――むかしむかし、と言うには、少しだけ新しい時代の話。
“ヨイノ”という国があった。
江戸にも似た街並みに、妖怪と人間が肩を並べて暮らす、不思議な場所。
笑い声と泣き声と、時々ちょっとした悲鳴が混じる、雑多でにぎやかな町だ。
その街のは
ずれ、目立たぬ長屋の一角に、ひとつの暖簾がかかっている。
「ことのは堂」
看板も貼り紙もない。ただ暖簾に筆文字がひとつ。
何の店なのか、初めての者にはよく分からない。
けれど、口コミは広がっている。
「悩みごとがあるなら、ことのは堂に行ってみな」
「声にできない話でも、聞いてくれるらしい」
「人でも、妖でも、ちゃんと向き合ってくれるってさ」
そんな噂を頼りに、人も妖もやってくる。
何を買うでもない。何を売るでもない。ただ、誰かに“言葉を届けたい”者たちが。
ことのは堂を営んでいるのは、一人の男だ。
名を、高道(たかみち)という。
歳は三十代の半ば。物腰は柔らかく、言葉は穏やか。
人と話すときは冷静だが、その目の奥には火種のような熱がある。
「お悩みなら、お聞かせください。……言葉は、口から出たときが始まりですから」
そう言って、相談者を迎えるその姿は、僧侶でも教師でもなく──ただのひとりの聞き手だ。
けれど、その言葉は、不思議と胸に残る。
彼は、話を押しつけない。助言もしないことがある。
けれど、いつのまにか相談者の心に、小さな光を灯していく。
高道はもともと、ヨイノの人間ではない。
──ある日突然、ここにいた。
転生だったのか、流れ着いたのか。彼自身もその理由は語らない。
けれど、“ことのは堂”という場所が、彼にとっての新しい生きる場であることは確かだった。
高道には未練がない。過去に戻りたいと思わない。
この不思議な国の喧騒も、妖怪たちの奇行も、どこか面白がって受け止めている。
「せっかく異世界に来たんだ。なら、楽しく暮らしてやろう」
その心持ちが、妖も人も、彼の元に惹きつけるのだろう。
今日もまた、誰かが暖簾をくぐる。
言葉にできない気持ちを抱えて。
声にならない声を、届けたくて。
そして高道は、静かに湯を沸かしながら、その人(あるいは妖)の話に耳を傾ける。
「焦らなくていいですよ。……言葉が整うのを、ここで一緒に待ちましょう」折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-07-25 17:30:00
48143文字
会話率:50%
小さな農村であるボンノ村でその少女は誕生した。
かつての偉大な魔法士の名を与えられた少女は、両親の愛情を受けてすくすくと育つ。
弟も生まれて姉としての意識が芽生えはじめた少女だったが、彼女にはひとつだけ悩みがあった。
それは魔法の制御がうま
くできないこと。
同い年の少年少女がどんどんと上達していく中、なぜか簡単な生活魔法すら使えずにひとり落ちこぼれてしまう。
見かねた両親はあまり深く考えず、少女のためを思って色々教えてしまう。
このことが後世にいう規格外の魔法士を誕生させることにつながっていくのだった。
これは、無自覚のまま魔法士の天辺に立ってしまう少女の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 17:20:00
334232文字
会話率:38%
謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。
二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。
更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れるこ
とができた。
それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。
異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。
しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。
国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。
果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。
カクヨムにてフォロワー数10,000超えの人気作!
ストック120万文字以上!
基本的に最新話に追いつくまで毎日10話投稿します!
