精霊の源泉地と言われるアヴァロン島。
その聖地が魔族と呼ばれる存在に占領され、精霊弱化が始まってから数百年が経つ。
聖地奪還を目論んだいくつもの勇者パーティーや連合騎士団もそれが不帰の嶮であると証明するだけだった。
各国が奪還計画に倦んでい
たころ、『智慧の貪狼』を名乗る魔道学者は考えていた。
英雄でも大軍でも無理なのだとしたら…。
■
「荷役、鍵師、鍛冶屋に学者ってパーティな時点で、早晩立ち行かなくなるとは思っていたけどだな…」
「だからわざわざ助っ人を頼んだのでしょう?」
「その助っ人が『料理人』ってのは、極め付きだろ! 真っ当なパーティの連中がこれを聞いたら当分酒のツマミに困らんぞ」
■
「ええ、アルミという金属にチタンという金属をコーティングしたものです。どちらもレンガ山で採れますよ」
ともに鉄より軽く、錆びなくて丈夫であると伝えると、親方はギラっと目の色を変えていろいろと質問を浴びせかけてきた。
だがどちらも高温での酸化に弱く、鋳掛やロウ付け、焼入れが困難なことを知るとスーッと目の色が戻ってしまった。
さらにアルミは曲げ加工に弱く、チタンは切削加工が難しい。
鉄みたいにぶっ叩いて曲げて切ってくっつけてという技法がまともに使えないのだ。
「つまり『鉄は王様』ってことだな」
ああ、真実を突いてしまった。
あれだけ金属加工技術の進歩した現代地球でも、一番活用されていたのは、やはり鉄なのだから。
■
「ええ。まず音声というのは空気の振動ですよね?」
その振動が魔導線の繋がれた極薄の金属板に当たり、金属板は魔石から接続されたもう一方の金属板に対して触れるか触れないかの距離で振動する。
魔力は魔導体を伝わるほどではないにせよ、空間を飛ぶ性質もある。
わずかな隙間であれば、その距離に応じて少しは魔力が流れる。
その魔力波形は魔導線を伝わった先に設置された風魔法の魔導紋によって空気の振動に戻される。
「始めは魔力波形を物理振動に戻す仕組みが要るかと思ったのですが、風の魔導紋で直接いけると解りましてね」
「ええ、魔導紋というものは概念的な動作をするから、理論上は遅延や損失が皆無と言われてるのだけど…」
だが、それをこのように利用するなど考えた者はいるだろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-22 15:32:19
847231文字
会話率:29%
私は、32歳の地味顔、小さな機械金属加工メーカーで事務員をしていた平凡な女性だったはずなのに――。
ある日、車に轢かれて死んだと思ったのに、奇跡的に助かり目が覚めたと思ったら、そこは、天国でも地獄でもなく、異世界だった。
私は、非の
打ち所がない美少女、エリーゼに転生して、新しい人生を生きようと思ったのだが、転生したエリーゼの記憶は全く思い出せないことに気づく。
その代わり、前世の思い出はすべて記憶に残っており、その記憶を生かして、エリーゼとして生きていくことになった。
前世の記憶持ちだと知らされた彼女の家族や近しい人間は、温かく迎えてくれた。
そして、エリーゼは前世の華道の知識を生かし、華道の心を異世界に伝えようと行動し始めた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-07 00:50:18
364366文字
会話率:52%
旋盤やフライスを使うごくごく普通な金属加工屋が、召喚された世界で擬人化した工作機械達と異世界の唯一の機械加工屋を営む、読む人を選ぶ異世界召喚系物語
最終更新:2022-10-18 02:32:41
64822文字
会話率:51%
金属加工業を仕事にしていた泉海廻(センカイ マワル)はひょんな事で異世界転移!?
