――家族を殺したこの国を滅ぼし、そして作り上げる。正義を蔑ろにし、悪がのさばるこの国が二度と生まれぬように。理不尽に殺されることのなければ、誰からも搾取されることもない当たり前を作るために。それが私の復讐であり、叶えたい夢だ。
ラーザイ
ル連邦の公爵家の娘である主人公――ヒルデ・シューマッハの語った決意である。王に家族を謀殺され、共謀した叔父に全てを奪われた十五歳の少女ヒルデ。そんな彼女の現状にそぐわない無謀な決意に対し、義賊『黎明の狼』のラルフ・ランドルフは笑って、「面白そうだ」と彼女の手を取った。
政略、外交、戦争、内政を駆使して、ヒルデは己の覇道を行く。群雄割拠する情勢下において闘争は避けて通れない。幾度となく続く戦い。流血の果てに、彼女の復讐と夢は成し遂げられるのか。
これは彼女の挑戦を記した歴史ファンタジーである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 17:30:00
139351文字
会話率:46%
ドイツ西部の田舎町、ヘクスターの片隅に生まれ育った、ひとりの青年・アーダルベルト・ヴァイス。
その手は父の静かな筆を継がず、誰にも描けなかった“もしもの名画”を生み出していた。
カンペンドンク、マックス・エルンスト、フェルナン・レジェ──
。 “存在しない名作”を、完璧な筆致でこの世に蘇らせることで、彼は「誰かの人生」を生きようとしていた。
だが、それは芸術か、偽造か。 彼の絵に魅せられた者たちは、やがて真実と嘘の境界を見失ってゆく。
舞台は1960年代ドイツから現代へと及び、 美術館の館長や警察、そしてひとりの妻との絆を巻き込みながら、 ヴァイスの“空白の時間”に隠された真実が浮かび上がっていく。 ──描いたのは過去ではない、“本物以上の贋作”。
空白を埋めるため、他人になりきった人生とは何だったのか。 芸術と欺瞞のはざまで生きた男の、静かで鮮烈な軌跡。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 12:31:38
24019文字
会話率:27%
瀬能さんは、とある美術館が買った絵画が、本物かニセモノか、真贋を下すよう頼まれる。
※全編会話劇です
最終更新:2025-04-19 21:20:05
21578文字
会話率:80%
アルメニア共和国にある、楽園の名を冠しながらも楽園から程遠いと称される魔の都「エデン」
世界中のマフィアや犯罪組織が集い、様々な品物が取引されている。
銃器などの兵器、高額な美術品やその贋作。
違法な薬、臓器に至るまで。
欲望の一大市場であ
るこの都市では金と権力に魅せられ、毎年多勢の人間がやって来るが、その殆どは二度と故郷の土を踏むことはない。血と硝煙、退屈に事欠くことは無い楽園。
その悪党の都エデンの中でも特に選りすぐりの悪党共。クズの中のクズが集まる最低最悪の無法地帯、ジェイルタウンにて中華料理屋を営むデュランとウィリアム。
そこにやって来た一人の少女、アイラと繰り広げる非日常的な日常。
ちょっぴり血生臭い、複雑怪奇な物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-30 17:35:26
425323文字
会話率:49%
徳島県立近代美術館に展示される名画「自転車乗り」。その真贋に疑念が浮かび上がる。館長・東条理香は、修復師・三枝からの報告を受け、調査を開始。地元紙記者・水無月も巻き込み、美術界を揺るがす贋作疑惑の核心へと迫っていく。やがて浮かび上がるのは、
世界的贋作師ベルトラッキの影と、芸術と真実の曖昧な境界。贋作が意味するものとは何か、美術館の責任とは、美とは何かを問う本作は、サスペンスとヒューマンドラマが融合した社会派ミステリー。真実を追い求める人々の葛藤と決断、そして贋作に込められたもう一つの芸術への情熱が胸を打つ。最後に残されたのは、贋作という名の“真実”だった――。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-26 09:24:40
9278文字
会話率:59%
【シリーズ】「ちょっと待ってよ、汐入」
街フェス
僕、能見鷹士はなぜか探偵の汐入悠希の無茶振りに巻き込まれてしまう(【1】猫と指輪、【6】ゴーストバスターズ?【7】贋作か?真作か?)。いつもは汐入が持ち込む厄介ごとのお話しだが、今回は僕のこ
とを話そう。
僕は大手コンサルに勤めていたが三十路を前に退職し、中小企業に特化した個人コンサルタントを起業した。このお話は僕が独立する3年前、まだコンサル会社にいた時の話。仕事も覚えようやく一人でゼロからイベントを企画した。地元を盛り上げるための街フェスだ。何とか開催にこぎつけたがそこで小さな奇妙な事件が起こる。地元をホームとするスポーツチームのユニフォームを飾ったマネキン達の身体の一部が少しずつ無くなっている。イベントには大きな支障はないけど、僕は街フェスの運営で忙しいから汐入に調べてもらうことにしよう。いつもは僕が汐入に巻き込まれているけど、この時は僕が汐入を巻き込んだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-15 19:58:46
6066文字
会話率:40%
【シリーズ】「ちょっと待ってよ、汐入」
僕、能見鷹士は、探偵業を営む汐入悠希の無茶振りにいつも巻き込まれてしまう。猫探しに付き合わされたり、夜の研究施設で心霊現象に遭遇したりと散々な目に遭った(【1】猫と指輪、【6】ゴーストバスターズ?)。
まあ、汐入の無茶振りをしっかりと断らない僕も悪いのだけれど。
汐入とは高校生の時分からの付き合いで(【3】エピソードゼロ)、今は共に個人事業主ということもあり、たまに困り事を相談し合っている。
今日は珍しく美術館に誘われた。シャガールを鑑賞したのち汐入はスタッフオンリーの部屋にツカツカと入っていく。え?何?まさかまた何かに巻き込まれる!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-21 21:03:39
9974文字
会話率:50%
昔々あるところに、3匹の子ブタがいました。
子ブタ……だと思います。たぶん。
最終更新:2025-01-22 12:02:16
2730文字
会話率:24%
源氏の薫大将に囲われながら、第3皇子匂宮とも関係してしまった流され女、浮舟。
自虐も含めて八方向に毒を吐きつつ、やがては真実の愛の境地に辿り着きますーーー?
