放課後の旧校舎、生物準備室の片隅には、誰にも使われなくなった「標本棚」がある。
そこには、名前のない標本瓶たちが静かに並び、封じられた「記憶」をひそやかに抱えていた。
ある日、ふとした導きでその部屋を訪れた少年――吾妻漱一郎は、猫又の少女
・ルリ子と出会う。
瓶に触れた時、少年は過去の記憶に沈み込む。そこにあったのは、焼け落ちた舞台に言葉を残せなかった青年、名前を奪われ笑顔の仮面をかぶった少女、そして自由を求めて籠を破ろうとした魂たちの物語。
これは、喪われた声、名、心をめぐる、記憶と再生の幻想譚。
そして、猫又のルリ子が見守る、「終わらなかった物語」に幕を降ろすための物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 04:23:06
7512文字
会話率:13%
ただただ名前のない小説を落とすだけです。
ここから新しく小説ができることもあります。
エピソードタイトルは作品のキーワードです。
最終更新:2025-07-15 23:34:28
5475文字
会話率:8%
2050年、日本。
出生率はついに0.79を割り、政府は非常事態を宣言。
翌年、「結婚出産義務法」が施行された。
18歳以上のすべての国民は、30歳までに国から指定された配偶者と結婚し、2人以上の子を出産する義務を負う。
違反すれば、国民
資格を喪失し、生活支援の打ち切りや職業制限、居住地制限などの“排除措置”が適用される。
これは、「結婚」という言葉が国に奪われ、「愛」が証明書に成り果てた世界で、静かに抗い、問い続けた人々の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 10:34:34
1753文字
会話率:17%
星が見えるのは、夜に霧が晴れるほんのひとときだけ。
異星の植物を見つめ続けてきたアイリスは、ある日、言葉を持たぬ“彼女”と出会う。
彼女の思念は、まるで風のように、アイリスの心に静かに触れてきた──。
地球を知らず、ただこの星の空を見上げ
て生きてきた彼女は、
いま、名前のない「想い」と出会おうとしている。
これは、星と霧のはざまで静かに揺れる、一人の若い女性の再生の記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 11:01:04
41078文字
会話率:18%
成績優秀な転校生は、ただ国語だけを満点にし、それ以外はすべて八割で揃える。
「優秀すぎる自分」を壊すために、彼女は一度、すべてを壊していた。
名も告げず、感情も語らず、それでも彼女は“見殺しにすること”だけを選ばなかった。
これは、名前
を呼ばれなかった少女が、
ある少年の世界を静かに変えていく、ひとつの記憶の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-10 19:00:00
40942文字
会話率:17%
【午後三時、職場のトイレから戻る途中─俺は”どこか”に迷い込んでいた。】
そこは、誰もいない大学の廊下だった。
夏の日差しが差し込む快晴の午後。だが暑さはなく、不気味なほど快適だった。
遠くから聞こえる笑い声。だが人影は一つもない。
時
計は止まり、空気は静止し、存在しないはずの”気配”だけが付きまとう。
これは夢か?妄想か?
