どうして朝は来るのだろう。
特に月曜日の朝。
5分間SFです。
5分間SFといいつつ多分7分くらいあります。
以下雑文
『薄翅蜉蝣』
「そろそろ、仕事を探してください」
「ふむふむ、なるほど。まあわたしは働いていない訳ではないが、君
の顔を立てるため、一応その意見を聞いておこう」
二人で住むにはそこそこ狭い家。
一人分のコーヒーカップからは、淹れたばかりのコーヒーの湯気が立ち上っている。
「この家の家賃を払っているのは私です」
「うむ、その点に関しては大いに感謝している」
私は小さく頷き、コーヒーを口に運ぶ。
カップの縁から立ち上るアロマが、私の鼻腔をくすぐった。
「ちなみにそのコーヒーを買ったのも私です」
「あ、ありがとうございます」
「いえ、それは別に。いえ、そういうことではなく。いえ、そういうことなのですが」
「どういうことなのかな」
「家賃から食費などの生活費、ひいては娯楽費に至るまで、終(つい)さんの生活費は私の賃金で賄われています」
「とても感謝しています」
「はい。感謝してくださるのは結構なのですが、正直しんどいです。二人分の生活費を私個人の収入でやりくりするという経済的な面でもそうですが、同居人が就学も就労も労働訓練もせず、家でただただゴロゴロしているだけという有様を毎日見せつけられるのは精神的にしんどいですね」
「それはほら、惚れた弱みとかそういうので何とかならないかな」
私は目の前の少女、結(ゆい)からふいと目を逸らす。
「馬鹿なことを言わないでください。仮に惚れた弱み、というものが終さんに対して存在していたとしても、私は私の好きな人がこんな体たらくであることを許せません。私がいなくなったらどうするんですか」
「結ちゃんはいなくなったりしないでしょ」
「それはわかりませんよ。何事にも絶対はないのです」
詰は至って真面目な顔で言う。
冗談を一切受け付けないタイプ、というわけでもないのだが、委員長気質というか。こういうところは変に真面目な人間だった。
「絶対に絶対ない?」
「絶対に、絶対…? とまあ、それはいいです。ということで終さんには自立活動のための活動の一環として、就職活動をしていただきたいと思いまして」
「いや、わたしだって何もしてない訳じゃないんだよ?」
(続かない)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-04 22:10:37
3580文字
会話率:19%
みっつにわかれた物語はそれぞれ年齢も環境も異なります。
そこに異なる優しさを注いでみました。
立ち上る湯気の暖かさを受け取って頂けたら幸いです。
最終更新:2019-08-13 14:47:19
440文字
会話率:0%
夏休みを1週間前に迫ったある日。神宮寺夬人(16歳)は、愛犬·バウの散歩途中、無謀運転をする高齢者に跳ね飛ばされ、呆気なくこの世を去った。バウと共に···。アーメン···。
目が覚めたのは、草原でも湖の畔でもなく、湯気が漂い、仄かな匂い
とキャッキャッと黄色い声が聞こえる場所。何故そこに夬人がいたのかは、誰も知らない。
起き上がろうとした瞬間、バランスを崩し頭から真っ逆さまに落ち、飛沫をあげ甲高い悲鳴が沸き起こり、また気を失い、次に目が覚めたのは、冷たい石が敷かれた···折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-12 11:21:10
3797文字
会話率:49%
エルマス・フエルテという歴史に埋もれた人物にフォーカスを当てた物語。
最終更新:2019-06-05 00:58:00
2601文字
会話率:80%
主人公 |渡《わたり》|勇輝《ゆうき》は2030年の夏、とあるMMORPGに出会った。
世の理不尽に抗うために生まれたというスキルの力が溢れる、剣と魔法の世界だ。
時間を持て余していた彼は、丁度行われていたβテストに参加した。
勇輝はゲー
ムの世界に訪れたプレイヤーと同じく、多くの出会いや戦いを通じてスキルを得る。
彼自身の思い込みの強さは強くスキルに反映され、少し変わった結果を生み出した。
彼の特異性はやがて新たなスキルを産み出し――
