ある朝目が覚めると前世の記憶を取り戻していた没落貴族の令嬢アルシェナは、どうしても貴族社会に馴染むことができずとうとう決意した。
そうだ、田舎で暮らそう。
移住先の森の片隅でひっそりと暮らし始めた彼女の元へ、知己のドラゴンさんが拾いもの
と称して持ちかえってきたものは獣人の少年。
これはドラゴンさんと暮らし始めた少年と、庶民にも貴族にもなりきれない少女の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-08 23:04:28
1006文字
会話率:7%
演劇部の部長を務めている土河勇[ツチカワ ユウ]は、大聖高校の3年生である。毎年9月の文化祭で演劇部は劇をやっているのだが、高校最後の劇を前に勇は脚本を全く書けないでいた。アイデアを考えるためにいつも通っている公園に行った勇は、その公園で偶
然1人の老婆に出会う。
「この本を貸してあげるから、参考にしなさい。」
老婆はそう言って、脚本が煮詰まっていた勇に黒い背表紙でかなりの年季の入った一冊の歴史書を手渡す。どうやらその黒い本には戦国時代に起きた1つの事件のことが書いてあるらしかった。これも何かの縁だと思った勇は、一風変わった転校生である佐山とこの黒い本を基に脚本を書くことを決意する。老婆との出会い、一冊の黒い本との出会いから時代を超えた事件に巻き込まれていくとはこの時の勇はまだ知る由もなかった。
そして、劇の当日。勇の作った脚本は現実を飛び越えて、思いもよらぬ結末へと向かっていくこととなる。
一方、時は1583年の戦国時代。織田信長が本能寺の変で家臣であった明智光秀の下剋上によって殺されてしまった翌年、実家で酒屋を営んでいる高山利彦は、30歳になっても家業を継ぐ気もなく自由気ままにしがない探偵をしていた。利彦は独身ということもあり見合いの話も進んでいたのだが、いまいち気乗りしないでいた。
そんなある日、報酬が少なかったり自分の不利益になるような依頼は一切引き受けてこなかった利彦の元に、ある依頼人から一枚の手紙が届く。その手紙を読んだ利彦の中で何かが変わる。そして、この手紙を送ってきた依頼人のために、ある城への潜入捜査を開始するのだが・・・。
本に書かれていた戦国時代に起きた1つの小さな事件・・・土埼[とき]城の変。
この事件に関わった探偵や武士達、そして、現代を生きるどこにでもいる高校生達。決して交わることがないその人間達が、勇の劇を通して交差し引き起こしてしまった1つの時代ミステリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-13 16:49:05
53439文字
会話率:51%
薄暗い談話室の中で1人の男が新聞を読んでいた。揺らめく暖炉の火が彼の眼鏡のなかで揺らめいている。
そんな中、ドアを叩く音が響く。
「社長、宜しいでしょうか?」
「入りたまえ」
若い黒髪の青年が異質な空気が流れる空間に入ってきた。
彼の手
には社長と呼ばれた男が持っている物と同じ新聞が握られていた。
「社長もお気付きだと思いますが、今回の貨物船強奪事件はやはりあのマフィアが絡んでそうです。確かな筋からの情報を得ました」
そう強い口調で言う若者に社長はこう諭した。
「物事を一つの視点だけで判断すると大事な何かを見失ってしまう。色々な視点から答えを導き出さないといけない」
青年は自分の主張の甘さを実感したのか持ってきた新聞を握りつぶしながら、お辞儀をして部屋を後にした。
残った社長と呼ばれた男はテーブルのにあるコーヒーを手にして少し口に含むと目を閉じてこう呟いた。
「この事件の真相とやらを少し考察するとしようか。まず初めに……」
暖炉の仄かな熱と多くの本の背表紙の視線がある中、男は底の深い世界へと入っていったのだった。
稚拙な文書ですが読んでいただけたら幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-11 00:45:24
4878文字
会話率:22%
小説の本文は読まず、あらすじのみを読んで、満足する久世川夏樹は、とうとう行きつけの本屋で、全ての本、そのあらすじを読破してしまう。しかし、それではつまらない。かといって、あらすじを読んでしまったから、今更本文を読もうとも思えない。すでに何
