どこかの異世界、高原にそびえたつ、超巨大なアメジストの結晶。それを中心に、螺旋階段が下る様な形で、魔物が蔓延るダンジョンが存在した。
内臓の様に蠢き、毎日の様に姿を変える不思議なダンジョン。それはいつしか、冒険者達を通じて、アメジストの大ダ
ンジョンと呼ばれるようになった。
紫水晶の眼下に臨む様に存在するひとつの要塞都市。アメジストの街。冒険者達は、まだ見ぬダンジョンの最深部を目指して街に集う。
誰かの声がして、気が付けば、真っ暗闇にいた『俺』
長いこと時間が経ったある時、正気を取り戻した自分が居た場所は、アメジストのダンジョンに挑んだ、冒険者の盗賊の胸の上だった。
これは、貧困街生まれの姉御肌な盗賊『ミランダ』と、自称元人間の寄生鎧のコンビの成り上がりの冒険譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 10:38:22
1069481文字
会話率:38%
––––女の子だって冒険したい!
新米冒険者、ルビィ、シャトー、フェルネットの三人はパーティーを組んだばかり。
どんな冒険をしようかと胸を膨らませていたところへ、謎の女、マリーが現れます。
「––––ねぇ、あなた達。とぉってもイイ話があるん
だけど♪」
彼女が持ち掛けてきたのは、E・T・D––––エロトラップダンジョンの攻略。
その最奥には、何でも願いが叶うアイテムがあるとかないとか。条件はただ一つ、最後までヴァージンのまま踏破する、『処クリ』のみ。
「あら、危なくない冒険なんて、どこにもないものよ♪それとも、怖いのかしら?」
マリーの発した言葉にカッとなったルビィは、その場の勢いでE・T・Dへの挑戦を決意してしまいます。
ところがこのパーティーには問題が……
リーダーで剣士のルビィは、普通の剣や鎧も身に着けられないほどに腕力がなく。
魔法剣士のシャトーは、十回に一度成功するかどうかというほどに魔法のセンスがなく。
魔術師であるフェルネットに至っては、基本、拳と蹴りで解決しようとする脳筋魔術師。
果して、この三人の冒険は無事に成功するのでしょうか?
基本ドタバタ、時にはマジメなダンジョンアタックが、今、幕を開けます!
(注:これは『紳士向け』ではない、健全版である)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 07:57:45
248930文字
会話率:55%
現代で日本の何処かに日々、転生する者がいる。
そして、とある東京にて一人の冴えない男性が不運にも、事故死する…。どこでも見かける転生野郎だろう。その転生先は…。魔物かー?。人外かー?。
はたまた美少女かー?。それとも勇者かー?。
彼が
目を覚ました先は……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-03 16:28:14
29225文字
会話率:25%
これは一種のセルフラベリングであり、自嘲の盾であり、
同時に現代の仮面舞踏会における“匿名性の鎧”でもある。
そんなチー牛、つまり
「地味で根暗でモテないけど、内心めちゃくちゃ繊細で考えすぎてる男」たちへ贈る、
ちょっと痛い、でもやたらエ
モい自画像折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-02 11:31:34
514文字
会話率:0%
西暦2370年――人類は異次元から現れる謎の機械兵器「械獣」の脅威に晒されていた。
通常兵器が効かない械獣に対抗できるのは、人を超える機械の装甲「アームズ」のみ。
アームズを纏って戦う「装者」の活躍により、人類は束の間の平穏を取り戻しつつあ
った。
装者の一人である神代唯|(20歳独身女)は、ある日強大な力を振りかざす格上械獣と遭遇。
絶対絶命の窮地で死を覚悟したその時、雷鳴と共に機械大剣を振り回すドラゴンお嬢様・覇龍院嶺華が降臨する。
唯我独尊系、近未来アーマード百合SF。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 23:26:52