己を導く存在に出会い、己の越えるべき壁と向き合い、世界を巻き込んで運命を変えていく――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-03 00:00:00
1016179文字
会話率:33%
好きに解釈して下さって結構です。
最終更新:2018-11-24 10:32:09
241文字
会話率:20%
カランカランと昔から変わらない鈴の音が鳴り、カウンターから店長がひょっこり顔を出した。
ーー卸し立ての白シャツに紺のジャケットが映画俳優みたいによく似合っていた。スラリと長い指先はとても綺麗で不意にドキッとさせられる。その指は優しくコ
ーヒーカップの取っ手を握り、まだ湯気の立つ滑らかなブラックコーヒーを口に運んだーー
これは、私と先生の高校三年間の思い出。
◆この作品はエブリスタさんにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-08 00:00:00
8296文字
会話率:52%
日常的に悪の組織と、正義の組織がしのぎを削る世界。
悪の組織の食堂で働くしがない料理人にして、カレー狂人の田中は、なぜか勤め先の組織の会議に呼び出される。
低迷している組織が企む一大プロジェクト……それは、「カレーによる侵略」
組織の首領が高らかに宣言する作戦と、スクリーンを埋める極上のカレーライス。
はびこる悪と、カレーの香り。
立ちあがる正義とご飯の湯気。
「正義」と「悪」と「カレー」の三つ巴の戦いが今幕を開ける……。
そこに颯爽とカオマンガイが!(嘘です)
素敵なタイトルロゴは栗原明星さんに描いていただきました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-30 09:16:10
70194文字
会話率:44%
現在から少し先の未来。
死刑制度は、遺族により"肉体の死"と"記憶消去"のどちらかを選べるようになっていた。
殺人犯であった鶴見は遺族により"記憶消去"を選択される。
最終更新:2018-02-23 20:33:14
3176文字
会話率:38%
2月22日。猫の日。
世界でネコパンデミックが発生した。
それは、猫に触られた人間は猫となってしまう恐ろしいパンデミックであった。
最終更新:2018-02-22 23:59:35
7811文字
会話率:51%
安価で寂れたアパートに暮らす大学生雄一は、部屋に現れる幽霊と日々コミュニケーションを取っていた。
そんなある日、雄一は幽霊の謎を解く秘密がアパートの壁の中にあることを知る。
最終更新:2018-02-21 22:28:51
5628文字
会話率:31%
ゆらゆらと、カップから沸き上がる湯気が揺れる。
「…にっが。」
カップに口をつけていた人物はポツリと零した。
音を立てながら椅子を引き、立ち上がると、入れ忘れていたミルクと砂糖を取りにキッチンへ向かう。
ブラックコーヒーは苦手で、い
つもミルクと砂糖は絶対に欠かさないのに。
少し自嘲しながら砂糖の瓶とミルクのパックを持って机に戻り、その2つを置くと椅子に腰掛けた。
少し軋んだ、乾いたような音に、普段は気にしないくせに今はわずかに不愉快そうに眉を寄せた。
まるで覇気のない表情のその人物は、するりと目元を触り、小さく溜息をついた。
少し腫れている目元を優しく撫でたり強く押したり。
元に戻そうと努力してみるが、腫れは冷やさないことには中々戻らないと分かっている。
それでも、この寒さだ。
布団から出ても床に足をつけると、あまりもの冷たさに布団に引っ込んでしまうというのに、冷やすためとはいえ冷たいものなんて触りたくない。
全てが億劫になり、気が滅入る。
でも、たぶんきっと、理由は寒さだけじゃない。
人物は目元を触っていた手を離し、今度は大きく溜息を吐いた。
カップに口をつける。
「…にがい。」
机の上に置いただけで、砂糖とミルクを入れていないことを思い出す。
カップからは、もう、湯気は出ていなかった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-06 19:37:24