ありがちな勇者の力とか魔法とか、そんな大層な力なんてなく、持ち前の加工技術で異世界で金属加工を営むストーリー
異世界金属相手に四苦八苦して時には素材探しの旅
をするマワルと、それをサポートする弟子達とレミ。
あまり人目にはつかない金属加工の事を紹介出来ればなと書きます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-17 00:19:28
33397文字
会話率:44%
800年続く轟流拳闘術の後継者として、十代にして歴代最高の使い手となった轟一郎(イチロウ)はメーボルン王国の勇者召喚により異世界に降り立った。
一般人の10倍以上のステータスに加えて、『武神の加護』を得たイチロウは王国の期待を一身に背負
う。王国に伝わる聖なる武具ー聖剣・聖鎧・聖盾を与えられたイチロウは下級の魔物を安々と屠っていく。しかし拳闘術の使い手であるイチロウには、剣術は無理だった。幼いころより身に着けた技術が、高いステータスの足を引っ張り、中級の魔物には手が出なかった。
一方、偶然勇者召喚に巻き込まれたイチロウの友人-萩原創(ソウ)は萩原金属加工という町工場の跡取りで、趣味で本物の拳銃を作ってしまうような”高校生”だった。ステータスは一般人並で、何の加護もなかったソウだが次々にトラリアの世界にない武器を生み出していく。
中級の魔物に躓くイチロウと違い、ソウの生み出す武器は一般兵を一瞬で上級兵へと格上げし、ついにはこのトラリアの世界にある魔法の技術とも融合させ、上級の魔物すら屠れる武器を生み出していく。
居場所を無くし、王城の人々に蔑ろにされる日々の中、実践訓練で森の中に入ったイチロウは中級の魔物に襲われ谷底に落ちてしまう。運よく生きながらえたイチロウは、死んだことにして王城へ戻らないことを決意する。
冒険者として新たな人生を歩み始めたイチロウは、轟流拳闘術を駆使してのし上がっていく。そして、再びソウの前に立つのだった。
※カクヨムでも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-13 16:02:19
385885文字
会話率:44%
金属加工工場に勤める老け顔のジークの楽しみはガラクタを改造して作るおもちゃや発明品で修道院の子供達と幼なじみのマリアを喜ばせることだった。
そんなジークの日常は魔法使いによって壊されてしまう。
怒ったジークは『魔法を無効化』する銃弾を発明し
、日常を奪った魔法使いへの復讐を誓う。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-09 17:00:00
11603文字
会話率:48%
本編完結済み。アフター連載中。
27歳童貞、元いじめられっ子で元引きこもりの金属加工会社員、オレこと堀田葉太は、現代兵器大好きな軍オタであり、銃オタでもあった。自前の金属加工技術を使ってハンドガンが作れないか夢想していたオレは、逆恨みである
日、殺されてしまう。だが――目を覚ますと赤ん坊の姿で魔法・魔術が存在する異世界に転生していた!? マンガ好きでもあるオレは魔法を習得しようとするが、しかし魔法・魔術の才能は『ほんの僅か』。その魔力では魔術師として生きていくのは無理、と孤児院の主で育ての親の巨乳ウサ耳魔術師エルに言われてしまう。だがそこは元日本下町の技術屋、その知能と魔法加工技術と魔術道具を駆使し、現代兵器――リボルバー、アサルトライフル、スナイパーライフルなどを作り出すことに! 銃が暴発して指が吹っ飛んだりして、銀髪の犬耳幼なじみ(巨乳予定)のスノーが心配のあまり抱きついてきてふがふが(あいつはオレの匂いが大好きらしい)する中、とうとうオレはリボルバー『S&W M10』を作成し、初めての敵、魔物と対峙する――。これは、後の世において、その知能と独自の魔道具による軍事力で革命的とも言われる英雄となり、自分だけの軍隊(ハーレム)の力で世の中の人を救おうとした1人の男になるかもしれない少年の物語――
(奴隷、ハーレム、流血ありの予定。人も死にます。苦手な方はご注意下さい。ちなみに、主人公が手につけている婚姻腕輪は増えていく予定です。……ハーレムなので)『株式会社KADOKAWA 富士見書房様より書籍化が決定しました』
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-25 12:19:33
2353627文字
会話率:24%
オタクのインドア派成人男性、近藤一門(主人公)。
日本の田舎で小さな金属加工で働く普通の会社員である。そんな普通の生活を日々送っていたが、事故で異世界の領主の子供に転生してしまった。
その世界は人間以外に獣人、亜人、そして魔物が存在する世界
。
人間は世界にうごめく魔物より弱く、強固な壁を作り、その中で生活していた。
だが、人は古代の遺跡の技術と世界に満ちたエネルギー、マナを使い、人々は魔術を生み出す。それにより人間は壁の外に視野を置くようになり、身内に宿る欲を膨らませ戦争が起きることに発展してしまう。