贋作源氏物語第3弾。宇治十帖のパロディです。
相変わらず、なんでも許せる人向け。
浮舟ちゃんはビッチです。BL描写は有りませんが、腐女子がわきます。観覧注意です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-08 10:30:01
8938文字
会話率:9%
光源氏の養女になった玉鬘は、セクハラ養父や婚約者たちを千切っては投げたいお年頃。
だけど、パパには本音を語ります。
贋作源氏物語第二弾。稚作「ママンは六条御息所」と同じ舞台の同じ世界です。
最終更新:2022-10-08 17:52:29
6582文字
会話率:17%
下級貴族の令嬢であるヴィヴィアンは、母親の指示のもと、画家である亡き父の贋作作りを強制されている。拒絶しようにも、母親はあらゆる手段で彼女を自分の支配下に置こうとするのだ。
そんなある日彼女は、常連客である裕福な他国の商人ルークと話をする
ことになる。詐欺を働く相手だと分かっていながら、不思議なほど彼との話は盛り上がる。
彼との会話で勇気をもらったヴィヴィアンは、母親から逃げるために自分の意志を貫こうとするが……。
初恋の記憶とともに絵を描く楽しさと意欲を思い出したヒロインと、彼女の隣に立つために頑張った一途なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-18 20:14:36
10668文字
会話率:55%
何故西宮に?涼宮ハルヒが好きだから!
次の質問です。人を殺した経験は?
兵庫県神戸市から大阪の阪神、その中でも兵庫県西宮市、そして両隣の芦屋市、尼崎市の阪神間は裏家業が多い、セレブ殺し屋だらけの芦屋、揺り籠から墓場まであらゆる始末を請け
負う始末屋だらけの尼崎、そして裏家業の仕事で人を殺してはいけないルールのある西宮市は必然的に守り屋が多い。
そんな裏家業を牛耳る謎の元締めハリマオ会。
そんな阪神間の西宮市、大谷記念美術館でゴッホの贋作展が行われるという中、ハリマオ会から西宮市、芦屋市、尼崎市の裏家業にそれぞれ依頼が入る。
芦屋市の殺し屋“六麓HS(ヘブンズソード)には贋作展の画商を殺せと、尼崎市の始末屋“よる“にはゴッホのひまわり贋作7点を始末しろ、そして西宮市の守り屋“宮水ASS(オール・セイヴァー・サービス)“はゴッホのひまわり贋作の護衛。
贋作展をめぐる、主催者、殺し屋、始末屋、守り屋が協力、共闘、宴会、敵対、殺し合い。
もちろん本業の仕事もこなし、それぞれの道が一つにつながった時、生き残るのは? 死ぬのは誰か?