※この作品は『カクヨム』『アルファポリス』『ノベルアップ+』にも投稿されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 17:10:00
1494993文字
会話率:15%
ミレーネ・ドトレスト侯爵令嬢は、愛するロシュア・シャルマン伯爵と結婚し、幸せな毎日を送っていた。はずだった。
ロシュアと二人でシャンパンを開けた夜、いつの間にか眠ってしまっていたミレーネが目覚めたのは、十ヶ月後のこと。その間、ミレーネは死ん
でおり、生家は没落していたのだ。
死に戻ったことが理解できないミレーネを、ロシュアは拒絶する。ロシュアは既にジェニファーという新しい妻と暮らしていた。
絶望し、途方に暮れるミレーネを救ったのは、幼馴染のカルロス・スノウレスト伯爵。「僕と結婚しないか?」想い人がいるはずのカルロスからの唐突な提案に戸惑いながら「死に戻りの自分が役に立つならば」ミレーネは、匿ってくれるお礼として契約結婚を交わす。
ある時、ミレーネはひょんなことから自分の容姿を見てしまう。それは死ぬ前とは大きく異なっていて…。カルロスが、屋敷中の鏡を外していたことに気がついたミレーネは彼の本当の優しさに触れていく。
「カルロスが想いを寄せていたのは…あの方だったのね。だから私と契約結婚したのだわ」
ミレーネは、自分の本当の気持ちに気がついたと同時に恋心を終わらせようとする。なのに、カルロスはなぜか離れることを許してくれそうになくて…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 17:05:16
129544文字
会話率:55%
死者はナイフを突き立てる。
この世界で生きていた証を刻むように。
2024年、現代日本。
時の流れとともに文明が発達し、その都度人々の生活は移り変わってきた。しかし古来より現在まで、世界中のありとあらゆる場所において、何百年経ようとも決
して変わらないものがある。
死だ。
死は生きとし生けるもの、全てに平等に訪れる。
決して逃れることができない、それが死。
ゆえに人々は考える。
人は死後どうなるのだろうか。
未知なるものへの恐怖から、あるいは救いを求める期待から、さまざまな幻想を抱くが、多くの場合、このようになるはずだ。
もしも今生に何の未練もなく、怨みや後悔もないならば、天に上がって輪廻転生の輪に入るだろう。その逆ならば、地底に堕ちるだろう。
では、そのどちらにも行けない者は?
怨霊と化して、地上をさまようしかないだろう。
「冗談じゃねえ。怨霊なんて、どいつもこいつももれなくクソだ」
安倍隼人、17歳。
夢は、目立たず平穏に生きること。身長がもう10センチ伸びること。
霊を視、その声を聞き、ぶん殴れる彼は、今日も牛乳パックをすすりながら望まざる怨霊事件に巻き込まれていく――。
※この作品は、ネオページで連載中の作品の転載になります。
ネオページでは現在第6話を連載中です。
https://www.neopage.com/book/30048156910023500折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 17:00:00
103162文字
会話率:33%
**論理の果てに見えたのは、虚無か、調和か——**
完璧主義の物理学者・田村慎一は、論理的思考こそが世界を理解する最良の方法だと信じて疑わなかった。恋人・麻衣の祖母の死に際し、「感情的になっても祖母は戻らない」と発言した彼に、麻衣は告げる
。「慎一くん、計算できない私の気持ちに価値はないの?方程式だけが世界じゃないよ」
研究での孤立、恋人との別れ、そして次元実験の暴走——すべてを失った慎一が召喚されたのは、七つの世界の中心都市「ネクシス」だった。
アルディアの魔法文明、ドラコニアのドラゴン帝国、シリコニアの AI 社会。それぞれが独自の物理法則を持つ世界を統治する「管理者」として選ばれた慎一。統合評議会の 11 名と共に、世界間の対立を調停する重責を担うことになる。
しかし論理だけでは解決できない問題が次々と発生する。感情豊かなエルダ、純粋論理のテクニカ、各世界の代表者たちとの交流を通じて、慎一は自分の限界を知ることになる。そして政治的孤立、仲間の離散、一つの世界の消滅——すべてを失った絶望の底で、慎一の心は静かに壊れ始める。
やがて現れるのは、500 年前に失踪した前任者ヴォイダス。完璧な論理の果てに虚無へと堕ちた彼は、慎一に告げる。「論理の行き着く先は絶望だ。お前もいずれ私と同じ結論に至る」
しかし慎一は、麻衣の言葉の真の意味を理解した時、新たな道を見出す。論理と感情の統合——それこそが真の調和への道だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 17:00:00
95361文字
会話率:51%
リネンサービスで働く赤根月人21歳はある夜、夢の中に響き渡る少女の声に目を覚ます。
ある休日の昼下がり、緑道公園のベンチでくつろぐ月人の目に盲目の少女が映る。
走る自転車と接触しそうになった時、少女の開いた両目は青白く燃えていた。
固まり目
を逸らすができない月人。
少女はすれ違いざまに「ありがとう」とつぶやいた。
それは..聞き覚えのある声だった。
その日を境に月人の行く先々で、盲目の少女を見かけることとなった。
不気味に感じ始めた月人は、少女に目的を尋ねるのだが..
