剣士ライン=キルトは、冒険者として名を馳せることを夢見て、血と汗と剣を捧げてきた。
幼い頃から剣を握り、パーティの中堅として名が通るようになったこの頃、ライン=キルトはようやく手応えを感じ始めていた。
……その矢先だった。
「悪い
けど、ここで終わりにしましょう、ライン。あなたには……未来がないもの」
恋人であり、仲間でもあった魔術師アイリスが、そう言い放った時、何を言われているのか理解できなかった。
「……どういう意味だ、それは」
アイリスは視線を逸らし、パーティのリーダーであるグレイが代わって口を開く。
「すまない、ライン。お前の剣の腕が信用できないわけじゃない。だが……今回、新たに加わることになった“彼”が条件を出してきたんだ」
「“彼”?」
聞き返すまでもない。今、貴族の道楽で冒険者を気取っている、あの男――リオネル=ダンバリー伯爵家の令息だ。
小手先の魔法と派手な装備を振りかざし、貧乏くさい冒険者の中でやたらと目立っていた。金とコネで危険な任務を避け、戦果だけを誇る男。
その男が言ったというのだ。「アイリスを専属魔導士にする。だが、あの“しがない剣士”とは縁を切ることが条件だ」と。
「私……選んだの。ごめんなさい、ライン」
目を伏せるアイリスの言葉に、ラインの胸は張り裂けそうになった。
何も言えず、何も聞こえず――店の扉を開け、ふらふらと外へ出た。
気がつけば、ギルドの前に立っていた。
まだ陽が高い。依頼掲示板の前に人だかりができている。
ラインは、呼吸を整えて掲示板に目をやった。これまで何度も挑んできたように――ひとりででも、やってやる。
「すみませんねえ、ラインさん。最近、伯爵家からの圧力がありまして……あなたに依頼を渡すのは、ちょっと……」
この街の冒険者ギルドでの依頼は受けられなくなっていた。
夕刻。人通りの少ない裏道。
貴族に歯向かえば、全てを失う。それが“この街”――貴族が支配する街の現実。
だが、だからこそ、ラインの中に燃え盛るものがあった。
「見ていろ、アイリス……ダンバリー……」
その時、ラインの中で何かが生まれた!それは、剣聖になる決意!
この時、剣聖ラインへの道が誕生した。
このまま終わってたまるか。
ここからラインの復讐劇が始まる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 08:20:00
219773文字
会話率:35%
主人公の海道翼は、周りから性格が天然だと言われている。だが本人は否定している。そんな彼が、好きな女の子にマイペースに告白をする物語。
~性格が天然ってなんだろうね~
最終更新:2025-07-26 07:00:00
6985文字
会話率:73%
『聖裝具』──それは生まれつき膨大な『魔力』を持つ者だけが扱える特別な装備。聖裝具は武器から杖に防具までと様々な種類があり、それを持つ者は『聖裝士』と呼ばれ重宝される。
何故聖裝士が重宝されるのかというと、それは聖裝士には特別な力──『聖裝
能力』があるからだ。
聖裝能力とは聖裝具を持つ者だけが魔力を用いて行使できる力のことだ。その力は強大で、同じく魔力から行使できる『魔法』とは比較にならないほどだと言われている。
そんな凄まじい存在である聖裝具とそれを持つ聖裝士なわけだが、もちろんそんな聖裝士を育成するための場所も存在する。
その一つがここアルデラ王国立聖裝士学園。聖裝士だけが通うことを許された学園であり、この少年──アラン・アートノルトが通う学園でもある。
アランの実力はなんとこの学園でもトップレベル。しかも聖裝士でありながら学園で一度も聖裝能力はおろか聖裝具すら使ったことがないという学園一の異端者。
これはそんなアラン・アートノルトと彼の仲間達が送る、とある青春の物語─────折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 02:04:29
141587文字
会話率:44%
とある剣と魔法と中華風世界のゲームのヒロインに転生してしまった主人公。
だが彼は血を見るのが大の苦手なひ弱少年だった!