※カクヨムコン8参加 面白ければブクマ、いいね、星評価、応援よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-24 08:30:00
134094文字
会話率:56%
「小説は現実の贋作である。だって、この世界の美しさをそっくりそのまま描写することなんて不可能で、結局小説は現実には敵わないのだから」
と絶望する小説家は、ある日に思い出す――この世界の真実を。
最終更新:2024-06-07 11:24:03
11173文字
会話率:28%
青戸は食品サンプル好きが高じて、製造会社に就職した新人OL。
一方、製作部の瀬良は腕こそいいが、性格が捻じ曲がった変わり者。
ふたりの変人がバレンタインデーをきっかけに何だかんだ仲良くなっちゃうお話。
※自サイト(https://tg11
30.sakura.ne.jp/)にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-16 23:03:19
48542文字
会話率:47%
昨年頃から加速度的に進化が止まらないAI。
昨年は主として画像生成ソフトが話題となったが、実は密かに浸食が広がりつつあるのがAI合成音声ソフトウェアである。
これらのソフトウェアは微小のサンプルデータから本物並の贋作の歌を作り出す事も、台
詞読みも、リアルタイムでのボイスチェンジャーも可能とする。
そのうちのいくつかは現行法でも対処できなくはないが、現行法でも非常に難しいケースもある。
本項ではそれらに触れつつ全体についてエッセイ形式で述べるものであるが、筆者の願いはAI合成音声の問題認識の共有と拡散である。
立場上ソフトウェア名やアップロードサイトについて詳細を語らないが、筆者の話から推測を立てて是非確認してほしい。
貴方の声、盗まれてますよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-21 00:06:09
5979文字
会話率:0%
理不尽な事故によって人生を台無しにされた大学三年の主人公、氷室(ひむろ)一夜(いちや)はとある謎の老人の導きによって異世界へと送り出されることとなる。
そして失ったはずの体を取り戻した一夜は決意する。この異世界で自分の人生を取り戻すと。
今度こそ誰にも理不尽に奪われることのない人生を送ると。
本物に限りなく近い贋作を作れるという強力な能力を秘めた天職である『贋作者(フェイカー)』を駆使することによって。
これは決して『勇者』や『英雄』の物語ではない。
けれど理不尽を嫌い、それに抗い続ける一人の愚かな男の生涯の記録である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-10 23:31:28
327536文字
会話率:36%
ショートショートです。家の蔵で見付けた一枚の風景画。鑑定した結果、ゴッホの絵である事が判明した。似ているとは思っていたが、まさか本物だったとは。僕はオークションに出品することにした。大金持ちになるかもしれない。
最終更新:2023-04-17 12:12:02
1109文字
会話率:39%
ショートショートです。ある詐欺グループが、イタコを使った悪事を計画した。イタコとは、死者の霊魂を憑依させる能力を持った人物のこと。イタコに、ゴッホやピカソなど画家の霊魂を憑依させて、絵を描かせ、新たに見つかった名画として売りつけるというもの
であった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-22 12:05:40
1573文字
会話率:64%
贋作をめぐるある男達の会話。
書いてみたかった美術をテーマとした小説です。
最終更新:2023-03-19 10:09:32
2723文字
会話率:65%
4000文字くらいの短編やで。
最終更新:2022-11-14 03:49:01
3804文字
会話率:50%
生命の神秘が地へと引き摺り堕ろされてから、半世紀が経過した。
訪れたのは、人の手によって好きなように生命を生み出せる時代。
国家が、宗教がその行為をどれだけ禁忌としようとも、新たな生命は好奇心の元に創造され続けており、しかしその殆どは存在意
義すら持てずに死んでいく。
その過程において、どの生命が最も優れているかを競う大会が秘密裏に開催されるようになった。
名は月蝕杯。
そこにおいて彼等彼女等は競い合う。
生き延びる為に。成功例になる為に。主人の為に。自身の欲望を満たす為に。
何を為そうが、陽の目を浴びる事は許されなくとも。その先に輝かしい栄光がなくとも。
それでもせめて、自分達を受け入れてくれる月華の下では輝かんと、その作り物の蝋の翼が溶けない内に足掻くのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-02 00:15:46
3762文字
会話率:21%
陳腐なモチーフ。
在り来りの帰結。
世界観から哲学に至るまで全て、知らない誰かの盗品か二番煎じ。
それでも。
最終更新:2022-07-15 23:12:16
7218文字
会話率:32%
「早く出て行ってください。あなたのように地味な顔立ち、野暮ったいメイドはこのお屋敷に似合わないと思っていましたから」
屋敷の主人が大事にしていた壺が割れてしまった。その罪を——濡れ衣を着せられてクビになったのは、地味で小さなメイド「ニナ」
だった。
ニナは周囲からあまり理解されないながら、お屋敷のあらゆる地味仕事をこなしていた。
ちらかった作業具の整頓。主人一家やお客様の好みに応じた調味料や食材の仕入れ。雑なメイドのやり残した掃除。気分の乗らないお坊ちゃまお嬢様を勉強させること。美術品の贋作返品。季節もの衣類のメンテナンス。etcetcetc……
ニナがいなくなって、一見お屋敷はなにも変わらなかった。それが少しずつ崩壊していくのだが……それはもうニナには関係のないことだった。
メイドとして働くことがすべてだったニナは、ふと気が向いて観光の旅に出ることにした。
そしてその先で「不運な」少女たちと出会うことになる。
異常な魔力量を誇るのに上手に扱えない、魔導士のエミリ。
すばらしく頭がいいのになぜか実験が成功しない、発明家のアストリッド。
食事が合わずにお腹を空いて全然力が出ない、月狼族のティエン。
少女たちは万能メイド、ニナのおかげで自分たちのほんとうの力を出せるようになった。
その力を結集すると、軽く軍隊レベルに匹敵してしまうのだが……それをニナが知ることはなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-11 08:40:39
125694文字
会話率:44%
元贋作画家で優れた審美眼を持つ室伏は、自らの描いた贋作を密かに収集していた。
ある日、都内で起きた連続殺人事件に自らの描いた贋作が絡んでいると知った室伏は、同僚の野上と共に贋作を手に入れるために動き始める。
最終更新:2022-07-04 09:00:00
5144文字
会話率:50%