あるところに嫌われものの神がいた。
それは災厄を司る厄神で、とても美しく、とても残酷で、そしていつも独りぼっちだった。
構うのは心優しい梟の神だけ。
ある時、嫌われものの厄神は白い髪というだけで村中から忌み嫌われている盲目の少女に出会う
。厄神の美しさが見えない少女は、厄神を人だと思い込み、何の畏れも抱かずに懐いていく。
初めて懐かれた嫌われものの厄神は、生まれて初めて自分以外の存在を愛でた。まるで親鳥のように転べば抱き抱え、風邪をひけば腕に抱えて温めてて、不器用ながらに自ら作ったものを食べさせる。それはそれは大切に慈しんだ。
梟の神は喜んだ。
人を愛でる心を持った厄神の成長を、孤独でなくなった厄神の幸せを。
しかし、嫌われもの同士の幸せも長くは続かずーーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-08 02:08:35
15132文字
会話率:40%
これは夜明けの物語。今ここから旅立とう――
エルディネ王国の北端、ルーベン辺境伯領にそびえ立つ黒い塔に住む錬金術師ナサニエルは、ある日塔の裏手の森で光の精霊に育てられた白い髪の幼子を拾う。その国では白髪の子は呪い持ちとして捨て子となる
運命にあったが、稀に精霊がその子を拾い上げて育てることがあった。かつて愛した人の言葉を思い出し、その子を育てることにしたナサニエルは、光を意味するレイリアと名付けてリアと呼ぶようになった。
魔法と錬金術の研究に明け暮れて独り塔の中で孤独に過ごし、子育てどころか人とあまり触れ合うことなく生きてきたナサニエルにとっては、何もかもが初めてで大変な日々。それでもリアとの触れ合いの中で少しずつ表情を取り戻し、家族や愛、生の実感、拾い上げた初めての感情を一つずつ理解し始める――
精霊の祝福によって動物の心が分かるリアは、ダイアウルフやイヌワシを始めとする森の生き物に囲まれ、自然の論理に従って育っていく。世界とズレて生きるナサニエルとリアは、森と塔と言う広く平和な箱庭から、外の世界へとやがて踏み出し道を分かつその時を、覚悟しながらゆっくりと寄り添い歩いていく。
不器用な父娘は出会いと別れを繰り返し、寂しさと温もりを抱えて、今日もその塔で生きている。
注)本作品は別筆名にて掲載されたものとその続きです。火曜日 朝7時更新。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-19 07:00:00
581112文字
会話率:36%
公国メトラでは支配権はほとんど国教メトロンの聖女に委ねられていた。この世界では、魔法よりも秀でた治癒と守護を行える神聖力が、何よりも貴重だった。聖女は神聖力と白い髪を持って生まれる。
現在の聖女はリエルス・フェルアス。神聖力のうち、治癒力に
優れている。そのため、守護力が少なくても十分に国を守護できるのだった。もっとも、聖女リエルスは神聖力の他にも多数の魔法を扱える、歴代最高とまで謳われる人物であった。
そんなリエルスは近頃、貴族から縁談話が持ち掛けられていた。一度会うと必ず悪いことをする貴族。縁談はいかに…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-15 16:26:37
2421文字
会話率:41%
オルステット公爵家のアミティは白い髪と金の目を持つ色のない不吉な見た目の子供として、家族から疎外されて生きてきた。
ある日、戦場の死神と恐れられているシュラウド・ハイルロジア辺境伯から妻に娶りたいとの打診が来る。
父に言われるまま辺境伯家に
送られるアミティだが、本当は妹のシェイリスを望まれていたのだと知る。
オルステット公爵は、いらない方の娘を取り違えたふりをして辺境伯に渡そうとしたのである。
すぐに公爵家に戻ろうとしたアミティだが、シュラウドに引き止められる。
妻という立場でいてくれたら何をしても構わないと契約を持ちかけるシュラウドは、アミティにまるで興味がないように見えた。
けれど、共に暮らすうちに、徐々に心を通わせて、シュラウドはアミティを大切にしてくれるようになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-10 22:49:07
144410文字
会話率:36%
『桃』でも『浦島』でも『金』でもない、ただの太郎が、異世界を救う物語。
普通の高校生『多田野太郎』は、ある日白い髪の少女と出会う。太郎の事を『勇者』と呼ぶ少女は、自分の国を救って欲しいと太郎に頼み込む。
なんとか力になりたいと、太郎は少女に