2335文字
会話率:28%
『そうして私は、いまもオムレツの亡霊と共にここにいる。』
通夜帰りの友人は、半年前に恋人を亡くした私を心配してアパートに立ちよる。
冬の寒さに凍えた友人は横柄にもてなしを要求し、私は湯気たつ黄色いオムレツを差しだした。
しかし友人は味付け
に文句をつけながら、長い愚痴を始める。
愚痴の中で語られる亡くなった人の奇妙な気配。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-05 06:55:48
6079文字
会話率:22%
コーヒーの湯気の中でさまよう男女の話。
最終更新:2018-01-17 14:15:40
639文字
会話率:23%
いつもの景色や日常は儚い湯気のような蜃気楼かもしれません。
最終更新:2018-01-07 23:09:03
806文字
会話率:31%
「来いよ来いよ」と言われて早数ヶ月。
ミランダからの誘いもあり、仕方なく佑奈・真白を伴い新宿二丁目へ遊びに行く勲。
一歩踏み入れるとそこは、男の姿ばかりで何やらただならぬ雰囲気。
「ここは浄土か賽の河原か」未体験ゾーンに足を踏み入れた三人の
運命は!?
※当作品をお読みになる場合、シリーズの「レンズの向こうの男の娘」から先にお読みください。
設定や人物構成などは、そちらの作品にて描かれています
レンズの向こう→湯気の向こう→当作品→男の娘ニューヨーク…、と続きます折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-04 23:02:38
108919文字
会話率:61%
夏に出会った座敷童の影響か、近所の福引でニューヨーク旅行を引き当てる勲一行。
四人分と大盤振る舞いだが、さてあと一人誰を誘うか考え中。
そこで白羽の矢が立ったのは、というよりは勝手に刺さったのは…。
※できれば筆者がホントにニューヨーク行
ってから書きたいところです
年内になんとかなぁ…
行くところまではサクサクかけると思いますが、現地については遅くなるかもしれません
一連の男の娘シリーズ第4作目です(古書店は除きます)
湯気の向こう、がちょっと関連しています。
■登場人物
毎度おなじみ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-12 12:29:46
20920文字
会話率:62%
コ○ケであぶく銭の入った勲達三人。
真白が提案する旅行へと出発する。
その目的地はなんと、勲の実家方面の温泉宿。
そして必要もないのになぜか男の娘の格好で行くことになる勲。
もう女装好きなんじゃ?と言うのは置いといて、三人の旅は始まる。
○追加登場人物
門脇深雪:勲の地元の同級生
【ご注意】
本編「レンズの向こうの男の娘」の後日談です。
http://ncode.syosetu.com/n9323dh/
登場人物・成り行きに関しては本編をご確認ください。
(後日談のため中編程度の長さです)
若干エロくしようかとも考え中。
本編読んでからの方がわかると思います。
性描写ありとしていますが、今んとこないデス。
不快に思う方もいらっしゃると思いますので、ある場合は話数のところで告知します。
(読まなくても大丈夫なように構成します)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-01 13:37:30
57065文字
会話率:55%
著名な電子機器メーカーである杉電器は画期的な液晶SXVを開発した。その応用技術から派生する莫大な経済効果を見込み、時の宰相立花太郎は自己資産をなげうって援助を与え秘密裏にプロジェクトを組んだ。原材料がアラスカ産のものが最適であることから日米
両国双方の国益となることが予測された。
応用技術の白眉はビルの外壁材にSXVを用いることであった。コンピュター制御でビルの外観を瞬時に変更出来る。換言すればビルは超大型の四Kハイビジョンスクリーンになるのである。
その効果をデモするため、杉電器は新・杉ビルを建築して米国大統領ら通商閣僚をほど近い迎賓館に招き、その歓迎式典にてアピールする計画をたてた。そしてその準備はほぼ完了していた。
