大学4年のとき教育学部の私は、附属中学校に教育実習にいった。配属になったクラスで、映画好きをアピールする自己紹介をしたところ、中一の彼から映画に誘われる。断るつもりで彼に電話したところ、私を誘った理由が他にあるらしい。電話では話しにくいから
、映画を見た後ちゃんと話したいという。私の輪郭と声が亡くなったお母さんに似ていて、そのことがきっかけで、私に興味を持ったから、付き合って欲しいと頼み込まれる。それから、彼との映画デートが始まった。翌年の3月には大学を卒業した私は、実家に帰って教員を目指すことにした。彼は電車に乗り込んで実家のすぐ近くの駅まで送ってくれた。
その日から長い長い遠距離恋愛が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-19 12:35:10
23454文字
会話率:48%
【模様替えコントローラー】を、手に取る。
それは、部屋と連動している。
部屋の柱に、フックで掛けてあって、コードで部屋と、繋がっている。
まるで、エアコンのリモコンの様だ。
【模様替えコントローラー】には、パネルボタンが九つ、並んでいる。
縦三列× 横三列の、計九つ。
上・三つと中・三つは、デフォルトで、模様替え用の空間が、設定されている。
機械に弱い人でも、これら六つのボタンを押せば、容易に、部屋の模様替え(空間替え)ができる。
下・三つは、フリー。
自由に、自分の好きな空間が、設定できる。
でも、それらは、使っていない。
今のところ、六つのローテーションで、充分だからだ。
しかして、そのローテーションも、飽きて来ている。
ローテーションが、何廻りもしてるから、飽きて来ている。
使こうてみるか。
【模様替えコントローラー】に、テキトーに、座標を打ち込む。
Xどったらこうたら、Yどったらこうたら、Zどったらこうたら。
砂嵐が、走る。
部屋全体に、砂嵐が、走る。
草原の風景は、消え去る。
大きくブレていた砂嵐の波が、小さくなって来る。
ブレの波が、小さくなる。
小さくなり、落ち着いて来る。
安定し出した砂嵐の波は、像を結び出す。
それは、うすぼんやりした輪郭を、まず結ぶ。
輪郭が、目に見えて、ハッキリとし出す。
それに伴い、色も、付いて来る。
最初は、白黒だった。
それらに、ほのかに、色が付いて来る。
モノクロがに、淡いパステル調の色が付いて来る。
薄赤、淡青、浅黄、黄緑。
それらの色が、徐々に、濃くなって来る。
深紅、紺碧、麻黄、真緑。
砂嵐は、いつの間にか消え、部屋は、新しい風景を映し出す。
形のハッキリした、色合いも冴えた風景を、映し出す。
どこや、これ?
新しい模様替えの地は、岩場。
岩が、ゴロゴロ、そこら中に、転がっている。
岩と岩の間に、かろうじてと云う感じで、土の見える地面がある。
ひと際大きい岩が、ある。
岩の上に、細い岩が、立っている。
いや、突き刺さっている感じ。
よく見ると、岩では無い。
木か?