ついていくが、物語は思わぬ方向に進んでいった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-15 22:50:03
544926文字
会話率:41%
平安末期から鎌倉時代初期の話
うっすらと金の入った白い髪に白い肌、青い瞳を持つ琵琶弾きの少女菖蒲は奇妙な運命の元に生きる
最終更新:2023-11-03 17:25:18
15849文字
会話率:66%
危篤状態のダークエリファのセリナを、心配そうに看病しているレイモンドが居た。
レイモンドはセリナに死なないで欲しいと叶わないお願いをするけど、セリナにはその要望に応える力は残っていなかった。
なす術がなくなったレイモンドは、最後の希望、
頼みの綱で神にすがることにした。
そんな奇跡に頼ったところで、セリナが病から回復するなんてことはない。
と思っていたところ、なんと、本当に助けが来たのだ。
レイモンドたちの前に現れた存在は、神と呼ばれているらしい存在で、プロフィティアと名乗った。
プロフィティアは条件を一つ引き受けてくれたら、セリナを元気な状態にしてあげると交渉する。
その条件とは、レイモンドが“魔王”の称号を授かることだ。
魔王とは何なのかと、レイモンドはプロフィティアに尋ねるが、魔王の称号に深い意味はないと返事が返ってくる。
プロフィティアの言葉に納得し、とにかくセリナを救いたい思いが強いレイモンドは即断で条件を引き受けることにした。
すると、レイモンドの体に異変が起きる。
頭髪が白く染まり、左目が紅くなってしまったのだ。
しかし、セリナが元気になるならそんなことは些細な事。
プロフィティアは便利な槍と新しい住居を提供し、その場を去っていく。
セリナは助けてくれたレイモンドを。
レイモンドは愛しのセリナの元気な姿を再び見れて、互いに抱きしめ合うのだった。
それから1年後。
突然、穏やかに暮らしていたセリナたちの家の玄関が魔法による爆発で破壊される。
出来上がった家の大穴から、3人の知らない人物が家の中に入ってくる。
エリファの女性、フィオナ。ヒューマーの男性、レオ。ヒューマーの女性ユリア。
フィオナはレイモンドに告げる。
「魔王、お前を倒しに来た! 世界を平和に戻せ!」
意味も分からず、理不尽にレイモンドはフィオナたちに攻撃を仕掛けられていく。
レイモンドは何もしていないと否定して、なんとか彼女たちの敵意を鎮めようと試みる。
セリナもフィオナたちがなにか間違っていないか説得してみる。
しかし、レイモンドの白い髪形、紅い左目を確認すると、フィオナたちは緊張感を漂わせる。
フィオナとレオ、ユリアと攻防を繰り広げ、レイモンドは身体を硬直させ隙を見せる。
レイモンドの危機に、セリナは身を挺して彼を守ろうとするのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-30 12:29:40
6757文字
会話率:52%
警視庁特殊部隊に所属する、山田創太は、銀行強盗から子供を守り、死んでしまう。すると、目に入ったのは真っ白な世界。そこで神達にあった創太は、神達から能力を三つもらって異世界に行くことを提案される。その提案を吞んだ創太は、能力「暴食」と「英知」
、そして「創造」を手に入れ、白い髪に青い目をした10歳ぐらいの男の子、ソウとして異世界、エグジムで暮らすことになる。前世の記憶と想像力を駆使して、軽くて適当な神達に振り回されながらも、仲間たちと冒険していく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-17 16:00:00
22978文字
会話率:34%
中学2年生となる少年、千晶は不慮の事故で両親を亡くしてしまう。
自らの目の前で。自らも脚に傷を負い、何とか生き延びたものの心に大きな傷を負ってしまった。
たった一人残された子。茫然自失とした人生。自らも後を負いかねないほど深い傷跡。
しか
しそんな彼にもたったひとつの生きる希望が残されていた。
それこそ亡くなった父が残した呪術本。
日常の殆どのものが科学で説明がつくようになってしまった現代。それでも藁にすがる気持ちで呪術本にしがみついた。
読めない文字。頼れるのは父の残した注釈だけ。それでも半年に及ぶ努力の末、なんとか本の解読に成功した。
年はいつの間にか中学3年になり、夏が近づいた入り口の時期。
ついに千晶は呪術を行使する。禁忌だろうが何だって構わない。ただ父と母に会うために。
また2人に会うための、2人の言葉を聞くためだけに行使された呪術は――――成功を収め、失敗におわった。