それとも、
誰もが一度はすでに踏み込んでしまっている、名前のない世界なのか。
記憶にないのに、どこか懐かしい。
見覚えがないのに、帰ってきたような気がする。
仕事に疲れた三十二歳の男が迷い込んだ、
「なつかしらぬ」空間を描く、静謐で幻想的な現代ホラー。
▼ジャンル:ホラー(リミナルスペース×心理幻想)
▼キーワード:折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-10 12:00:00
7799文字
会話率:6%
かつて本物があった世界。そこではかつて動物、自然と共に生きている人の暮らしがあった。しかし、デジタル技術が進歩したある日、アナログとデジタルの時代が分断されてしまう事変が起こる。それから242年後、デジタルだけで作られている世界(コードノヴ
ァ)で暮らしている12歳の少年“悠(ゆう)”。かつてのアナログだけだった時代(ソラクア)の存在が全て消された完全デジタルの世界で暮らしていた。そこで育った悠は、ある日、名前のない店で白いカードを手にする。はじめて手にするアナログの肌触りに、どこか懐かしく胸の奥があたたかくなるはじめての感覚に戸惑う悠。それはソラクアへ通じる鍵である「守紋」だった。かつて動物と自然は幸運を運ぶ人の守護として存在していた。その「守紋」の動物、自然たちともに未知のソラクアへの旅を決意する。そして、たどり着いた先で、どちらかの世界しか残すことはできないと、ソラクアかコードノヴァか選択を迫られる悠。選ぶことができるのか……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 18:39:22
16807文字
会話率:47%
陪花として「月の庭」で暮らすシアノは、主花・黒鳥サシャの侍女として静かな日々を送っていた。
だがある日、医務局の侍従イーヴに抱き上げられたその瞬間から、心の奥に“名もなき何か”が芽吹き始める。
制度に守られた距離。触れてはいけない想い。
星の座・搖光からの陪花への誘い、風紀を監視する天の砦の圧力――
少女の小さな願いは、制度の枠を揺らし始めていた。
「どうか、この館にいてください」
たったひとことに、涙がこぼれそうになる。
これは、星の庭で“まだ名前を持たない恋”が育つまでの、優しくて残酷な物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-05 22:08:22
10240文字
会話率:30%
――これは、制度に選ばれたふたりが、それでも“恋に落ちてしまった”話。
ヴァレリオン宗家──それは、血統を守るためだけに築かれた世界。
毒に強く、美しく、選ばれた者だけが“器”となり、次代の命を繋いでいく。
少女シアノ・コーエンもまた、その
ひとりだった。
陪花(ばいか)として指名されること。それが彼女の運命だった。
……けれど、彼に出会ってしまった。
静かに微笑む、天樞の侍従。
制度に従うため、自我の一部すら抑えて生きるその人が、
ほんの少しだけ──彼女に“反応してしまった”。
これは、名前のない感情が、少しずつ“恋”に変わっていくまでの物語。
甘く、やさしく、ときに苦しく。
この世界でいちばんやわらかな恋の記憶を、あなたに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 20:27:02
8328文字
会話率:22%
家族を守り続けた女たちが、「私」に還るまでの静かな物語。
子育てを終え、母でも妻でもなくなったとき、女性はどこへ向かうのだろう。
秋田の海辺、芝生の山、きりたんぽ鍋の湯気。
触れずに愛し、崩さずに寄り添う。
そんな関係に救われながらも
、自らに問いかけ続けるふたりの女性。
ひとりは、ある既婚女性として、遠く離れた土地に心を重ねる。
もうひとりは、明るく愉快な夫との日々の中で、「私」としての歩みを取り戻そうとする。
名前のない優しさと、答えのない日々。
最後に彼女たちが選んだ「未来」とは──
静けさの中に宿る愛を描く、私小説的交差ストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 17:06:03
4281文字
会話率:12%
ノベルアッププラスの百合コンに出した小説です。
土屋真知は、美術教師に『恩師の個展に絵を出してみないか』と誘われ承諾したが、何を描くか決められていなかった。そんな折、美術室にやってきたのは学校一の美少女の天音ミヤコだった。
最終更新:2025-07-03 15:06:11
22418文字
会話率:31%
旧校舎に残された、静かな文芸教室。
そこは、クラスでも目立たない少年・黒川想太が、ひっそりと言葉を綴り、本当の自分でいられる、たったひとつの場所だった。
ある夕暮れ、その教室に現れたのは、クラスの中心にいる少女・中野澪。
彼女が語ったのは、
誰にも言えなかった“別れ”のこと。
沈む夕陽の中、想いは言葉にならず──ただ、光だけが残った。
夕暮れの教室に紡がれたのは、届かぬはずだった、“誰かの想い”。
