この短編は、架空の王国とその周辺地域を舞台に、王権を覆す革命計画に参加する青年が、王政側に捕えられ、拷問を受ける物語です。「残酷シーン有り」と判断し、R15としましたが、最も残酷な拷問は、実際には行われません。責める役人が、脅し文句として語
るだけです(聞くだけでもゾッとしますが…)。
青年が受ける暴力と拷問、身体へのダメージを詳しく描いていますが、「残酷」だけの小説ではありません。苦痛と恐怖、絶望にさいなまれながら葛藤する青年の心情を丁寧に描きました。それでも故郷のため、仲間のために耐え忍び、極限状態の中でも機転をきかせて目的を達成しようとする強さと健気さ、そして、折れそうな心の本音と、父親の前で見せる子どもらしさに触れ、あなたもきっと この15歳の青年を愛おしいと感じることでしょう。
愛情あふれる父親と交わされる親子の情、思い・思われる仲間との強い繋がりが、悲劇の中にも温かく浮かび上がり、泣けます! 筆者自身も、毎日推敲し、声に出して読み返しながら、何度でも、何度でも、心地良い涙を流しております。
そして最後には救いも…、希望も…???
…きっと少しだけ明るい気持ちで読み終えていただけると思います。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-04 23:15:54
20786文字
会話率:36%
「ココは……何処だ?」
大潮と暴風雨によって島の峡谷に挟まる様に座礁する船。その中で目覚めた男は船から一歩出て絶句する。
「何でじゃ? 船は……確かに沈んだ筈……」
だが目の前には……薄く噴煙がたなびく低い山がそびえ、自分の足元
には……確かに沈んだ筈の……“自らが沈めた筈の”船が在った。
男はその場にへたり込む……
「何故じゃ?? 何故、儂は生きておる?? 日の本から出奔する時……神仏に加護は無用と誓した筈じゃぞ!!!」
娘を助ける為に……他の全てを捨てる……そう誓った。帰る場所も、先祖から賜った名も、“虐げられる民を助けん!”と誓った仲間も……
方々が裂けた甲板の上で一時座り込んだ男は、神仏の無情を嘆いたが……誰も自分を罰してはくれない事を悟った後、仕方なく立ち上がった。
そして……それから数年、自分が居るのが激しい海流と暗礁に囲まれた小さな島である事を知った。
全てを捨てた男は偶然島に行き着いた娘を助け……二度と関わるつもりの無かった人の世に再び現れる。そこには……自分の知る者達とは違う……しかし同じ様に虐げられた民の姿があった。
男は新たに誓う……一丁の村田銃を背負い、今度こそ革命と開放の嵐に飛び込む事を……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-02 15:08:39
17674文字
会話率:54%
暴虐を尽くす国を憂い、虐げられる民の命を憂い
反旗を翻した男は国の強大な力の前に敗れた
自分を信じ付き従った部下たちが
傷つき疲れ果て、血に塗れた姿で倒れ
長らえたところで、と希望も見いだせずに森を彷徨う。
その夜、彼は滝を昇る光り輝く
竜を見た。
それは己に終わりをもたらす希望にも見えた。
「残酷な描写あり」の表示は、本作のごく一部でそれらしい表現があり、念のためにつけているものです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-14 07:00:00
7746文字
会話率:15%
強力な魔力を持つ森の精霊ヴェルデに魔の森で育てられたラナはプロフォンドである。
プロフォンド————赤い瞳をしているだけで、虐げられる民。
そんなプロフォンドの忌まわしい慣習を断ち切る為、ラナは森を出て地下組織に所属する。組織の敵はレ
ヴェッロート公爵。……ラナの母に執着した、最強の男だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-10 17:37:15
80279文字
会話率:42%
生まれつき呪いにかかっている青年アステールは、いつか王族を殺し、虐げられる民草を護れるようにと、血を吐き汗を流し強くなった。そんな彼はある日、魔物の大軍に遭遇し、それに追われる傷だらけの青年に会う。青年は言った。「オレはこの国の王子……の
影武者。恥を忍んであんたに頼みたいことがある」。――王子を救ってほしい。哀れな民草の青年と、憎むべき王族を、救うか、見捨てるか。葛藤を続ける彼は、青年と共に旅に出て、仲間と心を通わせ、その中で自分の本当の定めを知ることになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-29 14:53:52
11650文字
会話率:32%