正体を隠すため仮面を被って剣を振るい、慈悲深き仮面の剣豪と後に称されるのだが、実は血を見るのが嫌でトドメを刺せないだけな
のを敵にも情けをかける慈悲深い剣豪と言われているだけだった!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 00:00:00
735811文字
会話率:44%
中世ヨーロッパに似た世界にレオンハルト=イエーガーと言う男が居た。男は辺境貧乏男爵の三男だ。
戦闘能力を現す身体強化レベルが兄姉に比べ、とっても低いので、イエーガー家のミソッカスと言われている。
故郷を襲った災害により入学を取りやめられたレ
オンは、二人の獣人の少女をお供に自分の力で学校に行ってビッグになろうと故郷を飛び出た。
何かと寄ってくる姫達、彼と彼の家族を襲う陰謀や災難を乗り越えて、彼はビッグになれるのか。乞うご期待。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 00:00:00
912152文字
会話率:45%
私、網谷(あみたに)駿輔(しゅんすけ)。
誕生日も迎えて18歳になった広島市出身の男子高校生。
私が通っているのは、野球部の強豪校広陵高校。
野球部の所属の投手でドラフト1位も決まっている。
勿論… 球団は地元広島カープ。背番号は18
(エース番号)
家の隣に住んでいる女教師。
彼女の名前は… 佐藤(さとう)夏葉(なつは) 28歳。
彼女は生徒から鬼教師と言われている。
とある日の木曜日の夜に…
私駿輔は自宅で夏葉に告白(プロポーズ)をするのである。
私と先生との恋愛時間についての物語だ。
30分だったり1時間だったり… 時間はバラバラだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 22:00:00
65685文字
会話率:38%
ごく普通の高校生・**相馬悠真(そうま ゆうま)**は、県立・蒼星(そうせい)高校の男子テニス部のエース。しかし、実は過去のトラウマから試合では実力を発揮できず、周囲からは「期待外れ」と言われている。
ある日、彼の通う学校に突如、転校して
きたのは…
なんと、国民的アイドルグループ「ルミナス☆スターズ」のセンター・朝比奈ひかり(あさひな ひかり)!
彼女は「普通の高校生活を送りたい」と芸能活動を一時休止し、身分を隠して転校してきた。
ところが、ひょんなことから悠真の秘密練習を目撃してしまい、興味を持つように。
さらに、偶然にもひかりはテニス部のマネージャーに就任!
次第に近づいていく2人。だけどひかりの正体がバレれば、学校中が大騒ぎに…。
しかも、ひかりの復帰を望む芸能事務所、彼女に好意を寄せる他校のテニスエース、
そして悠真に恋心を抱く幼なじみのマネージャー・月城はるかも絡んで、三角関係ならぬ“四角関係”に発展…!?
果たして悠真は心の壁を越えて「真のエース」となれるのか?
ひかりとの恋の行方は――?
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-30 20:00:00
36684文字
会話率:32%
成人の祝福。
人族が16歳の誕生日に職業とスキルを得る事が、そう呼ばれる。
その得られる職業とスキルは、本人の素質、努力、神の気まぐれで決まると言われている。
そして、その得た職業とスキルで、その後の人生は大きく変わってしまう。
だが、それを打破する事も世界の理には有る。
それは、世界に勇気を示す事。
だけど、そのハードルが高すぎて、強くなれない人族。
そんな異世界に、神らしき存在が裏技を使う事によりチート職業勇者職を与えた者が居る。
そして、その神らしき存在に、勇者だとバレルと権力者に抱きかかえられ、強い力の影響の及ぶ範囲が狭くなるので、出来るだけ隠れてと指示された。
なので、主人公は同じパーティの友人にも嘘をつくことに。
隠れ勇者イサムは、今日も偽り・嘘をつき続けます。
残酷な描写があり、嫌な性格の人達も出て来るので、そう言うのが苦手な人は避けた方が良い作品です。
お題をもらって書くのも良いかも、と急遽描いた作品です。
推敲は不十分で、プロットは他作品からの流用で不十分なのですが、期間制限があるので、とりあえず投稿してみます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 21:35:57
834050文字
会話率:16%
噂では、わがままで贅沢三昧、家を潰したとまで言われている少女が──
「辺境伯の花嫁」として押しつけられました。
無骨で冷酷と恐れられるライオネル閣下は、そんな彼女を“毎日観察”することに。
ところが現れたのは、ちょっと背が小さくて、警戒
心が強くて、でも……なんだか放っておけない少女で──?
