この物語は主人公のカオルがエディフィス基地に入隊した西暦3025年から始まる。
カオルは幼い頃、戦闘による孤児となった為、幼少期を施設で過ごした。〝弱さは死を意味する〟〝昨日の友は今日の敵〟〝強い力を持つ事こそが己を助けられる唯一の方法だ
〟などと、育った環境がカオルの人格を歪ませ、擦れた感情を芽生えさせていった。秩序のない生活を強いられるのも荒廃していく世界もバーサーカーのせいだと強い怒りを持ち、A・リアシュリング サーヴァントのライドマスター戦士となる為に入隊したのだった。
だが、第15戦士のライドマスター訓練生になったカオルに待ち受けていたものは厳しい現実ばかりであった。自分の弱さと不甲斐なさに嫌気が差し、打ちのめされ、人を受け入れようとせず、特に優秀である同期の仲間たちを寄せ付けないでいた。
そんな人間性に欠けたカオルは絶望の日々を送る事となった。しかし、どん底に落ちた彼を救ったのは同じ第15戦士の仲間リアだった。彼女の優しい導きにより一筋の光を見い出し、そこから己を変えようと努力し、仲間と共に道を切り拓いていくのだった。
殺伐とした世界で幼くも儚い少年と少女たちが生き残るため、元の世界を取り戻すため、荒廃していく世界に必死に抗いながら戦い抜き、大人へと成長していくハイファンタジーの物語となる。
◆◆◆◆◆
【アイギス国】エディフィス基地のある国の名称
【バーサーカー】セッレ細胞を核にして動く巨大な殺戮者
【A・リアシュリング サーヴァント】巨大な人造人間
【ライドマスター】A・リアシュリング サーヴァント操縦者
【レゾナスーツ】A・リアシュリング サーヴァント搭乗用隊服
【レゾナンスレート】A・リアシュリング サーヴァントと人間の合致ランクであり、初搭乗で永久決定
【OHC戦闘スキル】A・リアシュリング サーヴァント初搭乗で永久決定される付与能力折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-29 17:35:06
114516文字
会話率:65%
世界になる一筋の光──。
最終更新:2023-07-23 18:30:02
562文字
会話率:0%
スラム街の中で見つけた希望、やるせない圧倒的な格差
貧困は悪なのか、裕福が正義なのか
一人いればその背景には物語がある。
人間とは一筋の光があれば、生きることができるだろう
『幸せの感じ方は人それぞれでいい、あなたは見つけられるかな?
』
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-21 21:19:37
446文字
会話率:0%
東京の闇夜で悪を倒す者たちがいた。
動物(アニマル)と呼ばれている彼らは、無政府状態の東京で、ねじ伏せられた犯罪を暴いては葬り去っていた。
これは、そんな彼らの物語──
★ ★ ★
はじめまして。侑菜と申します。
小説を読むのも書くのも
好きなので、書いています。
ステキブンゲイ、エブリスタ、カクヨムでも投稿しています。
よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-14 18:00:00
55222文字
会話率:51%
【百合】×【ギャグ】×【エロ】
高校一年生の『遠山奈妓』には好きな人がいる
その相手は過去に泣いている所を抱きしめて癒してくれた『お姉さま』
抱きしめて貰っている間、胸に顔を埋めていたので『お姉さま』の顔も声も分からない
手掛かりは彼女の
胸元の赤いリボンと抱いて貰った時の感触のみ
『お姉さま』と同じ高校に入ることは出来たものの、200人以上いる候補からどうやって割り出すのか途方にくれる奈妓
そんな彼女に一筋の光明が差す。なんとこの学校のボランティア部は100円で女の子に抱かれていたのだ!!
