碇二亜《イカリニア》は人間が嫌いだった。
笑っているだけで何となく進む日常も嫌いで、媚びを売れば何とかなってしまっていた歪な職場も嫌いで、喧嘩が絶えない家族も嫌いだった。
そんな彼女の唯一の趣味が、乙女ゲームの悪役令嬢が主人公を苛め
る所を見る事。
悪役令嬢が主人公をいびる部分だけゆっくりと堪能し、主人公が恋をしそうになったら未読スキップボタンを押し、選択肢はなるべく主人公が誰ともくっつかないように操作し、万が一悪役令嬢が痛い目を見るようになったらプレイをやめるなんていうプレイで、日常の憂さを払っていた。
とある日曜日、朝から酒を飲みそんな事をしていた彼女は、母と父の喧嘩の声が聞こえプレイ中のゲームを止め、仲裁に入る。
唯一大好きだった母に教えられた紅茶、そのティーカップが父によって割られていく居間で、彼女は凶刃に走ろうとする母を止めに入ろうと、鋭利な破片を拾い自分の首元に当てブラフで二人の冷静さを取り戻させようとするが、酒に酔っていたのもあり転んだ拍子に結果として自害してしまう。
目が覚めると、そこはプレイを止めたままだった乙女ゲームの世界。
悪役令嬢の記憶を持ったまま、先の展開も知らぬまま、彼女は『レイジニア』として紅茶のカップをゲームの主人公『ウェヌ』の前で持っている状態だった。
勢いのまま主人公を部屋から追い出すが、すぐにいつも自分のしていた事を思い出す。
――彼女にとってのバッドエンドは何だろうか。
全部のフラグを折ったなら、彼女は不幸になる。
その勘を信じ、彼女はウェヌに言い寄る男性の好意を壊す事を決意する。
『もし魔物に襲われる所を救われるならば私が代わりに魔物を倒せばいい』
『もし執事に慕われるならば執事の失態を見せつけてやればいい』
そんな事をした結果、彼女自身がウェヌに好かれる事も知らず、レイジニアは奔走を始めた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-28 08:49:38
279084文字
会話率:31%
この世界の人々には番が存在する――。
番同士が出会うと惹かれ合い、結婚すると幸せになると云われている。
そんな番の慣習に翻弄される少女リナリー。
次から次へと番だと名乗る男が現れるがリナリーは彼らを番だとは感じない。
なんやかんやあってそん
な男たちから逃亡する少女の物語。
+++
不定期更新で、ギャグ、逆は―、最終的に誰ともくっつかない予定です。
主人公口悪いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-02 21:00:00
79540文字
会話率:33%
悪役令嬢・リーゼロッテは、主人公であるロレッタを階段から突き落とした。
だが、突き落とされたロレッタは空中で体勢を整え、階段の踊り場にスタッと降り立ってみせた――。
ここはスマホソーシャル乙女ゲーム《ミエナイチカラ 〜INVISIBLE
LOVE〜》の世界。ゲームの舞台となるギリギリチョップ魔法学園に通う生徒は、全員が乙女ゲームのためだけに作られた存在。彼らは、疑似恋愛を楽しみたい人間=プレイヤーを満足させるため、日夜自分の役割を演じ、イベントのお膳立てをし、攻略可能キャラクターたちとフラグを立てる……いわば壮大な茶番劇に出演している役者であり、それは悪役令嬢役であるリーゼロッテも同じだった。
だがリーゼロッテは次第に、主人公であるロレッタが乙女ゲームとして想定されていない行動をとっていることに気づく。階段から突き落としても無傷だし、フラグを立ててもへし折るし、「調子に乗らないで」と凄まれても戸惑うだけ。挙句の果てには、ロレッタはこのゲームの攻略対象キャラクターではない、スチル絵もCVも立ち絵も全く存在しないモブキャラとくっつく始末。
おかしいよね? ここは乙女ゲームの世界、彼女はその世界の主人公なのに、何故誰ともくっつかないのか? 何故彼女だけはこの世界においてこんなにも自由なのか――彼女の正体を訝ったリーゼロッテは迷った挙げ句、単身、彼女との対話を試みるが――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-01 20:07:29
17816文字
会話率:30%
とある男子校に通うヤンキーの日常
創作BL
主人公総受け
性描写無し
主人公は誰ともくっつかない
ギャグ寄り
最終更新:2019-11-01 16:56:42
2186文字
会話率:83%
ファンタジー好きが一度は憧れるであろう、転生。
美人になりたい、魔法使いになりたいなど。人によって来世に望むものは様々だ。
けれど一つは共通するものがあるんじゃないだろうか。それは「自らの幸せ」。
誰も、そりゃ一部はいるかもしれないけど
。好き好んで不幸になりたい人はいないはずだ。
ましてや、直ぐに死んでしまうなんて。
それなのに私はあろうことか乙女ゲーム『ドキドキ!!プリンセス・ライフ』という「乙女ゲームの死亡キャラ」に転生してしまった。
どのルートに行っても死が訪れるそんなキャラに。
死んでしまう運命を回避する方法はただ一つ。
ヒロインが誰ともくっつかない、友達どまりの『通常ルート』に入ること。
そんな死亡キャラの私は、その運命を変えようとあの手この手で通常ルートへ持っていこうとする。
しかし、メインヒーロは離れようとしているのにむしろガッツリと捕獲されたり。他の攻略キャラとの仲も何故かどんどん深まっていく。
捻じ曲がった物語は、いつしか自分の予想もしなかった方向へ。
早死になんてしたくない。自らの長生きのために奮闘します!!
※不定期更新です。あと拙い文章なので、その辺りをご了承の上で読んで下さい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-05 11:26:33
1515文字
会話率:2%