「あの噂、本当なのか?」
噂の真偽を確かめるため、今日もライオネル閣下は、少女を観察する──!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 21:30:00
55017文字
会話率:23%
「人工異世界を創生し、その世界へ死者を転生させて主人公に異世界ライフを提供する」
そんな前代未聞のビジネスを行っている協会が存在した。
その名は転生協会。この世に数多ある異世界の内の一つ――『アルカナ・ヘヴン』にその協会は存在している。
天賀谷司の初異世界運用から四ヶ月の時が流れ、彼は協会に正式加入していた。
ある日のこと。司はユエル、琴葉、マキナと一緒に正式加入を祝ったパーティーを満喫していた。
そんな中で司は琴葉とマキナに、今後自分とユエルはタッグを組み、『ダブルラスボス』として『異世界運用評価対決』を行う事を明らかにする。
略称『評価対決』で知られるそれは、同日より二つ以上の異世界運用を開始し、演技やストーリーの良さなどを審査員に点数化してもらう事で競い合うものとなっている。
司とユエルの対戦相手は、ダブルラスボス役としては協会内で最強と言われている二人組――手錠双璧『ムイ&ロア』であった。
いきなりの大物を相手にする事になった司とユエルであったが、どうやら今回の評価対決開催には何か『別目的』が存在しているようだ……
果たして此度の評価対決開催の真の目的は何なのか。
そして司とユエルはムイ&ロアに勝てるのか。
一介のラスボス役に過ぎない少年少女が、あらゆる異世界、人工異世界を舞台に、様々な事件、強敵に立ち向かう!
無数に存在する異世界を巡るバトルファンタジー第二章『手錠双璧』編、ここに開幕!
※当作品は『ラスボス役の異世界奇譚』の第二章となります。第一章をまだ読んでいない方は、先にそちらを読む事を推奨します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 21:13:06
256960文字
会話率:48%
ヴェラ25歳、まあまあの容姿。両親も夫もいないが、持ち家と美人の妹はいる。エスカテル村では行き遅れと言われているけれど、気にしない。結婚を仲介する「仲人」のビジネスで忙しいのだ。ある日、王妃直々にアラスター王子の花嫁探しを任される。王太子に
ふさわしい花嫁を探すのは至難のわざ。アラスターは花嫁の鼻がデカい、とか音痴とか、どうでもいい理由で花嫁候補を追い払ってしまうのだ。いけ好かない男。しかも王子はヴェラの幼なじみで、遠い昔には小さな恋人同士だった。そんな王子にまでヴェラは「あれでは一生結婚できないだろう」などと言われてしまうのだが……。ヴェラは縁組みの依頼人やアラスター王子に振り回され、奮闘する日々。そして彼女のロマンスは……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 21:02:34
41275文字
会話率:31%
うちの子爵家はかなり変わっている。ただの地方の貧乏子爵家のはずなのに…。
兄も姉達も普通じゃない。5人兄妹の末っ子が学院デビューする。
社交界では最後の妖精だと注目の的だが、気付かないのは箱入り子爵令嬢のリリベルだけ。両親には普通でいいから
ねと言われているが、従来の、のんびりした性格が、自分にも兄妹達のように何かが降りかかるなんて欠片も思っていなかった。そもそも同学年で同じクラスに第三王子殿下がいた時点で、それに気付くべきだった。リリベルと彼女を取り巻く思惑タップリのおかしな人々が織りなす恋愛コメディです。「水色のベルと緑色のベル」に出てくる子爵家の末っ子のお話です。ぜひ合わせてご覧下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 19:06:54
70379文字
会話率:19%
魔法はあるけど、英語やプログラミングみたいなあったら便利な技能扱い、妖怪もいるけど、以前より弱々しく、正体不明の怪異ばかりが広まった現代日本。魔女や狩人、普通の人たちが豆だぬきや小さなおじさんと暮らしています。
『やつか町はなんの変哲もな
い地方の町である。おとなりのななほし町のほうがちょっと栄えていて、やつか町はどちらかというと山寄りで田舎だ。ただ、300年ほど前、やつか町の南側が海になった関係で、ほかの土地より怪異が多いと言われている。』(第2話より)
主に怪異コメディ。忘れた頃にホラー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 18:10:00
358249文字
会話率:34%
ここは緑に満ちた星、ウッドスカイ星。馬のいななき、鳥のさえずりがあちこちから聞こえてくる美しい星。しかし今は昔の姿とは真逆と言えてしまうほどに姿を変えた。かかったら100%死ぬと言われているウイルスが星中に蔓延したのだ。
私はこの星の住人。
でも普通の人とは何かが違う。私は…私達たったの三人だけは傷ついた人を回復できる力を持っている。それがあるが故に私達は狙われることに。
私達は一体どこへいくのだろう………折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 18:02:03
266840文字
会話率:35%
神様にいっぱい希望を出したら意思疎通のズレから竜人になりました。
異世界を救ってほしい。
そんな神様からのお願いは異世界に行った時点でクリア⁉
異世界を救ったお礼に好きなように転生させてくれるっていうからお酒を飲みながらいろいろ希望を
出した。
転生しても人がいい……そんな希望を出したのに生まれてみたら頭に角がありますけど?
