「ただいまー!」
「あら、いらっしゃーい。どうぞ、上がってぇー」
「っす……」
――ついにこの日が来たか、いや、来てしまったか……。
とある一軒家の居間で、耳をそばだてる父親はため息をついた。
今日は、娘が結婚相手を連れてくる
日なのだ。いや、結婚するかどうかはまだ決まっていない。こちらが認めるかどうかにかかっている……。と、胡坐をかいている父親は膝を手で押さえるが、貧乏ゆすりは止まらない。
……ああ、わかっている。結婚することはすでに決まったようなものだ。結局、親がどうこう言っても結婚するか否かは二人が決めること。これはただの通過儀礼。そもそも、なかなかに頑固な娘だ。この人に決めたと言えばもう、それは動かない。おまけに一人娘ということで、可愛くてしょうがない。「お願い」と言われれば、こちらの意に反して、この口はポロッと「いいよ」と言ってしまうだろう。
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最終更新:2024-07-28 11:00:00
2925文字
会話率:94%
モノラル音源を流すときでも、スピーカーは左右のふたつ。
最終更新:2023-05-02 07:00:00
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元ナンパ師の営業マンが、一人で入ったファミレスで、隣のテーブルについた同性愛者たち(仮)の会話に耳をそばだてる。気楽なショートショートです
最終更新:2016-06-10 08:36:20
5885文字
会話率:25%