420743文字
会話率:32%
/古代の予言書に、魔王を倒す勇者と予言されている聖騎士・イーヴァン・ホー。「この戦いが終わったら結婚しよう──」恋人である聖女ロクサリアにそう言った彼はいま、ロクサリアの胸に抱かれながら息を引き取ろうとしていた。
/イーヴァンの全身を包む神
の祝福を受けた鎧を打ち破り、聖騎士の体を槍で貫いた魔王がロクサリアに言う。「我が妻になれば、お前の命は助けてやろう」と。しばしの逡巡の後、聖女は頷いた。生きるために。固い決意を込めて。
/イーヴァンが物言わぬ骸となり、魔王の妻となって妊娠したロクサリアが赤子を産み落としたその後。若き騎士見習いセドリックは、顔も性格も違う”弟”と共に、騎士叙勲の資格を得るための試練の旅に出ていた。竜との戦いに赴いて帰ってこなかった聖騎士の遺品を探すその旅の途上で、セドリックは暴虐な王子やライバルの騎士、心優しい行商人の娘と出会う。そして竜が棲むという”黒い森”の中で、セドリックは美しい森の乙女と運命の出会いを果たした。だが、憂いを帯びた顔で彼女はセドリックに言う。「自分は、魔王の娘」なのだと。
やがて森に住む魔女によって明かされるセドリックの出自の秘密。
イーヴァンが魔王を滅ぼすという予言は正しかった。魔王の妻となって子供を産んだ聖女は──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 17:27:09
134731文字
会話率:27%
真胴《まとう》と呼ばれる巨大な鎧人形が戦いあう不二の国。紅城の真胴者、天野泰輝は隣国である蒼司との戦闘中危機におちいったところで、唐突に少女の声を聴く。レディという名の声に「体を貸すのであれば現状を打開してあげる」と提案された泰輝がそれを受
け入れるとそこには髪を七色に染め分けた少女が現れた。
この作品はカクヨム・ノベルアッププラスにも投稿しています。
何事もない限り毎週月曜、十四時更新予定です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-30 17:00:00
117789文字
会話率:69%
大陸暦一三五八年、かつて『魔の島』と呼ばれた国で、小さな異変が起きる。
海が荒れ、猟奇的な事件は発生し、失われた占術に謎めいた遺跡の壁画―
時を繋ぐ門は未来からの来訪者を招き、古の記憶へと少女を導く。
黒き鎧の英雄に隠された真実、魔の島
を統べる者の信奉者、そして滅びの未来。
明かされる秘密と、それが救うものとは。
※本作は『ノベルアッププラス』様とのマルチ投稿となっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-27 21:00:00
326053文字
会話率:64%
※この作品は一応「主人公最強」という最近多いジャンルのものとなります。またキーワードに「異世界転生」がありますが、完全な記憶を持ったまま異世界転生した人物は1人も登場いたしません。ご了承を。
異世界の知識と、この世界に元々あった錬金術
そ
して武器の姿をした精霊の力を合わせて誕生した
人によって生み出された、人の姿をした巨人
人々を魔獣の脅威から守るため誕生した巨大な鎧「メイル」
それはいつしか、人同士の争いにも使われるようになった
そんな世界にある一つの大陸に、巨大な組織があった
人々の様々な依頼を受けて活動する者たちを支える組織
異世界の知識より、その組織に所属する者たちを「バウンサー」と呼ぶようになった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 16:40:43
316499文字
会話率:38%
この世に生まれた人間は、例外なく神から『聖剣』と呼ばれる神剣を与えられる。
傭兵出身のユランは聖剣の中で最も位の低い『下級聖剣』を与えられたが、努力の甲斐あって高い実力を持つ戦士へと成長していた。
聖剣の位は下から『下級聖剣』『貴級聖
剣』『皇級聖剣』『神級聖剣』とあり、聖剣を扱うためには『抜剣術』と呼ばれる特別な技術が必要だった。
