一貫の学校に通う平凡な……周りからはそう思われてないみたいだけど、まあ
僕自身はそう思っている。そんな僕は一歳下の後輩女子、冬山唯(ふゆやまゆい)が最近気になっている。
150cmに満たない小さめの身
長に少し丸っこい顔つきや大きめの瞳、人懐っこい性格もあってクラスのマスコット扱いらしい。
そんな彼女だけど、小学校高学年の頃にちょっとしたきっかけで友達になって以来の付き合い。
ただ、付き合いが微妙に長くなってきたこともあって、どう仲を縮めればいいのやら考え中。
冬のある日。窓を開けてみると辺り一面雪化粧。数年に一回はこうして雪が積もるけど、今年は雪が細かくて
特に綺麗だ。ベランダから雪が舞い落ちる様子をぼーっと眺めていると、唯からの通話が。
「せんぱーい。久しぶりに雪だるまでも作りませんかー?」
雪だるま。少し子どもっぽいけど唯らしいかもしれない。というわけで、マンションの玄関に集合して、
近所の公園で雪だるまを作り始めた僕だけど、唯の様子がなんだか少しおかしい。
ちらちらと僕を見ては何かを言いたそうにしていたり、考え事をしていたり。
これは、何気ない冬の一日で、でもちょっと特別な一日の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-15 11:31:21
4640文字
会話率:50%
春崎春名(はるさきはるな)はクラスの人気者だ。
明るくて可愛い彼女は皆から慕われている。
僕、国崎晴之(くにざきはるゆき)はと言えば、内気で根暗な高校生。
そんな彼女と僕の関係は、小学校の頃からの付き合いといったところ。
幼馴染と
いうには遠い、クラスメートというには近い、そんな関係。
そんな彼女が最近ちらちらと僕を見つめている。それが気にかかったのだけど―
思春期な二人の、少し甘酸っぱい青春模様を描いた短編です。
カクヨムと小説家になろうの同時掲載です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-12 15:21:08
6046文字
会話率:41%
ダンジョン内で魔物に襲われていた少女シオンを助けたら「パーティー任務よりも他人を優先するな」と追放された剣士オーレン。
一人になったオーレンの前に現れたのは”氷の聖女”の異名をとるシオンだった。
訊けば彼女もパーティーメンバーに見捨てられ
、復讐の女神への信仰に目覚めたのだという。
しかし……
「オーレンさんを追放した上笑い者にするクズは、生きている価値はありません」
「さっきあの女の胸をちらちら見ていた件、一晩かけて教育してあげますね」
再会した彼女は魔力だけではなく別のものにも目覚めてしまっていた。
※タイトル変更しました。
※他サイトにも掲載折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-27 07:09:41
101148文字
会話率:47%
ぼっちの主人公が校舎裏で昼食を食べていると、不良と噂されている少女が焼きそばパン片手にちらちらと見て来た。いつの間にか二人は一緒に昼食を取るようになって……。
最終更新:2021-02-26 16:01:29
9238文字
会話率:44%
どこか遠くへ行きたいな。夢みたいな、旅路の雲。空は晴れて、町並みは見知らぬ土地。過去と影が此方を振りかえり、村の閻魔のお堂ではちらちらと蛇の赤い舌みたいな蝋燭が灯っている。マッチを擦って、一呼吸すると、ぽっ…と、夕暮れの軒の下の灯りがともっ
た。過去への旅。
過去作です。サイトにあげていたものをこっちにも投稿してみます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-26 08:38:54
1692文字
会話率:0%
※カドカワBOOKS様より書籍化致します。
第二巻の発売日は2018/10/10となっております!
かつて《大賢者》と呼ばれ、とある大陸では知らぬ者はいないとされたモーゼフ。
しかし、彼も老いには勝てず、辺境の大地を終わりの景色として、百
年と数十年という天寿を全うする。
そんなモーゼフは気がつくと、身体が骨になっていた。
魔法を極めていたモーゼフは予期せずしてアンデッドの最高峰であるリッチとなってしまったのだった。
リッチになってからは老いとも無縁で身体も軽くなり、いいこと尽くしだったモーゼフ。
しかし、天寿を全うしたとは思っていたモーゼフはやることがなかった。
暇潰し程度に辺境の地で暮らすことにすると、銀髪の幼いエルフがちらちらと姿を見せるようになる。
初めは警戒していたものの、優しいモーゼフの性格にすぐに打ち解ける。
エルフはこの辺境の地に姉と二人で暮らしており、姉は妹によりよい暮らしをさせるために冒険者になる決意をしているという。
それは、かつてモーゼフが助けたエルフの少女、エリシアだった。
やることがなかったモーゼフは二人の保護者となり、大賢者からリッチとなって新たな人生を歩み始める。
「ほっほ、もう死んでいるがの」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-07 00:47:22
329616文字
会話率:39%
(見切り発車・更新不定期の練習用です。あらすじは分量が溜まったら書きます。以下は冒頭部分の貼付)
僕は今、恋に落ちた。
夕暮れ時。沈んでいく赤に伸び上がる黒、そのちらちらとした薄明かりの中で、ぎょっとするような恰好の化け物がいる。
手足はすらりと長く、顔はきりりと整っているやや勝気に見える少女。軍服に身を纏い、儚げで綺麗。いや違う。綺麗というだけじゃない。どこかこう、現実ではない何かがその少女をすっぽりと覆っている。
そして僕が化け物だと思った原因は、その神々しさとは対照的な、胸から生えた深紅の刃にあった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-04 17:00:00
7865文字
会話率:40%
高校二年生の羽丘由貴は、顧問一人部員一人という部活に所属しながら、そこそこ平凡な学校生活を送っていた。
そんなある日、彼は一目惚れの推しコスプレイヤー『May』に好きな人がいることを知り、せめてもっと仲良くなりたいと一念発起する。
彼の選ん
だ手段は……女装コスプレ!? 顧問の女教師がちらちらとアプローチしてきていることにも気づかず、茨の道を邁進する由貴は次第に可愛くなる喜びに目覚め、同時に意中の人とも進展が――?
※ハーメルンにも同時投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-24 05:00:00
100456文字
会話率:41%
緑色の光がちらちらしている
キーワード:
最終更新:2019-11-12 03:50:59
2879文字
会話率:0%
蜘蛛のお話。
ある日 蜘蛛にちらちらと一つの影が落ちました
空を見上げるとどうしようもなく 高い青空に お日様が輝いています
そしてその光の間をぬって一匹の青い蝶が飛んでいました
その青い翅はお日様を浴びて羽ばたくた
びにキラキラと輝き
蜘蛛は思わず目を奪われしまいました
蜘蛛の八つの目は他の者を見ることもせず
ただ 蝶を見るだけに存在していました
八本の足はぴたりと動きを止め
少しでもこの場所から動くことを拒みました
そして 次の日 また蝶は現れて 蜘蛛の周りをひらひらと飛び
そして 蜘蛛はどうしようもなくそれに胸をときめかせていました
次の日も 次の日も 蜘蛛は思っていました
「はりこの虎」にも掲載してます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-18 17:11:30
3084文字
会話率:0%