ジュニアは、自分の家族が普通ではないことを薄々感じてはいた。
明るく快活な母は、栗色のウイッグの下に紫色の髪を隠していたし、たまに家に帰ってくる父親は、ジュニアがそのまま歳を重ねたような美成年であることを加味したとしても、とてもうさん
臭い人だった。
そして、とある日曜の午後、モールでチョコシェークを飲んでいるジュニアの前に一人の少女があらわれた。
流れるような金髪の美少女は、5冊の本をジュニアに手渡す。
「これ読んでね」
本の題名は「ワンダー7」
幼馴染の双子姉妹―ユズルヒノとカオルヒノ、そして、金髪の美少女アンヌワンジルとともに、ジュニア―ジムドナルドジュニアは、宇宙船(ダー)に乗り込み、かつて自分の両親とその親友たちが進んだ道をたどりはじめる。
宇宙船乗組員(ボードクルー)の子供たち、ジュニア、ユズルヒノ、カオルヒノ、アンヌワンジルは、ついに太陽系を囲む胞障壁(セルレス)を超えた。第2類量子コンピュータのダーと、そのパートナーであるエイオークニは、大きな役目を終わらせて安堵の色を隠さなかったが、その2人に、まだまだこれからさ、とジュニアは言う。
彼らとともに胞障壁を超えたゴーガイヤは、胞障壁の中に、かつて宇宙皇帝の四天王と呼ばれた同僚たち、タルトレーフェンとルミザウの棄損核を認めた。ひとつの時代は終わったが、その残照は次の時代にも影を落としているかのようだった。
二重惑星であるベルガーとサイユルで紐型宇宙人ヒューリューリーと出会った彼らは、さらに胞障壁を超えて、ダーの生まれ故郷、第2類量子コンピュータの立ち上げ機(ピスアール)が残る胞宇宙(セルベル)へと進む。
いまだ、彼らの「敵」の正体は、判然としないまま…
第1章 子供の時代 2016/09/24 完結
第2章 紐とコンピュータ 連載中
この物語は、http://ncode.syosetu.com/n6217cp/「ワンダー7」の続編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-11 19:48:34
157421文字
会話率:54%
おそらく私が今書ける、
もっとも蛇の詩らしい蛇の詩です。
え?
ドヤ顔?
な、なんで〜?
最終更新:2017-12-10 20:27:02
297文字
会話率:0%
上代の、神々の残照が残る日本で、突如開いた黄泉の国に続く洞穴を塞ぐため、大王の軍勢の先鋒を一人で担っていた勇者が合戦の最中に突如姿を消した。
眩いばかりの天光に導かれて彼が辿り着いた先は、現代日本。
装備も奪われ、言葉も通じず、あまつさえ文
化も文明も大きく異なった時代に揉みクシャにされながらも、生きる事と戦う事を止めようとはしない彼に課せられた試練とは何か?
どころか、金も持たず喰うものにも事欠く彼に未来は微笑むのか。
それは彼にも誰にも、作者にもわからなかったのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-16 22:00:00
34760文字
会話率:42%
二年前に起きた失楽園により全てを失った残照の使徒のラク・アルバストル・ブレウマリンは、失楽園を引き起こした悪徒の一人、イブ・コルヴェアの暗殺を命じられる。
※本作品は月に咲くプリムローズの二年後を描いた作品です。極力前作のネタバレがないよ
うに努めておりますが、登場するキャラの都合上、前作で誰が死んで誰が生き残ったのかが容易に推察できてしまいます。その点だけご注意ください。
なお、前作を読まずとも内容が分かるように構成しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-04 15:01:22
6725文字
会話率:17%
1日を終えた少女はいつもの道を歩いて帰る。
最終更新:2016-10-28 18:00:00
430文字
会話率:0%
太古の昔、太平洋にムウと呼ばれる大陸があり、大陸を治める帝国が栄えていたという。この物語はその帝国が腐敗し、人々の心が乱れる中、一人の蛮族の少年が帝国にやってきて繰り広げる物語です。絶望的な運命を知らぬまま、人々はこの少年に希望の光を見ま
す。
【第一部あらすじ】
ムウの港町マニに姿を現したルシュウは、武術大会に参加する予定のガルムやルトと分かれて、山の民と呼ばれる今はスラム街に住む人々と知り合った。一方、ガルムとルトは、領主チムガの本心を知らぬまま、取り入る事が出来た。チムガは都からこの領地の視察に使わされる少女ウルニの暗殺を命じられており、ガルムとルトをその犯人に仕立て上げて暗殺を実行するつもりだった。
スラム街の者によって暗殺の証拠が漏れることを恐れたチムガは、スラム街を住人もろとも焼き払う。生き残ったスラムの住人バンカは、ルシュウを利用して復讐を遂げようとする。一方、チムガに付き従うガルムとルトは?