抜剣術にはレベルが1〜10まで存在し、レベルが高いほど聖剣から与えられる加護も高くなる。
ユランは、下級聖剣ながらも、人類で誰も成し得たことのないレベル10の抜剣に成功していた。
その功績が認められ、人類最強と呼ばれる『神級聖剣』の聖剣士『シリウス・リアーネ』の隊に配属され、『鎧の魔王』討伐の任を受けることとなった。
魔王を討伐すれば、多額の報酬が約束される。
「最強のシリウスがいれば魔王討伐も容易い」
などと安易に考えていたユランだったが、実際に戦った『鎧の魔王』の力は強大で、シリウスの神級聖剣の力を持ってしても、手も足も出ずに敗れてしまった。
最後に残ったユランはレベル10の抜剣を発動し、挑むが、敗北。
ユランは薄れゆく意識の中で、過去にあった事を思い出していた。
魔族に滅ぼされた故郷のことを……。
全てはその時から始まった。
自分に力があれば……。
やり直す事ができるなら……。
気がつけば、ユランは10歳、聖剣が与えられる瞬間に回帰していた。
ユランは与えられたチャンスを活かし、過去を変える為奮闘するのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 15:14:15
609188文字
会話率:27%
剣雨———それは文字通り、空から剣が降り注ぐ災害。原因不明のそれは自然災害として認知され、人々は日々、襲い来る剣に怯えながら過ごしていた。
脅威はもうひとつ。剣雨の発生と共に地球に姿を現した人型の怪物、通称、刃異人。未知の鉱石で構成され
た禍々しい鎧を身にまとう彼らは地球を侵攻し、着実にその領土を広げていた。
彼らに対抗し得るのは、星の輝きを宿した剣を持つ剣士だけ。そんな都市伝説が囁かれる世界で、ついに大規模な剣雨———”流星の夜”が訪れる。
大都市東都陥落の危機に、誰しもが明日に絶望していた……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-24 12:00:00
201947文字
会話率:61%
険しい山間を二人の女性が下りてゆく、一人は赤毛の猫の獣人の女の子で全身毛むくじゃらだ、踊り子の格好をしているが両手にゴツいクローを着けている、一人は聖職者の制服に鎧をつけた女性、腰には聖職者のマークが描かれたブロードソードを差している。2人
は長い旅をしていて疲れ切った面持ちをしている、その時山の上の木先から小さな龍が飛び立ち少女が振り返るが女性はそのまま歩き続けている、そよそよと木々が鳴っている
少女アルテナは手を顔の横で振りおどけた顔をしていた、女性ジャンヌは手を口に当て小さく笑った折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-23 21:39:58
10313文字
会話率:75%
ん?配信者はちゃんと攻略しないのか?楽しいのに。
栃木から東京に引っ越して来た探索者「461(ヨロイ)さん」。彼は元引きこもりながら12年間の経歴を持つベテランダンジョン探索者。
ウッキウキで東京のダンジョンに挑む461さん。
たまた
ま居合わせた美少女配信者によってボス戦を配信されてしまった461さん。
有名配信者に意図せず実力差を見せ付けてしまう461さん。
スキルゴリ押しダンジョン配信者が溢れ返った世界では、彼の堅実な攻略スキルは異次元級のチート能力に映り、思わぬ所でバズり散らしてしまうのだった。
その日から、彼の元には次々とダンジョン配信者達が現れて……。
これは堅実ダンジョン攻略をする461さんがバズり散らし、世界中を魅了していく物語である。
※同タイトルをカクヨムでも連載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 18:10:00
1061412文字
会話率:43%
熱海 憧(あたみ しょう)は主人公(ヒーロー)に憧れていた。
怪人を倒す仮面のヒーローは良い。
怪獣を倒す巨人のヒーローも良い。
剣を片手に鎧を纏い、魔物を倒す王道のヒーローなんて格別だ。