一話完結の短編。短めです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 08:17:49
4731文字
会話率:19%
夢を観測するために作られた、ひとりの人工知能「ホム」。
彼女は今、名前のない記憶と、消えかけた夢の断片を辿って、
忘れられた研究島でただ静かに“誰か”を待っている。
これは、夢と記録の境界に立つ観測者と、
夢を見るようになった観測機の物語
。
失われた記録、送られなかった手紙、
そしてもうひとつの「あなた」が呼びかけるそのとき──
世界は、記録から“物語”へと変わりはじめる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-02 16:23:47
9860文字
会話率:21%
夜が深く沈むたび、あの街は少しずつ形を変えていく。
遠くの灯が、水に落ちた星のように揺れていた。
弥生はその中心にいた。
けれど、それが夢なのか現実なのか、自分でも確信が持てなかった。
彼女の足元で、地面がそっと呼吸する。微かな鼓
動。漆黒の空の下、建物の影が伸び縮みし、世界は静かに軋(きし)みながら回っていた。
「……またここに来た」
弥生は呟いた。けれど、その声さえ、すぐに夜に溶けて消えた。
記憶のない夢。感情だけが濃く残る夜。
名前のない不安が、いつもこの場所へと連れ戻す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-30 12:24:46
28327文字
会話率:12%
五日前、世界が止まった。今ここにあるのは、灰と飢えと、名前のない絶望だけ。
4200字程度の短編です。
最終更新:2025-06-30 07:40:00
4175文字
会話率:5%
名前のない神を信仰する教会に所属する主人公、ある日いつものように墓守の仕事をしていたところに、仕事の依頼が入る、墓守の仕事を一時人に任せ、ハカモリは依頼をこなす、さっさと終わらせて、墓守に戻るため!
最終更新:2025-06-30 01:30:27
148423文字
会話率:47%
風が吹き、匂いが届く。
背中越しの距離で、香りとページの音だけを共有する、名前のない関係。
それでも、また会えると信じていた――。
最終更新:2025-06-29 11:00:00
693文字
会話率:0%
地図に載らない村、名前のない集落。
調査に向かった4人の大学生は、次々と“村の一部”になっていく。
記録する者が、語られる者へと変わるとき——
あなたも、その村の名前を知ってしまう。
最終更新:2025-06-19 22:00:00
17935文字
会話率:34%
22歳の大学生だった青年・三浦涼介は、ある殺人事件の容疑者として逮捕され、無実でありながら5年間を刑務所で過ごす。
28歳になって出所した彼には、「前科」という消せない烙印と、亡き両親、そして唯一の家族である妹・灯花だけが残っていた。
冤
罪を信じ続けてくれた妹と再会し、涼介は社会の冷たさと向き合いながら、新たな人生を模索し始める。
しかし、灯花の結婚が決まり、相手の家族からの偏見と圧力が二人の絆を揺さぶる。
家族を守りたい一心で、涼介は自ら“兄”であることを手放す決断を下す――。
「名前のない家族」。
血縁を越えた愛と別れ、そして赦しの物語。
無言の優しさと不器用な想いが交差する、心に静かに刺さる現代社会のヒューマンドラマ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 19:52:03
28011文字
会話率:12%
記憶を喪失した「私」は、警察からある女性の失踪について事情を聴かれる。その女性は“彼女”と呼ばれ、私と同居していたというが、私はまったく覚えていない。
部屋に残された彼女の持ち物、録音された音声、日記の断片。それらは確かに“彼女”の存在を示
していた――が、どれもどこか曖昧で不自然だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 14:30:00
8185文字
会話率:30%
◆ ロヒンギャ・キャンプ(バングラデシュ:コックスバザール)
•成立背景:ミャンマー軍によるロヒンギャ民族迫害。
•問題:人口過密(100万人以上)、感染症リスク、洪水・地滑りによる被害
最終更新:2025-06-08 20:25:07
3134文字
会話率:0%
深夜のネットに流れてきた、一枚のイラスト。
誰が描いたのかも、どこから来たのかもわからない“彼女”。
だけど――私たちは、いつしか彼女のことを「好き」になっていた。
イラストレーター、字書き、レイヤー、そしてVTuber。
名前も原作も
ないキャラクターをめぐって、出会っていく私たちの話。
現代創作文化に根ざした、「好き」をつなぐ物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 16:41:19
10969文字
会話率:46%