そんな中、ウルニ暗殺の日を迎えた・・・
*********
このムウ大陸を舞台にした作品は、カクヨムに掲載していたのですが、あまりのアクセスの少なさに驚いて、こちらに転載させていただくことにしました(涙・汗っ)
こちらのサイトでは、ムウ大陸と同じく海に沈んだという伝説のあるアトランティスを舞台にした「反逆児アトラス/アトランティス戦記」を連載させていただいていて、アクセス数は第一部・第二部合わせて既に20000アクセスを越えました。
海に沈むという運命に向き合いながら、その過酷な運命を切り開こうとするアトラスと、過酷な運命を呪ったりせず人として一生懸命に生き抜く自然児ルシュウ。二人の生き方を対比してご覧ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-08 13:00:09
115798文字
会話率:42%
本作は「はるかかなたのエクソダス(N2401CY)」および「はるかかなたのエクソダス2夜明けの翼(N1611DA)}の物語の舞台となっている惑星スフィアに人類が移住した経緯を語る中編です。
なぜ人間をコンピューターが支配しているのか、
王(キング・アーサー)となった男、鞍馬哲平(くらま・てっぺい)と妻の可南子、そして二人を支えた甥の光平の数奇な運命を描きます。
15禁ですが、表現の自由の幅を確保する保険程度です。週1連載で年末年始にかけて集中連載、8話で完結予定です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-03 22:00:00
19891文字
会話率:42%
終戦の直前、夏を迎えたハンライの国民学校に、扶桑人校長を名乗る怪しい男が現れた。
内地に行けば、小学生でも高いお給金がもらえる、お国のためにもなるのだというその男の話に盛り上がる小学生たち。
しかし、内地に行くには、親に署名と印鑑をもらわな
くてはならない。
ヨンギルと仲間たちは額を集めて相談し、親に黙って印鑑を持ち出し、捺印して書類を持って来たのだが……。
真っ赤な残照に照らされる教室に、その日、ピタッピタッと濡れた足音が近づいてくるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-13 12:14:47
4688文字
会話率:9%
夕暮れ遅くの小さな公園で
最終更新:2015-05-17 22:53:12
1581文字
会話率:6%
秋になって緩井兄弟は、縁側や屋根に登って変な同居人の思い出をか回想する・・・
最終更新:2015-04-16 16:29:17
491文字
会話率:97%
お知らせ
現在、驍将(後北條五代記・上巻)の執筆を開始しておりまして、千夜一夜の執筆が停止しております。
驍将が完結しましたら、千夜一夜の執筆を再開しますので、暫くの間お待ちくださいませ。
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この物語は史実に基づい
て創作されておりますが、完全な史実本ではありません。
歴史エンターテイメントとしてご覧頂ければ幸いです。
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信長、信玄、謙信の滅んだ今。
隆盛を極めた北條家が関東の覇者となった。
だが、時代の嵐は吹きやむ事を知らぬように北條家を吹きぬけて行く。
北條氏康の三男、北条氏照の物語。
兄氏政、弟氏邦・氏規等と、織田の残照豊臣家と鎬を削った男は最後に何を思ったのだろうか。
小田原北條家と共に戦国が始まり、そして終結した。
後北條五代記最終巻、千夜一夜のまぼろし。どうぞお楽しみ下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-02-03 21:55:14
34991文字
会話率:40%
帰りの電車に乗った主人公。そこで出会った見知らぬ女性に恋をする。しかし、その後、その女性とは会うこともなく時間だけが過ぎていってしまう。しかし、ある日、あるきっかけで-
最終更新:2014-12-24 14:29:18
4246文字
会話率:43%
今から五十年前、いや、その前年より前のこと。
新幹線が開業する前は、急行列車の全盛期でした。
遠くにまで行く列車は、ほとんどもれなく夜行列車です。
眠っている間に目的地に行けるので便利なのですが、当時の車両は客車ばかり。
