どこかから、カナカナの鳴く声が聞こえる。
物悲しい、何かの終わりを告げるような声。
僕の顔を生ぬるい風が撫でて、深緑の木々がさざめいた。
アスファルトを灼く真夏の光芒は、僕の視界を真っ白に奪っていく。
噎せ返るような暑さで、額に汗が滲み
、頭がぐらぐらしてくる。
あなたは、とある夏に迷い込んだ——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-20 21:37:18
4946文字
会話率:32%
今年の盆も、あっという間に過ぎていった。
年に一度の帰省だというのに、もう戻らなくてはならない。
Uターンラッシュに巻き込まれ、中々進まない帰路。
じわりじわりと、古郷の田園風景は遠ざかってゆく。
毎年のことだが、この瞬間に彼はしんみり
と思うのだ。
ああ。やっぱり古郷が一番だったな――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-09 18:00:00
3133文字
会話率:41%
その心の正体の一説。
最終更新:2020-02-23 01:37:29
780文字
会話率:0%
お前らも好きなヒーロー晒したり語ろうぜ! という熱い問いかけに応え、ヒーローランキングを発表しながら自分の年齢とか、ノスタルジーとか色んなものを晒すという暴挙(エッセイ)。
最終更新:2020-02-23 00:00:00
5096文字
会話率:0%
掌編。
「僕は」、家具屋で黒く大きなクローゼットを見かける。
子供の頃だった「僕」と、仲良しだった女の子「A」は、自宅のクローゼットの中に入って、内緒話や噂話をしていたことを思い出す。
ある時、「A」は「僕」に、彼女が内緒にしていた一言を彼
に告げる。
それ以降「僕」と「A」との距離は遠ざかり、それっきりになってしまった。
けれども、彼女の最後の内緒の一言は、今でも「僕」を支えているのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-18 23:42:22
2045文字
会話率:9%
小学生の男の子が不気味だった。
最終更新:2020-02-18 12:00:00
558文字
会話率:4%
滅びゆく人類の悲願を叶えるため、地球から遠く離れた惑星に辿り着いたタグチとシロイ。
そこは、星空の見えない場所だった。
最終更新:2020-02-05 13:25:25
7787文字
会話率:26%
どこの家でもそうだと思っていたようなことが、自分の家庭のみの事情で驚いた。誰しもそういう経験が一度くらいあるのではないだろうか。私にとっては菊乃さんがそうであった。
最終更新:2020-01-10 22:11:52
4651文字
会話率:8%
――その春、姉が死んだ。
たった一人の姉を失った弟に今なお残り続けるその面影。
最終更新:2019-05-12 22:58:58
2867文字
会話率:0%
少年は青年になった。その夏の思い出。
最終更新:2019-04-26 23:28:45
2130文字
会話率:0%
「冬菇屋の耕太郎」編
現代、東京近郊の街はずれに店を構える中古品店の店主・片桐耕太郎の所に、進学校に通う女子高生・芦田美咲がある品物を持ち込む。それは、ビンテージ真空管と革製の箱だった。この品々を発端に、戦時中に作製された機密兵器の部品に
関係する技術者の遺品を妻の恵子、自衛隊の装備技術官・柴田海斗らと共に探す羽目になる。甲府、京都、東京へと彼の足跡をたどっていくうちに技術者の過去がだんだんと明らかになる。最後に遺品が見つかると、彼の意外な結末が判明する。
「その男、録音技師」編
大正・昭和の時代、主人公は電気工学を学ぶため、欧州へ旅立つ。シベリア鉄道でドイツのダルムシュタットへ行き、同じ大学に通う友人やその恋人と出会い友達となるが、第一次世界大戦が勃発する。終戦後、日本へ戻り民間会社へ就職する。経済不況の後に第二次世界大戦が始まってしまうが、主人公は通訳として駆り出され、再びドイツを訪れ友人との再開を果たす。帰国後、彼は陸軍に出向して京都と甲府で機密部品の製作を始める。その頃、京都の旅館である女性と知り合いになり、恋人となる。しかし、終戦間際にある事故が起きてしまう。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-30 06:56:47
138049文字
会話率:58%
