もう、あの男には届かない―――
朱子学者である浅見安正(絅斎)は、古義学を唱える大儒、伊藤仁斎の死が近いことを知って呟く。そして、自分に学を授けた師、山崎闇斎を思い出す。自分はついに師に遠く及ばず、仁斎と切り結ぶことも出来なかったと。
切り結んでみたかった。あの男と。そして出来る事なら、一刀両断にしてやりたかった。
そうすれば、師は安正を褒めてくれただろうか。それとも、他を批判している暇があるなら己れの学を磨けと叱責しただろうか。
☆
江戸初期の儒学者・神道家、山崎闇斎(1619-1682)の生誕から400年になるのを記念して、ささやかなお祝い冊子を作成しました。本作はその中の一作で、山崎闇斎門下の三傑と言われた浅見安正を描く創作歴史小説です。一度は師の元を去った浅見は、後にそれを深く悔いたという逸話が残っています。小品ですが、読んで頂ければ幸いです。
BOOTHの公開ページはこちらです。冊子(有償)とDL配布(無償)を公開しています。
https://fukahiro.booth.pm/items/1478695
【登場人物】
浅見安正 山崎闇斎の門人。号は絅斎。
若林新七 浅見絅斎の門人。号は強斎。
伊藤仁斎 市井の儒者。その学は古義学と呼ばれる。
山崎闇斎 儒者・神道家。名は嘉右衛門。その門流は崎門と呼ばれる。垂加神道の創始者。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-04 05:38:40
5544文字
会話率:17%
「書棚を見せてもろうてもよろしいか。勿論触ったりせんよって」
高価で貴重な書を繙かせてもらえるとはさすがに思わないが、学で身を立てているというこの男がどんな書を揃えているのか。書を好む者なら、せめてそれだけでも知りたいと思うのが人情だろう
。
少し間があった。
「題簽を眺めて意味があるか」
言葉に刀身の閃きを観たような気がした。ぞくりと、背を何かが走る。
男は真っ直ぐに源佐を見据えている。
「書は珍しい玉や色鮮やかな鳥とは違う。眺めて有難がるのは時間の無駄だ。やめておけ」
☆
江戸初期の儒学者・神道家、山崎闇斎(1619-1682)の生誕から400年になるのを記念して、ささやかなお祝い冊子を作成しました。本作はその中の一作で、山崎闇斎とその向かいに住む儒者、伊藤仁斎を描く創作歴史小説です。読んで頂ければ幸いです。
BOOTHの公開ページはこちらです。冊子(有償)とDL配布(無償)を公開しています。
https://fukahiro.booth.pm/items/1478695
参考文献をこちらにアップしました。
https://ncode.syosetu.com/n3532fz/36/
【登場人物】
伊藤源佐 市井の儒者。号は仁斎。その学は古義学と呼ばれる。
伊藤源蔵 源佐の長男。号は東涯。
板垣民部 板垣民部信直。下御霊神社神主、闇斎門人。後に出雲路と改姓、出雲路信直と名乗る。父は元専。
浅見安正 山崎闇斎の門人。号は絅斎。
山崎闇斎 儒者・神道家。名は嘉右衛門。その門流は崎門と呼ばれる。垂加神道の創始者。
アルファポリスに投稿しました。文章は同じですが、少し章分けを細かくしました。2020年3月21日折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-30 05:16:17
17350文字
会話率:32%
「学ぼうとする者を追い払うのか!」
対面前の控えに使われる狭い間の奥に、三人の僧と、彼らに向かって拳を握り、仁王立ちしている若い僧の背が見えた。
「そんな寺なら、火を放って何もかも灰にしてやる。お前たちのお得意や、一切を無に還してやるぞ
!」
居並ぶ年長の僧たちを前に、若い僧は言い放った。今にも喉笛に食いつかんとする、虎の咆哮のごとくであった。
☆
江戸時代の儒学者・神道家、山崎闇斎の生誕から400年になるのを記念して、ささやかなお祝い冊子を作成しました。BOOTHにて販売中の嘉辰令月(乾)掲載の創作小説1本の中の1作です。禅僧だった若い頃の闇斎(絶蔵主)が土佐に渡り、儒学者となる決心をする物語。読んで頂ければ幸いです。
pixiv小説に掲載済み。BOOTHの公開ページはこちらです。
https://fukahiro.booth.pm/items/1478695折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-02 20:50:18
9860文字
会話率:32%
高校二年生の篠原拓哉は、ある日自分の鞄の中に見慣れない冊子を見つける。その正体は、「書き込むと10年後の自分から返信が来る」という、『時をつなぐ草紙』であった。そして拓哉は、その冊子を介して10年後の自分から「クラスメイトの磯本理々に告白す
れば付き合えるが、いずれ確実に別れることになる」という事実を知らされる。前々から理々のことが気になっていた拓哉は、散々迷った挙げ句告白し、交際をスタートさせるのだが……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-17 20:02:19
66087文字
会話率:42%
暴風雨に地震、国難ともよばれるアベノ総理の言動に振り回されるガース長官。健康茶を嗜んでいると毎度おなじみの恐怖の電話が。タブロイド紙も真っ青の怪しげ冊子がジコウ党議員に配布されたというのだ、しかも出どころは官邸とジコウ党本部といわれ…
最終更新:2019-06-26 20:10:19
4443文字
会話率:52%
本日はクトゥルフ・ミュージアムにご来館いただき、誠にありがとうございます。
当館では我々を魅了してやまない神々やその配下の、躍動感あふれる姿を捕らえ、展示しております。
各エリアの出口には展示品を更に楽しめるよう小冊子もご用意してあり