『お姉さま』を探し当てるにはこの部活に入るしかない!そう思った奈妓はボランティア部に入部する。
抱かれて抱かれて抱かれまくってやる!と意気込む奈妓であったが、ボランティア部にはお客さんであるお嬢様を好きになってはいけないという『禁忌』があった。
果たして奈妓は誘惑に負けずに『お姉さま』を探し当てることが出来るのだろうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-11 21:18:43
200379文字
会話率:58%
魔物を倒す英雄となる運命を背負って生まれた侯爵家嫡男ルーク。
しかし、赤ん坊の時に魔獣に襲われ、顔に酷い傷を負ってしまう。
英雄の婚約者には、必ず光の魔力を持つものが求められる。そして選ばれたのは子爵家次女ジーナだった。
顔に残る傷のため、
酷く冷遇された幼少期を過ごすルークに差し込んだ一筋の光がジーナなのだ。
ジーナを誰よりも大切にしてきたルークだったが、ジーナとの婚約を邪魔するものの手によって、ジーナは殺されてしまう。
誰よりも強く誰よりも心に傷を持つルークのことが死してなお気になるジーナ。
ルークに会いたくて会いたくて。
その願いは。。。。。
アルファポリス様でも投稿しています。
時間差があり、アルファポリス様の方が先に公開しているため、アルファポリスとは言い回しが違う部分があります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-09 00:00:00
401570文字
会話率:33%
地域猫的存在のトラ爺はいつも凛々しく、住民たちに愛されていた。
そんなトラ爺が、小学二年生の「私」の日常に一筋の光を与えてくれた。
最終更新:2023-06-08 03:00:00
7872文字
会話率:26%
平凡な日常は唐突に崩れ去り、非凡な日常はいつだって彼に牙をむく。
それでも彼は前を向き、自らが決めた道を突き進む。
数々の出会い、強大な敵、蠢く陰謀。
彼の道は世界を照らす一筋の光となる。
ーーこれは彼の成長を刻み、信念と覚悟を示す王道
異世界ファンタジー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-06 07:00:00
142928文字
会話率:27%
毎日投稿しております!!!18時に要チェック!
一話3000字を目途に書いています!逸脱した話もありますがそこは何卒ご容赦を...
基本的にはコメディーとなっております
【話のあらすじ】
主人公の適正が強すぎる躊破くん。生まれてか
ら起こる物語の数々の真ん中にいる躊破くんは果たしてどんな成長を見せてくれるのだろうか。
【この小説の雰囲気を掴もう!】
第0歳
2005年9月15日22時8分30秒。この瞬間に2つの大きな出来事が起こったのである。
1つ目は、福岡県のとある場所の客足の少ない古い産婦人科を震源地とした地震である。震度は4強。もちろん古い建物はそれなりのダメージを受ける。棚からは埃の積もった書籍や、様々な物が崩れ落ちてきた。そして、停電も起きた。
その瞬間、震源地の産婦人科では1人の男の子が誕生した。その子は生まれた瞬間地震が起きたため、すぐに看護婦によって抱えあげられた。
抱えあげられた瞬間だった。懐中電灯がコロコロと棚から落ちた。その懐中電灯は落ちた衝撃で電源がついた。そして真っ暗な室内の中央を照らした。照らされた部分は埃が舞い上がり曇っていた。その埃がすーっと薄くなっていった時、懐中電灯によって一筋の光が生まれた。幻想的な中照らされていたのは、この瞬間に生まれたあの男の子であった。
そう、これが2つ目の起こった大きな出来事である。
室内にいた全員がその男の子に注目した。室内は男の子の威勢のいい産声以外何の物音も立たなかった。
全員が我に返るには数秒かかった。全員そのライトアップされた男の子に見とれていたのである。唯の0歳にだ。
無事、院内の職員達も母親も生まれた男の子も地震による怪我はなかった。そして、母親と男の子は元気に病院を後にした。
この事件は後に『神童爆誕事件』として後世に語られるのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-04 18:19:37
84577文字
会話率:44%
高校二年生の終業式の日、最愛の恋人である佳道を交通事故で失った主人公結奈は、近所のつつじヶ丘公園でひっそりと佇む桜の木を見つける。
翌朝部屋で目が覚めるとなんと部屋の中に知らない小学生らしい少女が一人いた。
その日からユウミと結奈、母親の三
人での生活が始まる。