木、でも無い。
もっと、硬質。
それは、よく見ると、真っ直ぐでもなかった。
少し反りが、ある。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-17 10:17:22
54526文字
会話率:18%
漠然と憧れ、何者かになれることを信じていた。夜の東京で自分自身の輪郭をなぞる。私小説。
最終更新:2024-03-27 20:28:51
2441文字
会話率:0%
人類が知性を得た代償か、地球は残された大地すら、砂と海が飲み込んでいく運命にあった。
地上より突き出た巨大な黒柱によって通信手段を阻まれるなか、人々は限られた土地でつつましく、されどたくましく生きていた。その黒柱は生活のいち風景となり、
いつしか<ジャミング・タワー>と呼ばれるようになる。
やがて人類は寄り添うように統一国家「地球連合」を樹立。黒柱の妨害を免れる独自の通信網<UCS>を整えることに成功する。
さらに半世紀あまりが経つと、次に人類は、宇宙へ逃げ場を求めた。人型を主とする巨大作業用重機<グスタフ>の普及がそれを後押ししたのである。
結果、循環型社会としては未成熟ながらも、地球と月の中継点に<レジデンス>と呼ばれる人工居住地が建設される。月への移民計画<プロジェクト・ノヴァ>が始動するのはこの頃だ。
こうして再び人類は、アポロ計画から実に一二三年の時を経て、有人の調査隊を月面へと送り込む。
久方ぶりに銀砂を踏んだ彼らの使命は、新天地に適したクレーターを探すことだ。
だが、彼らとの交信は即日、途絶える。
救援が向かうのに、そう時間はかからなかった。が、これも突如として消息を絶つ。
人々はいよいよ「よもや月になにかあるのか」と訝しんだ。ゆえに続く第三陣の装いは、さながら軍隊の様相を呈した。
そして彼らはようやく、宙域を漂っていたグスタフの残骸を発見する。
回収された行動記録器。それに残されていたものは、非常に奇妙な映像だった。
月面にそびえ立つ白い塔の下、一面を黒いなにかが埋め尽くし、蠢いている。
人影だ。
その、おぼろげで輪郭のはっきりしない人影が、耳をつんざくような奇声を上げながら駆け、機体に次々と群がってくる。搭乗者である男の悲鳴で締めくくられるそれを見て、学者らは首をひねった。
「――月面に人がいる?」
時は流れ、西暦二二〇〇年。
世界からつま弾きにされ、月の庇護なしでは国という体裁を保てない小国・日本。
威武神楽夜(いぶかぐや)は、その山中で弟・朔夜(さくや)とともに養父の帰りを待つ、黒髪赤眼の少女である。
なくした過去を求めるかの娘が、黄金の騎士と対した時――。
終焉への引金は引かれ、ひとりの少女の、そして人類の、夢の終わりがはじまる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-04 21:05:06
794505文字
会話率:29%
暗闇の中にある黒の輪郭
キーワード:
最終更新:2023-12-28 23:00:00
211文字
会話率:0%
有形であれば誰しもその上に立ち、名札代わりに個人の輪郭を写し取る。揺り籠から墓場まで付き合うハメになる“影”という存在は、人生の教訓をよく学び、そして苦楽を共にする相方だ。その為、“影”は土着的な臭いを放ち、個人を区別するのに全くもって無
理がない。俺がそのことに気付いたのは、過去に通っていた幼稚園の園長が犯した所業からだ。
18時更新折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-21 18:00:00
18627文字
会話率:45%
発言、の短歌
俳句短歌mbs
キーワード:
最終更新:2023-11-09 13:20:59
307文字
会話率:0%
暮らしの短歌
俳句短歌mbs
キーワード:
最終更新:2023-11-09 13:18:20
325文字
会話率:0%
多くの場合において人は物事の本質というものを見誤る。巧妙に作られた精緻な外見だけでなく、ときには取り繕ったような杜撰な外見にすら騙される。いつしかそうした外見にほとんどの人が騙された時、物事の本質はなぜか変化してしまう。さらには紅茶に溶け
ていくジャムのように、その輪郭がなくなっていくことすらある。もし、本質が改変され改ざんされた、、、否、隠されたものに出会ったとき、本当の本質を探すことはほぼ不可能であろう。それが人為的であるのならばなおさらに。