時に闘い、時に救い、時に助けた美少
女に好かれて、悪に挫け、道に迷い、意義に嘆き……
それでも前へ未来へ邁進する、そんな王道を往く主人公(ヒーロー)に、ショウは憧れていた。
けれど彼の一度目の人生は、輝かしい未来を歩む事なく幕を下ろした。
「今回の手違い、誠に申し訳ありませんでした」
「お詫びとして、次なる生は貴方が望む世界に。はい。え、はい……はい?」
「ええと、とりあえずヒーローになりたい、ですか?はぁ……変わった考えをお持ちですね」
「分かりました。では、貴方が次に生きる世界ではそのように、はい」
「では、逝ってらっしゃいませ」
「ふぅ。一時はどうなることかと……んぇ? なんですか。え、彼が言ってたのはヒイロという名前のキャラクターじゃなくて、ヒーロー。つまりは主人公だと?」
「…………え、うそ。彼の次の人生、主人公どころか、悪人寄りのモブキャラなんですがそれは。どどど、どうしましょう……」
これは、俗に言う"鬱ゲー"と呼ばれた、とある剣と魔法のコマンド式RPGの世界にて。
噛ませ犬貴族の取り巻きキャラクターに憑依しながらも自分を主人公と思い込んだ精神異常モブキャラが「でも俺主人公だから何とかなる!」の精神で、悪役故の周囲の低評価やら鬱展開やら黒幕の思惑やらを無自覚にお構いなしにぶち壊していく物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 21:58:52
490119文字
会話率:40%
カニはとても文学的な生き物だ。あの濃厚な旨味の詰まった中身を、鎧のようなトゲで覆っている様は、何かしら大切な秘密を守っているかのようだ。主人公男性はカニが大の好物なのだが、ヴィーガンの異世界から来た彼女はカニを食べることに難色を示す。果たし
て愛する人は自分の好物を好きになってくれるのだろうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 06:59:25
4109文字
会話率:50%
身体醜形障害、愛着障害、躁うつ病、境界線パーソナリティ障害等...。
カエデは様々な問題を抱えながら、風俗嬢として心と体を削るように生きていた。
唯一の救いは、女性講習講師・リサ。
その優しさに支えられながらも、カエデは限界を迎え、風俗を
卒業する。
学歴は中卒。多額の借金。卒業後の人生設計は何もない。自暴自棄で身体も心もすり減った状態。
「ほんなら、あんたも店員やってみぃや」
リサの一言がきっかけで、カエデは風俗店員として新たな道を歩み始めた。
最初は売上だけがすべてで、プレイヤーの女の子たちのことなんて見えていなかった。
でも、店長になって初めて――カエデは彼女たちと向き合おうとし始める。
魂が抜けたように働く子、誰かにすがらなければ生きられない子、助けてと言えない子たち。
かつての自分と重なる姿に、カエデは少しずつ光を届けていく。
いつかは自分の鎧も脱ぎ捨てられるように。
そう願いながら、今日も彼女は“風俗”という場所で、誰かの明日を支え続ける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 20:03:10
4126文字
会話率:43%
真由美は葛藤していた。『普遍』を鎧とし生きてきたはずなのに。関わるものは去っていき、与えたものだけ奪われる。愛しい娘に衣を着せることが母の役目と今日も誰かが言っていた。そうだ、私は、私は娘を。
最終更新:2025-05-16 19:00:17
305文字
会話率:0%
ある日、ナズナに届いた謎めいた封書。
差出人は──「鎧を纏いし者」。
その挑戦は、一騎打ち。報酬は、幻の剣《ラズナリア》。
戦場は、美術館。
相手は誇り高き騎士。
だがナズナは、力ではなく知恵と設計でその一太刀に挑む。
最終更新:2025-05-16 11:15:46
1374文字
会話率:5%
この作品には暴力、殺人、ごく軽微な性的描写や乱暴な言葉があります。
この作品の楽しみ方:
覚えのない話をしてくる人が多くてげんなりする主人公を応援しよう!