ユウミはなぜ結奈の前に現れたのか、ユウミの正体はいったい何なのか。
最愛の人を失い失意の最中にある結奈の心に灯った一筋の光は。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-05 20:23:56
29815文字
会話率:39%
『今からデスゲームを行なう。』
7年前、千木野雅人(せきのまさと)は夢の中でデスゲーム開始を宣言された。当時10歳だった彼にとってそれは、現実世界という漫画やゲームよりも面白みがない世界に、一筋の光をもたらしたのだった。
これから全世
界から狙われ、そしてこの世界における主人公たる彼自身が、特殊能力を用いてそれらを撃退し、見事デスゲームに勝利し、全てを手に入れる…。
7年後、中二病もとっくに完治し高校2年生になった彼は、町全体がデスゲームを信じきってしまっていることに危機感を抱いていた…。
ーー
「気持ち悪りぃぃぃぃぃぃぃ……!!」
一体この演劇はいつまで続くのだろうか!7年前に、デスゲームのことをドヤ顔で家族に告げてから今までずっとあんな調子なのだ。たしかに3年前ーー中学2年生までは、中二病とやらで色々と拗らせていたから違和感はなかったし、なんならノリノリだった。だが今は違う…。17歳で特殊能力とか、不審者とか、デスゲームとかもう何も信じているわけがないのだ。これは大掛かりなドッキリなのだろうかと何度もネタバレの流れに持っていこうとしたが、あまりにも…あまりにも家族の演技が迫真だから冷めたようなことを言う気になれなかった…。ただ、もう…限界はすぐそこまで来ている……。(一話より)
ーー
しかし、町全体を巻き込む本当のデスゲームが始まろうとしていた…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-25 01:07:54
5344文字
会話率:50%
先立つ、あなたに。
無職の世界に刺す、一筋の光だったあなたに。
最終更新:2023-02-11 23:47:47
1032文字
会話率:0%
世界には、武器は銃が基本で、その他は無能の武器として知れ渡っていた。ダンジョンが現れて以降、必然的のように、生まれながらに銃に関するスキルが人間に与えられられ、数多くの名を馳せた猛者たちが全員銃を使っていたからだ。それは今の時代も変わらない
。
主人公――ノウン・クレッセントは、腰に剣を下げたゼロスキル冒険者だった。生まれながらに1つとしてスキルを与えられず、その代わりのように冴えた感覚だけを頼りとしてダンジョンに踏み込む。そこでは多種多様な銃の音が鳴り響き、至近距離の戦闘は数少なく、常に間合いが開いていた。
そんな世界のとある日、ノウンは無能の烙印を押されてから歩き続け、7つ目の冒険者組織――オルゼにて、7度目の、味方の脱出のための囮としてその場に放置させられた。無能だと言われ、もう傷つくのも飽き飽きしていたノウンは、迫るモンスターを前にその場で死を覚悟する。
するとその瞬間、銃声と共に一筋の光のような声が。その主を探して見つけると、なんとその人は、現オルゼで二強と謳われる最強組織のリーダー、そして何より単体で最強と歌われる――クエイク・ティストマルクだった。
最強であるクエイクと、無能と言われ囮に使われ続けたノウン。2人の出会いにより、ダンジョンは、世界は、次第に変わり始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-09 19:25:43
138133文字
会話率:51%
『それでも朝日は昇る』番外編。
大陸統一暦1000年。二人の英雄によってアルバ王国に新しい王朝が興り、彼らを輩出した港町レーゲンスベルグは自由都市として自治を認められた。
英雄たちの盟友であるレーゲンスベルグ傭兵団は街に帰還し、防衛の責務
を担うことを選ぶ。
だがそんな彼らに街の者は問うた。
「なぜ、英雄王たちと袂を分かつ道を選んだ」と
彼らの首魁であるセプタードの答え「罪と罰」の意味は。
英雄王カティスと賢者カイルワーンが革命へと進んでいた時、盟友たちには何が起こっていたのか。
革命後彼らはレーゲンスベルグで何をなし、運命の女性ロスマリンを迎えるに至ったのか。
文により街の基を築いた男と、剣によって彼を生涯支えた男、そして自由都市の31年間の物語。
本編および『彼方へと送る一筋の光』の読了を前提としています。
自サイト『miniature garden』『カクヨム』同時連載。
不定期更新予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-05 13:08:01
11641文字