人がいいって言ったのに。
竜人族?
竜人族も人だって確かにそうだけど人間以外に人と言われている種族がいるなんて聞いてないよ!
それ以外はおおよそ希望通りだけど……
転生する世界の神様には旅をしてくれって言われるし。
まあ自由に世界を見て回ることは夢だったからそうしますか。
もう世界は救ったからあとはのんびり第二の人生を生きます。
竜人に転生したリュードが行く、のんびり異世界記ここに始まれり。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 18:00:00
1177464文字
会話率:26%
神様にいっぱい希望を出したら意思疎通のズレから竜人になりました。
異世界を救ってほしい。
そんな神様からのお願いは異世界に言った時点でクリア⁉
異世界を救ったお礼に好きなように転生させてくれるっていうからお酒を飲みながらいろいろ希望を
出した。
転生しても人がいい……そんな希望を出したのに生まれてみたら頭に角がありますけど?
人がいいって言ったのに。
竜人族?
竜人族も人だって確かにそうだけど人間以外に人と言われている種族がいるなんて聞いてないよ!
それ以外はおおよそ希望通りだけど……
もう世界は救ったからあとはのんびり第二の人生を生きます。
竜人に転生したリュードが行く、のんびり異世界記ここに始まれり。
あらすじ
たまたま交通事故で無くなり魂の強さを見込まれ魔力を異世界に運ぶことを頼まれた主人公。
異世界を救ってほしい。神様にそう頼まれて異世界に行くことを決断した。
異世界に行くだけでいい。それだけで異世界はもう救われたのだ。
向こうの世界の神様に会い、お礼に提案されたのは転生。
神様の都合もありつつ記憶を持ったまま、好きなように転生できることになったのである。
悩みに悩んで、それを見かねた神様がお酒を持ってきた。
美味しくて、慣れないお酒に酔っ払い、好き勝手に口を出た転生の希望。
気づけば神様はいなくて、呼び出されたと思ったらサラリともう転生。
次の瞬間には赤ちゃんになっていた。
しかし転生したのはただの人ではなかった。魔物とかじゃなく人に生まれ変わりたい。そんな希望を出したのだが実はこの世界、人とつく種族が多くいたのだ。
神様が聞いた希望は単に”人”
人であれば何でもいいと解釈されてしまい転生したのだが転生したのは人は人でも竜人だった!
ただまあ他には大体希望通りだし、可愛い幼馴染もいる。
異世界も救い終わっている。
不満なことはないんじゃないか?