「式典の前に、諸君には伝えておくべきことがある!」
彫刻が施された壮麗な大階段
の中程に立ち、そう声高に言い放ったのは王太子フィアベル・ルミナント・アントピア。客観的に見ても「美しい」と評価される金髪青眼の彼は王族らしい煌びやかな式典服を纏っている。
そんな美青年に身を寄せているのは垢抜けない赤毛と栗色の瞳をした少女。無垢さや純朴さを引き立たせる淡い色合いのドレスに身を包む彼女はシーナ・ヨーギという名前の元庶民だった。
「私は今この時を以て、狡猾で陰湿な悪女、クロエカイン・リリーベル・ヘルロンドとの婚約を破棄する! そしてこのシーナ・ヨーギ男爵令嬢を新たな婚約者に迎える!」
「悪女」と名指しされたクロエカイン・リリーベル・ヘルロンドが、色めく人集りから現れた。
大階段の前へと進み出るリリーベルは、星の輝きに似た白金の髪、紅玉の瞳を持つ美しい淑女だった。
「フィアベル王太子殿下。この件については殿下と私の個人的なものであったはずです。何故このような場で、そのように一方的に決定を下されるのですか?」
ルミナントはシーナを庇いながら婚約者を睨みつけた。
「貴様の悪行を俺が知らぬと思っているのか! 貴様は嫉妬のあまり我が愛するシーナを虐げ、孤立するように追い込んだ! こうして悪行を知らしめねば貴様は罰を受けずに逃げるだろう! 王族に楯突くあの目障りな断罪卿に泣きついてな!」
断罪卿、という言葉を聞いてリリーベルは顔色を変える。
「フィアベル王太子殿下、婚約破棄については受け入れます。ですが謂れなき罪と当家への蔑みは撤回してください」
「王家を軽んじる断罪卿の義娘は罪を認めぬらしい! 貴様など貴族の風上にも置けぬ! 国外追放だ!」
怒りのままに王太子がそう叫んだ時、閉ざされていた大扉がけたたましく軋みながら開いた。
「今し方、我が家名を蔑む声と何の根拠もない裁定を下す声が聞こえた。はて、私には覚えがない。蔑みを受ける理由も、何の権限もなく貴族子女を罰する愚かな王太子がいることにも」
天井から降り注ぐシャンデリアの光が反射しないほど黒い板金鎧を鳴らしながら、背の高い影のような存在は嗄れた低い声で言った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 07:00:00
110310文字
会話率:36%
七柱の天使が支配する世界。その一つが反転し、堕ちた。
突如として異界から現れた12の騎士。人は天使より神に愛されている。なのになぜ、天使は我々より格上なのだ。それに対して疑問を感じ、嫉妬の感情を露わにした聖騎士長は天使の陥落をかかげる。魔法
が薄れつつある神秘の世界で、神の御加護は天使を滅する絶好の切り札だった。他の12の騎士たちも騎士長の意見に賛同し、天使の世界を滅亡させようと企む。なぜなら奴らを殺せば神は我々にさらなる力を与えなさると考えたから。しかし末席であった少女は神を信じる者として神自身が天使に任せた世界を侵略するなどということに賛同しなかった。結果、円卓を追放されてしまう。
そのため彼女は彼らより先にこの世界へと来て危機を知らせようとした。しかし、圧倒的な力はすでに第一の国「炎」のヒューハを滅ぼしていた。
天使の加護を失った国は誰に守られることもない。民を失った土地はもうすでに国ではないのだから。事件の首謀者は自らを「異界の使徒」と名乗り、その土地に新たに「ゾルド」という国を築き上げる。
失意の中それでもあきらめることのできなかった少女が、民を失った国で一人走り続けていた。彼女の名はソフィー。彼女は鎧も、何もかもを捨てて命であるその剣だけを抱えひたすらに走っていた。人を畏怖させるあの眼に見られている。そう思うと逃げる足を止めることはできない。
体力もつき、もう歩けなくなり木にもたれていたところ、彼女は二人の騎士に出会うこととなる。ライナとボート。それが彼女がこの世界で初めて出会った人だった。
天使に仕える二人はヒューハの滅亡を知り、異界の使徒を倒すために彼らは国に帰る準備を進める。私はこの世界を救いたい。決して滅ぼされるべきじゃないと彼女は考えていた。だからソフィーは二人に声を掛ける。
「私にも、この世界を救わせてもらえませんか」
これは、異界の使徒と天使。そしてある小さな騎士の戦いの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 01:00:00
45995文字
会話率:49%