ますので、併せてご利用くださいませ。
どうぞごゆっくりご観覧下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-01 17:48:11
14822文字
会話率:18%
高校二年の水上さんと、朝倉君。
書道と王羲之が繋ぐ二人の恋路は、少し変わっている。
フェチ女子×純粋書道男子の、噛み合ってるような噛み合ってないようなお話。
ムーンライトの方にのっけてましたが、長らく健全なままだったので、こっちに移動。
同人誌中身、ほぼ全文公開。
縦書きPDF推奨。冊子原稿そのまま転載してます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-05 18:08:07
25592文字
会話率:23%
この手紙は私に子供が授かった時に、新しい生命に残し伝えたい話を一冊の小さい冊子に仕上げた小生にとって初めての著書でした。
今は午前二時二十分。
二時前から何故か眠れません。
こんな事は珍しいのですが、体調不良という程では有りません。
どう
しても眠らなければならない訳でも無いので起きる事にしました。
頭はスッキリ、得した気分。眠く成ったら、眠れば良い。
という事で突然思い立ったのが、平成六年四月三日(小生25歳)付けで出版した小生の拙い冊子の復刻(ネット)でした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-03 20:30:51
1262文字
会話率:4%
この問題用紙は「魔法少女丙種」用です
自分の受験する種別であるか確認してから問題用紙冊子を開きなさい
もし自分の受験する種別と違う場合は速やかに試験官に伝えなさい
問題は甲、乙、丙の共通問題三問、各種種別問題一問の計四問あります(各二十
五点ずつ 計百点)
試験時間は90分です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-04 20:00:00
1191文字
会話率:0%
イベントで配布していた合同冊子用に書いてたやつが少し気に入らなかったので書き直したものです、原題は「永遠の女子高生」です。
学年のマドンナ的存在に言い寄られる話です。
最終更新:2018-11-05 17:25:23
6752文字
会話率:56%
お嬢さまへの忠誠心を語ったら引かれた俺の話をしようか の取扱説明書
最終更新:2018-10-02 22:23:24
1623文字
会話率:26%
愛のある世界に生まれた。
神がいて、天使がいて、優しい親に慈しみ深い人間たち。こんな世界に出会えたのに、なぜこんなにも消えたくなるのだろう。
何回目だろうか、この質問は。聞き飽きたろうに、その都度律儀に答えてくれる。
優しいやつだ。
「お
前は、優しくて良いやつだね。」
「それは君にとって都合の良いどうでも良いやつの言い換えだよ。」
手を止めて、体を剥がそうとするのを、一生懸命阻止する。
なぜだか、喉の奥がつんとした。
「だけど、人肌に触れると、どうしてこうも、涙が溢れてくるのだろうね。」
一日を一枚の紙とする。
毎日毎日やりたくないことをやり、やりたいことをやり、その一枚を書き終わる。気付けばそれが三百六十五日になっている。
分厚い冊子になったものは、一人で持つにはあまりに重たすぎる。だから段々忘却して、一枚を小さくする。それがどんどん下に埋もれていく。
だけどたまに、フッとした瞬間、その小さくなったものが風にのって舞い上がってくる。きっとそれがいわゆるトラウマ、ってやつだ。
もし、もしも。例えばその中に、少しでも小さな幸があるならば、花があるならば。
――私はきっと、もっと優しくなれたかもしれない。
こんなに人のことを思って、悩んで、見つめる。
そんなことってあるのか。
きっとこの人との関係を私は知らないのだろうけど、きっと崇拝のようなそれは、友人と呼べる人なのだろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-17 20:04:07
4734文字
会話率:42%
関西大学文芸部の冊子にも掲載しています。
鬱気味の青年の一日の話です。
最終更新:2018-06-22 19:00:00
4247文字
会話率:29%
街は鋼鉄の巨人によって炎に包まれた。
少年・沖原マイキを助けてくれた青年は身体の内部が機械で構成され、自動車と合体して巨大な人型ロボットに変形する。
彼らは機械知性体オリジネイター
「人類は滅びの危機にある」
かつての同胞が人類殲滅を目論見
、その計画を阻止する為に彼らは深海の底から出現する。
彼らは人類の歴史が始まる前から地球に存在していた。
機械と人類の戦争がはじまる。
この小説はオフで発行済みです。(全8巻)
関西コミティアを中心に頒布しております。
週一で更新予定。
他ではピクシブに一部載せております。
「勇者降臨トラスティブレイド①」http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=2689413
冊子版は関西コミティアかピクシブのBOOTHで通販しております。
BOOTH→https://mutsugami123zero.booth.pm/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-29 20:00:00
779762文字
会話率:33%
僕は一人暮らしのアパートの自室で、見知らぬ少女が黒魔術の儀式を行っている場面に出くわした。
黒魔術は法律で禁止されていて、見つかれば重罪のはずだ。その違法行為が自室で行われることに怯えて僕は逃げ出し、儀式を行っていた少女は僕の口を封じる
ために追いかけてくる。