じゃあのんびりと生きようか、冒険でもしながら
竜人族のリュードが行く、ドキドキハラハラの大冒険?が始まる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-20 21:20:57
1301499文字
会話率:23%
ある日、魔王と聖女が入れかわる⁉
名前に他意はありません。本当です。
「本当に、股を打ったら痛いのか、実験してみましょう」
聖女は燭台を片手に鏡をのぞき込んで、そう言った。
鏡の中には、魔王の姿がある。
「とりあえず、男の姿にな
ったのなら、気になっていたことを確かめないとね」
教国の聖女は、どうやら悪女らしい、と言われている。
きらびやかな衣装を着て、贅沢な食事を好み、聖なる力は大金を払われねば使わないのだとか。
帝国の皇帝は、どうやら魔王らしい、と言われている。
在位はすでに三百年をこえ、あやしの力を使い、諸国を支配下におさめているのだとか。
彼らの、本当の姿は。
そっち⁉
どっち⁉
※名前に意味はありません。他意もありません。本当です。
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事物とは一切関係ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 18:00:00
69763文字
会話率:31%
第一部全文掲載。以降分割版を毎週更新します。
私の心臓は、私の胸と同じ痣を右手に持つ勇者が取り出し、魔王討伐の際に絶対に必要になると言われている剣、聖剣だ。数多の戦いを繰り広げて、聖剣を用い、勇者ヘリオスは魔王を打ち滅ぼした。私は魔王が滅ん
だ際に、魔王の居城の崩壊に巻き込まれて、目を覚ましたら、なんと死んだ事にされていた! 聖剣の鞘という事で、勇者ヘリオスと婚約関係にあったけれども、彼の仲間の女性たちの嫉妬でほとほと嫌になっていた私は、死んだ事になったのを幸いと、隠れてこそこそ生きる事にしたのだが……運命はそれを許さなかったのだ!! 私は偶然から、処刑される魔王のしもべと偽りの友情関係を結ぶ事になり……?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 17:00:00
341360文字
会話率:42%
遙かな昔、この国には人より秀でた力を持つ妖族よりもさらに特別な力を持つ、救決族という一族が存在した。妖族すら一目置く彼等だったが、長年の人間との混血により、その力を失い、今では絶滅したとされている一族だ。そしてその血を引き、妖族ほどでは無い
が特別な力を持つ少女達を、この国では特別扱いし、特別な女学校に入学させている。その中でもひときわ特別な癒やしの力を持つと言われているのが、常磐麗珠。常盤の名に恥じない緑の黒髪を持った絶世の美少女であり、誰よりも癒やしの力を持つ彼女を、女学校では比売と呼び、素晴らしい縁組みが期待されているだろうと羨望の視線を向けている。そんな彼女にはあまり頭の回転が早くない双子の妹がいる。それが常磐涙珠だ。麗珠が癒やしの力を使うために出かける際にはいつも側仕えとして伴われ、彼女の素晴らしい力を間近で見ているのにも関わらず、同じ両親を持つのに才能を開花させぬと馬鹿にされている娘でもある。そんな麗珠に女学校からの複数の縁談が舞い込んだ。一人は妖族の中でも指折りの名門の家である、獅子牡丹家の若君、獅子牡丹紅刃。もう一人は……妖族の名門の家の生まれでありながらも、気が狂ったと言われてさげすまされている青年、黒金鯱玄武。どちらの縁談も癒やしの力を持つ麗珠の方が欲しいという縁談であったのだが……麗珠はきらびやかな獅子牡丹家に嫁ぐ事を選び、黒金鯱家の縁談を断った。すると黒金鯱家は役立たずの涙珠の方でも良いといい、結納金に目がくらんだ常磐家の人々は、涙珠を嫁がせる事に決めたのであった。嫁入り先が見つかっただけでもまあまあ幸運だと割り切った涙珠を待っていたのは、隔離された屋敷と、そこで孤独に苦しむ青年だったのだ……
と言うありふれた話を家具付風に書いてみたくなった見切り発車のお話がスタートします!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-16 20:18:41
21125文字
会話率:36%
以前揚げたものを手直ししつつ再投稿します!!
私の種族はブラウニー。家の事なら何でもござれな妖精で、私はなんと五回もブラウニー実技試験を受け、あらゆる家事を行う事が出来る資格を持ったブラウニーである。
この実技教習を受ける事が出来るのは、お
洋服をもらった時で、私は働いていた五件のお家から、お礼としてお洋服をもらったため、五回も実技試験を受ける事が出来たのだ。
こんな私が、新しく務める所にしたのは、とある王国の少し小さな、都外れのお屋敷で、そこでは四人の女の人が暮らしていた。女主人の人、上のお嬢様ふたり、下のお嬢様。
私はよく分からないのだが、下のお嬢様は血のつながりがないらしい。そしてなにかと家の事をするように言われているが、それは私の仕事なので、だいたいの仕事はこっそり先にやってしまっている。だから下のお嬢様のエラさんがする事と言ったら、お料理のお手伝い位だ。
私は毎日、料理人の人が、物陰に置いているパンとかスープとかをもらって、楽しい毎日を過ごしているのだが、ある時、近くの森が上位貴族様の狩猟場という事で、お屋敷にやって来るという事態になってしまった。
私は出来る限り、見つからないように手伝っていたのだが、なんと天候不順で、王子様の滞在中に、お屋敷と外をつなぐ橋が落ちてしまった!