仮に、ここに一人の若者の死があったとしよう。それも戦死だ。戦争とはとてつもない動乱をもたらすものであり、その場は得てして多くの混乱に見舞われる。たとえ何かを改ざんしたとしても、隠したとしても、誰にもばれることがないなんて言うのはよくある話だ。
しかし、それでも本当の本質を探すというのならば人はどれだけの時間や犠牲があるのだろうか。
私の初投稿の小説ですので、誤字や誤植をはじめ多くの至らない点があると思いますが、優しく指摘していただけると幸いです。
またこの小説は暴力および戦争を賛美するものではなく、作中にそのようなものが描かれている場合では小説の演出であります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-28 15:25:45
2475文字
会話率:14%
明け方の通り雨は考える時間を与えた。朝と混じり合う雲の切れ間、僕は金色の月を見たんだ。
最終更新:2023-03-28 11:33:11
6586文字
会話率:50%
事故や病気、事件など、
不吉なことばかりが
周りで起きる凛子。
夫の死後、何となく
輪郭がはっきりしてきた
その理由とは…。
最終更新:2023-03-12 21:00:00
977文字
会話率:30%
私の境目ってなんだろう。
最終更新:2022-12-28 22:49:00
238文字
会話率:0%
神流 聖(カミナガレ セイ):奈良県の山奥で剥製屋を営んでいる。31才。178センチ。やせ形。端正な顔立ち。横に長い大きな目は滅多に全開しない。大抵、ちょっとボンヤリした表情。<人殺しの手>を見るのが怖いので、人混みに出るのを嫌う。左手が母
親の手なのでいつも手袋で隠している。人が写るテレビや映画も避けている。ゲーム、アニメ好き。
山本マユ(享年24歳):神流剥製工房を訪ねてくる綺麗な幽霊。生まれつき心臓に重い障害があった。聖を訪ねてくる途中、山で発作を起こして亡くなった。推理好き。事件が起こると現れ謎解きを手伝う。
シロ(紀州犬):聖が物心付いた頃から側に居た飼い犬。2代目か3代目か、生身の犬では無いのか、不明。
結月薫(ユヅキ カオル):聖の幼なじみ。刑事。角張った輪郭に、イカツイ身体。
山田鈴子(ヤマダ スズコ50才前後):不動産会社の社長。顔もスタイルも良いが、派手な服と、喋り方は<大阪のおばちゃん> 人の死を予知できる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-27 18:00:13
22821文字
会話率:44%
変に、力を入れることなんてない。
最終更新:2022-09-20 07:00:00
249文字
会話率:0%
まんなかに、穴のあるドーナツ。
だが、それが彼らの本質ではなくて⁈
最終更新:2022-09-04 07:00:00
756文字
会話率:0%
26歳の六室崇(むつむろたかし)新宿通りの歩道橋の上から通りを眺めて物思いに耽けていた。
高校2年のときに両親が離婚し、母方の姓を名乗るようになったが、離婚からちょうど半年後の6月6日、「むつ」「む」「ろ」という数字の6を連想させる音が三つ
重なる珍しい苗字を残して、母が急死した。そのせいで自分は特別な存在だと信じるようになったが、その思いは一年も持たずに消えた。
崇の特別な能力といえば、空の色を自分の都合のいいように自由に変えられることだけ。それも、実際に空の色を変えるのではなく、自分が見ている空の色を変化させる、ただ自分の脳を騙しているだけ。
崇は何の気なしにランナーの男の姿を目で追いかけていた。突然車同士の交通事故が起こり、ぶつけられた車はランナーのすぐ近くまで吹き飛ばされる。ランナーは事故にまったく気づくことなくそのまま走り続ける。
ランナーの顔には色がなかった。漫画の輪郭の線が服を着て走っている、でも、すれ違う人は彼の姿を気にも留めない。
亡くなる前の母に言われたことがある。「いつか透き通った不死身の男が現れる。その男についていけ」その時が来たことを崇は確信した。
崇が追いかえると男はオフィスビスに入って行った。建物の前でどうしようか考えていると、高校の同級生、祝園玉青(ほうそのたまお)に声をかけられる。8年ぶりの再会。彼女はこのビルのHR2という社員30人ほどの上場企業で働いていて。ランナーの男は彼女の会社の社長、和田(わだ)だと言う。
崇が玉青にだけ透き通った男の話をしたことがある。玉青は覚えていた。
玉青は崇をオフィスに連れていく。崇には和田が輪郭が服を着ているようにしか見えないが、玉青には普通に見えるという。