年数が三桁にものぼりそうな長きにわたる戦いで身も心も傷ついて、腐った世界に成り果てていた。
神からチートな能力をもらったが「中途半端な生産系の能力」。
だが、彼のチートはその頭だった。
銃、戦闘車両、戦艦はもちろん、人型起動兵器、パワードスーツを開発するだけの力があった。
さらに政務、事業、戦術も現代の知識を織り込ませ、世界を変えていく。
異世界に来たのは他にも!?元の世界も巻き込む!?・・・・・かも?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-22 00:13:50
372297文字
会話率:30%
鉄騎兵なるものが世に現れたのは10年程前になるか。座したプレートメイルにも見えるそれはまず脚が4本あり、身の丈も10mほどある。当然人が着れるものではなく中に人が乗って動かすものである。ドワーフの金属加工技術、エルフの魔法技術、人間の汎用
性、いずれもそれを作り出すには足りない。素性が分からぬまま販売され、理解に及ばぬまま保有、使用されているのが現実である。
魔法によって天下を統べ500年続くゴールドバーグ帝国の平穏を揺るがす存在、そう考える者は少なからずいたが口に出す者はいない。なぜなら一番多く保有しているのは帝国そのものであったから。
かつて鉄騎兵なるものを販売すると出入りの商人からその話を持ち込まれたシルバーサンド公は振るえ上がったという。どう見積もっても剣や魔法を圧倒する武力を帝国騎士団を差し置いて所有するわけにはいかない。そう判断した公はその話をそのまま宗家であるゴールドバーグ皇帝に流した。一騎金貨1万枚、年に2騎、それを4年間、合計8騎の鉄騎兵がまず帝国騎士団に配備され、その後やっと一般に販売されることが許された。尤もそんな高額な取引ができる者はそういるはずもなく上位の貴族か豪商だけとなり、また帝国騎士団による許可が必要とされた。よって存在が把握されていない鉄騎兵は存在しないはずである。しかしその例外が今ここに現れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-01 22:41:09
43887文字
会話率:65%
松田エイトは、金属加工会社の跡取り息子。
ある日、彼は社長の父に、「会社の未来のため、伴侶となる女性を見つけて来い!」と、地元で開催される婚活パーティへの参加を命令される。
しかし、生まれてから20年間、まともに女性と話をしたことの無い超奥
手のエイトは、意中の相手と結ばれるどころか、ロクに話をすることも出来ず、見事に玉砕。
そんな傷心のエイトに、オタク仲間の一人から、とある提案が。
「もっとも効率的に、しかも、キミが必ず気に入ることの出来る相手を見つけられる方法が、ひとつだけある。」
半信半疑ながら、彼の指定した都内の雑居ビルに向かうエイト。
しかしそこは、一般人が決して入ることのない、まさに「禁断の領域」への入り口だったのだ・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-07 22:27:18
8318文字
会話率:38%
ファンタジー中編。
剣と魔法で、「ソウル」と呼ばれる魔物と戦う異世界もの。
ただし、魔法体系の中に、金属加工に特化した「操金魔法」を操る魔法使い=「魔法鍛冶」が存在する。魔法鍛冶は、扉や鍵を容易に壊せることから社会的評価は低く、法で禁じられ
る地域も多い。
魔法鍛冶の少年アッジは、老剣士フェザートとともに旅をしていたが、誤って足を踏み入れた操金魔法禁制の地で魔法を使い、神官の少女シェリーに逮捕されてしまう。だが、連行された先の街には人っ子ひとりおらず、やがてその街の教会が正体不明のソウルに支配されてしまったことがわかる……。
※オンラインのみの公開作品です。「カクヨム」と重複投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-07 16:00:00
31377文字
会話率:32%
異世界と現在日本を結ぶ魔法を使えるアムネ・レイ・ウィンバルレ。
アムネは、魔法が使える貴族が支配する異世界『ファレン・ハン』の王位継承者であった。
ロケットが趣味の理系サラリーマン土岐洋平(とき・ようへい)。
洋平のいとこで体育会系女
子高生、吉川鈴音(きっかわ・すずね)。
元金属加工会社社長で土地成金の成本大吉(なりもと・だいきち)。
三人は、アムネと知り合い友人となるが、異世界の王位継承戦に巻き込まれる。
三人の身を守る為に、やむなく異世界へと三人を導こうとするアムネであったが、敵の手はすでに伸びていた。
異世界ファレン・ハンの周回軌道を巡る小惑星『ヴォード』。
『ヴォード』は、それ自体が、巨大な魔法エネルギーの塊であり、次期王位の徴である。
彼らは異世界でロケット建造をはじめます。
目指すは、有人小惑星着陸。
SF風味ファンタジー活劇です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-04-10 16:17:39
19957文字
会話率:27%