16歳で異世界に転移してからはや4年、大きな事件に巻き込まれることもなくごくごく平和に過ごしている。日々は平穏で、元の世界に戻るつもりもない。このまま一生をここで終えるのも悪くない―――そう思っていた主人公の前に魔法使いの少女が現れる。「私
と一緒に来てほしいの」
少女と出会い、彼は自分自身を知る旅に出る。これは、世界がまだ魔法を知らない頃の話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-25 19:31:42
42493文字
会話率:47%
ノスタルジーを醸し出すシーンに夕暮れの夕焼けを背に遊ぶ昭和の少年像があります。
純粋無垢で正義感が強く馬鹿正直で照れ屋、野暮ったいけどずっと一緒に居たい。
夕焼け小焼けが強制的に帰路を促すまで遊び続けて居たい仲間。
平成生まれであっても昭和
だけどガリ勉でそんな経験なくてもイメージで共有するその姿。
そんな素朴を根っから生まれ持った主人公は平成の世では落ちこぼれの面倒くさい存在で笑われ者。
天然素材と冷めた偽善者達の視線に気づく事も無く、パーフェクトな善人として成人し就職。
その善人特性を神も悪魔も希少な存在であると触手を伸ばす。
転移という非現実的な事象に巻き込まれた主人公が特例能力として希望した能力名は 秘密基地。
秘密基地と言う言葉には物凄く夢を膨らませる要素があります。
昭和の頃は少年少女たちは男女関係なくそれぞれの胸の内にある独創的な夢を秘密基地の中に投影していた。大人になっても隠れ家等々言い回しを変えて追い求められる夢の宝箱。
さてそれを能力として希望した主人公はどんな冒険に旅立つのでしょうか。
一緒に秘密基地に想いを馳せましょう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-16 22:11:27
17067文字
会話率:14%
「みんなうわさしたよ。あそこには鬼が住んでる」
1993年。『鍵っ子』――家庭の事情で、学校から帰宅しても家族が自宅にいないために、自ら家の鍵を持つ子供――のぼくたちは、夏休みの間じゅう、小学生の託児施設“児童館”で遊んでいた。そこでは「
影ふみ」の遊びが大流行りで、ぼくたちは飽きもせず毎日毎日駆け回っていた。
けれど最近、児童館にひとりの女の子が来るようになってから、少しずつ日常が変わりはじめる。その子の家は鬼が住んでると評判で、だからその子は悪意を込めて「鬼っ子」と呼ばれていた――。
まとわりつく影、踏みこむ影。ノスタルジックな真夏の短編。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-23 16:50:57
4578文字
会話率:33%
古の神々の信仰を守り継ぐ隠れ里…ケルト神話風創作ファンタジー
「西の果ての島国」の首都の学院生徒・リアン少年は、同学院の研究部にやってきた学者「コナル先生」と出会い、そのいざないによって、コナル先生の郷里である、辺境の古代人の隠れ里「ホイル
・ウォアの里」を訪れる。そこで出会ったコナル先生の娘・クルト少女と仲良くなるが、時あたかもこの里は大きな転換期に直面していた。里の滅びを避けるため、秘伝されていた古代人の魔法を伝授され、魔法によって眠りに就いていたクルトの母である「エルフ」の魔法を手に入れ、里全体を魔力によって結界を張って閉ざすというミッションを引き受ける。
PDF版 http://eolica.triona.jp/kirinotani.html
イメージサウンド http://eolica.triona.jp/tabiji/
カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054890626713
pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11139021
ヒロイン「クルト」はソードワールドTRPGの持ちキャラで、その冒険者になるに至った前日談的な物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-15 00:51:36
22230文字
会話率:36%
僕は高遠和彦。おかっぱ頭と半ズボン、半袖シャツがトレードマークのちょっと内気な五歳。
今日は友達の都城ゆうじ君と一緒に砂場でお城を作るんだ!
ゆうじ君はとってもお城を作るのがお上手で、いつか一緒に公園に遊びに行きたいってずっと思ってた
。それで勇気を出して、誘ってみたら一緒に行ってくれるって!!