大丈夫、私はブラウニー! ブラウニー実技試験を五回も突破し、家事も狩猟も何でもできるハイパーブラウニーなのだ! このピンチも乗り切ってやるぜぃ!
……あれ、王子様が帰ったあとに、来た招待状、三枚じゃなくて四枚なのはどうして……?
私、いびられている継子じゃないよ!!!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-06 17:00:00
126803文字
会話率:39%
「君を愛することはない」
帝国魔術師団長であるキルシュ・ウェル・インハート伯爵に初夜にそう告げられたハレア。
赤い瞳とは裏腹に雪のように冷たいと世間では言われている魔術師団長、キルシュ。ハレアは結婚前、彼の前評判を聞いていても、結局は溺愛
されるようになると信じていた。
何故、そう思ったのか。それは恋愛創作物において初手で冷たい男は結局女の愛に絆されて溺愛するからである。
でも、この男ちょっと変。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 16:10:00
60188文字
会話率:57%
世界で最も攻略が難しいと言われているVRゲーム、『九皇の思惑』。そのゲームは、配信から三年経った今でも、未だにクリア者は確認されていなかった。
そんなゲームに、数々の難関ゲームをクリアしてきた、ゲーム界の女王、水口 輝夜と、輝夜の友人で
、彼女の背中を追い続ける佐藤 遥がタッグを組んで挑む!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 13:01:06
17213文字
会話率:50%
【猫妖精ケットシーと共に、7歳の元伯爵令嬢がひたむきにお仕事頑張るお話!】
7歳の転生伯爵令嬢シルフィは義理の母親に、奥に行けば決して出ることは叶わず、人を喰らう恐ろしい魔物の巣窟だと言われている“魔の森”に連れて行かれ、殺されそうになる
。
しかし、エルフの王である妖精王オベロンに助けられ、義理の母親は制裁を受ける。
シルフィは人間の国には帰らず、オベロンと共に妖精の国に行くことを決意。
自分を受け入れてくれた世界樹の意思やオベロン、そして温かい世界に恩返しをすべく、転生の時に授かっていたクラフトのスキルを駆使して国のために、世界のために魔導具を開発する。
そして魔導具屋を開き、ほのぼのとした異世界生活を満喫するのであった。
【カクヨムでも連載中。アルファポリスには掲載予定】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 12:00:00
89538文字
会話率:56%
迷宮ーー。それはある時突然この世界に現れ、それ以降様々な場所に生まれてその数を増やしてきたと言われている。迷宮内は平原や森林、海、空など多種多様な環境にあふれており、その規模も千差万別である。
当初迷宮がこの世に現れた時、現れた国の対応
はそれぞれ異なっていた。出現により村が一つ消えたことから周囲一帯を封鎖し立ち入りを禁止したり、不審なものとして入り口を封鎖したりとさまざまであった。なかには静観した結果迷宮から魔物が溢れ、周囲の村や街を飲み込んだ結果制圧できた頃には地図から県が消えたと言われている。
一方で、果敢にも内部へ調査隊を派遣した国もあった。その国も初めのうちは少数精鋭で調査隊を送り込んだものの、一カ月が経過しようとも誰一人として帰ってこなかった。しかし、ある時調査隊の一部が帰還に成功したことで内部の様子が判明した。その結果、迷宮内には大きな危険が存在するが、それ以上に資源や未知のモノに溢れていることが判明した。
それ以降、各国はこぞって迷宮探索に乗り出し、時には多大な犠牲を払いながら、時には危険を持ち帰りながらも探索を進めて行った。
その結果、得られた資源や迷宮内の魔術理論の解析などから急速に武器や魔術が発展し、安全性が向上するに連れさらに大きな成果を持ち帰るようになった。
現在においては迷宮内の探索を専門に行う職業である探索者は当たり前のものとなっている。
しかし、今回記して行くのは現在の迷宮探索の様子ではなく迷宮が出現した初期、いわゆる黎明期と言われる時代のことである。
様々な冒険譚や探索にまつわる手記などを読まれた各人に取っては当時の人々の行動や決心は愚かしく感じる部分も多々あると思われる。しかし、これは紛れもなく当時未知の領域に文字通り生命を賭けて挑んだ人々の物語である。その何かが読者諸氏に響くものが有ればこの話を纏めた甲斐があると思う。
ーー序文より抜粋折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 22:11:56
461913文字
会話率:38%