作者より:こんぎつねの『野に咲くコスモスは色あせない』は、さらなる進化を遂げ、新たに生まれ変わりました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 17:00:00
93621文字
会話率:38%
小指の長さくらいしかなかった小さなトカゲの「チビ」が、ある日、巨大な竜に大変身。鋭い爪のある前脚にガッチリと捕獲され、私を相棒にすると言い、鋭い牙だらけの口の中に半身を咥えられるようにして、ぎゃぁー!食われるー!助けてくれー!と思ったら、ベ
ロンベロンに舐められ、涎だらけにされた。
ところで竜ってティラノサウルスみたいな姿なんだね?
ん? ちょっと待て? 待って?
ティラノサウルスってなんじゃらほい?
私「ねぇ、チビ、私の中に私の知らない記憶があるけど、これなんだろう?」
チビ「なんだってー?」
私「きょうりゅうって言うらしい」
チビ「ちょーっ?調べる調べる調べる!」
私「ところでお風呂入りたい。涎だらけ~」
こうして始まったチビと私の生活。
平和が一番。平穏が一番。
同僚以上恋人未満な彼氏にどう接するのが正しいのか日々迷子。
掃除をしろと言ってくるスライムに困ってます。しつけ方を教えて下さい(切実)。
:::::
こんな一人と一匹の日々の物語(になるはずです)。
諸々きちんと設定しないまま、書き綴り始め。
これぞ見切り発進。
完結できるか全く不明。見守ってくださる読者様を募集中。
*「R15」または「残酷な描写」にあたる描写に該当するか、該当しないか判断に迷う場面があり、保険で付けました。
*異世界転生モノ、異世界転移モノとして書いておりませんが、運営等より指摘があったら、改めることを考えます。
*更新不定期。感想すべてにご返答はできないと思います。ごめんなさい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 16:44:22
549037文字
会話率:34%
一方通行の好きを突き進む。愛が歪み捻れる。そんな好きの形。
~~~~~~~
以下、あらすじと全然関係ないメモです。
本作品は別の小説投稿サイトで企画を知り、企画の中に書いてあったテーマを見て、「企画のテーマの言葉をタイトルにして、規定の文
字数以内のショートストーリーを書けるか」と、勝手にチャレンジして生まれた作品です。
執筆の練習課題みたいな位置づけです。
この文字数までという書き方をしないで、現在連載中の小説は好きなだけ文字数を積み重ねているので、こういう制限下で書くのもやってみようかと。
小説家になろうは、200文字以上じゃないと投稿できないので、正直「詩」を書きにくい。
この作品は投稿条件の200文字をクリアしていたので「詩」で掲載しました。
<書く際に自分に課したこと>
・企画にあるテーマの言葉をそのままタイトルにする
・2000文字程度となっていたので、2000文字以内で書き上げる
<メモ>
魔法のiらんど25年間の感謝を込めて「ありがとう またね、大好き」ショートストーリーコンテスト
https://kakuyomu.jp/contests/maho_arigatou_ss/detail
■募集テーマ(部門):8つ
「またね、大好き」「きみは幸せでしたか?」「狂愛」「元カレ」「好きな人の好きな人」「友達以上恋人未満」「浮気」「一夜の過ち」
■文字数
100~2,000文字程度/形式不問折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-07 15:11:48
349文字
会話率:0%
一地方都市である双竜町の女子校に通う佐藤姫子は、銀髪に菫色の瞳の超絶美少女である。だが、ファンタジーの美麗挿絵風なのは容姿だけで、中身はいたって平凡なカラオケ好きの女子高生に他ならなかった。
しかし誰が知るだろう。姫子の本当の名はフェ
トナで、十数年前、動乱の起きた故国から乳母に抱かれて銀色飛竜の背に乗り、許嫁のカーディル王子と共にこの異界に逃れてきたということを。
幼い頃に別れたきりの父母の顔も、故国の言葉も文字もすっかり忘れ果てた姫子は顔だけファンタジーと呼ばれ、今日も場末のカラオケの個室でひっそりマイクを握るのだった。
そんな爛れきった(?)平和を享受していた姫子の元に、故国の急使が先に戻っていた許嫁からの手紙を運んできた。
戦が終わったので、故国に戻って来いというのだ。
それは、異界の慣れ親しんだ日常を捨て、故国に戻って妃になれ、ということだった。いまさら!? 姫子は困惑した。迎えに来るあてもない十数年の長きにわたる異界での日々を、次期王妃としての矜持を持って過ごせというのは無茶な話である。彼女は当時五歳だった。
しかも手紙には、隣家の村山智志を連れてこいとも書いてあった。
敵の多いカーディル王子は、異界での幼馴染である智志を側近のひとりに加えたいらしい。
故国において、王者の命令には絶対服従である。
いかに次期王妃のフェトナとて、断ることはできない。
しかし、幼い頃はよく三人で遊んだとはいえ、別々の高校に入ってからはとんと疎遠になっている智志を、故国へヘッドハンティングなどできるだろうか。
ましてや、家人や教師以外の男性と殆ど喋ったこともないというのに!?