嬉しいなあ!
ノスタルジーあふれる少年時代を思い描き、今回の作品を発表することにしました。
この作品を読んだ後にふと移り行く季節とか、子供時代の思い出なんかをふと思い出してくれたら幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-14 13:12:57
3124文字
会話率:20%
レンタルショップで一九七〇年代に放映していた『世にも不均衡な空間』というオムニバスドラマシリーズを発見した私は、この最終回に主演していた古城八千代という女優に魅かれ、彼女のことを調べ始める。彼女の出演していた作品を探し漁り、ついにネットで
ファンクラブのサイトを見つけて、このOFF会に参加することになる。そこは七〇年代のTVオタクの集まりだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-12 23:33:01
25230文字
会話率:51%
夕暮れ時、高校生たちを見て自分を回想した。
最終更新:2019-09-08 14:28:59
530文字
会話率:0%
夕立を題材としたエッセイです。台風接近中のこんな時に! と自分でも思いますが、この機を逃したらさらに時季外れになりそうなので、空気を読まないエッセイなのを承知で投稿しました。
それにしても、本当に気持ちの良い夕立というものが無くなってし
まいました。
雷歓迎、大雨カモン! ただし長くても20分限り!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-13 23:35:16
2121文字
会話率:7%
現在、私のお気に入りのパン屋がある。私にとってパンとは、子供の頃よく利用したこの店のパンのことだった。
20年以上ご無沙汰していたのだが、最近、またよく行くようになった。昔と変わらぬその味は、私の週一の楽しみとなっている。
「熱いですよ
」と言われながら渡されるコロッケパンやカレーパンを頬張り、口の中の皮をベロベロに剥けられながらも「うまぁ……幸せ」と堪能する。
だが、それも永遠に続くわけではない。人の命に限りがあるように、パン屋にも限りがある。
ネットにも出てこないご近所のパン屋について語ってみたい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-16 08:10:27
3814文字
会話率:5%
「君の死が、ただの有り触れたコンテンツとして誰かに扱われるのが嫌だった」
大切な恋人を三年前に亡くした『よる』は、コンテンツにされた恋人を見て嫌気がさし足を早めるも事故にあい意識を手放してしまう。
次に目を覚ましたのは、子供の頃訪れていた叔
父夫婦の家がある港町だった。そこで死んだ恋人『あおい』に出会うが、現実世界の『よる』はまだ死んでおらずこの白昼夢の中の世界にに来た事を語る。
『よる』に生きてほしい『あおい』と、『あおい』と一緒に死にたい『よる』。しかし、『よる』はここに来るまで、大切な記憶を忘れてしまっていた。
これは、失った記憶を拾い集める、ひと夏の別れの物語だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-03 19:00:00
114466文字
会話率:54%
風に守られた隠れ里、千久楽(ちくら)。
家族と共に都市から越してきた深鳥は、神社の奥、入らずの森にできた時空のゆらぎを通って、特異な場所〈庭〉へと辿り着く。そこでかつて夢で出逢った少年、快晴と再会する。
舞の後継である快晴に選ばれ
、共に祭で舞うことになった深鳥。
古より続く春の祭祀、風花祭(かざはなまつり)で風の神と花乙女に扮する快晴と深鳥だが、当日、思いがけないアクシデントが起きて……
二人ははたして、春の風を千久楽にもたらすことが出来るのか。
風が廻る場所・千久楽を舞台に始まる、ほんのりSFなフォークロア・ファンタジー。
(挿絵がある話は * がついてます)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-29 21:54:55
340530文字
会話率:42%
小学校の同窓会に出席するため15年ぶりに故郷に戻った俺は、そこでかつて憧れた女性教師の訃報を聞く。旧友の大野と共に複雑な思いに駆られる俺。彼女について、俺と大野にはある忘れえぬ記憶があった。人生に挫折した今、再び過去と向き合うことになった俺
。それは小学6年生の夏、大野と2人で築きあげた”秘密基地”にまつわる出来事だった…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-02 20:37:03
27047文字
会話率:40%