これは秘密にされたが、米大統領と立花はハーバード大からの友人で歓迎会でSXVを働かせて大統領に少しの熱戦を浴びせる。これが立花のジョークだった。立花からの親書で知った大統領も是非楽しみにしてるということだった。
ところが、あと一週間に迫ったある日、意外な出来事が生じ、そのデモを悪用しようとする敵の陰謀が露わになった。ビルにほど近いところで行われた大学駅伝のランナーが先導する警察官とともに背中から湯気をたてて倒れたのである。
プロジェクトの関係者はシステムがハッカーのアタックを受けて変造されていたことが判明した。そのことから敵のねらいはその式典で用いるデモプログラムに便乗してそのクライマックスで大統領に遠赤外線を浴びせて火傷を与えることだと推測できた。
思いが至った関係者は愕然とする。しかしシステム修復にかけられる期日はほんの数日しか残されていない。担当SEは誘拐されており、バックアップも詐取されていた。
プロジェクトのセキュリィ担当官である遠山警視監は科学捜査に実績のある佐野警視を指揮官にし特別捜査本部を立ち上げる。しかし手掛かりが少なく唯一の手掛かりだった男にも尾行をまかれ捜査は暗礁に乗り上げてしまった。そのとき捜査陣にひとりの人物・伊能亮一が現れる。
プロジェクト幹部のエリート達、特別選抜の刑事たち、闇の人材斡旋屋、ハッカー、鬼才と呼ばれるSE、同じくその管理者。ともに個性有る様々な人物が裏に表に交錯し、やがて危機一髪で事件は無事に解決する。その人間劇を天才能力の持ち主である伊能亮一の活躍を軸にした暗闘を描く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-23 11:14:42
120768文字
会話率:48%
冬に自転車で走る。頭から湯気が出る。
最終更新:2017-12-22 06:00:00
648文字
会話率:0%
そのからあげカレーは、もくもくとテーブルの上で湯気を立てていた。カキフライ定食を食べていた僕は隣のテーブルでカップルが喧嘩を始めたことに、内心辟易しながら、お味噌汁を全て飲み終える。すると、彼らの喧嘩は別れ話へと発展していく。
最終更新:2017-10-22 21:27:57
1587文字
会話率:48%
この世に生きている者、既に生きていない者。
この世に何かを残した者を、この世に生きている少々変わり者たちがどうのこうのしていく話です。
最終更新:2017-07-05 01:05:22
980文字
会話率:14%
派手な繁華街にある、地味で古めかしい銭湯にある、幽霊が入り浸る一浴場から繰り広げられる奇妙な話。
人はどのような思いを抱え生き、どのような思いを抱え死に行くのか。
この世を生きている者、この世を生き終えた者や何かを残してしまった者との話です
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-05 00:59:41
980文字
会話率:14%
アンドロイドの少女たちが2人で入浴しようとするが…
最終更新:2017-06-24 17:00:09
1174文字
会話率:27%
大阪、肥後橋にあるマンションの702号室。拾われてきた野良猫、ポチが見る三十路独身男のご主人との生活。人間に興味を持ち、テレビでたくさんのことを学んだポチは、ご主人を通して新しい出会いを経験する。ご主人と半同棲中の小百合ちゃん、中学校時代
からの謎多き親友金子さん。自炊をしようと決意して、ご主人が最初につくった料理は涙で濡れていた。立ち上る白い湯気の中に、ポチは何を見るのだろう。
※この作品は 2017/3/17 に小説投稿サイト taskey にて完結したものです。少しでもたくさんの方に読んでもらいたいと思い、小説家になろうにも掲載を決めました。感想や評価を頂けると次回作の励みになります。2017/3/24 に全話投稿して完結しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-24 07:29:24
103050文字
会話率:61%