※作風が古いです。長タイトルから連想される昨今の流行りとは異なる展開であることを先にお詫び申し上げます。m(_ _)m
※本作品は習作で完結しています。一見すると長編の序章か前日譚のようですが、続きはありませんのでご注意下さい。
※R15指定に従い、ほんの僅かですが残酷な表現や性的な表現がある話には*を付けてありますのでご注意下さい。
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旧題『双竜町の寒空に飛龍の長鳴きが聞こえる~金の飛龍には王子様、銀の飛龍にはお姫様~』40枚(16000字)2006/2 PNイマダ名義
*******
本作品はアルファポリスにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 16:40:00
30134文字
会話率:34%
★“道具”になりたい薄幸少女とお嬢様とメイド達で送る、ダンジョン経営ライフ!★
「ファイさん! わたくしのエナリアで、働いていただけませんかっ?」
「うん、いいよ、ニナ」
「即答っ!? よ、よろしいのですか? わたくしのエナリアは今も
絶賛、経営難。いわば沈みかけの船……。いえ、泥船なのですがっ!」
「うん、大丈夫」
「迷い無しですわっ!?」
そんな、何とも締まらないやり取りで始まる、異世界人2人によるダンジョンの経営。
ファイとしては、自分を“道具”で居させてくれるのなら誰でも良く、ニナに至っては、
(ファイさん! 顔が……いいえっ! 存在が、天才すぎますわぁ~~~! はい、採用っ!)
ただの思いつきだった。
しかし、そうして始まったそれぞれの“幸せ”を探すその日々は、2人にとってかけがえのない思い出になる――。
●あらすじ
白髪金眼の剣士『ファイ』。幼いころに誘拐されて戦闘の道具として育てられた彼女は、幸せだった。必要としてもらえる。生きていて良いのだと言ってもらえる。それだけで、ファイは心の底から幸せを噛みしめることができた。自身を誘拐した人々でさえ、ファイにとってはかけがえのない“恩人”だった。
しかし、ある時。『エナリア』と呼ばれるダンジョンの中で、彼女はそんな恩人たちと離れ離れになってしまう。
戦闘しか能のない自分は、これからどうなってしまうのか。このままでは、何もできない“人間”に戻ってしまう。そんな彼女の前に現れたのは、エナリアを管理していると名乗る異世界の少女――『ニナ』だった。
彼女は、自身のエナリアを「ウルン人とガルン人の両方が幸せになれる場所にしたい」と夢を語り、その夢にファイを巻き込もうとしてくる。
本来、両者は狩る・狩られるの関係であり、共存など不可能だ。
しかし、ウルンで最強の証である白髪のファイと、能力を持たない最弱種――人族でありながら最難関のエナリアの経営を任されているニナ。そして、2人を支える個性豊かな使用人(メイド)たち。
彼女たちの力が良い感じにまとまりさえすれば、夢物語も現実になる……かもしれなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 16:35:50
703413文字
会話率:41%
人を食べる魔獣が蔓延る世界で、魔法を使い、魔獣討伐を専門に行なう『特派員』を目指す主人公は元神様の少女と出会った。
これは人々を守り、誰かに誇ってもらえる存在――ヒーローに憧れた”普通”の少年が、元神の少女と出会い、”主人公”になった物語
。
次々に降りかかる幾多の試練。
“普通”の身には余る出来事を前に、それでも“主人公”の彼は諦めない。
※毎週、月曜日〜木曜日の朝7:00頃に更新予定です。
※この小説は でも同時に連載中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 16:03:13
1095350文字
会話率:37%
「じゃあメイドさん。私について来てくれないかしら? こう見えて何もできないし、何も知らないの」
「かしこまりました。まずは人に物を頼むときの言葉遣いと態度からお教えします♪」
「(ポトトに)あなたも。私達の頼れる足になってくれないかしら?」
『クルッ!』
「『嫌よ!』だそうです♪」
「……やっぱり、不安しかないわ」
※真面目なあらすじ