召喚……ないし復活したことは彼の呪術が"成功"した証だろう。しかしその対象が父や母ではないという"失敗"に目をつぶれば。
彼が呼び出してしまったのは見知らぬ少女。
長い長い髪。自らの背丈をも越える長くて白い髪に、すべてを見透かすような碧い瞳。
呼び出した彼女もまた、様子がおかしかった。呼び出した千晶のことを『神』や『まじない師』と呼び、家にある様々なものに驚いたりする少女。
それはおおよそ現代人の反応とはかけ離れたものだった。彼女は一体何処から来て、何があって千晶と出会うことになったのか――――
そして更にまた別の困難が千晶を襲う。
突然現れた白い少女に危機感を覚えた幼馴染、瑠夏の存在だ。これまで家族同然の付き合いだったに彼女は対抗心を覚え、少女に負けじと攻勢を仕掛けてくる。
これより少年、千晶は試される。
親を亡くし呼び出してしまった白い少女、そして幼馴染である瑠夏と何を成し、どんな選択をするのかを――――
・重いのは一話だけ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-15 18:00:00
55871文字
会話率:33%
冒険家シェスタは、と化した王国で一人の少女を拾う。
その少女は灰のような白い髪をして、ただ一人王国に取り残されていた。
彼女は取り残された少女に魔法を教え、彼女を魔王に育て上げる。
主人公が魔王を育てる、異質な作品。
最後に彼女は、何になる
のか…最後までお確かめください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-14 16:09:21
35588文字
会話率:42%
卑屈なフリーターの青年、銅波。
彼は目を覚ますと、見知らぬ家のリビングにいた。
そこで青白い髪の美女ミンと出会う。
ミンは銅波にこう問うた。
「あなたは幸せですか?」
生きる意味を見いだせない男と変わり者の美女による
奇妙な同棲生活がを描
いた、ほろにがラブコメディ。
タイトルは「イクストラクト」と読みます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-01 23:13:13
12865文字
会話率:22%
父と二人で宇宙を旅するチイは、一日で立派に育つヒマワリの畑が広がる星へと降り立った。チイはそこで白い髪の不思議な少年に出会う……。童話風短編SF。
最終更新:2023-09-23 22:10:54
4987文字
会話率:51%
ごく普通の高校生、紅 新汰。(くれない あらた)
そんな彼に訪れる数々の非日常。
すれ違う白い髪の男。
影世界と呼ばれる空間。
新たな仲間との出会い。
"我心剣"の発現。
世界の消失。
僕は、僕を殺す。
最終更新:2023-08-25 09:00:00
2083文字
会話率:28%
少年はある日、森で白猫を拾った。
少年は他の村人と違い、髪の色が真っ白だった。そんな少年はその猫に妙な親近感が湧き、家で飼うことにした。
少年は幸せな生活を送るも、唯一の家族が亡くなり、たった一人の友人も遠い所へと行ってしまう。さ
らには大切な家族として一緒に過ごしていた白猫もどこかへ行ってしまった。
さらには村が魔獣に襲われ、村人からは見捨てられてしまう。
魔物が迫り、死を覚悟した瞬間。少年の目の前に白い髪をした少女が現れる。
え、昔助けた白猫がSランクの魔獣だったって......嘘でしょ?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-22 23:52:10
12841文字
会話率:59%
「老婆のような真っ白い髪に、成金らしく卑しい金の瞳。こんな薄気味悪い女は見たことがないぞ」
成金子爵令嬢リーティア・アルブムは十年前、初めて招待された貴族のお茶会で、この国の王子アンドリューに暴言を吐かれた。それ以来どこへ行っても容姿を理
由に女からは嘲笑われ、男からは怯えられ、誰ともまともな関係を築けなかったリーティア。唯一話しかけてくるのは、リーティアを一番に嫌っているはずの王子のみ。しかしそれも、醜いリーティアが調子に乗らないよう釘を刺しているだけのようで……。そんな嫌われ者のリーティアが愛されて幸せになるまでの話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-15 18:03:13
110435文字
会話率:51%
『やっと、飢えに怯えることのない生活がはじまったのに……目立ちたくないからやめてよ……本当……はぁ……』
真っ白な髪を持つ林王朝の公女『林紅玉』