玉青は和田を見張ることを約束し、動きがあれば連絡すると言って崇と別れる。
玉青の人生はここまで、彼女の目論見通りに進んでいた。それは高校時代に崇にあることを打ち明け、背中を押してもらえたからだと信じていた。
それは玉青にとって宝物のような思い出だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-02 19:03:16
48271文字
会話率:65%
相倉有馬は大学きっての、変人にして怪人だ。
オカルト研究の為なら、何でもすると有名である。
そんな彼の元へ、後輩の干泥泡菜が訪れる。
彼女はストーカー被害に悩まされているらしい。
有馬は暇つぶしも兼ねて、知恵と力を貸す事に。
それが全ての
始まりとも知らずに……。
人間が突如、水膨れて死ぬ怪奇事件。
国家に禁じられた黒祠邪教。
何一つ輪郭の掴めない、泡菜の両親達。
次々死んでいく、愛する人々。
有馬は狂気を抱えながらも、真実に辿り着こうと藻掻く。
その果てにあるのが、何であろうと。
カクヨムで書いた作品の改稿版になります。
https://kakuyomu.jp/works/16816927863294324873折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-08 21:00:00
87684文字
会話率:34%
高校を卒業したギャル、鬼海ナキ。突如襲来した空爆により、彼女は故郷もろとも跡形もなく灰と化したはずだった。
目覚めると街も自分も傷一つなく、TVでは街に落ちた不発弾のニュース。空爆の事など誰も知らなかった。彼女の記憶が世界の輪郭とずれ始め
る中、
「空爆から街を守ったのは君か?」
見知らぬ人物に自分しか知らないはずの記憶に迫られ突然命を狙われるナキ。絶体絶命の彼女を守ったのは、知らぬ間に芽生えていた『綿を生成するチカラ』だった。
透明人間、瞬間移動、洗脳etc。日常に潜むチカラが招く数々の事件に、ハズレ能力と知恵と度胸で立ち向かうナキ。チカラの謎、そして街を襲った空爆の真実に迫る。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-18 20:52:00
64861文字
会話率:40%
「ほら、漫画とかでよくあるじゃないですか。強敵が発するオーラにビビるやつ」
それは、強敵の背後や輪郭に沿って漂う黒や白。時に金色であったりして。
そして、ズズズやゴゴゴといった効果音と共に描かれ強者を更に強そうに演出する。
「でも実際の
ところ、そんなオーラは存在しないすよね」
本分より一部抜粋折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-20 23:55:09
3265文字
会話率:32%
懸命に生きる昭和の家族と一匹の犬の物語。
犬は東京オリンピック(昭和39年、1964年)にあやかって「ピック」と名付けられた。
半世紀以上も前に生きた一匹の犬との思い出を手繰ると、その輪郭がはっきりと蘇ってくる。
とっくの昔に消えてしまった
命だけれど、心の中の存在は消えることはない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-05 23:30:59
10512文字
会話率:19%
「輪郭、情に馳せる」の後日談です。
前作品をご存知なくてもお読み頂けますが、作者としましては2作品共触れて頂けましたら嬉しさここに極まれりでございます。
設定としては輪郭が17歳、当作品が21歳頃かなと考えております。子供と大人の愛の違い
に想いの違いとは何かという作品になりました。皆様を、是非に私の文章の世界へご招待致します。(格好付け過ぎかな?)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-13 03:56:37
1058文字
会話率:24%
学生の時分。
交際の終わり方は、雨の方が味がありますよね。
そんな話です。
最終更新:2021-02-22 00:22:05
778文字
会話率:4%
真っ白な少女と真っ黒な男性は、いずこかにて語り合う。
互いに論理の衝突を曖昧に回避して、いずれ溶け落ちる輪郭。
更新は不定期です。作者がこの小説を書ける状態にならないと更新出来ないためです。
最終更新:2022-02-09 12:10:08
1996文字
会話率:77%