森で目覚めた記憶喪失のホムンクルスの少女。自身の名前も、どうしてここにいるかもわからない彼女。それでもなぜか、この世界の知識だけはあった。そんな彼女が出会ったのは『ポトト』と、美しくも血生臭い『メイドさん』だった。そんな3人(2体と1匹)の前に現れたのは、侮蔑を込めて“外来者”と呼ばれる男。彼はチキュウのニホンから召喚される強力なスキルを持った「召喚者」の1人だった。彼の強力なスキル〈支配〉の前に無力化された3人。抵抗できないまま男にひん剝かれ、好き勝手される主人公。そんな中、彼女は世界の意思を聞く――。
そんなこんなで危機を脱した3人は、己の役割を果たすための旅に出る。その時の会話が、上のそれ。果たして3人は仲良く旅を続けられるのか。繰り返す出会いと別れの中、死神と呼ばれるようになる少女は“命”を知っていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-22 20:25:38
1455028文字
会話率:51%
魔法は奇跡ではない。物理だ。
魔素〈マナ〉が満ち、属性魔法があたりまえに存在する異世界〈アルカディア〉。だがその魔法文明の繁栄の裏で、“世界崩壊”の兆しが進行していた。
異世界に転生した元・物理学者、アレン=シルフォードは、5歳の幼き身
で貴族家に生まれながらも、魔法に隠された「本当の原理」に目を向け始めた。
──属性は何で決まっているのか?
──魔法陣や詠唱は何のためにあるのか?
──新たな魔法を作り出すことはできないのか?
やがてアレンは、自らの知恵と知識と、「実証実験」をもとに“魔法物理学”という新たな学問体系を築くことを決めた。
しかし、その真理に迫るほど、世界は彼に牙を剥く。教会の弾圧、王族の思惑、人類の原罪。それでもアレンは進む──与えられた使命を、世界を救うための術式を、この手で完成させるために。
「俺がこの世界を作る『術式』を作り上げてやる」
科学と魔法が交差するファンタジーが今、幕を開けた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 16:30:00
43143文字
会話率:39%
精霊語。それは人間には理解できない言語だ。
西の国の王子様、リア・クローバーはその言葉以外話せない。
リア様に命を助けてもらった私は、何とかコミュニケーションを取っていくと次第にそれが旦那様に認められることに。
「君にはリアを支えて欲しいと
思っている」
喜んだ束の間、「ただし条件がある」と言われた。
「喋れないリアの代わりに結婚相手を見つけてほしい」
本来リア様と結婚を認めてもらえるような身分ではない私は、喜びつつもどこか心に引っかかりを感じていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 16:00:00
339328文字
会話率:52%
異世界転生? 転生すれば何でもできる? そんなものは都合の良い夢や幻だという事は、青年自身が良く分かっていた。できる奴はどこに行ってもできるし、できない奴はどこに行ってもできないんだ、と。
①異世界の洗礼
部屋のドアを開けると、そこは
見知らぬ森の中。
端末の電波も届かず、動物も虫の声すら聞こえない薄暗い森の中。
街道に出ると馬車に乗った家族が、人の形をした何かに襲われていた。
言葉も通じず、何の力も能力も持たない青年。
勉強もスポーツも、良く言っても平均的、馬鹿でもないし、運動音痴でもない。だが誰より秀でる程に自慢できる能力はない。
青年の性分といえば、精々仲間から「優しい」とか「良い奴」と言われる位だろうか。
周囲にとって「都合のいい奴」程度の大学生に、この世界は一体何を求めているのだろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 16:00:00
348443文字
会話率:39%
現代の日本。
表向きは平穏な日常が続くこの国には、一般には知られていない「異能」と「災異(さいい)」の存在がある。
◼︎ 災異とは?
災異とは、物理法則や認識に干渉する“存在災害”である。
百年前に突如として現れた“黒い影”のよう
な異形たちは、人類の文明や感覚そのものに干渉し、破壊をもたらした。
音、光、記憶、言語などを媒介とし、都市や人間を「認識できないもの」「意味の通じないもの」へと変質させてしまう存在。
これらはかつて、偉人と呼ばれる者たちにより封印されたが、現在になってその封印が破られつつある。
◼︎ 継環省(けいかんしょう)とは?