彼女はある日、反乱によって全てを奪われ後宮を焼け出された。
それから五年――
名前を『紅林』
と変え身分を偽り、ただの民として生きていた彼女が突如後宮へと戻ることに。
この国で白い髪は『狐憑き』と呼ばれ、不吉の象徴とされている。
そして、それを表わすかのように後宮に戻った紅林の周りで様々な問題が勃発する。
しかし元公女であり、後宮事情には誰よりも詳しい紅林にとって、後宮問題など赤子の手をひねるようなもの。
さらりと次々に問題を解決したり、回避したりして何とか目立たずに過ごそうとする。
が、うまくはいかない。
妃嬪たちだけでなく、とある衛兵にも目を付けられる始末。
しかもその衛兵の正体は、紅玉を後宮から追い出した張本人、冷帝『関玿』であった。
二人は互いの本当の身分を知らぬまま惹かれ合っていく。
誰よりも後宮に精通している紅林は、目立ちたくないのに嫌でも表舞台へと引っ張り出されていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-06 16:51:16
107204文字
会話率:40%
ミシェラは生贄として育てられている。
彼女が生まれた時から白い髪をしているという理由だけで。
多量の魔力を持つ印の白い髪は、竜神様を鎮めるための生贄。
彼女の住む小さな村では、そう信じられている。
生贄であるミシェラは、同じ人間として扱
われず虐げ続けられてきた。
ミシェラが持つ多量の魔力は利用され、便利な道具として使われる。
繰り返される苦痛の生活の中でミシェラは、次第に生贄になる時を心待ちにするようになった。
そんな時ミシェラが出会ったのは、村では竜神様と呼ばれるドラゴンの調査に来た魔術師団長だった。
生贄として育てられたミシェラが、魔術師団長に愛され、自分の生い立ちと決別するお話。
※完結まで書き終わっていますので、毎日投稿予定です!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-20 10:36:40
101996文字
会話率:38%
「この世界はわたくしに優しくありません。それでも……自分の納得する人生を掴み取ってやるんですから!」
騎士を数多く輩出する部の領地、オルブライト伯爵家の箱入り娘、リジェットはこの世界で最弱の魔力量を表す、白い髪の女の子。この世界で生活
するために当たり前のように使う“魔力“はほぼゼロに等しいので、身の回りの家事すら行うことができない。
しかし、彼女の夢は夢は父や兄のように『国家の騎士団・王家の剣』に入隊すること。
全く納得いかない前世を歩んだ記憶を持つ彼女。今世では自分の思う通りに生きたい、それが唯一の彼女の願いだ。
何かを得るためには、何かを失わなければならない世界だけど、いつだって自分の未来を決めるのは、自分自身!
これは白い髪、赤い目をした、まるで兎みたいな諦めない女の子の取捨選択を追う物語。
他サイトにも投稿しています
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-15 16:15:32
909056文字
会話率:40%
白い髪が黒い髪を残酷に支配すること四百年。限界はすぐそこまでやって来ていた。黒い髪の反乱が頻発し、白い髪らが鎮座する宮廷は、反乱を鎮めるため「最も有能な黒い髪」を宮廷に召喚した。
白い髪の王子は宮廷に突如現れた、規格外に美しく賢く強く、屈し
ない姿勢の黒い髪の軍人に憧れを抱くが、それは悲劇の始まりだった。
※BLというほどでもないのですが、一部分に表現が入るためBLと表記しました。
※この作品は2005年に作成され95%がそのままですので、文章が荒いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-28 22:23:29
50371文字
会話率:31%
茶色の髪、茶色の目が普通の世界で、リンファスは白い髪の毛、紫の瞳で生まれた所為で悪魔の子と呼ばれ、村で虐げられていた。
そこへ王都からの遣いが来る。曰く、リンファスは女神に寄進するための愛の花を咲かせる『花乙女』で、国が保護するのだと。
育
ててもらった父親に恩返しができていなかったリンファスは、手切れ金の代わりに王都へ行くことを決意する。
召し上げられた王都で様々な人と関わり合いながら、自身の感情を育てるリンファス。
リンファスに花は咲き、愛されることが出来るのかーーーー!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-20 22:00:00
166954文字
会話率:29%