百というあらすじを読み続けた彼女は、いつの間にか、あらすじから本文を推測する能力が、とても発達していたのだ。
そうして肩を落とし、悲壮感あふれる顔で岐路に着く彼女。そこへ、老婆が、何も言わずに本を一冊、手渡した。
人生。そう書かれたタイトルの本。その背表紙に書かれたあらすじを読んだ彼女は、とても笑顔になった。それから、立ち去ろうとしていた老婆を引きとめ、何度も何度も、礼を言って、スキップで家に帰った。
翌日、彼女の首吊り遺体が見つかる。遺書のあらすじには、果たしてこう綴られていた。
人生のあらすじを読んで、全てが分かったので満足しました。さようなら。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-30 21:41:05
2153文字
会話率:8%
雨、海月、クラゲ
あの夏のわたしの記憶は
綴じられることなく
背表紙のないまま
今も泳ぎ続けている
キーワード:
最終更新:2016-05-27 10:23:45
776文字
会話率:7%
一冊のファイルがある。ごく普通のA4サイズのリングファイル。中身は、インデックスで区分され、項目別に分類されている。誰かがまとめた、生物の資料集だろうか。
文字が多く、ところどころに簡単なイラストが描き込まれている。ざっと目を通すと、イ
ンッデクスに記載された生き物の生態や、狩人達から教えられた駆除や捕獲の方法、捕獲後の使い道等が記録されているようだ。
背表紙に記載された、資料の名称は「狩人目録」。この資料を作成した者が、狩人達と同行し、その詳細をまとめた資料集。
この作品はフィクションであり、
実在の人物・団体・事件などとは
一切関係ありません。
一話完結型の短編集の為、連載の種別を取ります。
不定期掲載です。割り込み投稿を行う可能性もあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-04 01:00:00
53053文字
会話率:4%
本屋でも、図書館でも。
並んでいるのは、同じ顔。
平積みにならない。
棚にいる、僕たち。
最終更新:2015-03-17 10:58:28
285文字
会話率:0%
これは、秘密の物語。
ある青年は、約束を守るため旅に出た。ある孤児は、夢のために泣いた。ある少女は、謎を解くために階段を上り、ある女性は、過去を取り戻すために目覚めた。
ある日、彼等は気づく。これは、けして私の物語で
はないと。
これは、あなたの物語。哀しみと痛みに色どられた背表紙の一冊の本。
これは、あなたの秘密の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-03-22 19:17:32
2602文字
会話率:7%
『魔女と黒猫と。』
<あらすじ>
「半年に一度の女王への謁見の日。女王仕えの魔女、アキラは城で灰色の目をした黒猫と出会う。可笑しなことに黒猫は器用にアキラの肩に乗ると、ガブリと首に噛みつき、血を舐めた。痛みに唖然とするアキラに「不味い」と言
い放った猫。頭にきたアキラが次に目にしたものは、黒い猫耳を付けた行方不明の第一王子、トビであった。 呪いをかけられた王子と、どこかずれた魔女の物語」
―――少女は愛読書の背表紙にあったあらすじに目を通し終わると、ふぅと物憂いげにため息をついた。
私ならもっと、アキラなんかよりも上手にトビを助けられるのに・・・。
これはそんな彼女にかき回された物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-07-19 22:58:47
6682文字
会話率:39%
自サイトに乗せているものです。
短編。
最終更新:2012-04-02 20:51:40
1444文字
会話率:27%
青い背表紙に白い帯のついた本
最終更新:2011-12-22 02:39:15
921文字
会話率:0%
不意に、子供の頃に読んだ本をもう一度読み返したくなることがある。その本がもし絶版になったとしても、諦めずに探し続けると……そんな、一冊の本をめぐる不思議な物語。
最終更新:2009-08-11 20:52:18
12208文字
会話率:24%
近頃噂になっている背表紙が白い本の噂。バカらしいと思いつつ探す主人公。どうなる?
最終更新:2009-07-09 01:28:49
1971文字
会話率:55%