三日月の晩にだけ、人前に現れる宿があるという――。
ある時は、赤い提灯と重厚感あふれる楼閣が目を引く老舗宿。
またある時は、水面に浮かぶ楽園コテージ。
そしてまたある時は、郷愁に駆られる茅葺屋根の民家。
気まぐれで、幻想的で、神出鬼没。
謎の宿主・通称『三日月』が、魔法のような美味しい料理とおもてなしで、疲れきった人の心を癒します。
◇名もなき小説家の譚◇
片桐悠真は小説家を目指す二十六歳の会社員。
大手WEB小説投稿サイトで小説を投稿しているが、書いた小説は鳴かず飛ばず、日々ランキングと睨めっこしては懊悩と葛藤を繰り返す。
ある日、気分転換で訪れたお台場で編集者をしている兄・一真に出会う。共に食事をしていると兄が偶然自分が参加した小説コンテストの選考員を行っていることがわかり、ひょんなことから悠真は兄から自分の作品の酷評を受ける。
傷つきその場を飛び出した悠真は、途方に暮れていた公園でビルの合間に揺らめく楼閣を見つける。
その楼閣には、『三日月』と名乗る謎の美男と、モフモフの毒舌銀狐『彩雲』がいて、人恋しい彼らによる一夜限りのおもてなしがはじまるのだった――。
※連作短編形式を予定して執筆した作品です。
※本作品は「アルファポリス」、「魔法のiらんど」でも掲載中です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-08 21:44:08
44051文字
会話率:50%
もし、AIが芥川賞を取る日が来たら・・・。
日本文学界の最高峰「芥山賞」の最終選考は難航していた。といのも、設立二百回目を迎える記念すべき賞の候補の中に人工知能による作品が紛れ込んでいたからだった。奇しくも人間の存在を脅かす人工知能と追い詰
められる人間の対決という図式となった文学賞の選考をめぐり、両者を区別しないようにと説く神位タカシ編集長。一方で人工知能の受賞を阻もうとする選考員の夕凪ゴンザブロウと黒木レイカ。三人との対話を通じて、かつての受賞作家漣ショウジの気持ちも次第に揺れていく。果たして、芥山賞を受賞するのは人間なのか?人工知能なのか? 人類の未来を賭けた判定が今、下される折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-03 13:29:19
9452文字
会話率:27%
これはある小説選考員のお話し ・・・
今日も選考員である(葛西直人かさいなおと)は新人賞に送られて来る小説を選考している。
葛西自身小説家であり、仕事で選考員として呼ばれたのだ。
しかし葛西も人間、小説を選考するさいに色々なトラブルに
みまわれる。
因みに話の中に出てくる作品は全て自作です!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-11 11:00:20
10300文字
会話率:14%