会話率:28%
『彼方へと送る一筋の光』番外編(15話直後)
急を告げるためレーゲンスベルグに現れたベリンダ。
アデライデは夫と共に、彼女の下を訪れる。
彼女の夫であるカティスの相手をした元娼婦として。
そしてカティスの兄貴分であるセプタードの妻として。
アデライデは、彼女に何を語るのか。
章前としてその前日譚『ある日の国王夫妻』も掲載
自サイト『miniature garden』より転載折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-17 22:15:33
9611文字
会話率:47%
『それでも朝日は昇る』番外編。本編・前番外編の読了を前提としています。
大陸統一暦1000年。英雄王と賢者、二人の英雄によってアルバ王国は魔女の圧政から解放された。
しかし彼らは、決して歴史には残されぬ悲しい真実を背負っていた。
そんな英
雄たちに出会った少女は、その真実を未来に伝えるためにある決意をする。
彼女の選んだ道は、やがて沢山の人たちの人生を左右する、大きなうねりとなっていく。
少女はいかようにして、未来へと送る光を生み出したのか。
英雄たちが去った後、遺された人々は、愛しい人のいないその後をいかに生きたのか。
自サイト『miniature garden』より転載、完結済。
改稿を予定しているために、更新は不定期となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-30 20:03:16
317553文字
会話率:30%
『私の恋は叶わない。平民が王子様を想っているのだから。せめて彼に一筋の光をーと願って生きていた。』
『幼い頃のたった一晩の出来事。それは僕にとって眩しい光だった。君と出逢えたから、僕はここまでこれた。』
小さい頃に母国の王子様に初恋した
平民の少女は、実は幼いころに拐われた敵国の王女様だということが明らかになった。
そして少女は故国に戻った先で、人質として送還されていた敵国の王子様と再会する。
二人は親密に接触し紆余曲折の末結ばれるが、二国間の戦争は始まってしまう。
二人に待ち受ける恋の結末はー。
たくさんのお気に入り登録ありがとうございます☺︎三幕構成、番外編含め全44話です。完結していますのでタイムリーに更新していきます!感想受け付けますがすみませんお手柔らかにお願いします。笑折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-09 19:59:23
141833文字
会話率:35%
--------また、綺麗な空を見に行こう。
何気ない、平凡な日常に差し込む一筋の光。
霞む空に浮かぶ雲を眺めながら日々を過ごす1人の男。
そんな彼に幸福と愛情を教えてくれた1人の女。
憂鬱な日常は、気が付けば幸せに変わっていた。
運命に
引き寄せられた2人の物語は、
突然始まり、突然終わっていく。
あなたは、愛する人との最期を考えることはできますか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-07 17:44:50
883文字
会話率:30%
ある日目が覚めると、一面真っ黒な世界に一人きりで眠っていた
まぁ、どうにかなるかと思い二度寝を決め込むも、世界は何も変わっていなかった
寝るのは諦めて、歩き出そうとすると
空から、一筋の光が降りてきた
その場に向かうと絶世の金髪幼女が
空から降りてきた
過去の自分のことを忘れてしまった主人公と自分の過去を巡る、異世界ファンタジーになっております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-22 21:29:04
7763文字
会話率:32%
建国の女王リュスティーナの死より658年。一時、世界の盟主となったリベルタであったが、度重なる特権階級たちの専横、横暴に耐え兼ね、暴発寸前であった。
そこに現れたのは一筋の光。聖剣カラドボルクを携えた勇者。幼馴染や妹と旅に出た彼は様々
な苦難を乗り越え、旅を続ける。
その旅路の途上、癒しの聖女、聖騎士と合流し、盗賊をも仲間にする。
弱きを助け強きを挫く。そんな勇者の元には知らず知らずのうちに人が集まり、暴発するはずだったエネルギーはひとつの流れを作る。
「打倒!リベルタ」
「女王を廃せよ!」
だが勇者の本質は……………。
勇者様、世界を救って!!by聖女
断る!!!!by勇者
兄さん、お願い。世界を助けて?by妹
オールおっけー!!by勇者
シスコンが……by聖騎士
……重度のシスコンであった。