政府が水面下で設立した、異能と災異の監視・封印・継承管理を担う機関。
正式名称は「特異能力継承循環管理省」。
災異によって被害が拡大しないよう、異能者の力を登録・分類し、必要に応じて訓練・戦力として運用している。
異能者たちは「継承者(インヘリター)」と呼ばれ、厳しい階級制度と戦闘訓練(通称:ランク戦)を課される。
◼︎ 異能とは?
人間に発現する特殊能力。
多くは偶発的に発症するが、一部は**“かつて世界を救った偉人”の能力が代々継承されている**ものもある。
現在は“遺伝的因子”や“人工的施術”による異能発現も可能とされており、裕也のように「人為的に力を植え付けられた継承者」も存在する。
◼︎ 偉人と継承
百年前、災異を封印した存在たちは、歴史上に残る“偉人”とされている。
彼らの能力・魂・意志は、死後も特定の因子を通じて現代に転写され、「継承異能」として受け継がれてきた。
だが一部の災異はその継承系譜を追い、復讐のように復活を始めている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 15:52:34
20175文字
会話率:24%
駅でユーレイに驚いて階段から落ちて死んだ。
気づいたら、知らない場所で知らない少女に憑依していた。
傍には、私を殺したユーレイ。
とりあえず、新しい人生を頑張って生きなければ。
あれ? ユーレイは見えるだけだったのに触れる。
もしかして霊
力レベルが上がった?
2025年4月21日より新作始めました、よろしくお願いいたします。
更新予定日:月曜日、水曜日、金曜日
用事で更新できない日があります。ごめんなさい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 15:38:45
128655文字
会話率:56%
【ライトノベル】
2019年11月10日~ 1巻発売中! 重版決定!ありがとうございます。
2020年04月10日~ 2巻発売中! 重版決定!ありがとうございます。
2020年10月10日~ 3巻発売中! 重版決定!ありがとうございます。
【コミカライズ】
2020年07月15日~ 1巻発売中 重版決定!
神様からもらったスキルが最弱のテイマー。
命の危機から村を捨てて、旅をすることにしました!
旅をしていたらテイムできる魔物を発見!
それは突いたら死んでしまうほど弱いスライム、弱小スライムだけ。
旅の途中にはいろいろなモノが落ちている。
全て拾って行くと何だかすごいことになってしまった。
人生の逆転を目指して安住の地を探します!
更新予定日:日曜日、火曜日、木曜日
更新できない日もあると思います。ごめんなさい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 15:49:17
3318173文字
会話率:40%
【ライトノベル】
2020年01月10日~ 1巻発売中 重版決定!
2020年07月10日~ 2巻発売中!
2020年11月10日~ 3巻発売中!
【コミカライズ】
2020年09月15日~ 1巻発売中 重版2回目決定!
勇者召喚に巻き込
まれた主人公は召喚失敗で何処かの異世界へ。
異世界?魔法?よくわからないが。
色々な仲間が増えているけど喋れる相手がいないって‥小さい仲間も作ったけど、あれ?最強?
主人公は戦いません、森でほのぼのと生活しています。
たまに起こる問題には全力で仲間を守ります!
