王家との密約三同盟に名を連ねるライブラリア伯爵家の令嬢イスカナディアは、自宅の居心地悪さに辟易し、表舞台から隠れて図書館で引きこもり気味に暮らしている。
というのも前当主であった母の死後、事勿れ主義で無能な父と、その父が連れてきた後妻
によってめちゃくちゃになっているのだ。
それでも、イスカナディアは先祖が王家と結んでいる密約と、そこから生じる仕事を父や義母の目を盗んでこなし続け、父から丸投げされてくる当主の仕事をこなし、時々司書として図書館に立ち、いずれ家を取り返す為の算段と根回しをしながら、それなりに楽しくやっていた。
後妻の連れ子で表向きは険悪だが裏では仲良しな義妹サラと、侍女のエフェとの他愛のない日々が続くのも悪くない。
そう思っていたのだが――ある日、後妻が大きな問題をやらかしてしまったので、そうも言ってられなくなってしまった。
イスカナディアの引きこもり生活は想定より早く終わりを告げ、サラと共に本格的に表舞台に立つことに。
そんな姉妹に協力してくれるのは、司書をしているイスカナディアにうっかり一目惚れしてしまった公爵家当主のケルシルト。
密約三同盟に連なる家の一つティベリウム公爵家の当主であり、女嫌いと噂されるケルシルトに優しくして貰うことに戸惑いながらも、イスカナディアはありがたく頼らせてもらいながら進んでいく。
そんな約束と矜持を守る為に奮闘するイスカナディアの姿に、ますます惚れ込んでいくケルシルト。その一方で、イスカナディアもまた、ケルシルトに対する信頼感の中に、恋心が混ざり始めたことを自覚する。
戸惑う日々の中、やらかしのせいで後のない後妻フーシアが、今までイスカナディアには見せたことのない真面目な顔で「サラだけは守って欲しい」と告げてくる。
その真摯な態度に、貴族の矜持を持って約束するイスカナディア。
密約三同盟の過激なアンチ派たち。
真面目なフーシアの謎。
家柄の関係上そのままではケルシルトと結ばれない状況。
家、密約、矜持、妹、恋心――泣いたり笑ったり肉体的にも精神的にも傷ついたりしながら、それら全てを守り抜き、様々な壁を越えるべく、自称見た目も目つきも口も態度も悪い伯爵令嬢イスカナディアは約束を背負って進んでいく。
これは――大切なモノを守ろうとする者たちの約束と矜持を巡る幻想譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-27 19:10:00
128364文字
会話率:37%
ゾンビものとは少し違いますが、そのようなものです。
たくさんの人が死にます。
パン一切れのために体を開きます。
好みでない方は読まないことを進めます。
ですが、スプラッタ性は殆どありません。
最終更新:2023-11-02 21:00:00
6414文字
会話率:35%
帝国伯爵公子ロイドは帝都にて学ぶ学士である。
ある冬の日、一人の公使が彼を訪れた。
それは彼を時代の変革へといざなう使者であったのだ。
この物語はロイドが体験する、帝国を揺るがす一大事件の開幕、訪れる戦乱、改革を推し進める内政等、彼の波乱
の生涯を記す奇譚である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-22 06:00:00
603990文字
会話率:46%
【7,000文字ちょっとの短編です】
グラン公爵家令嬢シャルロッテは、幼いころに婚約した王太子と結ばれたが、全く身に覚えのない罪を着せられ処刑台に送られてしまう。
貴族の矜持を保って無実の罪とて潔く受け入れたシャルロッテは、死に戻りなど望ん
でいなかった。
だが気が付くと、婚礼の儀当日に戻っていた。
驚くシャルロッテに、隣に座る王太子が小声でささやいた。
「君のことは俺が守る」と。
これは、陥れられた悲劇の少女が時を遡ってやり直し、幸せを手に入れる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-07 19:29:17
7680文字
会話率:46%
ずるい、ずるいと人の物ばかり欲しがる妹。
そんな妹をなんとか矯正しようと努力する姉。
しかしその努力は実を結ばず、妹はついに姉の婚約者まで欲しがる。
最終更新:2021-03-08 23:24:22
9096文字
会話率:51%
「ーー決断の時ですよ、ノエル殿下」
【魅了の魔眼】を持つわたし、リリィ・ルイズベルは、王太子のノエル殿下が公爵令嬢のグロリアさまと婚約破棄するように、彼の背中を押した。
でもわたしはノエル殿下と結婚するつもりもないし、彼に恋愛感情も抱いて
いない。全ては、ただグロリアさまの家のフォーマスト公爵家に復讐するためだった。
一方、殿下の側近の一人、美少年騎士見習いのルディアンくんは殿下のことを心配していた。ノエル殿下に純粋な忠誠を誓ったルディアンくんは、殿下がわたしに唆されて軽率な行為を取ることを危惧していた。
こうしてやってきた卒業式の夜会。ノエル殿下は公衆の前で、グロリアさまに婚約破棄を告げた。冷静に反撃するグロリアさまだったが、いつの間にか事態はヒートアップして、ルディアンくんも巻き込んて、誰もが予測できない展開に……?!
復讐を果たしたい、【魅了の魔眼】を持つ男爵令嬢。
愛する人のために、やっと一歩踏み出す決心が付いた王太子。
王太子に忠誠を誓った、側近の美少年騎士習い。
そして貴族の矜持を何よりも大事にする、気の強い公爵令嬢。
この四人が織り成した真実の愛の物語は、その幕を開けた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-11 07:00:00
35642文字
会話率:45%
序盤の踏み台たる悪役貴族が、踏み台で終わらなかった話
※ハーメルン様にも投稿しています
最終更新:2020-07-02 14:00:51
28531文字
会話率:13%
私はしがない伯爵令嬢。ですが、貴族という身分に誇りを持ち、貴族らしくあろうと努力しています。貴族で恋愛結婚など夢を見てはいけません。恋など不要な感情です。そう、思っていたのに…。
そんな私は恋をしてしまったのです。それも、到底叶わない
ような、報われないだろう相手に。
いつものように振る舞えない私。だから恋なんて邪魔なものだと、不要なものだと遠ざけました。きっといつか思い出になるから。―――時間が解決してくれると信じて、この想いを奥底に沈めたのです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-31 18:00:00
11345文字
会話率:36%