簡単に逃げられるはずだった。しかし逃げ出した先の夜の街は、いつもと様子が違っていて……
中編、十話ほどで完結の予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-11 08:03:07
10068文字
会話率:25%
短編を好きに書きたいが為にそれを内包した世界を拵えてしまおうと思い立って生まれた作品です。
鶏が先か卵が先かは分かりませんが、幼馴染みに約束をすっぽかされる度に行きつけの駄菓子屋に通うちょっと不幸な青年がクジで当たる小冊子を楽しみに日々過
ごしていると言った具合で物語を綴っていきます。
筆者的には小冊子(短編)が主題ですが、大筋の僕の恋愛模様もまた、うまく書けたらいいなと考えています。
他の作品の合間にでも目に留めていただけたら幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-20 18:11:29
2963文字
会話率:20%
ある日、高校生の藤井保志は古本屋で『週巻(君の)彼女を造る』という週刊冊子を見つける。店主の計らいから冊子を譲り受けた彼だったが、それが彼の運命の歯車を歪ませてゆく・・・・。
最終更新:2018-03-18 17:19:45
22729文字
会話率:62%
非紙媒体冊子専門の文藝サークル【凜風文藝会】の会誌です。他にカクヨムにて同じ内容のものを公開しております。
最終更新:2018-02-25 21:00:00
21383文字
会話率:48%
C93(2017年冬コミ)において、サークル『クロックワイズ・メカニクス』で配布した当日特典冊子に載せた短編です。
『ファミリア〜見習い魔女と黒猫使い魔の留守番日誌〜』( https://ncode.syosetu.com/n9353cn
/)に素敵なイラストをつけてくださったすおーさんに表紙を書いてもらい、数年ぶりに小さな見習い魔女の物語を仕上げることができました。
森の薬草屋の主人の留守中に、題名の書かれていない本を見つけた見習い魔女マナと使い魔クロの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-14 21:24:42
7870文字
会話率:53%
見習い魔女と黒猫使い魔と、魔法を教えて欲しいという家出少年の物語。
須峰ちえさんとコラボして、コミティアで同人誌として出版したお話です。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&
amp;illust_id=34982906
pixivとの重複投稿
C93(2017年冬コミ)『クロックワイズ・メカニクス』において配布した当日特典冊子に、番外編を書き下ろしました。こちらもどうぞ(*´ω`*) →https://ncode.syosetu.com/n6261eo/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-02-26 21:47:07
26500文字
会話率:57%
_______そして少年は、大人になった。
独り暮らしを控えた「僕」は、私物整理の最中、金属製の箱を見つける。
中に入っていたのは一冊の本と手紙。
『大人になるには、子供の頃の思い出を何かしら捨てなければならない。それは貴方が
持つ未練であり、羨望であり、何よりも輝いていたという証なのだから』
子供には少し難しい内容の小説。その冒頭部を、「僕」は大きくなった今でも暗唱することが出来た。
手紙の主が憧れた、そんな不思議な約束を________________。
以前学校の文芸冊子に載せた作品です。
別サイトにも上げていますので、何か問題があればご指摘下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-19 23:17:00
5243文字
会話率:10%
ふたりぼっちの海月が語り合う話。
○
この作品は、とある文芸部の冊子に投稿したものです(※部の規約上、作品の著作権は作者自身にあるので大丈夫なはず……)。問題があった場合は、削除するかもしれません。
最終更新:2018-01-09 23:53:51
2746文字
会話率:49%
夢に沈んでいく少年のお話。
○
この作品は、とある文芸部の冊子に投稿したものです(※部の規約上、作品の著作権は作者自身にあるので大丈夫なはず……)。問題があった場合は、削除するかもしれません。
せっかくなので載せてみました第二弾。一年ほ
ど前に書いたものです。
前作の「夢視る深海魚と死んだ珊瑚」の続編となっております。同じく厨二臭いですがよしなに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-03 00:42:40
7975文字
会話率:36%
夢に恋する少年のお話。
○
この作品は、とある文芸部の冊子に投稿したものです(※部の規約上、作品の著作権は作者自身にあるので大丈夫なはず……)。問題があった場合は、削除するかもしれません。
せっかくなので載せてみました。二年前ぐらいの作
品ですね。えらく厨二臭いですがよしなに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-02 23:14:38
6286文字
会話率:27%
2017年の春冊子にて掲載された話です。
最終更新:2017-09-13 00:53:13
3627文字
会話率:60%
夏のプールでの一幕。
ひたすら水の中に突き落とされる話。奇跡が起きてコミカライズした。
こんな簡単に鍵が開くわけない。
2016年夏冊子収録作品
キーワード:
最終更新:2016-11-13 23:14:38
2235文字
会話率:14%