2020年10月より第3章スタートしました。
更新予定日:月曜日、水曜日、金曜日
更新できない日もあると思います。ごめんなさい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-08 16:54:39
1733243文字
会話率:27%
眠らない街ガルドに住むリヒト・エルナルドは、ある日とんでもない額の依頼書が張り出されていることを耳にする。ツケの支払いが溜まり、世話になっている師匠にも迷惑を掛けていた為、依頼を受けに行くことに。
だが、話を聞けば不正な依頼の為承認できない
と言われ落胆する。成り行きで依頼主に依頼を取り下げるよう直談判すべく情報を集めると、依頼したのはローブを被ったジジイとの噂が。
しかし、向かった先にいたのはジジイではなくオレンジ髪の少女だった。報酬を渡すから依頼を受けて欲しいと頼まれ、仕方なく少女が目指す中央国家までの護衛を引き受けるのだった…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 15:20:07
6746文字
会話率:40%
VRMMORPG『星幽の聖域-Astral's Eden-』配信者の男はしがない底辺YeahTuber。
その日も配信を終えようとしていた彼は、ゲームからログアウトできないという致命的なバグに遭遇する。
リスナーからの話により、ゲーム
内のプレイヤーはゲームクリアでログアウトができる可能性を試すため、クリアを目指そうという流れに。
男は外部との連携兼暇つぶしのため、実況プレイをしながら最速クリア&月間スーパーエフェクト(投げ銭)ランキング1位を目指すことにした。
その選択が人生を大きく変えてしまうとも知らずに──折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 15:06:32
48074文字
会話率:24%
静寂しおり。彼女の心には、小学三年生の頃に経験した、家庭内の出来事に起因する深いトラウマが刻まれていた。それは、彼女に物事に対するある種の諦念と、自己肯定感の低さを植え付けた、拭い去ることのできない影。
春、新しい制服に身を包み、静寂しお
りは中学校の門をくぐった。期待も不安も抱かず、ただ淡々と定められた手順を踏む彼女にとって、卓球だけが心安らげる唯一の聖域だった。祖父母に用意してもらった家で一人暮らしをする彼女は、誰にも知られることなく、異質な持ち替え技術を磨き続けている。それは、体躯で劣る自分が勝利を掴むための、そして勝利という形でしか自身の価値を証明できないと信じる彼女にとって、唯一の希望だった。
中学校に入学して少し経った頃、静寂しおりは卓球部へと入部する。彼女の手に握られた、裏ソフトとスーパーアンチという常識外れのラバーを貼り分けたラケットは、瞬く間に部内で波紋を呼んだ。顧問や先輩たちは、その異様なスタイルに困惑を隠せない。しかし、静寂しおりが見せた、卓越した基礎技術と、相手の思考を解析するような知性は、彼らに驚きを与える。彼女の異質さが、周囲に少しずつ認識され始める。
卓球部での新しい日々が始まる。静寂しおりは、内面に過去の影と孤独を抱えながらも、卓球という世界で自身の道を切り開こうとする。それは、輝かしい未来へと続く道の始まりであると同時に、彼女を待ち受ける更なる運命を示唆するものだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 15:00:00
1032690文字
会話率:16%
28歳の巡査・日向駿(ひなた・しゅん)は、警察学校をギリギリの成績で卒業し、地方都市・灰門市(はいもんし)の片隅にある交番勤務に就いている。正義感は人一倍強いが、観察力も判断力も少しズレていて、周囲からは“バカ警官”と呼ばれている。
だが
ある雨の日、殺人事件の現場で「赤い傘を差した女」に出会った瞬間から、彼の平穏な日々は一変する。
遺体の男は、裏社会との繋がりが噂されていた不動産会社の幹部。女は「通りすがり」と語るが、その言葉の端々に不自然な点があり、日向の直感が「違和感」を訴える。
事件を追ううちに、日向は倉世市の裏に広がる“腐った現実”を知る――
孤児の失踪、街を覆うドラッグの流通ルート、警察内部の情報漏洩、そしてすべての裏に潜む謎の慈善団体「カノン」。
やがて、唯一の相棒である巡査部長・国見が突如失踪し、日向自身も組織から命を狙われる存在となる。
だが、彼は止まらない。
どれだけ傷ついても、バカにされても、人を見捨てることだけはできない。
心優しき“おバカ”な巡査は、嘘と暴力が支配するこの街に、たったひとつの武器――“信じる心”だけを持って立ち向かう。
そして迎える最終決戦。
「最後に笑うのは、正義か、それとも闇か」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 15:00:00
2514文字
会話率:45%
<第1回アース・スターノベル大賞1次選考通過、最終選考落選しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。>
「上医は国を医(いや)す、中医は人を医す、下医は病を医す」――
日本史の教師になりたかった、城郭オタクの初期研修医、
半井梨花(なからいりか)(24歳、♀)。
当直明けに階段の最上段から転落し、目が覚めると、明治時代の内親王(5歳、美幼女)に転生していた。
元老(おっさん)だらけの逆ハーレムに放りこまれた彼女は、日本の城郭を戦火から救うため、そして、父と兄を病魔から守るため、奮闘するのだが……
まったりif近代史、開幕!
※残酷描写がある予定です。
※なるべく、史実関係の確認は取っていますが、通説と違う考え方をしているところもあります。ご了承ください。
※それなりにご都合主義が入っています。
※この小説はフィクションであり、登場する人物・団体・組織等は、完全な架空の存在です。
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4568278文字
会話率:52%