これは後の世で救世の勇者と語られるシスコンとそれを取り巻くちょっと問題アリな仲間たちの物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-13 22:27:11
40981文字
会話率:53%
二〇二四年六月二十七日。
日本全国で同時多発的に発生した『とあること』が、日本の人口を大幅に減らした。
このことは後に、日本初の『異形』発生例、そして日本政府発足以来最大規模の国内事件として語り継がれていくこととなる。
この事件の首
謀者と見られる少年は、この事件の解決における立役者と言われている一人の科学者の手によって無事処刑された。しかし、この事件によって日本が負った痛手は大きく、首都東京陥落、体制の崩壊、四十七都道府県中四十三陥落、残留都市間の経路断裂等、多くの被害を日本は被った。いつ今残っている都市も崩壊するのかわからない、いつ自分の命が失われるのかもわからない……、そのような不安が生き残った日本人全員の心に重く深く覆いかぶさるようにのしかかり、生存日本人たちの心は限界に近かった……。
そこへ、立ち込める暗雲に一筋の光を差し込むがごとく台頭したのが、少年を倒した件の科学者。その科学者は、仲間を集め、壊れた体制を新しく作り直し、人々を包み守る巨大な防壁を県境に建設し、世の中全体の立て直しを行った。それは無事成功し、その科学者を人々は神の如く尊敬し、崇め奉り、科学者が欲するものならば何でも与え、それに応えるように科学者は人々に安寧をもたらしていった。
そこから八年後。
世の中は、落ち着きを見せていた。
この作品は「カクヨム、アルファポリス、pisiv、ツギクル、MAGNET MACROLINK」にも掲載しております。
作者Twitter URL: https://twitter.com/siraki_sora7
作者コメント:面白いと思ったら、応援してください!よろしくお願いします折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-19 17:27:26
57577文字
会話率:35%
「チュン、チュン、チュン、チュン」
鳥籠の中で鳴いている。
黒と、灰色の羽。白色の身体。ピンク色の嘴。
僕はその美しさに惚れて、2週間前、ペットショップで文鳥を買ってしまった。
毎朝起きると、鳥籠の黒いカバーを外す。すると、チュン、
チュン、と鳴きだす。
一人暮らしで恋人もいない僕にとって、文鳥の存在は大きかった。守るべきものができた、という感じだろうか。
可愛らしいものだ。鳥籠の中で、パタパタと羽ばたく姿を見ながら、僕はにやけてしまう。しばらく見て満足すると、朝ご飯を食べ、会社に行く支度をする。それが毎朝の習慣だ。
就職して3年目。そろそろ恋人でも欲しいな、と思っていたが、残念ながら恋人ができる気配はなかった。色々と試してみたけど、付き合いたいと思える人には出会わず、僕は恋人探しを諦めた。その代わり、文鳥を飼った。
文鳥は良い。面倒を見るだけで、癒される。それで不足を感じないのであれば、わざわざ恋人を作る必要なんてない。
「ね?」
「チュン、チュン、チュン、チュン」
―――ああ、そう思っていたのに。どうしていつもこうなるんだろう。諦めた、と思うと、途端に一筋の光が差してくることがある。
文鳥を飼うようになってから、餌を買うために定期的にペットショップに行くようになった。行くと言っても、2か月に1回程度だが、それでも、ペットショップにいる店員を覚えてしまい、その中の女性店員の一人と仲良くなってしまった。彼女は文鳥の飼育を担当していて、籠の中に何を入れたらいいか、とか、文鳥が元気ないときどうすればいいか、とかを教えてくれた。
その女性はスズさんと呼ばれていた。僕と同じ26歳だった。背が低く、少し太っていて、申し訳ないけど外見でハッと惹かれるようなところはなかった。でも話してみると気さくな人で、明るい人だった。
それで仲良くなって文鳥以外の話もするようになり、今度一緒にご飯でも、という話になった。そしていまや、毎日連絡を取り合うようになっている。これまで彼女ができたことなんてなかったから、本当に、毎日、にやにやが止まらない。携帯を見るたびに、彼女から連絡が来ていないかとメールを確かめてしまう。これも全て文鳥を飼ったおかげだ。恋のキューピッドだ。なんて素晴らしいんだろう。
「ほんと、お前には感謝しているよ」
「チュン、チュン、チュン、チュン」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-07 07:29:10
5948文字
会話率:52%