窓や連結部から隙間
風が入り、天井の照明も白熱灯でした。
寝静まった車内を、ぼんやり照らす明りに侘しさを感じました。
そんな列車に乗るためにあったのが待合室。
テカテカとニスの艶を自慢げに、木の長椅子が並んでいました。
最終列車を待つ「待合室」
その風景を思い出してみました。
なにがしかが心に届けば幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-11-11 09:45:28
543文字
会話率:0%
*雨の日に出会った青年は、とても不思議にそこに立っていた。それはまるで不自然なようで、自然なようで、私はほんの少しだけ声をかけそびれていた。
競演参加作品。テーマは「雨」
※小説サイト「野いちご(Berry's Cafe)」「メクる」「カク
ヨム」「pixiv」「エブリスタ」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-10 15:48:16
3847文字
会話率:53%
異文化エッセイです。
キーワード:
最終更新:2013-12-05 18:28:11
1087文字
会話率:0%
【ノスタルジア番外編】
深い森の家から貴族のグリーシュ家に貰われたエルレアは、養父母と義弟セレンと静かに暮らしていた。
ある嵐の夜、エルレアが養母の泣き声を辿っていった先には、開かずのロング・ギャラリーとも呼ばれる「時止まりの回廊」があって
……!?
過去と現在、未来が交錯するノスタルジアシリーズ短編・番外編。
※自サイト「夢幻の城Wisteria」の小説を、こちらでも公開する事にしました。順次公開予定です。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-10-17 19:00:00
10115文字
会話率:33%
時は14世紀後半。長い歴史を誇る帝国の皇族ヨハネス・パレオロゴスは、幼少期に父の失脚に巻き込まれて片目を失っていた。時が流れ帝位についたとき、彼は叔父の姿を見た者がいると聞く。叔父はかつて彼を苦境へと追いやり、そして見捨てた男だった。
とあ
る企画の原作候補作品です。完結していません。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2013-08-25 10:11:13
3210文字
会話率:35%
戊辰戦争が終わった明治2年。幕府軍として最後まで戦った土方歳三の姉のぶは、心休まらぬ日々を過ごしていた。そんなある日、見張りの目をすり抜けて1人の客がやってくる。それは歳三からの命を受けた新選組隊士、市村鉄之助だった。
(この小説はアメーバ
ブログにおいても掲載しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-02-12 01:07:39
5890文字
会話率:42%
あなたは永遠があると思いますか? それをただの言葉だと、思ってはいませんか? 永遠に憧れるその心が、美しく思えたりするだけだと、決めつけてはいませんか?
沈みゆくこの島でも、毎年かならず夏は訪れます。蝉はどうしようもなくうるさくて、強い潮
風にあてられると髪はすぐにちぢれちゃって。
その一つ一つは、玻璃(ガラス)を通した景色(キオク)の欠片。
たとえそれが砕けたとしても、その一粒一粒は、絶対になくならない原子の証。
この世は原子の万華鏡。覗くたびに模様の変わる、思い出の残照。
だから傷ついたりしないで。すくい上げたその砂は、握ってしまえば落ちるけど、でもなくなったりはしないでしょう?
逆にわたしはあなたに訊きます。
子供ノコロニ 見テイタ世界ヲ アナタハ今モ 憶エテイマスカ?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-04-19 20:28:51
15539文字
会話率:26%
死人の記憶の残照を見つけ喰らう異能の力、
喰らった知識や経験を瞬時に己の物とする反則級の能力を持つ男、佐藤一彦。
人の努力を嘲笑うかの如き才能を持った彼が異世界でどう過ごすのか。
笑い未定、涙は多分無し、感動も多分無し。
決して善人とはいえ
ない、小者で自堕落な主人公の一風変わった物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-05-06 05:00:00
47473文字
会話率:14%